夢七雑録

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染の小道・梅から桜の季節へ

2019-03-31 21:36:22 | 散歩道あれこれ

(1)染の小道・梅の季節

2月の終り頃、西武新宿線中井駅から近い林芙美子記念館に行ってみた。折りから「染の小道」というイベントが開催中で、門は染物で飾られていた。

中井駅周辺の川沿いは染物の産地として知られていたところで、その伝統を伝えるべく「染の小道」というイベントが開催されるようになって、今年で10年という。林芙美子記念館内の石蔵ギャラリーには染物の展示がされていた。

この記念館には何度も来ているが、庭は季節によって表情を変えている。蹲には紅白の椿がそれとなく浮かべられていた。

建物の裏手に上がる。左側には紅梅が、そして右側には白梅が咲いている。しばらく眺めたあと記念館を出る。

踏切を渡って妙正寺川に架かる栄橋まで来ると、人通りが多くなる。下流側の川の上には色とりどりの反物が架けられ、川のギャラリになっている。

山手通りの下を潜る。この先も川のギャラリが続き、反物が川の上に架けられている。

案内表示に導かれて、落合五小内にある「染の王国」の展示を見に行く。

商店街を通って寺斉橋に出る。ここの下流にも川のギャラリとして、反物が川に架けられていた。

妙正寺川の右岸に少し気になる建物があったので行ってみた。染の町屋という名の、自然素材を用いた伝統的な和風建築で、今回のイベントにも参加しているらしかった。

大正橋に出て、橋の上から川のギャラリを眺める。この先、川沿いの道は西武新宿線の鉄橋で行き止まりとなるので、川の南側の道を先に進むことにした。

大正橋から少し先に、染の小道のイベントに参加している二葉苑があった。中に入って展示を見てから、川の南側の道を先に進み、せせらぎの里公苑に寄ってから、下落合の駅に出る。

 

(2)染の小道・桜の季節

3月の終わり頃、林芙美子記念館に行ってみた。玄関の近くにあった桜は満開を少し過ぎていて、散り始めてもいた。

庭の蹲にも散った桜の花びらが浮いていた。

林芙美子記念館を出て踏切を渡り栄橋に行く。山手通りの手前の桜は、満開になっていた。

寺斉橋から桜と川の流れを眺める。それから、川沿いに歩いて大正橋に行く。

大正橋から下流を眺める。西武新宿線の鉄橋近くにも桜はあった。

二葉苑を過ぎて、せせらぎの里公苑に行く。梅の花はほぼ終わっていたが、桜はもう満開に近い状況になっていた。近くの神田川の桜を眺めたあと下落合駅に出る。

近くの神田川の桜を眺めたあと、近くの下落合駅へ。

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昭和記念公園の梅と桜

2019-03-20 17:41:45 | 公園・庭園めぐり

昭和記念公園には1500本ほどの桜がある。多くの桜が満開になるのはもう少し先のことだが、公園内を流れている残堀川沿いには、早咲きの桜がもう咲いているという事なので出かけてみた。ついでに残堀川近くの花木園(梅園)にも、梅を見に立ち寄ることにした。

いちょう橋で残堀川を渡ると、下流の右岸に緋紅色のカンヒザクラ(寒緋桜)が見えている。釣鐘型の中輪一重の花が垂れるように咲く桜で、中国南部や台湾に分布している桜だといい、江戸時代の後期に栽培が始まったとされる。公園内では、このほかに、さくら橋の近くや、ふれあい橋の下流側にも、この桜はある。

いちょう橋を渡って左岸を下流に向かうとシキザクラ(四季桜)が咲いていた。4月と10月の2回開花するのが特徴で、花は淡紅色の一重。エドヒガンとマメザクラの種間雑種だという。年に2回咲く桜には十月桜という桜もあるが、こちらの方は八重である。ただ、園芸品種でもあり名が混同して使われることもあるらしい。この桜の対岸にはカンヒザクラがあり、比べて見ることも出来る。

残堀川の左岸を下流に向かって進み、もみじ橋、うのはな橋を経て、さつき橋に出る。この間、所々に咲いている桜がある。さつき橋近くの売店の前にはカワヅザクラも咲いているが、この桜については後で取り上げるとして、右岸にある花木園の梅園に向かう。梅園とは言うが梅以外の花もあって、様々な色彩が混じりあって春爛漫の花の色になっている。

梅園で一番目立つ梅は、名にし負うヨウキヒ(楊貴妃)という梅だろう。花は淡紅色大輪の八重で、品種ではブンゴウメを代表とする豊後系に属し、杏との交雑性が強い豊後性に分類されている。杏は梅と近縁の種でもあり、この梅園にも杏の木が植えられている。

梅園内にはツキカゲ(月影)という梅が植えられていた。花は青白の中輪一重の花で、原種に近い野梅系のうち、緑色の枝や萼があり蕾は緑で青白い花が咲く青軸性に分類されている。ツキカゲは、形も色も香りも優れている梅とされる。

次に取り上げる梅は、その名も見て驚くケンキョウ(見驚)という梅。大輪八重の梅で今は白色になっているが、咲き始めは淡紅色をしているという。ケンキョウは梅本来の性質に近い野梅系の野梅性に分類されている。

梅に名残は尽きないが、この辺にして、さくら橋を渡り残堀川の左岸に早咲きの桜を見に行く。渡ってすぐのところにあるのが、シュゼンジカンザクラ(修善寺寒桜)で、淡紅色の中輪一重の花が咲く。この桜は、カンヒザクラとオオシマザクラの種間雑種で、伊豆の修善寺に原木があるという。残堀川では、もみじ橋から、さくら橋に至る各所に、この桜がある。

さくら橋の下流にある、ふれあい橋から下流を眺めると、左岸にカワズザクラ(河津桜)が見える。この桜は、公園内では最初に咲始める桜だそうで、すでに見ごろは過ぎているようである。カワズザクラは紅色大輪の一重でカンヒザクラとオオシマザクラの種間雑種という。原木は静岡県河津にあるそうだが、人気があるせいか各地の公園などでも見かけるようになった。ふれあい橋から、下流のむらさき橋まで歩き、今日のところは、これにて終りとする。

 

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高尾の梅郷散歩

2019-03-17 11:27:49 | 散歩道あれこれ

裏高尾の旧甲州街道沿いに梅林が点在しているというので、見に行くことにした。高尾駅を北口に出ると、運よく小仏行のバスが来ていたので、さっそく乗車。旧甲州街道に入ると道は狭くなるが、それでもバスは快調にとばし、そして前触れもなく停車した。何事が起きたのか分からぬまま時間が過ぎ、そしてようやく分かったのは、道が狭いため駅へ戻るバスとすれ違えるのはこの場所しかなく、待ち合わせているということだった。車は次から次へと来るのだが、バスはなかなか姿を現さない。ここで長時間待っているくらいなら、下りて歩こうかと腰を浮かした途端、それを察知したかのようにバスが姿を現し、するりと横を通り抜ける。そして、やおら、小仏行きのバスが動き始めた。

思わぬ時間を消費してしまったため、あまりのんびりとはして居られない。摺指で下車する人が居たのを幸い、こちらも摺指で下車。行く手を暫し眺めたあと、先に行くのは諦めて、引き返すことにする。

湯の花梅林の横を歩く。逆光で見る限りでは、花はまだ見ごろのように見える。蛇滝への道を右に分けて進むと、高尾梅の郷まちの広場に出る。梅まつりの時はここも賑わっていたのだろうが、現在は閑散としている。ただ、梅林をゆっくり見て回るには今の方が良い。

広場から、空高く架かっている圏央道を見上げる。ここまで高ければ圧迫感は無く、騒音も気にはならない。圏央道が高尾山の貴重な自然にどのような影響を与えているかは、今後も継続して見ていく必要はあるのだろうが、今となっては。

先に進むにつれ旧甲州街道は小仏川に近づいていく。梅郷橋を渡ると、その先で天神梅林の看板を見つけた。急坂を上がれば天満宮の祠があるようなのだが、手持ちの時間は多くない。見えぬ祠と梅林を仰いでから橋まで戻り、三筋の滝を眺めたあと、街道散歩を再開する。

緩やかな坂を上がって小仏関所跡に行く。もとは小仏峠に関所があったというが、江戸時代になって駒木野宿に関所が設けられる。その跡地に梅が植えられ、今は関所梅林と呼ばれるようになった。小休止したあと、関所跡の少し先を右に入って小仏川に出る。

小仏川の土手の道のような遊歩道を歩く。振り返ると、傾き始めた日の光を受け止めて輝いている梅の並木が見える。こちらを見送ってくれているような、そんな気がした。遊歩道梅林の道は程なく尽き、現在の甲州街道に出る。裏高尾には、本日見て回った他にも梅林があるようだが、それは次の機会に回し、本日の梅郷散歩はこれにて終了とする。お疲れさま。

上椚田橋から小仏川の上流をしばらく眺め、それから高尾山口駅に向かう。山から下りて来たらしいグループが前を歩いている。そう言えば、近頃は山に登っていない。せめて高尾山ぐらいは、また登りたい。そう思いながら、到着したばかりの特急電車に乗り込む。

 

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