上の絵葉書は、セント・ポール大聖堂とセント・ポール・クロスの場所を描いた、クイントンによる水彩画です。セント・ポール大聖堂は、サン・ピエトロ大聖堂に次ぐ規模とされる大聖堂で、1710年の創建です。なお、セント・ポール・クロスは昔の大聖堂にあった屋外の説教壇のことをさしています。
次の絵葉書は、テムズ川南岸のバンクサイドから、上流方向を眺めた夕景の絵ですが、画家の名前は不明です。見えている橋は、ブラックフライアーズ橋のすぐ下流に架けられていた鉄道橋ですが、よく見ると、橋の上に煙のようなものが連なっています。汽車の煙かも知れません。この絵では、潮の干満のせいか、テムズ川の水が岸辺を洗っているように見えます。
次の絵葉書は、上流からセント・ポール大聖堂の方向を眺めた夜景の絵ですが、画家の名前は分かりません。右側の奥に微かに見えている橋は、1869年に完成したブラックフライアーズ橋という鉄橋で、この橋の向こう側に鉄道橋が架けられていました。なお、ブラックフライアーズとはベネディクト派修道会のことで、この辺りが、同じ名の古い修道院の跡地であった事から、橋の名になったといいます。