東京都は2016年に、東京の魅力を再発見しながら楽しんでウォーキングをするための特設サイト「TOKYO WALKING MAP」を開設し、都内の区市町村が作成したウォーキングマップ等を公開するという発表をした。豊島区もこれに応じ、公衆浴場を巡るというユニークなコースを公開した。ウォーキングの後、途中の公衆浴場に入って汗を流し着替えて帰るということで、ウォーキングをする人と公衆浴場の両方にメリットがあるというわけだろう。ただ、当時、区内にあった23カ所の公衆浴場の中には既に廃業している浴場もあるので見直しが必要かも知れない。そこで先ず、公開されているコースを歩いてみることにした。なお、豊島区のコースはジョギングとウォーキングの両方を兼ねたものになっているが、今回は散歩を含むウォーキングのコースとして歩いている。
(1)千早長崎コース
椎名町駅の北口から出発。すずらん通りを抜けサミットの前を右にサンロードを北に向かう。区民ひろばを過ぎ千早フラワー公園を右に見て、その先2番目の四つ角を左に入ると、“健康ランド末広湯”の看板が見える。このコース最初の公衆浴場になるが、今回は入浴せずに場所の確認だけなので、四つ角まで戻って北に向かう。次の四つ角で赤蟻通りと交差する。ここを左に行くと、通りの名の由来でもある熊谷守一美術館に出るが、コースでは赤蟻通りを右に行き要町通りに出るようになっている。
要町通りを渡ってガソリンスタンドに沿って進み、その先の四つ角を右に、富士神社通りに出て左折、直ぐに右へ行く道をたどり、突き当りを左へ、次の角を右に行く。“山の湯”へはその先の路地を左に入るのだが、気付かずに先に進んでしまった結果、“山の湯”がどこにあるのか分からなくなった。辺りをあちこち探して、ようやく“山の湯”を見つける。“山の湯”は今年の5月に廃業となったが、煙突や表示も残っていたので何とかたどり着けた。それも無くなってしまっていたら、“山の湯”の跡地は見つけられなかっただろう。
山の湯跡から東に行き、突き当りを右に折れる。左側の塀に沿って下って行くと、藤香想という名のカフェへの入口があった。気にはなったが今回は先に進み、塀に沿って左に行くと、えびす通りに出た。ここを南に行き要町通りに出て左へ、要町一交差点に出て右に、山手通りを南に向かう。長崎一の交差点で山手通りを渡って、西池袋第二公園の東側の道を南に、次の四つ角を左に行くと“妙法湯”に出る。“妙法湯”は公衆浴場なので入浴料金は統制額が適用されるが、併設されている“エンジェルロック”は対象外で統制額は適用されないらしい。“妙法湯”から山手通りの下を潜れば、椎名町駅はすぐである。千早長崎コースは、これにて終り。距離にして3.3kmと言うが、途中に迷い道があったので、実際にはそれ以上の距離を歩いている。
“山の湯”をコースから外した場合、要町通りの南側だけのコースも考えられる。この場合、“末広湯”の前の道を東に向かって歩けば要町一の交差点近くに出られる。交差点の東側にある谷端川緑道を歩いて南に行き、“湯~ゆランドあずま”と“妙法湯”に寄ってから椎名町駅に出ても良い。要町通りの北側も含むコースとしては、富士神社通りを歩いて国指定重要民俗文化財の豊島長崎の富士塚を見に行き、えびす通りに出て長崎神社へ向かうコースも考えられ、東京の魅力の再発見という点からすれば、その方が良いかも知れない。
(2)椎名町駅周辺コース
椎名町駅北口から、すずらん通りの北側にある商店街を通り、サンロードを横切って、コンビニのある角を左に折れ、踏切を渡って椎名町公園に出る。本来のコースでは、その先の交差点を右に折れ、“広の湯”まで大和田通りを往復するようだが、今回は椎名町公園の角を右に行く。300mほど歩くと保育園がある。その先の細い道を左に入った先に“広の湯”があったが、既に廃業して別の建物になっている。
大和田通りに出て左へ。椎名町公園を過ぎて山手通りの下を潜る。山手通りからも煙突が目立つ“五色湯”はその先にある。その“五色湯”だが、現在は改装中のため休業しているらしい。“五色湯”の先を左に折れ踏切を渡って西池袋第二公園の東側の道を進み、西池袋通りに出る。
西池袋通りを渡って右に行く。立教大学の南側には戦前から道があったが、この道が西池袋通りとして整備されたのは平成23年のことである。羽黒神社を過ぎると、その先に谷端川緑道がある。左に入ると緑道の東側に、“湯~ゆランドあずま”という公衆浴場がある。
そのあと、西池袋通りを渡って谷端川緑道を南に進む。緑道は西武鉄道の線路で途切れるが、その手前の道を右に行くと“妙法湯”に出る。ここを過ぎて山手通りの下を潜ると、右側に金剛院があり、その近くに椎名町駅がある。
“広の湯”が廃業したあと、このコースを活かすとすれば、トキワ荘ゆかりの地巡りのコースにする事も考えられる。その方が、東京の魅力の再発見につながるかも知れない。