池上駅から本門寺通りを進み霊山橋を渡る。本門寺総門の手前を左に入るのが池上梅園へのルートだが、今回は総門の手前を右に行き池上会館の屋上に上がる。富士山は見えなかったが、暫し展望を楽しんだあと大堂を参詣し、裏手の本殿前の道を左へ、次の角を右に車坂の続きの道を歩き、坂道の途中に出て左へ、ガードの前を左に折れて池上梅園に出る。
普段の池上梅園は閑散としているが、梅の季節は混雑する。入口でもらったパンフレットによると、池上梅園の北半分は伊東深水の自宅兼アトリエであったが戦災で焼失。戦後に南半分が拡張されて小倉氏の別邸となるが、後に都に譲渡され、昭和53年に大田区に移管されてから、植林と拡張が行われたとある。
階段を上がり、急斜面に植樹された梅林を横からと上から眺める。梅林は斜面の下にもあり、池上梅園全体では30種370本の梅があるという。見晴台から園内と園外の風景を眺めてから階段を下りる。
清月庵という名の茶室に行ってみる。池上門前にあった川尻家の離れが大田区に寄付された事から、池上梅園内に再建したもので、平成元年から公開している。
清月庵の隣には、昭和58年に大田区に寄贈された政治家藤山愛一郎の茶室、聴雨庵がある。茶室の前は芝生地で、冬の景物として欠かせない雪吊も造られていた。
園内には和室もあるが、外観を眺めるだけにとどめ、池に沿って歩く。この池には、地下鉄浅草線のトンネル内湧水が引かれており、池から流れ出た水は呑川に落とされているという。園内にも湧水はあるようだが、今はほんの僅からしい。
池から戻り園内を歩く。水琴窟の音を聞く人が列を作っている。一時は廃れてしまった水琴窟だが、近頃は所々で見かけるようになった。斜面地の梅林を見上げながら、平地の梅林を通り抜ける。それから、外に出て、第二京浜を西馬込駅まで歩く。