先日、妖怪ガレージ・持ち込み企画に車両を持ち込んで整備を実施した方から質問が 3件 届きました。
内容は、当日使用した 専用工具やケミカルに関する事で、ご自身でも 必要な工具を揃えて整備を検討されている様子で嬉しい限りです。
http://gra-npo.org/lecture/bike/Q&A_Tool.1/tool.html
< 以下、一部転載 >
『 質問 1 』
ガレージで初めて見た名前の知らない工具が見つかりません。
ブレーキキャリパーのピストンを動かすのに使っていた、ペンチ?の様な工具の名前を教えてもらえないでしょうか?
『 回答 1 』
当日使用して、今回の質問にあった工具は「 キャリパーピストンツール 」とか「 ブレーキピストンプライヤー 」という名称で販売されている工具です。
大型のホームセンターでは販売されているのを見た事はありませんので、整備用工具販売店かネット通販で求められるのをお勧めします。なお、整備工具販売店としては、全国展開している アストロプロダクツ というお店が近隣にあると思いますので、一度確認に行かれるのをお勧めします。
Sさんの車両の場合は よく販売されている 2番の形式の工具がぴったりです。
※ この工具の目的と注意点
既に理解していらっしゃると思いますが、この工具を使用する目的は ブレーキキャリパーのピストンの汚損や腐食を防ぎ、ゴム製のシール類を破損から守り、ブレーキの効きを安定して正確に保つためで、この工具が登場したお蔭で整備がずっと楽になった程に優れモノです。
使い方は二通りあって、一つは ピストンを 3~5mmほど引き出してシールとの接触部の保守を可能にする事で、二つ目は ピストンを回転させてピストン裏側部の保守点検を確実に行なう事にあります。
ただ、車両によっては工具が使えない場合もありますのでご注意ください。
一般に広く販売されているのは 2番の形式ですが、ブレーキキャリパーのピストン配置が対向型(ディスクローターを挟んで両側にピストンが配置される)の車両には使えません。
というのも、対向ピストン型のキャリパーの場合、ディスクパッドを取り外した後でも対向するピストン同士の間隔は広くなく、2番の工具の形式のピストンを掴む先端部分が厚く、先端部をピストン内に挿入する事が出来ない事が多いからです。
かと言って、ピストンを一旦押し込んでからこの工具を使うとシールの破損に繋がるので、決して行なってはいけない本末転倒、破壊的作業になります。
そういう形式のピストンの整備を行なう場合、私は 1番の形式の 工具を使用しています。が、ピストンとの接触面が少なく、大きな握力が必要な事が ウィークポイントです。
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