猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

わがままだったらいいけれど

2005年12月27日 15時49分05秒 | 猫たち
さて。
先日、12月23日から点滴治療を続けているちびくん。
当初の、BUN119という危険な数値は脱し、容態は安定している。
まず、初日の点滴後、まるでキャットフードのCMに登場する猫のようにドライフードを貪り食べ、見通しは一気に明るく。
ひとまずは私を安心させてくれたのだが.....。
どっこい、肝心の数値が下がるごとに、ご飯の食いが悪くなってきた。

しかし、様子をみているとどうも具合が悪いようではない。
点滴する前とでは明らかに瞳の輝きが違うし、動きも軽やか。
私が冷蔵庫を開けるたびにトコトコとあとを付いて回り、ゴンザの帰宅後にも、得意の猫かぶりで甘えては<ハムちょうだい光線>を出している。
先生の話では、点滴は都合4回を数え、4回目を受ける前の数値が80くらい(正常値は45まで)だったというので、4回目を受けたあとはさらに改善しているはずだという。
これ以上の点滴については、血液が薄まってしまう(貧血)危険性があって簡単には出来ないが、食欲が出ないようならもう1度だけしましょうとのこと。
ちびくんは、26日の帰宅後から24時間、食欲に関しての様子を見ることになった。

さて。
当のちびくんだが、帰宅後少しだけご飯を食べ、その後はやはり私のあとを付いて回ってはおねだりを繰り返す。
しかし、せっかく下がった数値をここで上げてしまうわけにはいかず、それに私が応えることは出来ない。
何より、翌日までに何をどれだけ食べたのか、把握しておく必要があるわけだから、いつもの療法食をいつもどおりに食べてもらうしかないのだ。
が.....。
ちびくんがご飯を食べる様子は一切ない。
目の前に持っていってあげても「フン!」
う~ん.....
これは具合が悪くて食欲がないのか、それともただのわがままか.....。

結局、先ほど病院へ連れていくまでの間に彼がご飯を食べることはなく、ひたすら、私やゴンザのあとを付いて回っておねだりに終始。
私は先生にそんな状況を報告することになった。
「食欲がないというより、わがままを言っているように見える」
と。

すると先生。
「元気が出てきたものだからわがままになっている可能性はある。もう一日様子を見て、それから点滴の件は決めましょう」
という。
私は、わかりました、ではまた明日連れてきますと先生に告げ、カテーテルをつけたままのちびくんを家へ連れ帰った。

さて、家へ帰ったちびくん。
すっかり病院と家の行き来にも慣れてきた様子で、部屋の中へトコトコトコ。
深刻な顔で話し合うゴンザと私をよそに、おもむろにご飯の前へ。
「ハグハグハグ」
って.......

食うんかいっ!!!!!

あんなに心配したのに、もう病院でも、治療をどうしていくのか考えなきゃいけないかも、みたいな話までいってたのに、やっぱりただのわがままだったとは.....。
ってことは、この食事もまた病院へ連れて行かれるのが嫌で、元気アピールをしているとも考えられる。
「ボク、こんなに元気。ほらご飯だって食べるし」
みたいな。

とはいえ、それがただのわがままで心底ホッとしている私。
まだまだ油断は出来ないし、腎不全は決して善くなるものではないから、先は長いけれど、何とかちびくん自身に一番良い方法を模索してゆくしかない。

明日病院で、このわがまま息子についてどう説明しようか思案しながら、一挙に気が抜けてしまった母なのだった。

ああ、そうそう。
これは腎不全を患っている猫ちゃんを飼っておられる方への情報ですが、クレメジン、ネフガード等の活性炭薬についてはこちらから言い出さないとくれない病院もある様子(ネフガードについてはネット販売アリ)。
我が家もそうでした。
以前の通院以降、ネット等で漁った知識をもとにこちらから切り出したところ、「飲ませるのは大変だよー」
と言いながら出してくれました。
しかし実は、我が家のちびくんはこんなカプセルくらい楽勝。
この薬である程度、病気の進行を抑えることが出来るという情報を信じて続けていこうと考えています。
カプセル、錠剤を上手に飲ませるときのコツは、ためらわず、口をパカッと開けさせたと同時に、舌の一番奥のところに縦に(カプセルの場合)薬を置き、すかさず口を閉じさせてしばらく押さえておく。
これだけです。
ためらうとかえって猫が苦しい思いをするので、素早く、大胆細心に。
我が家の猫達。
おかげで薬を飲むのは大変上手です。

立ちはだかる強敵

2005年12月27日 04時03分57秒 | 今日のお弁当
私は。普段の料理に、バターや生クリームの類をほとんど使わない。それは、ケーキやお菓子を好むゴンザや私の食生活を考えると、どう計算しても(何となくだけど)、カロリー過剰になってしまうからだ。よって、それらをたっぷり使った料理を食べるのは、外食でのみ。だから、昨夜の、ゴンザが作ってくれた生クリーム入りのきのこソテーなどは、私には絶対に作れない、いや、作ったことがない、一品だったのである。しかし今日、お弁当を作ろうと冷蔵庫を開け、はたと気づいた。「開封した生クリームが残ってる.....」。だが、お菓子作りに使うには、少々量が足りないようだ。こ、これは、これを料理に使ってみろ、という何者かの挑戦か!?

で、今日のお弁当。

<焼塩鮭><洋風肉じゃが><きのこのアンチョビクリームソテー> です。

<焼塩鮭>
*焼くだけ。
<洋風肉じゃが>
*じゃがいも(中)は皮をむいて四等分、玉ねぎは8等分、にんじんは乱切りにしておく。白滝はよく水で洗い流しておく。鍋に油をひき、ひき肉を炒める。じゃがいも、にんじん、たまねぎを加えてさらに炒め、表面が透き通ってきたら、水、ダシの素、コンソメキューブ、白滝を加える。材料が柔らかくなるまで煮込んだら、醤油、砂糖、みりんで味を調える。
<きのこのアンチョビクリームソテー>
*好みのきのこ(今回はしめじ、エリンギ、かきの木茸を使用)は石づきを除き、食べやすく小房に分けておく。エリンギ、にんにくはスライスしておく。フライパンにオリーブオイルを入れ、にんにくをじっくりロースト。香りが出てきたらきのこを投入、炒めてゆく。きのこがしんなりしてきたら、白ワインを全体に回しかけ、一気にアルコールを飛ばす。生クリーム、アンチョビペースト(もしくはアンチョビ)、コショウを加え、味見をして塩味が足りなければ塩を。全体を混ぜ合わせながら味を調え仕上げる。

洋風肉じゃがは、肉をひき肉に、普通のダシにコンソメキューブをプラスしただけのものだけど、ちょっぴりコクのある仕上がりに。ごく薄味に仕上げてスープのようにしてもいいかも。
きのこのソテーはアンチョビの塩気が強いので、慎重に味をみながら仕上げて。コショウを利かせて味を引き締めると美味しいよ~。
なんて、生クリームを使ったメニューが思いのほかうまく出来上がったので、したり顔でもの言っちゃってるけど.....(笑)
やっぱり私は、フツーのお母さんが作るみたいなフツーの和食が得意みたいだー。

クリスマスのご馳走

2005年12月26日 12時57分09秒 | 美味しいもの
実は我が家のクリスマス。
ゴンザが小さいながらもとっても美味しいイタリアンレストランに、ディナーの予約をしてくれていた。
しかし、23日。
ちびくんの具合が悪い事が判明した時点でキャンセル。
「クリスマスは家で静かに鍋でもつついて過ごそう」
と、私は密かに考えていた。

けれど、実際はちびくんから目を離したくない一心で、この二日間は布団に入らずうたた寝の繰り返し。
ゴンザの休みにあたる25日当日は、ゴンザが目を覚ましたと同時に、私が寝入ってしまい、目を覚ますともうとっくに夕飯の時刻を過ぎていた。

と。
「........んん?」
なんだか家中良い匂い。
そういえば眠っている間中もバタバタ音がしたり、良い匂いが漂っていたような.....?
ぐっすり眠り込んでしまった事をゴンザに申し訳なく思いながら、もそもそと起き出せば、
「ご飯出来てるんだよ~」
と、当のゴンザはニコニコしている。

「しかもー、今日は色々作ったんだ」
いそいそとテーブルに並べてくれたご馳走を眺めれば、時間も手間もたっぷりかかっているのが見てとれるよう。

猪の赤ワイン煮込み、きのこのクリームソテー、まぐろの炙りカルパッチョ、キャベツとミモレットのサラダ温泉卵乗せ.....

「すごお~い!」
猪はホロホロと柔らかく口の中でほどけ、きのこはコクと香ばしさであとをひき、まぐろはかかっているオイルの香りだけでもよだれが出そう。
サラダに乗ってる温泉卵は自家製だし、クルトンも自分で揚げたとか。
猪に添えられている、アーティチョーク風のグリーンは、サラダで余ったキャベツの芯の部分を茹で上げたものだし、まぐろにかかっているオイルに使われたハーブはベランダ産のもの。

「美味しい.....♪」

どんな高級レストランで食べるよりも、有難く美味しい、我が家のご馳走。
「レストランみたいじゃなくてゴメンね」
と言うゴンザに、ただただ感謝の念で胸がいっぱいの私。
家で家族と食べるご馳走以上の『ご馳走』などあるわけがない.....。
感謝の言葉と、目の前に並べられたご馳走がどれだけ美味しいかを、ゴンザに必死で伝えた。
レストランのディナーなんていつでも行けるけど、今日一日は、もう二度と訪れる事のない、かけがえのない一日なのだから。
そして.....
何気なく送る毎日毎日が、そんなかけがえのない一日なのだ。

つまみ食いを狙うちゃあこと、穏やかな寝息をたてるちびくんに囲まれて、幸せな幸せなクリスマスを過ごした私たち。
互いに「ありがとう」を言いながら、ささやかなベランダイルミネーションを眺めた最高のディナーに、皆が共に生きる事の意味を、しみじみ噛み締めたクリスマスの夜だった。

Merry Christmas !

2005年12月25日 02時29分35秒 | 猫たち
皆様.....
Merry Christmas !

いかがお過ごしですか?
我が家では、静かに、静かにクリスマスの深夜を迎えています。

ちゃあこは毛繕いを。
ちびくんは私のおしりにくっついて、ときおり頭突きをしたり、眠ったり。
ゴンザは仕事へ。
私は.....いつものように過ごしてます。

皆さんは楽しいイブを過ごせましたか?
今頃、サンタクロースが大忙しで、それぞれ皆さんのところへ、プレゼントを置いて回っていることでしょう。
そういえばさっき、窓の外をトナカイが
「忙しい、忙しい」
と、ぼやきながら通ったような.....?

皆さん。
愛する人と、愛する場所で、素敵なクリスマスを。
そして今日が.....
世界中の、生きとしいける者すべてに、あまねく、幸せの降る一日でありますよう。

Merry Christmas !

世間はクリスマスですが...

2005年12月24日 02時11分56秒 | 猫たち
皆様心華やぐクリスマスイブに、いきなり病気の話で恐縮ですが.....。
今ではこのblogですっかりおなじみとなりました17歳半の猫、ちびくんの体調不良のため、予定はすべてキャンセルとなった我が家です。
確か、このblogを始めたのがGWで、その時の書き出しもこんな感じだったと思いますが.....。

元々腎不全を患っているちびくん。
療法食で頑張っていたのですが.....
前日からの食欲不振。
足腰のふらつき。
ただならぬ様子に朝イチで階下の病院へ連れて行ったところ、血液検査。
BUN(尿素窒素)の値が限界まで上がっていることが判明し、即2泊3日の入院を言い渡されました。
静脈点滴を受けるため.....。

しかし私はここである心配に囚われ始めました。
なぜなら、病院のある建物に住んでいるからこそわかる、ある事情が引っかかったから。
普通、入院といえば安心かと思うけれど、実際入院患者(犬や猫)は、夜中の間、誰もいない真っ暗な院内におり、異常が何か起きても誰も気付けない状態。
先生の家は病院の階上にあり、病院内と住宅が繋がっているわけではないから、その間、もしちびくんが吐いたり、急変しても気付いてはもらえないわけです。
でも.....私なら、ちびくんの一挙一動を見ていられる。
もともと、彼のために仕事も休んでいるのだから、こんなときこそ余りある時間をちびくんのために使うべきなのではないか。

私は
「どうしても入院しなきゃいけませんか?」
「夜中に何らかの処置をするんですか?」
と、先生に尋ねました。
すると。
先生いわく、
「夜中は何もしないけれど、基本的に皆さんに入院してもらってるから」
「何度も連れてきたりするのは大変だろうから」
とのこと。
しかし私は食い下がり、
「一日中家にいますから」
「電話を頂ければすぐに来ます」
と言ったのです。

これが正しいことかどうかはわからない。
診ていただくのだから、すべて指示に従わないといけないのかもしれない。
しかし、血液検査の結果を家で待つように言われ、ちびくんを病院へ置いて行くときの、
「置いていかないで」
とこちらを見つめ、鳴いた声を思うと.....。
外へ出たこともなく、知らない猫と過ごしたことなどないちびくんが、一晩中続く他の犬や猫の鳴き声に怯え続けることを思うと.....。
せめて夜だけは、家へ連れ帰って、トイレも、水のみ茶碗も、自分のものを使わせてあげたい。
こころの安らぎを与えてあげたい。
このマンションが古くて、驚くほど狭いにも関わらず住む事を決めたのは、ひとえに階下が犬猫病院だから、という理由でなのだから。
ぶっちゃんの時のような間違いだけは.....二度と犯したくないから。

私は、ちびくんが点滴を受けている間にゴンザの店の大掃除を手伝いに出かけ、閉院1時間前に彼を迎えに行った。
無機質に並んだ檻の中。
エリザベスカラーを付けられたちびくんは、奥の奥へ身を隠すように縮こまっており、小刻みに震えている。
左手には、オレンジ色の包帯が巻かれ、翌日、翌々日も点滴を受けるためのカテーテルが通されているということだった。
「連れて帰って大丈夫ですか?」
訊ねると、先生の奥さんは、
「明日の10時にまた連れて来て下さい」
という。
入れられていた檻からちびくんを出そうとすると、檻の床には、垂れ流されたと思われるおしっこが.....。
私は連れて帰る決断が正しかったような気がして、彼をそっとキャリーバッグの前に連れて行った。
すると、付けているエリザベスカラーが引っかかって、キャリーバッグに頭が入らない。
「はずしてはいけませんか?」
奥さんに聞くと、はずしても構わないが、そうすると普通はカテーテルを自分ではずしてしまうので心配だという。
そこで私が
「この子、そういうことにはわりと構わないたちなんです」
というと、では、はずしてしまいそうになったら、またエリザベスカラーを付けてくださいと、ちびくんのカラーをほどくのを手伝ってくれた。

その時。
驚いたことに、人や他の猫を威嚇した事などないちびくんが、かすかに
「ウー」
と言った。
しかし、それもすぐやみ、病院へきたときは絶対に出ようとしなかったキャリーバッグに、自らそそくさと入ってゆく。
私は奥さんにお礼を述べ、自宅へとちびくんを連れ帰った。

さて。
帰宅したちびくん、点滴前と現在では目の輝きからして違い、家中をふらふら点検したのちに、水を飲み、トイレに行き、爪を研ぎ、いつもの場所に陣取った。
エリザベスカラーははずしたままだけれど、2-3度、そこを舐めようとしたことを静かにたしなめたところ、触ってはいけないのだとわかったらしく、その後ははずそうとすることもない。

あとは.....ゴンザと交代で睡眠をとることにして、明日、病院へ連れて行くまで目を離さないようにすることだ。

私のしていることは間違っているかもしれない。
病院の指示通り、普通はものごとを運ばなければいけないのかもしれない。
しかし、ゴンザに撫でられ、静かに寝息をたて始めたちびくんを見て、また、眠りの中でうなされているちびくんを見て、それが夜の間だけでも、連れて帰ってきて良かったと思った、私。

世間はクリスマスですが.....
我が家は家族で静かに過ごしています。

皆さん。
良いクリスマスを.....!