小説です(´ω`)
久々現代物!
ガウリナ色薄いですがちょっと気に入ってます♪
--------------------------
ぽつり、と鼻の頭に冷たい何かが当たったのを感じて、あたしは声をあげた。
「ああー、降って来ちゃたか」
学校帰り。
生憎今日は傘を持っていない。
ぽつ、ぽつと降る雨はどんどん勢いを増してゆく。
「やっば...!」
あたしはとりあえず学生鞄を頭に被せて走り出した。
からん。
扉を開けると綺麗な音が鳴る。
行きつけの喫茶店だ。
あたしはここで雨宿りすることにした。
「おお、リナ。いらっしゃい」
あたしに気付いたウェイターは、びしょ濡れのあたしにタオルを投げてよこした。
ぞんざいな扱いと思うなかれ。
このウェイター、ガウリイ君とは3年来の付き合いである。
ちなみに今大学生らしい。
「傘持ってなかったのか?」
「折り畳み持ってるつもりだったんだけどね~」
そう、昨日は確かに鞄に入れていたはずなのだが...。
ううみゅ。
悩むあたしをよそに、ガウリイはコーヒーを入れ始めた。
「いつもので良いんだろ?」
「ミルクたっぷりだかんね!」
「わかってるさ」
次第に甘苦い香りが漂い始め、あたしはその心地よさにほっとする。
「そーいえば、レゾさんは?」
「オーナーは今買い出しに行ってるよ」レゾさんはいつも優しくて、時たまお茶目なこの喫茶店の店主である。
大体店にいるのはこのレゾさんとガウリイの二人だ。
「ふぅん...」
コポコポとコーヒーを入れる音がする。
ガウリイはいつものほほんとした兄ちゃんだが、コーヒーを入れる時だけは真剣な顔をする。
それがちょっとかっこよかったりするからズルい。
そんなガウリイ目当てに来ている女学生の客が何人かいることを、あたしは知っている。
「今日はいつまでいるつもりだ?」
「雨が止むまで~」
「今日の雨は一晩中降るらしいぞ?」
「ホント?えぇー、困ったな」
あたしはぽりぽりと頬を掻いた。
「今日父ちゃんと母ちゃんいないのよね~。姉ちゃんはバイトで遅いし...」
ううむ。しょうがない、濡れて帰るか..
かちゃん。
「あ、ありがと」
「ま、とりあえずこれ飲め」
ガウリイがにこりと笑う。
ミルクたっぷりコーヒーの登場だ。
一口飲んでほうっと息をつく。
「うん、美味しい」
「そりゃどーも」
ガウリイはあたしの頭をわしゃ、とかき回した。
「ちょっとー、乱れるでしょ!」
全く子供扱いである。
からん。
その時、ドアが空いて見慣れた顔が入って来た。
「あ、レゾさんこんにちはー」
「ああ、その声は...リナさんですか。いらっしゃい」
にこりと笑って言うレゾさんである。
そう、この人は目が見えないのだ。それでもきっちりこの喫茶店の店主を務めている。
落ち着いた中年男性である。ちなみに美形。
「オーナー、お帰りなさい。ちょっとしたらコイツ家に送ってくるけどいいか?」
「結構ですよ」
さらりと交わされた会話に驚いた。
「送ってくれんの!?」
「お~。傘持ってないんだろ?オレのに入れてってやるよ」
「わ..悪いわよ」
「気にすんな、そんなに忙しくないんだし」
「あんたね...」
店主がいる前での発言である。
「いいんですよリナさん。お気になさらず。ガウリイに送ってもらいなさい」
「あ、ありがとうございます」
ペコリと頭を下げると、かちゃりと音がした。
「ふふ。リナさん、お礼を言う相手が違いますよ」
そして目の前にはチーズケーキ。
「今日だけサービスです」
「あ、ありがとうございますっ!..ガウリイも」
「良いってことよ~」
なんだか嬉しそうなガウリイに、あたしも微笑んだのだった。
終わり
------------------------
自分の趣味に走りまくりました(笑)
私も行きつけの喫茶店と仲良しなウェイターさん作りたいです(´ω`)
雨の中の喫茶店ってなんか良くないですか?
久々現代物!
ガウリナ色薄いですがちょっと気に入ってます♪
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ぽつり、と鼻の頭に冷たい何かが当たったのを感じて、あたしは声をあげた。
「ああー、降って来ちゃたか」
学校帰り。
生憎今日は傘を持っていない。
ぽつ、ぽつと降る雨はどんどん勢いを増してゆく。
「やっば...!」
あたしはとりあえず学生鞄を頭に被せて走り出した。
からん。
扉を開けると綺麗な音が鳴る。
行きつけの喫茶店だ。
あたしはここで雨宿りすることにした。
「おお、リナ。いらっしゃい」
あたしに気付いたウェイターは、びしょ濡れのあたしにタオルを投げてよこした。
ぞんざいな扱いと思うなかれ。
このウェイター、ガウリイ君とは3年来の付き合いである。
ちなみに今大学生らしい。
「傘持ってなかったのか?」
「折り畳み持ってるつもりだったんだけどね~」
そう、昨日は確かに鞄に入れていたはずなのだが...。
ううみゅ。
悩むあたしをよそに、ガウリイはコーヒーを入れ始めた。
「いつもので良いんだろ?」
「ミルクたっぷりだかんね!」
「わかってるさ」
次第に甘苦い香りが漂い始め、あたしはその心地よさにほっとする。
「そーいえば、レゾさんは?」
「オーナーは今買い出しに行ってるよ」レゾさんはいつも優しくて、時たまお茶目なこの喫茶店の店主である。
大体店にいるのはこのレゾさんとガウリイの二人だ。
「ふぅん...」
コポコポとコーヒーを入れる音がする。
ガウリイはいつものほほんとした兄ちゃんだが、コーヒーを入れる時だけは真剣な顔をする。
それがちょっとかっこよかったりするからズルい。
そんなガウリイ目当てに来ている女学生の客が何人かいることを、あたしは知っている。
「今日はいつまでいるつもりだ?」
「雨が止むまで~」
「今日の雨は一晩中降るらしいぞ?」
「ホント?えぇー、困ったな」
あたしはぽりぽりと頬を掻いた。
「今日父ちゃんと母ちゃんいないのよね~。姉ちゃんはバイトで遅いし...」
ううむ。しょうがない、濡れて帰るか..
かちゃん。
「あ、ありがと」
「ま、とりあえずこれ飲め」
ガウリイがにこりと笑う。
ミルクたっぷりコーヒーの登場だ。
一口飲んでほうっと息をつく。
「うん、美味しい」
「そりゃどーも」
ガウリイはあたしの頭をわしゃ、とかき回した。
「ちょっとー、乱れるでしょ!」
全く子供扱いである。
からん。
その時、ドアが空いて見慣れた顔が入って来た。
「あ、レゾさんこんにちはー」
「ああ、その声は...リナさんですか。いらっしゃい」
にこりと笑って言うレゾさんである。
そう、この人は目が見えないのだ。それでもきっちりこの喫茶店の店主を務めている。
落ち着いた中年男性である。ちなみに美形。
「オーナー、お帰りなさい。ちょっとしたらコイツ家に送ってくるけどいいか?」
「結構ですよ」
さらりと交わされた会話に驚いた。
「送ってくれんの!?」
「お~。傘持ってないんだろ?オレのに入れてってやるよ」
「わ..悪いわよ」
「気にすんな、そんなに忙しくないんだし」
「あんたね...」
店主がいる前での発言である。
「いいんですよリナさん。お気になさらず。ガウリイに送ってもらいなさい」
「あ、ありがとうございます」
ペコリと頭を下げると、かちゃりと音がした。
「ふふ。リナさん、お礼を言う相手が違いますよ」
そして目の前にはチーズケーキ。
「今日だけサービスです」
「あ、ありがとうございますっ!..ガウリイも」
「良いってことよ~」
なんだか嬉しそうなガウリイに、あたしも微笑んだのだった。
終わり
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自分の趣味に走りまくりました(笑)
私も行きつけの喫茶店と仲良しなウェイターさん作りたいです(´ω`)
雨の中の喫茶店ってなんか良くないですか?
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