ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

出会いは森の中で(8)(子世代)

2011-08-24 16:24:25 | 子世代妄想
遅れてしまいましたが、前回の続きです(*´∀`*)!

*ガウリナの子供が主人公という恐ろしい設定です。ダメな人はお戻りくださいませ!

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翌朝。
宿の食堂に降りると、一人の男がオレに気付いて手を挙げた。
「ご機嫌よう。良く眠れました?」
「...ホントに来たのか。あんた」

ゼノンである。出直して来る、というのは本気であったらしい。昨日と同じような出で立ち、そして笑顔。
「勿論ですよ。レオナさんは?」
「...いない、って事は部屋なんじゃないか?」
一応、兄妹と言えど部屋は別に取っている。何にも考えていなさそうな妹だが、プライバシーは主張したい年頃なんだそうな。

「じゃ、お二人揃うまで待ちますかね」
ゼノンは手近な席に座ると、メニューを眺めだした。
「おばちゃん、オレはヌードルセット三人前で」
ゼノンを横目で観察しつつ、軽く食事を注文する。
「じゃ、僕はミルクをホットで」
「...足りんの?」
「ええ」
ゼノンはにこやかに頷いた。

「兄さん、おはよう」
少しして、レオナが部屋に続く階段から降りてきた。
ゼノンの姿に気が付き、ちょっとだけ目を見張る。
「こんにちは...えっと、ゼンノさん?」
「ゼノンです。どうも」
「あ~、そうそう!ゼノンさん!思い出した思い出した」
なかなか失礼な発言をする妹だが、ゼノンは相変わらず笑顔で、ちょっとコワイ。これが町長の息子の余裕ってやつか?

「お二人とも、昨日はお疲れだったみたいですが、ゆっくり出来ました?」
「ええ、お陰様でー」
確かに、思い切り食べて久しぶりのベッド(ふかふか)に飛び込んで、昨日の夜はなかなかに良い夜だった。
体力も全回復である。

「では、ちょっとお話を聞いて頂きたいんです」
運ばれて来たヌードルセットに手をつけながら、オレは頷いた。

「...ここ最近、近くの森から野良デーモンが町を荒らしに来るんですよ」
「ああ、この町に来る途中森で何度も遭遇したよ」
「...そうですか。町に来るのはそう多くないので、その都度魔道士協会に撃退してもらったりしているんですが...──そろそろ町の人たちもストレスで限界です。襲われて亡くなった人も何人もいますし、皆家からあまり出られないし...それに、畑を荒らされるのが辛いですね。町の収入源ですから」
レオナが無言で頷いた。
「...それで、何人か村の男たちが森にデーモン討伐に出向いたんですがね、」
「行方不明とか?」
「そうなんです、全員。やられてしまったのか、誰かに捕まったのか...」
「アンタは行かなかったのか?」
「私は...病気の父に代わって雑務がありましたので」
ゼノンがばつの悪そうな顔をする。

「なるほど...な。で、アンタの話は仕事の依頼か?デーモン退治の」
「その通りです!他の方にも声はおかけしているんですが...」
未だにデーモンの恐怖は町を飲み込んだままだ。

オレは、この町に来る途中に出会った二人組を思い出していた。


続く

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次回に続きます(`・ω・´)!