【 質問 】
雑誌とかネット記事で、バイクを立てた状態でフロントフォークのキャップを開けて、中のエアを抜くと良いと書いてありますが、実際はどうでしょうか。
意見かアドバイスをもらえると助かります。
【 回答 】
フロントフォークの調整・セッティングの事で質問をくださり、誠にありがとうございます。
フロントフォークの調整・セッティングは、手で直接感じられる部品ですから、ライダーにとってとても大切な調整になります。 実際、私も 1980年代頃は、車体を直立させた状態で、フロントフォーク内のエアを抜いて、大気圧と同じにする調整を多用していたので、その利点はよく分かります。 フロントサスペンションの初動が優しくなり、操縦性が高くなり、キビキビ感も増した様に感じる調整です。
ですから、そういう目的と合っていれば、車体を自立させた状態(1G時状態)でも、ライダーが乗車した状態(1G' 時状態)でも有効な調整です。
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ただ、同時に幾つか注意点も書き添えます。
1. フロントフォーク内エア圧は、走行数キロ程度で上昇します。
恐らくフォークオイルが、フォークの伸縮作動時に霧化を起こして
体積変化が生じ、エア圧の上昇という現象になっていると推測されます。
2. 仮に、霧化によるエア圧上昇状態のままエア抜きをした場合、時間経過で
液化した時には大気圧以下になる可能性があります
以上の現象から、調整・セッティングは、条件設定などを考慮して絞り込んでおかないと、常に同じ変更にはなりません。 また、現行車両の場合、1980年代車の様にトップキャップにエアバルブ装着はなく、上ヨーク(トップブリッジ)のフォーク固定ボルトを緩めてから行なう必要があるなど、手間がかかる他に、固定ボルトの締付けによる微妙なセット変更が発生する恐れもある事を考慮する必要があります。
以上、簡単ですが、フロントフォーク内のエア圧調整について、アドバイスとさせてください。
また、不明な点や確認したい事がありましたら、是非、またご連絡ください。
セミナー & クリニック 担当 : 小林 裕之