今日の主役はノンノ!
なんで女の子の本なのにノンノなの?って、疑問に思ってたんだよね」

イタリア語ではおじいちゃんを『ノンノ』と呼ぶのだと。
そう説明してからTは、
『だからどうして若い女子向けの雑誌が、
そんな名なのか、わからなかったと。

彼女の使う言語は、主に英語と日本語だが、
ルーツはイタリアということで、
きっと実際に、おじいちゃんをそう呼んでいたのだろう。
陽気なノンノの大サービスに、みんなで笑う。

「シェフはノンナ。
だけど、主役はノンノだね」と。
黙々と働く息子をよそに、
または、キッチンで鍋をふるノンナをよそに...
ノンノはといえば、可愛いお年頃のTMをからかったり、
隙を見ては、そのおでこにチューしたり(笑)
食事が終われば、やはりリモンチェッロをボトルごと持ってきて、
「さあ、好きなだけ飲め!」
と。


ノンノとノンナが一番元気らしい。
そういえばソレント滞在の三日間。
とあるじーさんは毎日同じ交差点でベンチに腰掛け、
ある日は友じーさんとおしゃべり、
ある日はばーさんをナンパしていた様子だったし(笑)
ホテル近くにあるローンボールのグラウンドでは、
やはりじーさんがたくさん集まって、おしゃべりをしていた。


他にも、公園、中庭、二階の窓から...
とにかくイタリアでは、
いつも、じーさんとばーさんが元気におしゃべりに興じているのを見かけたものだ。

Tの旅の目的でもある、
彼女が会いにゆく親類のノンノは、
「もう目は見えないけれど、
どんなに時間がかかっても、自分のことは自分でするし、
たくさん食べて、たくさん飲むんだよ」と、
Tはそう言っていた。

そういえば、
Tの娘、TMが、会話全体が英語の場合でも、
自身のおじいちゃんのことは、日本語で『じぃじ』と呼ぶのが面白い。
なんでも彼ら一家によれば、英語と日本語の使い分けは、
最初にその単語をどちらの言語で覚えたか、で決まるのだそうだ。