世界各国の感染状況は、人口あたりの新規感染者数【感染密度】で比較しなければ、その被害の深刻さの判断は出来ません。【感染密度】は、人口1億人あたり日別・新規感染者数を一覧表で示し、深刻度が高くなっている程に欄を濃い色で塗り分けています。
メディアは、人口 13億人を超えるインドでの新規感染者数や死者数に焦点を当て、インドが世界で最も感染被害の高い国と報道しています。しかし、人口あたりの新規感染者数【感染密度】を見れば、現在、世界で最も感染の恐れが高い環境に住み、医療機関も非常に深刻な状態にまで追い込まれている国々がある事が判ります。
それは、インド洋の島国・モルディブが世界最悪レベルが続き、それに続いて深刻な地域は 南米のウルグアイやアルゼンチン、そして西アジア(中東)のバーレーンやアフリカのカーボベルデです。
New infection case per popuration by country and day
【 欧州 / Europe 】
北欧のスウェーデンと北海三国・エストニア、ラトビア、リトアニア が高い【感染密度】のまま低下せず、同様に、オランダやアンドラ公国などを除けば、西欧から南欧、東欧そしてバルカン半島諸国まで、徐々に抑制が進んでいる事が顕著です。
例えば、フランスなどのEU各国では、新規感染者数や【感染密度】が示す状況は決して良くないまま、国民の移動や消費活動への制限を解除を進めている為、例えワクチン接種を積極的に進めているとは言え、新たな “ダブル変異株” などの影響によって悪化しないかが心配されます。
【 アフリカ / Africa 】
アフリカ諸国は、激動の欧州と比較すれば全く平和とも言える状況である事は【感染密度】を見れば一目瞭然です。
しかし、大西洋の諸島国・カーボベルデとインド洋の諸島国・セーシェルは心配な状況を示し続けています。人口は、それぞれに 約 50万人と約 10万人程ですが、【感染密度】は 50,000人/日・億人 超えと 100,000人/日・億人 を超える深刻さです。共に、島国という特徴が共通している他、元宗主国などからの観光客を受け入れる観光立国であり、比較的早期に旅行客受入れを始めた影響が大きいと推察され、それはインド洋の島国・モルディブで感染爆発している状況も同じだと思われます。
【 アジア / Asia 】
直近の 1~2週間の状況は、一部の地域や国々を除けば、全般的に感染抑制が進んでいる国や感染レベルを長期間低く抑えている国が殆どを占めるのがこのエリアの特徴です。
さて、インドを見てみると、メディアが最も注目しているインドは、約一か月前から【感染密度】が心配なレベルへと高まり、人口超大国の関係から、新規感染者数や死亡者数の多さでメディアが最も注目していますが、【感染密度】は深刻なレベルへと進まないで最近は抑制されつつあるのが判ります。
一方、世界最悪、最も深刻なレベルを示している国は、インド洋の諸島国・モルディブです。人口 約53万人の国なのに、連日 1100人を超える新規感染者を記録しており、日本に例えると連日 26万人を超える新規感染者数になる程で、【感染密度】は 200,000人/日・億人を超える状態が 1週間以上続いています。恐らく、観光立国政策で、海外からの観光客受入れを再開した影響と思われますが、人口100人あたり 80回を超える高いワクチン接種率を誇る国での感染爆発に充分な検証が必要です。
モルディブに続く深刻な【感染密度】を示す国は 西アジア(中東)のバーレーンです。同国は、UAEやカタール、クウェートなど近隣諸国と同様に、昨年中期から高い【感染密度】を記録し続けていましたが、最近になって 特にバーレーンだけが一気に危険な感染拡大をしており、金融立国の同国の何らかの政策の影響かと懸念されます。
更には、メディアでも報道されるネパールですが、インドと隣接している同国では、インドでの感染抑制は進んでいる状況が見えているのとは異なり、インド以上に高い【感染密度】を二週間近く記録し続けており、“ダブル変異株” の影響と併せて心配される状況です。
それらの国々以外を見れば、一時は感染の高まりで心配された大国・イランやトルコ、イラクなどの感染状況は抑制方向へと徐々に進み、同じく インドを遥かに上回る高い【感染密度】で心配されたモンゴルでも抑制が進んでいます。
ただ、インド洋の島国・スリランカや東南アジアの東ディモールやマレーシアでは、感染拡大が三週間以上続き、昨年12月にインドで発見して報告された “ダブル変異株”(インド変異株)の影響も含めて、それらの感染拡大の原因解明が必要です。
また、新規感染者数が過去最高になったとして、国民への行動規制を一気に始めた台湾ですが、【感染密度】を他国と比較して見る限りでは殆ど心配されるレベルではなく、オーストラリアなどと並んで厳正な感染防止策を大切にした国の特徴が表われています。
なお、隣国・イスラエルの【感染密度】との大きな違いと、高い【感染密度】が続いていた事から心配されたパレスチナですが、現在では【感染密度】は低くなっています。しかし、イスラエルとの紛争が始まった時期と重なり、感染者数が報告されない日々がある事などから、平常通りの検査体制が行なわれていない懸念があり、一層、心配な状況が続いている事も忘れてはいけません。
【 大洋州 / Oceania 】
この地域での盟主国たる オーソトラリア と ニュージーランドでは、長期間に亘り低く安定した【感染密度】を記録し続け、他の諸島国のすべても安心できる結果を記録し続けています。 世界の他地域の諸島国と較べれば、その人種的なオリジンなど、ウイルスに対する耐性などに何等かの差がある様に思えます。
【 北米 / Northern America 】
カナダと米国の両国ともに、一時の高い【感染密度】の時期を脱しつつあり、徐々に社会的な不安が無く、経済活動の再開に向けた準備を進めているのも頷ける【感染密度】です。が、それでも、日本よりずっと高い【感染密度】である事に変わりなく、やはり、ワクチン接種効果を織り込んだ社会活動政策に見えてもきます。
【 中米 / Central America、Caribbean 】
特に、コスタリカが高い【感染密度】を記録しています。これは、同国が観光立国政策で観光客を受け入れていると推察されますが、国民の健康や命が犠牲になる事が心配されます。同様に、トリニダード・トバゴなどの諸島国でも感染の拡大が確認され、コスタリカ同様に心配されます。
【 南米 / Southern America 】
南米の各国は、政治体制が独特なベネズエラを除けば、多くの国で高い【感染密度】を長期間に亘って記録し続けており、メディアが焦点を当てているインド以上に高い【感染密度】は、南米に世界は注目する必要がある事を教えています。
特に心配な国は、ブラジルと較べると報道される機会が格段に少ない、アルゼンチンやウルグアイ、パラグアイやコロンビアなどの国々です。どの国でもワクチン接種などの報道を目にした事が無く、状況が見えない中、ワクチン接種が一日でも早く進む事を願っています。
Source:#OCHA ( https://www.unocha.org/ )
#COVID19
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