①風と共に去りぬ
この映画の原作となるマーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」は、NHKの100分de名著にも取り上げられている。映画の監督はビクター・フレミング。南部の大農園、タラ農園の娘であるスカーレット・オハラをヴィヴィアン・リーが、相手役のレット・バトラーをクラーク・ゲーブルが演じている。南北戦争の敗戦により全てを失ったスカーレット・オハラが、その後の運命を切り開いていく姿を描く232分の超大作で、南部の人たちにとっては共感を覚える映画であったのだろう。1939年にアトランタで特別公開された時は、アトランタはお祭り騒ぎのようになり、映画のチケットは通常の20倍の料金にもかかわらず、定員の30倍の申し込みがあったという。なお、日本での公開は1952年であった。音楽はマックス・シュタイナーで、主題曲は「タラのテーマ」。この映画は、カメラの中で三色分解して3本のモノクロネガフィルムに記録する方式で、現在でも当時に近い色彩を再現できるようである。
②80日間世界一周
1956年に公開された映画で、原作はジュール・ベルヌ。監督は若手のマイケル・アンダーソンで、主演のフォグ役はデビット・ニーブン、召使パスパトゥはカンティンフラス、フィックス刑事をロバート・ニュートンが演じている。ほかに40数名のスターがゲスト出演しており、たとえばフランク・シナトラがピアノ弾きとして登場し、バスター・キートンが車掌の役で出ている。この映画は、世界12か国でロケを行い、撮影したフィルムは73時間に及び、当時の金額で700万ドルの巨費を投じたという。音楽はビクター・ヤングで、主題曲の“Around The World”は「兼高かおる世界の旅」というテレビ番組で使用されていた。1872年頃の世界一周旅行が、実際はどのようなものだったか、あらためて知りたくなった。
③ベン・ハー
記憶は定かでないが、この映画は映画館で見たような気がする。この映画は、スペクタクル超大作であり、映画館の大スクリーンで見るべき映画なのだろう。原作はルー・ウォレス。監督はウイリアム・ワイラー。ベン・ハー役にチャールトン・ヘストン。音楽はミクロス・ローザ。1959年の公開で、アカデミー賞11部門を獲得している。
④ディア・ハンター
ベトナム戦線に出征した鹿狩り仲間、マイケル、ニック、スティーブンの、その後を追う物語。公開は1978年。監督は マイケル・チミノ。マイケル役をロバート・デ・ニーロが演じている。また、壮行会でニックがプロポーズしたリンダ役をメルリ・ストリープが演じている。主題曲はスタンリー・マイヤーズの“カヴァティナ”で、曲名は抒情的な小さな歌曲をいう。監督はこの映画について、平凡な若者たちが戦争という危機にどう対処したかを描いたとしているが、”カヴァティナ”という曲は、あの時代を生き抜いた人たちへの無言歌のように思える。この映画でギターを演奏しているジョン・ウイリアムスによると、“カヴァティナ”の主旋律は“The Walking Stick”という映画のためにスタンリー・マイヤーズが書いたもので、その後全曲を書き上げていた。それから何年も経ってから「ディアハンター」の主題曲として用いる事になったという。
⑤ガンジー
この映画は、人種差別に対して無抵抗不服従で戦い、ついにイギリスからインドの独立を勝ち取ったガンジーの伝記映画で、1982年の公開である。監督はリチャード・アッテンボロー。ガンジーを演じたのはベン・キングスレーで、父はイギリス人、母はインド人で、イギリスで教育を受けていた。キングスレーが演じたガンジーの姿は、生前のガンジーそっくりだったという。音楽は著名なシタール奏者のラヴィ・シャンカールで、ジョージ・フェントンとの共作になっている。