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モラル・コラム用草稿文 ・ 『 デートドライブ 黒尾峠 』 (後編)

2019-01-18 23:52:53 | コラム・社会
先日依頼をしました、新コラム『 マナーより、ルールより、モラルを 』(仮称)用の文章・「 デートドライブ、黒尾峠での出来事」の 「前編」に対してご意見や指摘を下さった方々へ、この場を借りてお礼の気持ちを伝えます。

ありがとうございました。
どうぞ、今後共によろしくお願いします。

今回は、「 後編 」の草稿文章を公開しますので、改めて誤字や脱字、校正などの指摘をお願いします。


* * * 以下、「 後編 」 * * *


『 心なき者 』

誰でも好奇心はある。
特に、非日常的な出来事に対しては異常な程に興味が湧くものだ。
ただ、非日常的な場面に面した時にこそ“人間性”が見えてくる。

野次馬達は遠巻きに眺め、パトカーが到着しても解決が進まない様子を見て、苛立ちまぎれに思っていた事を口に出したのだろう。
少なくとも10分以上見物していて、困っている様子を確認していたのなら、僕の代わりに怪我して意識の無い人を運んでよい筈だった。
でも、当時の僕は若く、そんな事を考える余裕は一切無かった。

「 トランクを壊すより、もっと良い方法があるはず 」

考え抜いて、リアウィンドウの下、リアシートの後のリアシャルフボードを室内側から壊して、そこからトランクの中へ手を伸ばしてキーを取り戻した。

病院までの道をパトカー先導で走り抜き、負傷した人と同じ血液型だったので献血を申し出た彼女を自宅まで送り届け、僕も自宅に帰り、長い午後の一日は終わった。




『 忘れられない、母の一言 』

翌日、車の掃除をした。
多少の血は覚悟していたけど、リアシートのマット上には厚さ 2㎝ほどの血溜まりが固まり、外して水洗いしたリアシートからは、さほど汚れていないように見えたが、いくら洗っても血が流れ出てきた。出血量は 2L以上あったのだろう。

そして、そんな様子を傍で観ていた母に、昨日あった事を一つひとつ説明していた時、急に母が吐き捨てるように言った言葉が今でも忘れられない。

「 同県人だろ、だなんて ・・・!! 」

母は、戦時中は鳥取の日本赤十字病院に看護婦として勤務していて、鳥取大震災や空襲も経験したから、怪我人や血には動じないが、何もしようとせずに非難めいた事を言うだけの人には苦く悔しい想いを沢山してきたのだろう。

しかし、当時の僕にはなぜ母がそう言ったのか、正しく理解は出来なかった。
後日、警察から表彰とリアシェルフボードの弁済代わりに表彰金を受け、即日、母に報告した時にも、母からは褒め言葉は一切無かった。

よほど腹に据えかねる思いがあるのだろう。
決して無口ではないけど、何か大切な事を伝えたいという時になればなる程に、閉じ籠ったように口数が減ってしまう人だった。

遺伝子を引き継いだ僕は、その時の母の思いを長い間理解は出来なかった。
でも、人生での経験を重ねて、今ならその気持ちが良く分かる。



『 モラルとは育てるもの 』

“モラル”とは、“ 他の人に対して、精神的に、肉体的に、物質的に、そして金銭的に、損害リスクを与えない事 ”だ。

それは、画一的に教えられる道徳ではなく、宗教的な教義でもなく、一人ひとりが社会生活の中で考えて実践し、その中で育むべきもの。
そして同時に、大人であれば社会の“モラル”も育む責任を負っていると自覚すべきだ。

ただ、野次馬の様に、何もせず非難をするだけの人は、責任を果たそうとしている人の心を傷つけ挫く存在だし、生死にかかわる人が居ても、責任を負う事もしない無責任の人でしかない。
だから、そういうモラルに反する行為はしないように!と、自分自身の教訓にして生きていくのは決して悪くはない。
しかし、それだけでは足りない。

そもそも、「他の人の迷惑になる事はしない」のは当たり前の事。
しかし、そう思っていても常に出来るとは限らない事は誰もが自覚している事だ。思っていても出来ていない場合や、気付かず出来ていない場合には、周りの人が注意や指摘をしてサポートするのも当たり前の事だ。
まして、それが人の生死に関する事、“モラル”に反する事であれば、何らかの注意を促したり指摘をする事は、社会のモラルを育てる事に他ならないのだ。
他の人に注意を促さず、見て見ぬふりをするのであれば、それも“ モラル ”に反していると言える。

ただ、それは簡単に出来るものではない。
事故の現場で、他人の生死や損害を無視した“モラル”に反した言動を目にしたとしても、その時に注意を促すのは容易な事ではないからだ。
だから、小さな事から注意や指摘を始めて、他の人への伝え方を磨いてこそ、本当に大切な場面で、他の人の“モラル”を呼び起こせる能力が身につくものだ。

実は、そういう過程を通じていった時に、自分自身の中の“モラル”を育て上げていく事に繋がっている事も実感できるものだ。
40年遅れになったけど、あの時、今の僕なら、停車していた人、そしてパトカーで来た警官の人たちに、こう言っただろう。

「 この人は出血がひどく、一刻も早く病院へ搬送する必要があります 」
「 この人の命のため、あなた車で運んでもらえませんか 」




『 GRA発足の目的には 』

ジムカーナという競技が好きで、後悔から自らその競技を楽しむ場を作るため、GRAという団体を発足させましたが、発足させた意図の中に“参加者個人が果たすべき責任”を一緒に共有する事を浸透させる思いも含めていました。

当時、オートバイに乗る事は社会悪の一つである様に言われ、実際、新規会場を借り受けるべく交渉に赴いた際、「危ない」「騒音が大きい」の言葉が断りの常套句として返って来たものです。
オートバイは危険なモノ、オートバイはうるさいモノ、オートバイ乗りは危ない運転をする、等の認識が先行して、活動が単なる趣味や遊びではなく、社会的に価値がある事を訴えても、賛同してもらえないのです。

社会にそういう認識を与えてしまったのは、オートバイに乗るライダー自身の振る舞いが原因である事は多くのライダーは認識しているにも関わらず、自身が社会に迷惑を掛けない事だけに注意を払い、友人のライダーや他のライダーがモラルに反して、騒音をまき散らす改造や運転をしたり、無理なすり抜けや追い越しなど、他者にリスクを与える運転をしている場面に遭遇しても、一切、注意を促す行為をしてこなかった事も原因だと言えるからです。

GRAを発足させた理由は、自分自身がいつまでもオートバイを楽しみたいのなら、周囲の人の理解を深める努力を惜しまず、その環境を壊す行為があれば注意を促すのは当然の事と捉える考えや行動を拡げる事にもありました。

しかし、私自身、その狙いを適切な対民で伝える能力に欠けていた為、過去のGRAの活動では、他者の振る舞いに注意を払い、必要な時には適切な言葉で注意を促す人はさほど輩出できなかったと感じています。

だからこそ、その経験を積んだ今こそ、より多くの人・ライダーへ人としてのモラルを伝え、環境と人を育む活動に専心していきたいと考えています。


NPO法人GRA 代表理事 小林 裕之

1999年、各種アーカイブ資料掲載、報告します !

2019-01-18 02:52:29 | アーカイブ資料の紹介

1999年に開催したイベントに関する各種一覧資料、掲載を完了しましたので、是非一度ご覧ください。

【 主な 一覧表 資料 】
〇 リザルト一覧 http://gra-npo.org/document/result_table.html

〇 当日配布資料一覧 http://gra-npo.org/document/docu_day_table.html

〇 参加予約者一覧 http://gra-npo.org/document/subsc_table.html

〇 広報用・開催後報告一覧 http://gra-npo.org/document/pub_aft_table.html

〇 イベントリポート 一覧 http://gra-npo.org/document/report_table.html


※ イベント別資料ページ 『 イベント記録 』は、順次掲載を進めますので、暫くお待ちください



お待たせ! 1999年全コース、『 コース図一覧 』 追加掲載しました!

2019-01-16 21:16:22 | アーカイブ資料の紹介
お待たせしました !

停滞したままで4年程になりますが、「アーカイブ化計画」の内、
1999年、全イベントの【 コース図 】の掲載を完了しました。

最も開催イベント数が多かったのが この1999年ですが、
他の 【 当日配布資料 】など、各種データも近日公表の予定です。
当時、GRAイベントに 参加されていた方へ “想い出” を届けますので、
どうぞ、ご期待ください。


【 1999年、全コース図一覧 】コチラから
http://gra-npo.org/document/course_table.html




新コラム 『マナーより、ルールより、モラルを』 草稿文章のチェックを!

2019-01-14 16:14:27 | 人になれない、独り言

GRAでは、新コラム『 マナーより、ルールより、モラルを 』(仮称)を通じて、心や意識の持ち方の提言を行なう予定です。
そのコラム用に、一つの文章を草稿しましたので、誤字や脱字、校正などの指摘をお願いします。

なお、同コラムは 短編を追加掲載して、訴求したい事を分かり易く届ける予定です。
本日の文章「 デートドライブ・黒尾峠での出来事 」(仮称)は、前編・後編 に分けて掲載します。


* * * 以下、前編 * * *


【 デートドライブ、黒尾峠での出来事 】(仮称)

人が責任を持って行なっている事に対して、何も手助けせず傍観者の立場で「意見」だけを言う人は多く、それは時としてモラルに反する行動である事を自覚される事は少なくない。
自身に一切の被害が及ばないに場合には、他人の行動にあれこれと指図する事は控えなくてはならないし、逆に自身の行為が他者の生命や損失に関わるのであれば、モラルに反する無責任な行為として注意を受けるのは当然の事と自覚すべきである。


『 21歳、デートドライブにて 』
鳥取の大学に通っていた頃、確か21歳、当時付き合っていた 2歳年下の彼女と僕の車でドライブしていたある日の出来事だった。
その日は 鳥取と岡山を結ぶ国道53号線を南下して、岡山県の津山市まで行き、その帰り道にその現場に遭遇した。
場所は 県境の黒尾峠から鳥取県側へ下って約 2㎞程、比較的緩やかな右カーブ、そのガードレールが大きく曲がっていて、ガードレール越しに白い蒸気が立ち昇っていた。

「 交通事故だ 」

そう直感した僕はすぐ近くの道路脇に車を停め、ガードレールの外、谷下へと緩やかに続く傾斜面に白い4ドアセダン、スカイライン2000GT が斜面上に止まっていた。


『 救護、トラブル、そして大声 』
斜面を降りて車内を確認すると、若い 20代と思われる男性が二人居て、一人は意識があって大きな怪我は無さそうだったが、もう一人は頭から血を流していて意識は無かった。
時刻は 午後4時過ぎだったと思う。
外は十分に明るく、確認や救出作業には支障無かったけど、県境の近くで付近には民家など一切無く、行き交う車もまばらな道だから、他の誰かに頼る事も出来ない。

「 近くの町までそう遠くない 」
「 病院まで運ぼう 」

40年以上も前の事、携帯電話など無かったから救急車を呼ぶ事も出来ない。
意識のあった男性と一緒に運び出し、僕の車のリアシートに寝かせ、身体の下に敷けそうなモノを車のトランクから取り出し、彼女には圧迫止血を依頼して、さあ走ろうと思ったらエンジンキーが無い。
トランクをキーで開けた時、動転していてキーをトランク内に閉じ込めてしまった。

動転しながら、トランクを開ける手段を考えていると周囲が騒がしい。
交通量の少ない道だけど、観光帰りか、岡山ナンバーの車が数台停まっていた。
でも、みんな野次馬ばかり、誰も手助けの声も掛けてこない。
そうこうしている内に、最初に通り掛かった人が連絡してくれた様で、パトカーが到着した。
そこで、二人の警官に事故の状況をしていると、見物していた人が急に大声をあげた。

「 トランクを壊せ! 」
「 同県人だろ 」


*** 後編 『 心なき者 』は 改めて ***



「 企画提案 」 募集中です ! ( 2/10 ミーティングに向けて )

2019-01-10 19:50:28 | GRAの募集企画

2019年 2月 10日(日)開催 『 GRAミーティング 』に向けて 「 企画提案 」を募集しています。どうぞ、この機会にあなたの意見を GRA事務局 宛に送付ください。
あなたから届いた提案や意見は、『 GRAミーティング 』で一緒に検討を行ない、後日にその内容や結果を発表します。 ( 発表の際、あなたの氏名は公表しません )


【 企画提案について 】

〇 募集内容 : 2019年、GRA に期待する「 開催イベント 」又は「 活動内容 」
〇 募集期間 : 2019年 2月 9日 まで
〇 送付方法 : メール( office@gra-npo.org) 又は 郵送で願います
〇 送付先 : 657-0024 神戸市灘区楠丘町 6-9-9 NPO法人GRA 宛


* * * * * *

【 イベント開催予定について 】

〇 2019年 3月のイベント開催用として、3月10日(日)、3月21日(祝)、3月31日(日)の三日間を、現在、イベント開催用としてお借りしている りんくう公園内 特設会場 (大阪府 泉佐野市) で確保していますので、走行を含むイベント開催については、この 三日間についての提案もお待ちしています。
 
〇 2019年 4月、「 ツーリング企画 」を開催する予定は進めています。 その内容は、現地集合場所、集合時間を決めておき、参加希望者は各自が自由なルートで集まる形式を予定しています。
迷わず集合場所まで辿りつきたい人のために、集合場所までの 代表的なルートの紹介と、そのルート上での集合場所と集合時間を事前に紹介する予定です。
なお、集合後は 簡単なティーブレイク 又は ランチブレイクの後、現地解散の予定です。

〇 なお、前記の「 りんくう公園内 特設会場 」は、G20 大阪サミット開催の関係により、4 ~ 6月 の貸出しはありません。

〇 GRA は 更に活動を発展させていきますので、あなたの 「 企画提案 」をお届けください。お待ちしています。



【 参照用資料 】

〇 「 GRA活動報告書 ・ 2018年、そして 2019年へ 」
http://gra-npo.org/policy/policy_data/2018_2019.html

〇 「 2018年度・決算報告書 」
http://gra-npo.org/data/accounting/kh2018.html

〇 「 脱・ジムカーナについて 」
http://gra-npo.org/policy/policy_data/bye_gymkhana.html

〇 「 GRAミーティング開催案内 」
http://gra-npo.org/schedule/meeting/meeting_top.html