猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

ノンノとノンナ。

2013年08月16日 04時49分23秒 | イタリア見聞録。

 

今日の主役はノンノ!

 

「だからさー。子供の頃は、『ノンノ』って雑誌。
なんで女の子の本なのにノンノなの?って、疑問に思ってたんだよね」
 
 
 
 
それは、ソレント二日目のランチ。
 

イタリア語ではおじいちゃんを『ノンノ』と呼ぶのだと。

そう説明してからTは、
『だからどうして若い女子向けの雑誌が、
そんな名なのか、わからなかったと。
 
 
 


彼女の使う言語は、主に英語と日本語だが、
ルーツはイタリアということで、
きっと実際に、おじいちゃんをそう呼んでいたのだろう。

ノンナ(おばあちゃん)が切り盛りするレストランで、
そんな話をし、昼食をとりながら。

陽気なノンノの大サービスに、みんなで笑う。
 
 
 
 
 
家族経営の、その小さな店で、
「シェフはノンナ。
だけど、主役はノンノだね」と。

黙々と働く息子をよそに、
または、キッチンで鍋をふるノンナをよそに...

ノンノはといえば、可愛いお年頃のTMをからかったり、
隙を見ては、そのおでこにチューしたり(笑)

食事が終われば、やはりリモンチェッロをボトルごと持ってきて、

「さあ、好きなだけ飲め!」

と。
 
 
 


 
イタリアじゃどうやら、
ノンノとノンナが一番元気らしい。

そういえばソレント滞在の三日間。

とあるじーさんは毎日同じ交差点でベンチに腰掛け、
ある日は友じーさんとおしゃべり、
ある日はばーさんをナンパしていた様子だったし(笑)

ホテル近くにあるローンボールのグラウンドでは、
やはりじーさんがたくさん集まって、おしゃべりをしていた。
 
 
 
 
 
 


他にも、公園、中庭、二階の窓から...

とにかくイタリアでは、
いつも、じーさんとばーさんが元気におしゃべりに興じているのを見かけたものだ。
 
 
 
おしゃれなノンナ。
 

 
たぶん彼らは、人生を最大限楽しんでいるのだろう。

Tの旅の目的でもある、
彼女が会いにゆく親類のノンノは、
「もう目は見えないけれど、
どんなに時間がかかっても、自分のことは自分でするし、
たくさん食べて、たくさん飲むんだよ」と、
Tはそう言っていた。
 
 
 
ノンノ、またね!
 


そういえば、
Tの娘、TMが、会話全体が英語の場合でも、
自身のおじいちゃんのことは、日本語で『じぃじ』と呼ぶのが面白い。

なんでも彼ら一家によれば、英語と日本語の使い分けは、
最初にその単語をどちらの言語で覚えたか、で決まるのだそうだ。






イル・ブッコの夜。

2013年08月10日 05時42分41秒 | イタリア見聞録。

 

その夜そこへ座ったのは、運命か、それとも...

 

「そんなに厨房が気になるなら、中に入って見学出来ないか、交渉してあげる」

 ー ソレントの夜。

Tが、「どうしてもここだけは行っておきたい」という、
お気に入りのレストランで座った席が、
たまたま厨房を映すモニターの前だったことから、
Hさんが、そんな親切な声をかけてくれる。
 
 
 


お年頃のTMは、彼女お気に入りという、
大人な雰囲気の漂う場所に座れず、
少々残念がってはいたけれど、
ゴンザにとってはその席は、
これ以上ない特等席だった。

 

まずはシャンパンで乾杯!



偶然なのか。

いや。

もしかしたら、
そういう席があると知っていて、Hさんが、
そこをあらかじめ指定してくれていたのかもしれないが...

とにかく、ゴンザといえば、
食事の合間中、そこに映るシェフたちの動きが気になって仕方がない様子。

 

頼んだのは、お勧め料理と、それぞれの品に合わせたワインのコース。



「あれはなんだろ?」

「あの鍋が気になる」

「ああ、ああやって...」

と、時々呟く他は、黙りこくってしまったり。

料理が出れば、それにまた夢中で、
けれどもやはり、気になるのは、その作り方で...。

ついにTが、
「長年の付き合いだけど、
この人、気になることがあると、こんなに黙っちゃうんだねぇ!」と。

 

素材だけでなく、それぞれのソースも素晴らしい。



長い時間かけてとる夕食の、
おしゃべりやワインの隙間に入り込む、
ゴンザの『興味深々』。

そんなとき、Hさんが言ってくれたのが、
『見学』の話だった。

 

全部の写真を載せられればいいんだけど...難しい(笑)



言葉の出来ないゴンザは、驚き、とまどい、
「中に入れてもらえても、なんて言ったらいいの?」と、
実は腰が引けていたけれど(笑)

すぐに、快く承諾してくれたというシェフのもとへ、
支配人らしき男性に連れられ、進んでゆく。

テーブルに残った私たちはといえば、
やはり興味深々で厨房を映すモニターを眺め...

そこへ登場したゴンザの姿に笑い、
しみじみ、「来てよかったねえ!」と呟く。
(ついでに私泣く・爆)

 

おしゃべりも、ワインもすすむ。



もし、二人だけなら、とても出来なかったこと。

もし、二人だけなら、
知らなかった世界。

私は、どんな風にお礼を言えばいいのか、
どうすればその、感謝の気持ちか伝わるのか、
わからないまま、Hさんにお礼を述べる。

「いやいや、全然、全然!」

大きくて、青い目のHさんは、いつも、
お礼をいわれたり、すみませんと謝られたりすると、
その流暢な日本語で、そう答えるのだ。

私たちが見つめるモニターの向こうでは、
大緊張のゴンザが、シェフたちに囲まれ、
記念写真を撮ってもらっていた。

 

デザートも、食べきれないほど!


ソレントの夜。

イル・ブッコの夜。

そこで私たちが見たものは、
『美味しいものを作る』だけじゃない、
サービス業のなんたるか。

それは『業』であって『業』ではないのだと、
あらためて知った、
素晴らしい体験の夜だった。

 

そしてやっぱり、どこでも最後はリモンチェッロ(笑)




Grotta Azzurra - アオノドークツー! -

2013年08月08日 09時15分52秒 | イタリア見聞録。

 

まだ静かな、ソレントの港。

この日の目的地はカプリ島。

二人で身振り手振り。

 

イタリアに、『青の洞窟』という場所があると知ったのは、
いくつの頃だったろう?

あれは、パスタのCMだったか、
それとも新聞広告で見た、小さな写真だったか。

いずれにしても、それは、私には、縁遠い場所だと思っていた。

 

島に着いたら、こんな船に乗り。

いざ出発!



まさか実際訪れる日が来るとは...

夢にも思っていなかった。

突然決まったイタリア旅行。

そして、ソレントへ着いてから決めたカプリ行き。

 

切り立った島の端を回り込み。

洞窟の前で、奥に見えるような、さらに小さな船に乗り換え。



Tたちはその日、ビーチで過ごすというので、
夕食を共にする約束だけして、
「じゃあ私たちはカプリに行ってくる!」と。

高速船で20分。

たったそれだけで、あっけなく、あのカプリに着く。

『青の洞窟』にも行こうと決めたのは、
カプリ行きの船の中でだったが、
二人だけで、言葉もわからず、はたしてどうすればそこへ行けるのか、
それは、そこへ着くまで、わからないままでもあった。

けれど...

心配は要らず。

カプリの港では、客引きと見られるイタリア人が、
「アオノドークツー!アオノドークツー!」と、声をあげている(笑)

 

船頭さんの足元に身を横たえ、こんな風に入ってゆきます。



「あそこの窓口でいいのかな?」

何より早いのは、商売したい側と、
金を払ってそれを利用したい側の話である。

私たちは、身振り手振りで、二人分のチケットを手に入れ、
やはり身振り手振りで、洞窟行きの船へたどり着き、乗り込んだ。

しかし、なんでも事前に聞いた話では、
青の洞窟に入るには、なかなかに運も大切なのだそうだ。

少しでも波が高ければ、
入口前まで行っててもアウト、ということもあるというし、
中には、4回訪れて、4回とも入れなかった人もいるという。

私は何しろ、史上最強の雨女でもあるし(笑)

だからそれほど期待してはいなかった。

...けれど、びっくり。

「洞窟前に着いても、長ければ数時間、船の上で待つ」といわれる場所で、
私たちは10分も待たず、洞窟に入るための小舟に乗り換えることが出来、
すんなりと中へ進むことが出来たのである。

「ウシロミテー!」

 

見た!肉眼以外では、とても伝わらない青。



船底に身を横たえ、入口をくぐり抜けたのち。

若い船頭のたどたどしい日本語に、身を起こして振り返れば...

その瞬間を果たして、どう表現したらいいのか。

ただ、肉眼でしか、伝わらない色もある、と。

入口前で、事前に私が握らせた、たっぷりのチップのおかげで(笑)

私たちが乗った小舟は船頭の兄ちゃんの大サービスを受け、
他のどの船より長いこと、洞窟内にいることが出来た。

何より早いのは、商売をしたい側と、
金を払ってそれを利用したい側の話である(笑)

それと、「ありがとう」の言葉。

 

青の洞窟は、午前中が一番綺麗らしい。



イタリアへ着き、Tが最初に教えてくれたのは、
「グラーッツェ!」と言われたら、「プレーゴ!」と返せ、ということだった。

こちらが「グラーッツェ」なら、向こうは「プレーゴ」。

面白いことに、相手がどれだけ無愛想でニコリともしない人物でも、
イタリア滞在中、こちらのグラーッツェにプレーゴと返さない人間は一人もいなかった。

小舟を降りる直前、
船頭の若い兄ちゃんは、とびきりの「グラーッツェ!」を私に言った(チップ分だね・笑)

私も彼に、ありがとうを。

 

兄ちゃん、熱唱もありがとう(笑)



カプリは、白い壁と青い空、海の島。

世界有数のリゾート地という。

 



ケーブルカーに乗り、メイン通りに出れば、
そこはブランドショップばかりで、実をいえばがっかりしたが、
その後、観光客が誰もいない展望台へとたどり着けば。

そこには素晴らしい景色が広がっていた。


広場を目指したはずが...

あれ?

あれ?あれ?あれ?

あれ?(笑)

 

『迷子になると、思いがけない発見がある』というのは、
私たちの、もはや信念みたいなものである(笑)

それが通用する、安全な場所に限り、だけれど。

 

ふと見れば、豪華な別荘越しに、お金持ちたちの船。

そして絶景。

着いた先は展望台、でも、観光客は誰もいない。



帰りに乗った、港行きのボロボロのバスは、
ガタガタ道で弾むたび、ばらばらに分解してしまいそうで(笑)

そのバスが通る、狭い道沿いに建つ家の壁はといえば、
ちょうどバスが通る高さの部分が、ところどころ削られていた(笑)


さあ、帰ろう!ソレントへ。

行きはケーブルカーで登ったので、帰りはバスで。

再び船に乗り、ホテルへ戻ってビールで乾杯!





歌の中の街 ー 帰れソレントへ ー

2013年08月06日 08時59分05秒 | イタリア見聞録。

 

朝、ホテルのある坂の上から降りていく時、
よく見かけた、色とりどりの、可愛い小さなトラック。
中はスクーターなのかな?
野菜や牛乳などを運ぶのに使うみたい。

 

街へ降りると、うって変わって、そこはリゾート客のための場所となった。

小さな通りに軒を連ねる土産物店は、
レモンや太陽を象った、色とりどりの商品を並べ、
メイン通りには、夏のセールを知らせるための、
賑やかな貼り紙。

 

地中海の内、イタリアのつま先側はティレニア海というらしい。

ビーチは砂浜でなく、ホテルや各施設に、こんな感じでついてます。

 

あちこちにあるカフェ、レストランは、心地よい日陰を作り...

カプリへ渡る船の発着場を知らせる業者の姿は、
港へ続く階段の上に。

 

街中にもオレンジの樹。

それとオリーブ(実が鈴なり)。

小さな路地。


Tによればイタリアの街はどこも、
ドゥオモを中心に作られているのだそうだが、
他にも、それに負けず劣らず美しい、街中の教会。

 

イタリアは若い男より、とにかく爺さんがかっこいい!

そして、どこでもかしこでも、誰かが立ち話をしている(笑)


ソレントは、レモンとオレンジと、海とその幸と、
寄せ木細工、リゾートファッションの街らしいが、
なるほど、どこへ行っても出されるリモンチェッロに、
どの店先にもあるつばの広い帽子、
魚屋に並ぶ、新鮮な魚介類は、
それを物語っている。


 

イタリア滞在中、一度しか飲まなかったエスプレッソ(からっぽ・笑)

足元には平和な街を象徴する、にゃんこ。


夕暮れには、一人で気ままに散歩をする犬。

あれほど乱暴な運転をするイタリア人たちの車が、
不思議なほどに、歩行者や、ふいに現れる犬を目ざとく発見し、
しっかり止まってくれるのは、
日常的にこういった風景が、そこここにあるからなのだろう。

想定内の、想定外...それに慣れた人々。

 

鉢植えまでレモン。

どこでも出てくるリモンチェッロ。

夜には歩行者天国で...まさに歩行者の天国!(笑)


夜には、歩行者天国。

昼間より多い、人、人、人の波。

老いも若きも楽しげな街、それがソレント。

街角からは歌声が聞こえ、それがいつまで続くのか、
歩く人にもわからないほど、さざめきもまた、続くのだった。

 

魚介類はどれも新鮮で美味い。

ヴェスヴィオ山を望む、ホテルのプール脇にも、レモン、オレンジの樹がいっぱい。





天国への階段。

2013年08月04日 07時16分07秒 | イタリア見聞録。

 

 

ソレントの朝は早かった。

街はずれにあるホテルのバルコニーは、
ゴツゴツとした小さな山に面していて。

夜が明けると共に、鳥たちが、
その岩陰から木陰から、一斉に囀り始めるのだ(笑)

 

あまりの美味しさに、南にいる間中飲み続けた、搾りたてオレンジジュース。


そういえば前夜、Hさんが、
その山の中腹には小さな教会があるようだと、
狭い階段が続く方角を指差して言っていたが...

せっかく早起きしたことだしと、
ゴンザと私は朝食後にそこへ行ってみようと思い立つ。


小さな山の、小さな階段。

そこに見えてきたのは...

想像以上に静かで開放的で、
まだ一晩眠っただけというのに、
ソレントが、理想の保養地と感じられたのは、
もしかしたらこの朝が、すべてを物語っていたからなのかもしれない。

天国へと続く階段は、素朴に、神聖に、
暮らしと共にそこにあった。

 

近づいてみれば、彼らの信ずる神のお話。

岩陰に住むのか、とにかくたくさん見かけたトカゲ。



聞こえてくるのは鳥の声だけ。

動いているのは、風に揺れる葉とトカゲだけ。

誰かに踏みつぶされたイチジクの実の甘い香りは...

見上げれば、どうして地中海沿岸に住む人々が、
あれほどイチジクを食べるのかわかるほどの、大きな樹の下から漂っていた。

 

タイルに描かれたキリストの生涯を追っていくと...

あった!


上るごとにわかってくる、教会へ続く階段の、もう一つの役目。

山肌を削って作られた、
そのジグザグの小さな階段の角ごとには、
キリストの生涯が描かれた、美しいタイルがはめ込まれていた。

 

信ずるものが何であっても、人々が心を寄せて作ったものは美しい。

小さな門が閉まっていたのは朝早かったから?

 

ここを上る人々は、きっと、そこを上るたび、眺めるたびに、
信仰を深めていったのだろう。

振り返ればすぐそこに見える地中海同様、
暮らしの中にあるものとして。

 

振り返れば、ソレントの街並みと地中海。



『ソレントの思い出は何か?』ともし聞かれたら、
私は一番に、この『教会の朝』を挙げるだろう。

そこには、観光地を思わせるものは、
私たち以外には何もなく。

たとえていうならそれは、我々日本人が、
小さな神社の境内をすり抜けていくような、
そんな感覚にも似ていた。

 

教会の裏にひっそりと建っていた、終戦の記念碑(?)

路傍の花が、美しいのも同じ。