ゆるい感じで。

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いれぎゅらー。【3】(ガウリナ)

2014-04-08 00:44:36 | スレイヤーズ二次創作
前回の続きです!
ガウリイはリナを、リナはガウリイを「鈍い」とお互い思ってそうだよね(´・ω・`)...という話。

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出て行ったリナを呆然と見送ってから、オレは一人頭を抱えた。
「......なんでリナを怒らせてんだ、オレは」
自分の髪をぐしゃぐしゃとかき回してから、ため息をつく。
──だってなあ。
あの男、ユーリは明らかにリナを気に入った様子だったし、リナだって楽しそうに話していた。
そんな中、ユーリのパーティーにオレがのこのこついて行っても邪魔だろう。

リナはあいつの気持ちに気付いているのだろうか。
あいつはあれで鈍いから、きっと分かっていないのだ。それがなぜか凄く腹立たしいような、ほっとするような、複雑な気持ちで。
無性に苛々して、遠まわしにリナを責めるような事を言ってしまった。

──あいつはリナに来て欲しいんだろ。オレが行って構わんのか?

リナがどんな反応を返すのか、試したかったのかもしれない。
でもまさか。
──あんな泣きそうな顔をするなんて......。

なぜリナがあんな怒り方をしたのか、さっぱり分からない。
リナは今、何を考えてるのだろうか。
──明日、あいつの元へ、リナは一人で行くのか......?

「あー......考えるのは専門外だ」
一人で唸って、ベッドに勢いをつけて倒れ込む。
むしゃくしゃするのに、どうして良いか分からなくて困る。
リナの気持ちが分からない。オレ自身の気持ちも。

そもそも、どうしてこんな悩まなくちゃいけないんだ?
「............とりあえず、全部あの男のせいだ」
呟いた独り言は、ひどく子供じみて聞こえた。


翌日。
珍しく寝坊したオレは、部屋の掃除に来た宿のおばちゃんのノックの音に起こされた。
「兄ちゃん、もう昼だよ!それに連れの嬢ちゃんは起きて出掛けてったよ? 二部屋分の連泊料金も貰ったからね!」
「......そうか。すまん」
ぼんやり返事をしたオレに、おばちゃんの笑い声が返ってくる。
「おやおや、これはあの子に振られたクチかい?」
「はっ?」
予想外の発言に、オレは慌てて部屋のドアを開けた。
「どういうことだ?」
パジャマ姿で出てきたオレに、おばちゃんが呆れたように腰に手を当てる。
「......今朝、あの子宛てに贈り物があったのさ。ありゃ、ドレスだね」
「ドレス?」
「そうさ。そして、アクセサリーと小さなカード。......あの嬢ちゃんも隅に置けないねえ」
にやにやしながらオレを見上げるおばちゃんは、どうやらオレの反応を窺っている。
──全く趣味の悪い。

「あの子は旅の連れなんだろう? 大事なら、捕まえとかないと盗られちまうよ」
──そうか。あの男、どうやら本気らしいな。
「......ご忠告どうも」
なんとも言えない気分で言い返すと、おばちゃんはニカッと笑った。
「なんだい辛気くさい顔して。あんた顔はなかなかいい男なんだから、しゃんとしな」
「......」
どうやら、なかなかのお節介に捕まったらしい。

それにしても、あの男が送ったドレスとアクセサリーを身につけて、あの男の誕生会に参加するってのか?......あのリナが。
いや、もう誕生会は始まってるかもしれない。
──......凄く、面白くない。
憮然とした顔をしたオレに、おばちゃんはますますおかしそうに笑う。
「ほらほら、急がないと間に合わないよ。気持ちに正直になりな。」
「......」
──気持ちに正直に。
隠れていた、いや、隠していた想いが胸に溢れてきて、苦しくなる。
「リナの気持ちを尊重したい......リナがあいつを好きになるなら...」
「バカだね、何もしないのは相手の気持ちを尊重するのとは別だよ。勝手に嬢ちゃんの気持ちを決めつけるんじゃないの」
顔を上げたオレに、おばちゃんは器用にウィンクして見せる。

そして、昨夜のリナの泣きそうな顔が、頭に浮かんだ。
 
「......おばちゃん。この近くに、礼服売ってる店はあるか?」


続く

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次回に続きます!

またおばちゃんという第三者に頼ってしまった...(´・ω・`)


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