夢七雑録

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昭和記念公園の梅と桜

2019-03-20 17:41:45 | 公園・庭園めぐり

昭和記念公園には1500本ほどの桜がある。多くの桜が満開になるのはもう少し先のことだが、公園内を流れている残堀川沿いには、早咲きの桜がもう咲いているという事なので出かけてみた。ついでに残堀川近くの花木園(梅園)にも、梅を見に立ち寄ることにした。

いちょう橋で残堀川を渡ると、下流の右岸に緋紅色のカンヒザクラ(寒緋桜)が見えている。釣鐘型の中輪一重の花が垂れるように咲く桜で、中国南部や台湾に分布している桜だといい、江戸時代の後期に栽培が始まったとされる。公園内では、このほかに、さくら橋の近くや、ふれあい橋の下流側にも、この桜はある。

いちょう橋を渡って左岸を下流に向かうとシキザクラ(四季桜)が咲いていた。4月と10月の2回開花するのが特徴で、花は淡紅色の一重。エドヒガンとマメザクラの種間雑種だという。年に2回咲く桜には十月桜という桜もあるが、こちらの方は八重である。ただ、園芸品種でもあり名が混同して使われることもあるらしい。この桜の対岸にはカンヒザクラがあり、比べて見ることも出来る。

残堀川の左岸を下流に向かって進み、もみじ橋、うのはな橋を経て、さつき橋に出る。この間、所々に咲いている桜がある。さつき橋近くの売店の前にはカワヅザクラも咲いているが、この桜については後で取り上げるとして、右岸にある花木園の梅園に向かう。梅園とは言うが梅以外の花もあって、様々な色彩が混じりあって春爛漫の花の色になっている。

梅園で一番目立つ梅は、名にし負うヨウキヒ(楊貴妃)という梅だろう。花は淡紅色大輪の八重で、品種ではブンゴウメを代表とする豊後系に属し、杏との交雑性が強い豊後性に分類されている。杏は梅と近縁の種でもあり、この梅園にも杏の木が植えられている。

梅園内にはツキカゲ(月影)という梅が植えられていた。花は青白の中輪一重の花で、原種に近い野梅系のうち、緑色の枝や萼があり蕾は緑で青白い花が咲く青軸性に分類されている。ツキカゲは、形も色も香りも優れている梅とされる。

次に取り上げる梅は、その名も見て驚くケンキョウ(見驚)という梅。大輪八重の梅で今は白色になっているが、咲き始めは淡紅色をしているという。ケンキョウは梅本来の性質に近い野梅系の野梅性に分類されている。

梅に名残は尽きないが、この辺にして、さくら橋を渡り残堀川の左岸に早咲きの桜を見に行く。渡ってすぐのところにあるのが、シュゼンジカンザクラ(修善寺寒桜)で、淡紅色の中輪一重の花が咲く。この桜は、カンヒザクラとオオシマザクラの種間雑種で、伊豆の修善寺に原木があるという。残堀川では、もみじ橋から、さくら橋に至る各所に、この桜がある。

さくら橋の下流にある、ふれあい橋から下流を眺めると、左岸にカワズザクラ(河津桜)が見える。この桜は、公園内では最初に咲始める桜だそうで、すでに見ごろは過ぎているようである。カワズザクラは紅色大輪の一重でカンヒザクラとオオシマザクラの種間雑種という。原木は静岡県河津にあるそうだが、人気があるせいか各地の公園などでも見かけるようになった。ふれあい橋から、下流のむらさき橋まで歩き、今日のところは、これにて終りとする。

 

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