(1)旧古河庭園から六義園へ
旧古河庭園はバラで有名だが桜もある。まず、西門近くの桜を見に行き、それから、売店の近くにあるシダレザクラのところに行く。ここからは、桜の下から洋館を仰ぎ見るような、そんな感じである。バラにはまだ早いので、下の日本庭園を一周してから外に出る。
正門を出て左に行く。多少足を伸ばせば飛鳥山だが、今日は旧古河庭園の西側に沿って道を下り、坂の下を右に入って、六阿弥陀の無量寺に行く。ここにも桜があるが、知る人は少ないかも知れない。
無量寺から南に進み、商店街を右に行き、スーパーのある四つ角を左に入って染井坂を上がる。駒込小の辺りまで来ると桜が見られるようになる。その先、左手は門と蔵のある広場で丹羽家の門と蔵が残され、広場には桜がある。
先に進むと染井通りに突き当る。右に行けば染井霊園で桜も多いが、今日は左に行く。JRを染井橋で越せば、間もなく六義園の染井門の前。通常は閉鎖されているが花見時は開いている。園内の北側の道を通り、吹上茶屋の辺りで池をチラ見してから、吟花亭跡に行き、孤高の桜に挨拶してから先に進む。
千鳥橋を渡ると、人が大勢集まっている。何かのイベントが行われているらしいが、今回はパスして先に進み、とりあえず人気のシダレザクラの様子を見に行く。この桜、やはりライトアップされている姿がベストで、昼間の姿は観光名所でしかない。帰りは染井門から出て駒込駅に向かう。今は、桜と言えば大抵はソメイヨシノになってしまったが、その原点がこの地にある事を記念して、駅の北側は染井吉野記念公園になっている。
(2)小石川後楽園
桜が散り始めていることに気付き、小石川後楽園に桜の様子を見に行く。中に入ると正面に東京ドームを背景とした枝垂桜。花はまだ残っている。
大泉水を左に見て先へ進む。池の向こう、桜の間に、修復中の橋が見えている。工事はまだ続いているらしい。
白糸滝の修復工事も継続中らしく、仮設の通路が池の中に見えている。仮橋はやや目障りとは言え、今しか眺められない光景でもある。
一見したところ、内庭に桜らしき姿は見当たらない。すでに散り終えてしまったのだろうか。池の向こう、色鮮やかなヤマブキが、桜に代わって内庭に彩を添えている。
九八屋の裏手にはカイドウザクラ。正しくハナカイドウ。サクラの名は付いているが、リンゴ属でサクラ属ではない。それでも、今はサクラの仲間に入れたい気分。
稲田の雰囲気を残している菖蒲田を前にして、桜が一本、満開の風情で立っている。菖蒲の季節になればその存在感を失ってしまう桜の、今だけの晴れ姿。
梅林を抜けるとシャガの群落が続く。菖蒲田沿いの水路には桜流し。そして、大地には、春を言祝ぐように花びらが散り敷いている。