「無人島セレクション」という本を図書館で借りて読んでみた。この本では、“無人島でひとりぼっちになるとしたら、何を持っていくかというテーマで、①1枚のレコード、②1本の映画、③1冊の本について、18人の著名人が自分の考えを述べている。レコードを聴いたり、映画を見る事が無人島で出来るかどうかという疑問もあるが、出来るとしたらという事なのだろう。無人島では、他人との関わりが全て断ち切られることになるのだが、同じような状況になるのは無人島に限らないかも知れない。
私が無人島に持っていくとしたらどうするか、以下にまとめてみた。
(1)1枚のレコード
・バルトーク「ピアノ協奏曲第三番」 ゲザ・アンダ(ピアノ)。フェレンツ・フィリッチャイ指揮、ベルリン放送交響楽団。
1945年、バルトークは病床にありながらこの曲を作り続けていたが、最後の17小節はスケッチのみ残して、亡くなったと伝えられている。この曲は当ブログの“クラシック百人一曲”の中に私のベスト盤として取上げられているが、昔はこのレコードを大事にしまい込み、落ち込んだ時だけ、このレコードをかけていた。最近は、このレコードを聴くことも無くなってしまったが、無人島で暮らすことになったとしたら、落ち込んだ時に聴くため、このレコードを島に持って行くことにしたい。
(2)1本の映画
・ウォルト・ディズニーの映画 「ファンタジア」:VHSビデオ。ストコフスキー指揮、フィラデルフィア管弦楽団。
この映画は音楽と映像を結合した作品であり、オーディオ・ビジュアルアートの先駆けとなる作品である。この作品のワールドプレミア(試写会)は1940年に行われたが時代を先取りし過ぎていたこともあってか あまり評価されなかったらしい。なお、この試写会より前にディズニーは、映画フィルムの光学録音サウンドトラックを利用して録音し、映写機9台を同時に動かして9チャネル超ステレオ再生も行っていたという。ステレオLPが登場する19年も前のことである。
この映画で音楽に相当するのは 次のクラシックの作品、8曲である。
「トッカータとフーガ・ニ短調」「くるみ割り人形」「魔法使いの弟子」「春の祭典」
「交響曲第6番田園」「時の踊り」「禿げ山の一夜」「アヴェ・マリア」
このうち、「トッカータとフーガ・ニ短調」の映像は、ドイツの前衛映画作家、フィッシンガーの助けを借りて、抽象的図形や線などが動き回る映像になっており、その他の曲についてはディズニーらしい映像がつけられている。