『 新規感染者数と治療者数 』
2月中旬にピークに新規感染者数は減少を始め、全国各地に発出されていた感染防止対策の停止も発表され、全国的に一種の “安心感” と自由に行動できる事への期待感に溢れています。しかし、グラフが示す通り、今も昨年経験した感染拡大期とは較べられない程に多くの人が感染し続けていて、規制緩和によって感染機会が更に増える事は確実です。
欧州を始めとする世界各国でも、新規感染者数が充分に減少し切らない内に感染防止の為の規制を緩和させ、一時は減少していた新規感染者ですが、2週間前から一気に感染拡大を起こしています。
また、隣国の韓国で60万人を超える新規感染者を記録するなど、ベトナム、シンガポール、そしてニュージーランドでは、2~3週間前から感染爆発と言える急速な感染拡大によって過去最多の感染者を記録しています。原因は「オミクロン株の亜種・“BA.2” の強い感染力のため」とも言われており、日本でも対策が必要です。
『 重傷者数 と 死亡者数 』
政府担当者やメディアは「新規感染者数」や「病床稼働率」、「重傷者数」などを引き合いに出して、感染状況の把握説明や対策の必要性などを説明します。しかし、最も重要視すべきは死亡を防ぐ事ですから、「死亡者数」とその推移を確認する事です。
そして「死亡者数」は、グラフが示す通り、毎週の様に 1000名を超える人々が亡くなっており、それは過去に経験した悲惨な状況よりも多くの人が医療機関や自宅などで亡くなり続けている事で、決して静観して良い事でもありません。
また、このグラフの「重傷者数」を見れば分かりますが、重症の人が減った人数より遥かに多くの人が亡くなっていて、重症以外だった多くの人が亡くなっている事を示しています。メディアは、安易に「重傷者数は減っています」と報道しますが、その言葉を鵜呑みにして安心するのは間違いだと言えます。
『 今後について 』
パンデミック発生以降、“オミクロン株” の強い感染力の影響もあって、2022年初頭からの “第6波” の感染拡大で以前とは比較できない程に多くの人が感染しています。そして、重症と診断される事も無く亡くなっている多くの人々がいる事も確かです。
つまり、感染者を治療する為の医療機関の多くは、無症状や軽症の人を対象とせず、主に中等症から重症の人に対象を絞っていて、感染が確認されたにも関わらず充分な治療を受けられずに多くの人が亡くなっている事が示唆されます。その上、感染予防対策として有効な「濃厚接触者」の厳密な特定をやめる事が発表され、飲食店や大型イベントなどでの集客規制も緩和される中、私達一人ひとりは、以前よりも自ら感染しない事に注意する事が求められているのは間違いありません。
英国では、あのエリザベス女王の感染が発表されるなど 感染自体が珍しい事ではなくなり、日本でも既に 20人に1人は感染者または感染経験者となっています。
今後は、経済回復という目的を掲げた各国の規制緩和レースに熱が入って来ますが、どうか、重篤な既往症のある人や免疫系に心配のある人に限らず、例え元気で健康な人であっても、無症状のままで他の人々の健康や命を脅かす感染症への備えはしておきましょう。
出典 : 厚生労働省
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