みどりの日は昭和の日と関わりがある。それならいっそ、予定を変えて昭和記念公園に行こう。まだ、フラワーフェスティバルをやっている筈だ。花なら何かしら咲いているだろう。
青梅特快を西立川駅でおりると、公園は目の前にある。天気晴朗にして、丹沢から秩父に続く山並みが見えているが、富士の姿は確認できない。西立川口から園内に、左へ進む。今の時期、混雑すると思っていたが、今日はそれほどでもない。
橋を渡ると右側の丘の上に花の群落が見えてくる。説明によると橙色はカリフォルニアポピー、そして青色のネモフィラと赤紫のリナリアが混じり合って咲いている。
渓流広場に行く。色彩を競っている筈のチューリップはほぼ終り。みんなの原っぱに行ってみるが西側の花壇には花がちらほら。辺り一面、緑が溢れているだけ。
こどもの森へ行く。ガウディ風の広場を抜け、地底の泉に沿って半周する。この泉、明らかに、まいまいず井戸の再現だが規模は大きい。古代の人々は、地下水位の上下に伴い変化する池泉に、地の神の姿を見ていたかも知れない。
森の家を通り過ぎ、太陽のピラミッドに登る。眺めは期待していた程ではないが、星のピラミッドの並びが気になる。惑星直列の表現だとしたら、何か異常な事が起きるのでは。
日本庭園に行く。南の門から入り西の流れを渡る。質素に見えて手の込んだ造りの清池軒が、池に面して建てられている。周囲はみどり、夏立つ日の風情である。
池に沿って歩く。池の維持管理に必要なのだろう、舟着場には舟が一そう繋がれている。舟遊びに使われる舟のようにも見えて、この庭園にとって何の違和感も無い。
舟着場の近くに昌陽という名の四阿があった。橋を渡る人と池の様子を眺めながら小半時を過ごしたい気もするが、先の予定もあることゆえ諦めて先に行く。
何れがアヤメ、カキツバタというが、池の東側の水際に、いま咲いているのはカキツバタという事にして、東の門から外に出る。
こもれびの里に行く。田植えはまだ先の事だが、麦の収穫はもうそろそろだろうか。この公園の中に武蔵野の農村をそのまま再現出来たのは、ボランティアの力が大きかったようだ。
原っぱに沿って南に行き、橋を渡ると水鳥の池が見えて来る。今は水鳥の代わりにボートが池を埋めている。水鳥の池も周辺の森も空も、今日は初夏そのものになっている。
ふれあい橋を渡り、カナール(水路)の大噴水を回り込む。みどり橋から昭和記念公園の背景をなす山並みをしばし眺めてから、帰途に就く。季節が変わったら、また来よう。