東御苑に梅を見に行く。大手門から入るとすぐ、三の丸尚蔵館近くに梅がある。東御苑を見て回るのであれば、尚蔵館に入ってから、本丸跡へと向かい、梅林坂を下って二の丸庭園を経て大手門に戻るのが良いのだが、今回は先があるので、尚蔵館は割愛し、同心番所から二の丸庭園へと向かう。冬枯れの季節、梅を探すのはさほど難しくない。遠目にも諏訪の茶屋の辺りに梅があることは分かる。茶屋の周辺には種類の異なる梅が植えられているようで、種類を一つ一つ確かめながら回るのが良いのだろうが、今回はそこまでは出来ない。
諏訪の茶屋から梅林坂へと向かう。途中にも梅はあったが、梅林坂までくると道は梅に囲まれるようになる。梅は20本近くもあるだろうか。ここも異なる種類の梅を植えているようだが、残念ながら紅梅と白梅の区別ぐらいしか出来ない。右へ曲がっていく平川門への道を見送って、左に上がる梅林坂を石垣と梅の対比を楽しみながら上がる。それから、天守台で周辺を見回し、北桔橋門から外に出る。
東御苑を出て平河天満宮に向かう。ランニングの邪魔にならぬよう歩き、半蔵濠に出たあとは濠沿いの公園内をたどる。半蔵門からはビルの間を通り抜けて、ビルに囲まれた平河天満宮にたどり着く。この天満宮は、文明10年(1478)、太田道灌により江戸城の北畔、平川に建立されたという。その後、道灌の築いた江戸城が、天下人に相応しい城郭へと改築された際に天満宮は城の外へと移され、天満宮の周辺にあった梅林は梅林坂の名として後の世に伝わることになった。現在の天満宮の境内は広くはないが、江戸三天神と呼ばれた頃の風格を今に残している。天保15年(1844)に奉納された銅鳥居は千代田区指定の有形文化財(建造物)で、境内にある力石、狛犬、百度石、常夜灯、石牛、筆塚は、千代田区指定の有形民俗文化財になっている。