久々ガウリナです!
サーチの登録を全然更新してなくてごめんなさい(>_<)自分のせいなんですが、全くログイン出来ず......
早急になんとかしたいです。
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「......あんのクラゲ...」
あたしはちらっと腕時計を確認してから、大げさにため息をついた。
──完全に遅刻である。
久しぶりのデートの待ち合わせ。時計台の下に午後2時に集合。
......現在2時30分。
「なーによ。ちょっと早めに来ちゃったあたしは馬鹿ですかっての」
ぶつぶつ呟きながら、あたしは空を見上げた。...今日はいい天気だ。お出掛け日和。
お気に入りのワンピース。最近買ったばかりの白いコート。覚えたばかりのメイクを少し......。
──ガウリイは気付くだろうか。いつもと少しだけ違うあたし。
考えてから、ふるふると頭を振った。
まさか、気付くわけない。あの脳内ワンタンスープ状態の男が。
──脳内ワンタンスープ状態...
「ぶふっ......我ながらなんて的確な表現」
一人でくすくす笑っていると、ふと目の前に影が差した。
──ん?
「ねーねー君、俺とお茶でもどう?」
「......」
黙って見上げれば、チャラそうな男が一人、にやにやしながらあたしを見下ろしていた。
典型的なナンパだ。
あたしは完全無視して携帯を取り出した。
「...ねえー、君だよ君ー」
「......」
「俺の事見えてないー?もしもーし」
「......」
「ねえってば、俺、君のこと誘ってるんだけどー」
「......」
「おい」
「......」
「......なめてんじゃねーぞ」
相手の声色が変わる。
あたしは一つため息をついた。...これは、あたしの伝家の宝刀をお見舞いせねばならないようである。
「...おい、聞いてんのかよ!」
ぐい、と肩を掴まれた瞬間、あたしは拳に力を込めた。
──必殺、インバースロイヤルストラッシュ!
と。
「おいおい、そこら辺にしときな」
聞き覚えのある声が、頭上から聞こえた。
「あ」
金髪で長身、いつもの脳天気そうな顔。碧い目に珍しく剣呑な色を滲ませて、彼はそこに立っていた。
「......ガウリイ。遅いわよ」
「悪い悪い」
あたしに笑いかけてから、彼は男の手をあたしの肩から引き剥がした。
「な、なんだよてめえ!引っ込んでろ!」
軽く引き剥がされて多少動揺しつつも、男は引くつもりは無いらしい。
喚きながら彼に殴りかかる。
「なんだよって言われてもなあ…」
男の拳をぱし、と受け止めながら言う彼。──すんごくカルい。
「オレ、そいつの彼氏だから。一応」
どきっ。
瞬間、ガウリイに殴りかかっていた男は、バランスを崩されてその勢いのままに地面に顔から突っ込んだ。
──い、痛そー......
「こんな往来で暴れるのは危ないぜ?」
あくまでもカルい口調で言われて、起き上がった男はあたしたちを激しく(涙目で)睨んでから走り去って行った。
おととい来やがれってーの。
「......で、遅刻した言い訳を聞きましょうか?」
腕組みしつつジト目で問うと、彼は苦笑して頭を掻いた。
「いやあ、ばあちゃんから急にお遣い頼まれてさー。断れなかった...」
「......そんな事だろーと思った」
彼は自分の祖母に頭が上がらないらしい。あたしと姉ちゃんの関係と似た何かを感じる......。
いや、それは置いといて。
「...それにしてもよ」
歩き出しながら、あたしは文句の一つでもぶつけてやろうと口を開いた。
「なんだなんだ?」
「さっきはせっかくあたしがナンパ男にインバースロイヤルストラッシュを喰らわせる所を、良いところで邪魔してくれちゃって!」
「哀れな男を一人救ってやったのさ」
やれやれ、とばかり肩をすくめたガウリイに向かって、べえっと舌を出した。
──いつものやりとり。
...と、彼は不意にあたしの頭をくしゃりと撫でた。
「嘘だよ」
「──へ?」
「せっかくリナが化粧なんかしていつもより女の子っぽくしてんのに、喧嘩なんかさせたくなかったからなー。悪かったな、遅くなって」
「......っ!」
気付いてたのか。
あたしはなんだか恥ずかしくなって、思わずちょっと俯いた。
「に、似合わないかなー...こういうの」
そう呟いて、下からちらっと彼の顔をのぞき見ると、ガウリイは少しだけ赤くなって頬を掻いた。
「いや、良いと思うぞ。オレは......結構好きだ」
...目が泳いでるぞ、ガウリイ。
──でも、嬉しい。
「あ、ありがとっ」
照れくさいけど、胸がきゅう、と高鳴る。
あたしは自分でも顔が赤いのを自覚して、それを隠してガウリイの腕にしがみついた。
「なんだよ急に」
「別に、ちょっとそーいう気分なのよ!」
「そーいう気分って?」
「うるさいわねっ!さっさと映画観に行くわよ!」
「......へいへい」
そのまま並んで、見慣れた街を歩いていく。
ガウリイが遅刻した事とか、ナンパ男とか、そういう事はどうでも良くって。
......ただ、今あたしはすっごく幸せかもしれない。
おわり
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いつになく乙女なリナさんをどうぞ。
サーチの登録を全然更新してなくてごめんなさい(>_<)自分のせいなんですが、全くログイン出来ず......
早急になんとかしたいです。
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「......あんのクラゲ...」
あたしはちらっと腕時計を確認してから、大げさにため息をついた。
──完全に遅刻である。
久しぶりのデートの待ち合わせ。時計台の下に午後2時に集合。
......現在2時30分。
「なーによ。ちょっと早めに来ちゃったあたしは馬鹿ですかっての」
ぶつぶつ呟きながら、あたしは空を見上げた。...今日はいい天気だ。お出掛け日和。
お気に入りのワンピース。最近買ったばかりの白いコート。覚えたばかりのメイクを少し......。
──ガウリイは気付くだろうか。いつもと少しだけ違うあたし。
考えてから、ふるふると頭を振った。
まさか、気付くわけない。あの脳内ワンタンスープ状態の男が。
──脳内ワンタンスープ状態...
「ぶふっ......我ながらなんて的確な表現」
一人でくすくす笑っていると、ふと目の前に影が差した。
──ん?
「ねーねー君、俺とお茶でもどう?」
「......」
黙って見上げれば、チャラそうな男が一人、にやにやしながらあたしを見下ろしていた。
典型的なナンパだ。
あたしは完全無視して携帯を取り出した。
「...ねえー、君だよ君ー」
「......」
「俺の事見えてないー?もしもーし」
「......」
「ねえってば、俺、君のこと誘ってるんだけどー」
「......」
「おい」
「......」
「......なめてんじゃねーぞ」
相手の声色が変わる。
あたしは一つため息をついた。...これは、あたしの伝家の宝刀をお見舞いせねばならないようである。
「...おい、聞いてんのかよ!」
ぐい、と肩を掴まれた瞬間、あたしは拳に力を込めた。
──必殺、インバースロイヤルストラッシュ!
と。
「おいおい、そこら辺にしときな」
聞き覚えのある声が、頭上から聞こえた。
「あ」
金髪で長身、いつもの脳天気そうな顔。碧い目に珍しく剣呑な色を滲ませて、彼はそこに立っていた。
「......ガウリイ。遅いわよ」
「悪い悪い」
あたしに笑いかけてから、彼は男の手をあたしの肩から引き剥がした。
「な、なんだよてめえ!引っ込んでろ!」
軽く引き剥がされて多少動揺しつつも、男は引くつもりは無いらしい。
喚きながら彼に殴りかかる。
「なんだよって言われてもなあ…」
男の拳をぱし、と受け止めながら言う彼。──すんごくカルい。
「オレ、そいつの彼氏だから。一応」
どきっ。
瞬間、ガウリイに殴りかかっていた男は、バランスを崩されてその勢いのままに地面に顔から突っ込んだ。
──い、痛そー......
「こんな往来で暴れるのは危ないぜ?」
あくまでもカルい口調で言われて、起き上がった男はあたしたちを激しく(涙目で)睨んでから走り去って行った。
おととい来やがれってーの。
「......で、遅刻した言い訳を聞きましょうか?」
腕組みしつつジト目で問うと、彼は苦笑して頭を掻いた。
「いやあ、ばあちゃんから急にお遣い頼まれてさー。断れなかった...」
「......そんな事だろーと思った」
彼は自分の祖母に頭が上がらないらしい。あたしと姉ちゃんの関係と似た何かを感じる......。
いや、それは置いといて。
「...それにしてもよ」
歩き出しながら、あたしは文句の一つでもぶつけてやろうと口を開いた。
「なんだなんだ?」
「さっきはせっかくあたしがナンパ男にインバースロイヤルストラッシュを喰らわせる所を、良いところで邪魔してくれちゃって!」
「哀れな男を一人救ってやったのさ」
やれやれ、とばかり肩をすくめたガウリイに向かって、べえっと舌を出した。
──いつものやりとり。
...と、彼は不意にあたしの頭をくしゃりと撫でた。
「嘘だよ」
「──へ?」
「せっかくリナが化粧なんかしていつもより女の子っぽくしてんのに、喧嘩なんかさせたくなかったからなー。悪かったな、遅くなって」
「......っ!」
気付いてたのか。
あたしはなんだか恥ずかしくなって、思わずちょっと俯いた。
「に、似合わないかなー...こういうの」
そう呟いて、下からちらっと彼の顔をのぞき見ると、ガウリイは少しだけ赤くなって頬を掻いた。
「いや、良いと思うぞ。オレは......結構好きだ」
...目が泳いでるぞ、ガウリイ。
──でも、嬉しい。
「あ、ありがとっ」
照れくさいけど、胸がきゅう、と高鳴る。
あたしは自分でも顔が赤いのを自覚して、それを隠してガウリイの腕にしがみついた。
「なんだよ急に」
「別に、ちょっとそーいう気分なのよ!」
「そーいう気分って?」
「うるさいわねっ!さっさと映画観に行くわよ!」
「......へいへい」
そのまま並んで、見慣れた街を歩いていく。
ガウリイが遅刻した事とか、ナンパ男とか、そういう事はどうでも良くって。
......ただ、今あたしはすっごく幸せかもしれない。
おわり
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いつになく乙女なリナさんをどうぞ。
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