ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

出会いは森の中で(7)(子世代)

2011-08-09 10:01:06 | 子世代妄想
お久しぶりです(´ω`)
子世代話を更新こうしん!

※オリジナルキャラクター(ガウリナの子供)が主人公なので、駄目な方はお戻り下さいませ

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──カキンッ
金属音が響く。
「兄さん、諦めが悪いわ」
レオナの言葉に、オレは笑った。
「諦めが悪いのがオレの良い所だ。最後の唐揚げは...オレのもんっ!」

お互いのフォークがぶつかり合い、交差する。
フォークの切っ先が唐揚げを捉え、それはオレの口へと運ばれた。

──美味!


「..あー、美味かった」
「兄さんのばかぁ...」
涙目で訴える妹に胸が痛まないでもないが、食は戦争である。手加減無用。

「よーくそんなに食べられるもんですねぇ」

いきなりかけられた声に、顔を上げた。
そこに居たのは、見知らぬ顔の男が一人。
こざっぱりとした服装、髪型。どこの村にでもいそうな出で立ちと顔。
無駄ににこやかなのが、ちょっと怪しい。

「...何か用か?」
「ええ、少しだけ。お話聞いて貰えませんか?」
「断る」

「えええええっ」
男は気の抜けた声を出した。
「悪いがこっちは長旅で疲れてんだ。急じゃないなら明日にしてくれ」
きっぱりさっぱり断るオレに、レオナが苦笑した。
「兄さん、話くらい聞いてあげたら?」
「...いいや、話を聞いたら猛烈に面倒な事に巻き込まれそうな気がする」

「なんですかそれ」
男が頬をぽりぽりと掻く。
「オレの勘は当たるんだ。悪いな」
「しょうがないですね、そこまで言われたら...また明日、出直して来ます」
男は肩を竦めてあっさり引き下がった。いささか拍子抜けである。
...もっと粘られると思ったんだが。

「あ、お名前聞いてもよろしいですか?」
「人に名前聞くときゃ、先にそっちが名乗るもんだろ」

「町長の息子、ゼノンと申します」
「...ラウディだ。こっちが妹のレオナ」
オレが指すと、レオナはこっくり頷いた。
「ども」
「どうもー」
ゼノンは相変わらずにこやかに、ゆっくりオレたちを見回した。

「...なんだよ?」
「いえ、お二人がちょっと昔の知り合いに似ていたもので」
「...ふうん?」

昔。...そう言うゼノンはオレたちとほぼ同年代に見える。実は結構年上だったりするんだろうか?

考える間もなく、ゼノンはさっさと行ってしまうのだった。


続く

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次回に続きます!