ひさしぶりにガウリナ小説です(´ω`)
現代ものです。
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あたしは今震えていた。
逢いたくて逢いたくて....ではなく、寒くて。
「ああああ、早く誰かメール返してよばかあ」
あたしは小さく縮こまりながら呟いた。
家の鍵をどこかに失くしたのだ。サークルの部室に置いてきたかもしれない。
一人暮らしだから、ただ待っていても誰も帰って来やしない。
「...アメリアああ」
吐く息が白くて、余計寒さが身に染みた。
一晩泊めてくれそうな友人何人かにメールを送ったものの、アメリアからの『ごめんね、今姉さんが来てるから...』という返事しか来ていなかった。
「くぅぅ...あと5分してメール来なかったら恨んじゃる!絶対恨む」
マンションの玄関前で悪態をつく。
その時。
ふと、あたしの前に影がかかった。
「...大丈夫か?」
顔をあげると、知らない蒼い瞳と視線がぶつかった。
──誰?
金色の長い髪が風になびいている。
年の頃は二十歳過ぎ。そして一体何センチあるのか...とにかくおっきい兄ちゃんである。
「...あ、オレ、ここに住んでるんだけど」
彼は『ここ』と言ってあたしの隣の部屋を指差した。
「お隣...さん?」
「ああ、はじめまして」
『自称お隣さん』のにこりと笑った顔は、不思議と暖かかった。
「なぁー、いい加減諦めてオレん家入れよ」
呆れたような声に、あたしは震えながら答えた。
「ダメよ!知らない人の部屋なんて」
そう、しかも男だし。親切そうだけど、何されるかなんて分かんないし。
...うう、でも寒い。
「い、良いからあたしの事は気にしないで」
「そんなわけにいかんだろう...」
彼は困ったような顔をした。
ふと、彼は何か思い付いたような顔をして部屋に入って行った。
「?」
ばたばたばた...がちゃっ
「ほれ」
ばさり、と毛布が頭から降ってきた。
「...あ、りがとうございます」
柔らかくて暖かくて、あたしはそれにくるまった。
「なんか、お嬢ちゃん猫みたいだなぁー」
にこにこと、彼はあたしの頭をぽんと叩いた。
...なんか、あれだ。
「あのー...あたしこれでも大学生なんですけど」
あたしの言葉に、相手は固まった。
「...えええ!?てっきり15歳くらいかと..」
やっぱりか。このちっちゃい子扱いは!
「ええっと...すまんお嬢ちゃん」
すまなそうに頭を掻く兄ちゃんである。
「リナよ」
「へ?」
「あたしの名前。リナ=インバース」
あたしはにっ、と笑ってみせた。
...ま、名前くらい教えてやってもいいか。
「オレはガウリイ=ガブリエフ。よろしくな」
彼もまたにっと笑って、右手を差し出した。
...握手?
あたしも手を差し伸べれば、彼はあたしの手を思い切り掴んで、ひょい、と抱き上げられた...というより持ち上げられた。
「!?」
「こんなとこに居たんじゃ風邪引いちまうだろ~」
のんびりした声に焦るあたし。
「だから知らない人の部屋には行かない主義だって...!」
「もう、知らない人じゃないだろ?リナ」
うっ....
ガウリイは、無邪気な笑顔であたしを部屋に引っ張り込んだのだった。
終わり
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続きません(笑)
こんな出会いもあったら面白い...かな?
現代ものです。
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あたしは今震えていた。
逢いたくて逢いたくて....ではなく、寒くて。
「ああああ、早く誰かメール返してよばかあ」
あたしは小さく縮こまりながら呟いた。
家の鍵をどこかに失くしたのだ。サークルの部室に置いてきたかもしれない。
一人暮らしだから、ただ待っていても誰も帰って来やしない。
「...アメリアああ」
吐く息が白くて、余計寒さが身に染みた。
一晩泊めてくれそうな友人何人かにメールを送ったものの、アメリアからの『ごめんね、今姉さんが来てるから...』という返事しか来ていなかった。
「くぅぅ...あと5分してメール来なかったら恨んじゃる!絶対恨む」
マンションの玄関前で悪態をつく。
その時。
ふと、あたしの前に影がかかった。
「...大丈夫か?」
顔をあげると、知らない蒼い瞳と視線がぶつかった。
──誰?
金色の長い髪が風になびいている。
年の頃は二十歳過ぎ。そして一体何センチあるのか...とにかくおっきい兄ちゃんである。
「...あ、オレ、ここに住んでるんだけど」
彼は『ここ』と言ってあたしの隣の部屋を指差した。
「お隣...さん?」
「ああ、はじめまして」
『自称お隣さん』のにこりと笑った顔は、不思議と暖かかった。
「なぁー、いい加減諦めてオレん家入れよ」
呆れたような声に、あたしは震えながら答えた。
「ダメよ!知らない人の部屋なんて」
そう、しかも男だし。親切そうだけど、何されるかなんて分かんないし。
...うう、でも寒い。
「い、良いからあたしの事は気にしないで」
「そんなわけにいかんだろう...」
彼は困ったような顔をした。
ふと、彼は何か思い付いたような顔をして部屋に入って行った。
「?」
ばたばたばた...がちゃっ
「ほれ」
ばさり、と毛布が頭から降ってきた。
「...あ、りがとうございます」
柔らかくて暖かくて、あたしはそれにくるまった。
「なんか、お嬢ちゃん猫みたいだなぁー」
にこにこと、彼はあたしの頭をぽんと叩いた。
...なんか、あれだ。
「あのー...あたしこれでも大学生なんですけど」
あたしの言葉に、相手は固まった。
「...えええ!?てっきり15歳くらいかと..」
やっぱりか。このちっちゃい子扱いは!
「ええっと...すまんお嬢ちゃん」
すまなそうに頭を掻く兄ちゃんである。
「リナよ」
「へ?」
「あたしの名前。リナ=インバース」
あたしはにっ、と笑ってみせた。
...ま、名前くらい教えてやってもいいか。
「オレはガウリイ=ガブリエフ。よろしくな」
彼もまたにっと笑って、右手を差し出した。
...握手?
あたしも手を差し伸べれば、彼はあたしの手を思い切り掴んで、ひょい、と抱き上げられた...というより持ち上げられた。
「!?」
「こんなとこに居たんじゃ風邪引いちまうだろ~」
のんびりした声に焦るあたし。
「だから知らない人の部屋には行かない主義だって...!」
「もう、知らない人じゃないだろ?リナ」
うっ....
ガウリイは、無邪気な笑顔であたしを部屋に引っ張り込んだのだった。
終わり
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続きません(笑)
こんな出会いもあったら面白い...かな?
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