夕螺の一言日記

毎日心に浮かんだことなどを書いてみたいと思います。。。(2014年3月13日開設)

2017年 7月 9日(日)「神隠し」

2017年07月09日 21時36分51秒 | 「東京日記」
昼飯を食って風通しの良い畳の部屋でゴロンと寝ころんだ。
外では鳥がさえずり今年初めて聞く蝉の声がしていた。
その鳥や蝉の声が遠のいていっていつのまにか寝てしまったらしい。
蝉時雨。
体が包まれるほどにセミが鳴いている。
小さいが流れの早い小川の流れの音が心地よい。
小さなお堂の周りはうっそうと大木が茂っている。
僕と友達二人でその小さなお堂に入った。
中は夏でもひんやりとして畳の冷たさも心地よい。
神棚には鏡が一枚入っているお厨子がある。
カビのような何かが燃えた後のような埃のような匂いがまじりあっている。
さっきまで川で魚を捕ったりカブトムシを探したりしていて少し疲れていた
二人で畳の上に横になっていろいろと話をしていたらいつの間にか寝入ってしまったらしい。
ガサガサと大木の葉が風に揺れる音。
遠ざかった小川の流れの音が大きくなった。
大人たちがたくさんいるのか、声がうるさかった。
お堂の扉を開くと山で囲まれた里は陽が落ちようとしていた。
大人たちは今夜たのしみにしていた村芝居の支度をしていた。
慌てて二人で帰り道を急いだ。
するとその友達のお母さんと、僕のおばあちゃんがこちらに向かってきた。
「心配しだぞ」と怒られ、そのあと僕のおばあちゃんが「よかった、神隠しにあったと思った・・・・」と。
まだ僕が小さい頃のお袋の実家の山の村は神隠しが出て河童が出て熊が出る村だった。
村芝居のお囃子のような笛の音色が聞こえ始めた。。。。。。
その時僕は東京の片隅で昼寝から覚めた。

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