天保三年三月二十五日(1832年4月25日)、嘉陵は北郊の花見に行っているが、紀行文の本文は無い。ただ、駒込追分の略図に、花見の道すがら初めて白鳥の社を拝すと書かれているだけである。嘉陵の略図からは少しずれるが、駒込近くで白鳥の社というと、妙義神社(写真。豊島区駒込3)が該当すると思われる。北郊の花見の代表格は飛鳥山になるが、今さら述べるまでも無いと考えたのだろうか、何の記載も無い。しかし、近くの王子権現(王子神社。北区王子本町1)や、滝野川八幡(北区滝野川5)については境内図が付けられている。