幽玄洞ブログ

岩手県一関市東山町からローカルな情報を発信していきます。

「佐藤郁子 手作りひな人形展」 -石と賢治のミュージアムー

2011年02月23日 | 東山町

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一関市東山町松川にある「石と賢治のミュージアム 太陽と風の家」では、町内在住の佐藤郁子さんの「手作りひな人形展」が開催されています。

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布びな、はまぐりびな、たまごびな、テープびななどが雛壇に並べられ、なかでも布びなは郁子さんが幼少の頃に袖を通した着物や思い出に残る着物や帯を利用したもので今回は16組展示されています。
ほかにも友人に30組、まだ飾っていないものも20から30点もあるそうです。

3年ぐらい前から作り始めたそうですが、秋冬の夜長を使い1組作るのに布合わせから4、5日はかかるといいます。
おひな様の着物の生地はすべて絹。
母親からゆずられたという黒い帯はペンタックスという手描きの模様入りで、飾る姿も思い出深そうでした。

郁子さんの一番のお気に入りのおひな様は、子どもの頃に着た「辻が華」という素材の帯をほどいて作ったこちらのおひな様です。


辻が華・・・室町末期から桃山時代にかけて現れた絞り染めと墨書きによる染模様のことをいいます。幻の染め物といわれる辻が華は江戸時代になると姿を消しましたが、近年は訪問着や染帯に用いられています。

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三人官女の着物は「紅絹(もみ)」という生地で、とても軽い素材です。

紅絹(もみ)・・・もともとは紅花で赤又は緋色に染めた練織物の平絹のことです。昭和初期までは若い女性の上等な着物の胴裏に用いられていましたが、現在ではほとんど見かけられません。

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十二単のように重ねた襟元の細かい作業も感心するのですが、着物の裏側にも気を配られていました。
屏風や雪洞(ぼんぼり)も手作りで屏風の表と裏の紙には同町の特産品「東山和紙」を使用するというこだわりよう。
幼い頃に着た着物や着なくなった着物や帯をなにかに変えて一年に一回出して思い出に浸るのが好きと語る郁子さん。
「何かを手作りしていると癒される。来年は違う形のおひな様に挑戦したい。」と目を輝かせていました。

期間   3月6日まで  
時間   10:00~17:00
休館日  2月21日、28日の月曜日

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岩手・宮城県際広域観光推進研究会がHP開設

2011年02月17日 | 旅行

岩手・宮城県際広域観光推進研究会では観光情報のポータルサイト「南いわて・北みやぎ観光サイト案内所」を開設しました。
岩手県側は一関市をはじめ平泉町、藤沢町、大船渡市、陸前高田市、住田町の6市町村、宮城県側は栗原市、登米市、気仙沼市、南三陸町の4市町村とを合わせた10市町村で構成されています。
「いちのせき観光ナビ!」「いち旅」「黄金王国」「いわての旅」などの観光情報サイトをまとめたもので、幽玄洞も紹介されています。
県境をこえての観光情報を集めたサイトですので、ぜひ旅行計画にお役立て下さい!

「南いわて・北みやぎ観光サイト案内所」
http://www.pref.iwate.jp/~hp2516/ichinoseki/ichinoseki.html

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洞内にて完全な形で四放サンゴ発見!

2011年02月11日 | 幽玄洞

幽玄洞の洞窟内において30年ぶりに「四放サンゴ」の化石が岩盤上で発見されました!

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発見したのは岩手地学教育研究会員の七田清氏。Shitita2
2月5日、「独立行政法人 産業技術総合研究所フェロー」代表の加藤碵一先生、「石と賢治のミュージアム 太陽と風の家」の藤野館長さん、元高校教諭の原子内先生らと七田氏が入洞した際偶然発見したもの。
発見した場所は理学博士で元東京大学名誉教授の(故)濱田隆士先生らが30年前に化石の調査をした旧洞部分から発見しました。
「四放サンゴ」は洞内に10か所確認されており、今までは上部から見たような状態で発見されていましたが、今回の発見では横方向から長さ15センチ幅4センチぐらいの大きさで組織が分かる状態で見つかりました。
素人では全く判断できない状態ですが、七田氏は以前にも横方向で組織が見える四放サンゴを採集したことがあるため分かったといいます。
入洞の際、加藤先生もいらしたことから即、先生に確認してもらい、先生も「四放サンゴであろう」と判断しました。
「これから化石の調査を更に進め、鑑定にのぞみたい。調査済みの場所から30年ぶりの発見で嬉しい。」と七田氏は喜びをかみ締めていました。

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加藤碵一先生 突然の訪問

2011年02月08日 | 幽玄洞

2月5日、予期せぬ事が起こりました。
あの加藤碵一(かとうひろかず)先生の突然の幽玄洞訪問です。
先生の名前を初めて知ったのは以前一関市東山町松川にある「石と賢治のミュージアム 太陽と風の家」で販売されている「化石チョコレート」の取材をしたときです。
この商品を考案したのが先生ということでブログで紹介したことがありました。
あれから3年が経ち2日、沿岸13市町村や県など23団体が宮古市で総会を開いて「いわて三陸ジオパーク推進協議会」を設立しましたが、その総会で先生の講演も行われました。
翌日は盛岡市にある岩手県立博物館で「宮澤賢治の地的世界」と題し、賢治と地質学に関する講演が行われたばかりです。

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       加藤碵一先生

先生は東京教育大学理学部地学科地質学鉱物学教室をご卒業し、地質調査所に入所されました。その後数々の職を歴任され現在は独立行政法人 産業技術総合研究所フェロー 地質調査総合センター代表をなさっています。
地質構造の解析や地震発生に関する研究、ジオパーク活動、宮澤賢治の地質学的研究をされています。

洞内見学中は洞窟内の地質構造の話や昔、ウミユリのことを「石蓮虫(せきれんちゅう)」と呼んでいた話などを教えてくださいました。
印象に残ったのは東山町には鳶ヶ森層という地質時代区分がありますが、大船渡の鬼丸層や東山町の鳶ヶ森層は地質学上普通に使われる言葉なので、この地層はすごいことだと教えてくださり、地元住民の一人としてとても誇らしく思いました。

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加藤先生をはじめ太陽と風の家の藤野館長さん、元高校教諭の原子内先生、岩手地学教育研究会会員の七田清さん、いろいろとご指導いただきありがとうございました。

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「大地(ジオ)を楽しむ旅へ」

2011年02月05日 | 幽玄洞

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英語で地質学のことを「ジオロジー」、地理学を「ジオグラフィー」と言いますが、「ジオ」とは「大地」や「地球」を表す言葉です。
盛岡市にある岩手県立博物館では「大地(ジオ)を楽しむ旅へ」と題し、ジオのテーマ展が開催されています。
岩手県には北上山地と奥羽山脈が縦に平行して位置していますが、この山々は生成された時代が異なるという特徴をもっているため、古生代カンブリア紀から新生代第四紀までの地層や岩石が分布しています。
一つの県でカンブリア紀から第四紀までの地質を見ることができるのは他県にはない一番の魅力といえるでしょう。
テーマ展では宮沢賢治が手にして勉強したと考えられる地質学の専門書の展示や県内各地で採集された化石や岩石の展示、地形の成り立ちなど詳しく説明してあります。
一関市東山町産出の化石では、同町在住で岩手地学教育研究会会員である七田清氏が採集した「シダ植物 リンボク類 レプトフリーアム」(後期デボン紀)や町内でも最も古い地層から採集した「角閃岩」(前期カンブリア紀)も陳列されています。
テーマ展の中では「ジオ鉄~地質を楽しむ鉄道旅行~」として県内を走る在来線も新しい旅のかたちの提案として紹介しています。
列車に乗りながら地形や地質を目にすることができるポイントを具体的に紹介しているので鉄道ファンにはたまらないかもしれません。
幽玄洞があるこの東山町内においてはJR大船渡線が走っており、特に松川地区の石灰岩鉱山を一望できます。

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「ジオ鉄」ご利用の際は石の町、東山町をお楽しみ下さい。

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