このブログのカテゴリーのうち“クラシック百人一曲”では、日本の作曲家の一人として武満徹を選び、小澤征爾指揮・トロント交響楽団によるLPレコードを取り上げている。音楽評論家の秋山邦晴は、このLPについて、戦後日本の若い世代の作曲家と指揮者の存在証明を国際的に提示してみせたと書いている。作曲家というのは武満徹(1930-1996)のことであり、指揮者とは先日亡くなられた小澤征爾(1935―2024)のことである。
このLPレコードは2枚一組で、メシアン(1809-1992)の「トゥランガリラ交響曲」と武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」の2曲が収められている。メシアンの曲は1949年12月にバーンスタイン指揮によりボストン交響楽団で初演されている。武満徹の曲は、ニューヨーク・フィル創立125周年記念として各地の作曲家に新曲を委嘱した際のもので、小澤征爾指揮によるニューヨーク・フィルで1967年11月に初演された後すぐに、小澤征爾指揮によるトロント交響楽団で演奏されている。なお、この曲には琵琶(鶴田錦史)と尺八(横山勝也)が独奏者として加わっている。このLPレコードの録音は1967年の12月である。