新年明けましておめでとうございます。
今年も幽玄洞をはじめ町内の情報を発信していきたいと思いますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
まずはじめに幽玄洞で化石が発見されるまでを振り返りたいと思います。
洞穴が発見されたのは昭和55年の8月。翌年56年の4月にオープンしました。
その年の秋、観光客で訪れた千葉の元高校教諭 稲葉正氏、麻生邦夫氏らは洞内でウミユリの萼(ガク)の化石を発見し、当時東大教養学部宇宙地球科学教室の浜田隆士教授(理学博士)に連絡します。
ウミユリの萼(ガク)の化石を鑑定した浜田教授は「岩盤上で発見されたのはわが国で第1号」と太鼓判を押しました。
昭和57年4月には新洞部分がオープン。ここでも5月に稲葉氏がウミユリの群生化石を発見し、浜田教授に鑑定を依頼します。
浜田教授はウミユリの化石が30センチ四方の範囲内に四個も集中しており、保存状態が良い上、群生して残っている例は全国的にもなく「古生物学上、貴重な研究材料」と話していました。
昨年の暮れに稲葉先生より手紙や当時の資料が送られてきましたが、それによるとウミユリの発見から25年になりますが、日本中にこれに匹敵するウミユリの化石群は発見されていないそうです。
稲葉先生は幽玄洞で化石研究をしていた故堀込実先生(麻生一関高等学校)が遺したレポートも送ってくださいました。
稲葉先生は86才になられたそうですが、幽玄洞のために当時を知るこうした貴重な資料を送ってくださったことに感謝したいと思います。