この歌を聴くとこころにしみるものがある。
やはり自分まちが好きなんだ。
今年から再び実家のある
高校まで生まれ育ったところで
暮らし始めることになった。
瀬戸内海に面したいいところの筈だが
海岸は子供のころに埋め立てられてしまい
物心ついたころには遠浅だったらしい
砂浜は既になくなって
製鉄所の稼働が始まっていた。
これまで就職して実家に帰省(帰国)するたびに
見えない海岸線やあたりの風景
そしてぼんやりとした空の色
海外で見ていた高い空の青い色ではなく
残念に思ったものだった。
そして数十年の月日がたち
今この故郷で暮らし始めている。
家の窓からは製鉄所のならんだ工場の煙突。
煙突に一本一本狙いをすまし、バンバンと
爆破していきたい気持ちになる。(笑)
せめて煙突だけでもなくなれば
スッキリとした風景になるのに。
工場まで無くせとはいわないけど
もし海岸線まで行ければ瀬戸内の島も
眺めることが出来るのだけど。
そんなある日、
実家の仏さんにお坊さんがお参りに。
お寺のご住職の息子さんなのだが、
最近そこの製鉄所で勤務している事を聞いていたので
いい機会だからと思い尋ねてみたところ
勤務しているのはそこの工場ではなく
別の離れたところにある
研究所の方だと。
思わず「研究して是非このまちから煙突をなくしてください」
お坊さんに説教するわけにはいかないので
「10年後、20年後、いや50年後にこのまちから
煙突がなくなるよう、次の世代が煙突のないまちで
暮らしていけるよう期待しています」と希望を告げた。
おそらく自分が亡くなったらこのお坊さんに
お経を唱えてもらうことになるのだろう
その時に「希望をかなえて頂いてありがとうございました」と
思えればいいのだが。
果たしてこの日の会話をしっかりと
胸に刻んでもらえただろうか?