なぜこの本を選んだか、よく覚えていないのですが、6ヶ月待ちました。
ようやく手元に届いた青山美智子さんの「お探し物は図書室まで」。
何だか魅力的、惹き付けられるタイトルだと思いませんか?
<紹介文より>
>お探し物は本ですか?仕事ですか?人生ですか?
悩める人々が立ち寄った小さな図書室。
不愛想だけど聞き上手な司書さんが思いもよらない選書と可愛い付録で人生を後押しします。
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた街の小さな図書室。
「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。
狭いレファレンスカウンタの中には・・・・。<
まずレファレンスという言葉に興味を持ちました。
レファレンスサービスとは?
図書館利用者から質問、相談を受けて調べ物に必要な本や資料を探すお手伝いをすること。
そんなサービスがあるとは永年図書室を利用している私は知りませんでした。
私が利用している図書館にもレファレンスカウンターがあるのかしら?
今度伺ってみたいと思います。
この本の中にはそれぞれの章に心に沁みるフレーズがたくさん散りばめられています。
幾つかを抜粋してご紹介します。
>本もそうなの。作り手の狙いとは関係ないところで、そこに書かれた幾ばくかの言葉を
読んだ人が自分自身に紐づけてその人だけの何かを得るんです。
>人生なんていつも大狂いよ。どんな環境にいたって思い通りには行かないわよ。
でも逆に思いつきもしない嬉しいサプライズが待っていたりするでしょ。
結果的に希望通りじゃなくてよかった、セーフ!ってことなんかいっぱいあるんだから。
計画や予定が狂うことを、不運とか失敗とか思わなくていいの。
>いつかって言っている間は夢は終わらないよ。美しい夢のままでずっと続く。
叶わなくても、それもひとつの生き方だと思う。無計画な夢を抱くのも悪ことじゃない。
日々を楽しくしてくれるから。
>何が起きるか分からない世の中で、今自分ができることを今やる。
>小町さん、言ったでしう。ょ12個入りのハニードームを10個食べたとして、箱の中の2つは『残り物』なのでしょうかって。
私はその答えがわかったみたいです。(中略) 箱の中にあるふたつは、ひとつめに食べたハニードームと何も違わない。
ハニードームも等しく素晴らしい。そうだ今ならよくわかる。
私が生まれた日と、ここに立っている今日、そしてこれから来るたくさんの明日。
どの日だって、1日の大切さになんの違いもない。
最後の2文は特に印象に残りました。
私たちの年齢になるとこれからの日々を残りの人生と思いがちです。
そんなことはないのです、この世に生を受けた1日目も死にゆく最後の1日も、何も違わない。
大切な素晴らしい同じ価値のある1日なのです。
余生、余生と、当たり前のように使ってきましたが、これからはその言葉を封印することにしましょう。
また背伸びをしなくてもいい。今自分の置かれた環境で、自分にできることをすればいい。
この本の根底に流れる考えはこれにつきると思いました。
全編を通して心温まるストリーに安らぎと癒しを感じ、読後感はとても爽やかです。