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新型コロナウイルス、国別・人口あたり新規感染者数(4月21日現在) / List of COVID-19 cases per population by country, as of April 21

2021-04-23 21:29:22 | COVID-19 世界状況

世界各国の感染状況は、人口あたりの新規感染者数【感染密度】で比較しなければ、その被害の深刻さの違いは見えません。【感染密度】は、人口1億人あたり日別・新規感染者数を一覧表で示し、深刻度が高くなっている程に欄を濃い色で塗り分けています。
   
世界全体での一日あたりの新規感染者数は、2月以降は拡大が続き、特に最近は 一週間毎に 約 10万人/日 づつ増え続けています。が、この感染者の増大の一番の原因はインドです。人口 約 13億人の国のため、感染が広まれば確実に多くの感染者が生まれる事になるからです。ただ、人々の不安度や医療負担度に直結する【感染密度】で見れば、インドの【感染密度】は フランスの 1/2 以下、トルコの 1/3 程度である事は忘れてはいけません。
     
ここでは、この【感染密度】で世界各国・地域の傾向を推察していきますが、日本の【感染密度】はパブが解禁になった英国並み、厳しい行動規制策が続くフランスの1/10程度にも関わらず、既に医療体制が間に合わなくなっている現状を見る限り、欧米諸国より限界が低く、低い限界を見極めて早目早目の PCR検査体制の充実、或いは人口密集地域に絞って 下水PCR検査を行なう事が必要だと思うのですが ・・・。 他国の様に不満から暴動を起こす国民性でない事に甘えきって、無用に人の命を奪っているとも言えるかも知れません。
   
なお、記載している国順は、A表では主要な国を、その他 B~H表にはラフですが地域別に分けています。また、情報出典元の OCHA とは「国際連合人道問題調査事務所」の事です。

New infection case per popuration by country and day

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【 欧州 】

ここでは、西欧から東欧、バルカン半島諸国まで範囲の国の傾向を見ますが、ここ 3週間、ほぼ同じ傾向で推移しています。
国民人口あたりのワクチン接種回数で上位につける英国とアイルランドが抑制に成功して、一時は抑制成功国とも言われたドイツを含めて、“変異株” の感染力の高さから一様に高い【感染密度】が続いています。
その多くの国の【感染密度】は 20,000 ~ 40,000 の範囲で推移しており、昨年、米国で最も感染が急拡大した頃の【感染密度】と同程度の国が多くある事になり、数値的には安定しているとは言っても深刻さは高いと言えます。
そんな国々と較べて抑制できている国と言えば、日毎の数値がよく管理されているロシアを除き、ポルトガルと北欧のフィンランドとノルウェー、バルト三国の内ではエストニアなどに限られています。
最も【感染密度】が高い地域は、クロアチアとセルビア、ボスニア ヘルツゴビナ などバルカン半島諸国の国々で、世界から注目されていない分だけ余計に心配です。

 

【 中東 】

ここでは、人口あたりのワクチン接種数で他国に大きく差をつけた最多国のイスラエルと、それに続いてUAEがついていますが、その結果には大きな差がついています。また、その他の国々での【感染密度】では大きな変化はなく、深刻な状況の国が多い地域です。
イスラエルの現在の【感染密度】は3月初旬の日本と同レベルにまで抑制され、他国に先んじてワクチン確保と接種を団結して行なった成果に見えます。が、同時期に数多くのワクチン接種を進めたUAEは、イスラエルとはワクチン銘柄が違う為なのか、接種割合と較べて効果がなかなか出ていなかったのですが、2週間前から徐々に抑制方向へと進んではいます。
そのUAEと好対照なのは 隣国の バーレーンやクウェート、カタールの国々で、特に バーレーンは【感染密度】が 60,000 を超える世界最悪レベルです。 それ以上に 70,000 を超える【感染密度】を記録しているトルコは深刻な状況に陥っている事は明らかですが、メディア統制の効果が出ているのか、世界は殆ど注目していない状況です。
そして、イスラエルの管理体制下にあるパレスチナは 40,000近い【感染密度】で、置かれた状況を考えれば国際支援も届き難く、世界は注目すべき国です。

 

【 北米 】

米国とカナダの両国は、ワクチン接種と感染抑制の難しさを表している典型例そのものです。米国は新大統領の公約通りに積極的な接種を展開させ、一か月前には抑制に成功して更に進むかと思われていました。が、3月下旬頃から、“変異株” による影響か、新規感染者数が増え始めて 20,000 レベルが続いています。
そして、同時期に感染が拡大し始めたカナダは、米国と同程度の【感染密度】という同国にとっては最も深刻な数値になっています。

 

【 中南米 】

米国との国境にある壁が強力なのか、メキシコを始めとする中米各国は、どの国も北米での様子とは一転して、メキシコなど中米諸国は、キューバなどの諸島国を含めて、比較的感染を抑制した状態が続いています。
ただ、パナマを過ぎて南米になると様相が一変します。ブラジルを始めとして隣国のパラグアイやペルー、チリなどの国は 20,000 を超える【感染密度】が続き、特にアルゼンチンやウルグアイでは 50,000 を超える【感染密度】が続き世界で最も注意すべき国になっています。

 

【 アジア・大洋州 】

この地域で最も注目されている国はインドです。それも、単に新規感染者数や一部の医療体制に的を絞ったメディアによってイメージが作られていますが、それは正しい見方とは言えません。欧米各国の「インドは遅れた国」的なバイアスと独特の宗教観から正しく捉えられていませんが、インドの【感染密度】は高くなってきましたが未だにフランスの半分以下です。その上、ジェネリック医薬品の生産国として世界で最も多くの実績を持っており、新型コロナウイルス用ワクチンの受託生産においても他国が羨む程に多くを生産している国です。

13億人を超える国の為、新規感染者数の変動幅は大きく表われますが、それが国民の不安や医療体制の深刻度そのものではなく、何よりもその数が世界全体に影響を与える性質ではないので、新規感染者数だけで不安をあおる報道には注意すべきです。

インド以上に注意を払うべき国はモンゴルです。3月中旬以降、それまで安定していた【感染密度】が急に増え始めて、今では 30,000 を超える日が続く様になる程、アジア地域では最も感染が深刻な国になっています。
モンゴルで増加が始まった時期と同じくして、ネパールやブータン でも感染拡大が見られ、同様に フィリピンでも拡大を許しています。この拡大の傾向から見て、“変異株” による影響だと推察されます。
一方、オーストラリアとニュージーランドは完全に安定抑制に成功して、【感染密度】は 100以下の二けたになり、両国間では検査無しで一定条件下での人の往来が可能になった程です。

 

【 アフリカ 】

以前から数多くの感染症で悩まされ続けたアフリカ諸国ですから、世界各国もアフリカでの感染拡大を懸念していましたが、殆どの国で感染の拡大は抑えられています。




なお、記載している国順は、A表では主要な国を、その他 B~H表にはラフですが地域別に分けています。また、情報出典元の OCHA とは「国際連合人道問題調査事務所」( https://www.unocha.org/ )の事です。

 

Source:#OCHA ( https://www.unocha.org/ )
#COVID19


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