夢七雑録

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計算尺

2015-07-02 22:32:05 | 随想ほか雑記

我が家の花暦、今回はギボウシ。ユリ科の多年草で、その名は擬宝珠に由来するという。ただ、花のつぼみの形は、より細長いように見える。ギボウシは小さな花ではないので日影の中ではよく目立つが華やかさは無い。今年は周囲をミョウガに囲まれて、物静かに花を咲かせている。

引き出しの奥にしまわれていた計算尺に気が付き、取り出してみた(写真)。使われなくなって長い時間が経つが、カーソルも滑尺もスムーズに動き、今でも使えそうである。計算尺とは、アナログ式の計算道具のことで、対数の原理を用いた計算尺の発明は17世紀に遡るという。日本にもたらされたのは明治27年(1894)だが、明治42年(1909)になって、逸見治郎が孟宗竹の合板を使用したヘンミ計算尺を完成させる。ヘンミ計算尺は他の追随を許さないほど完成度が高く、昭和40年(1965)の世界シェアは80%だったという。写真の計算尺は1968年頃のものだが、1970年代も後半になると、関数電卓の普及により計算尺を使うことも無くなり、計算尺は引き出しの奥に閉じ込められたままとなる。今は、計算尺の使い方も忘れてしまったが、仮に覚えていたとしても、この先、使う事は考えられない。計算尺は、もはや、無用の道具に過ぎないが、それでも何故か処分する気になれない。

引き出しの中を整理していると、リズム・メーター(写真)というバイオリズム計算尺の一種が出てきた。これを、計算尺の仲間に入れるべきかどうか分からないが、姿かたちが計算尺に似ている。ここで言うバイオリズムとは、人間の好不調にはリズム(周期性)があり、誕生日を起点に、身体(P)には23日の、感情(S)には28日の、知性(I)には33日の周期があるという説であり、好調と不調の期間、好不調の変わり目の要注意日を求め、家庭生活や社会生活に役立てようというものである。ただし、リズムには個人差があり、結果を盲信する事は勧められないという注意書き付きである。写真のリズムメーターはバイオリズムが流行した1970年代の初めに入手したと思われるが、役に立ったという記憶は無い。

 

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