いよいよ、最終の教材62が完成しました。
≪ラヌー織り≫という技法で、これはノルウェーのお店でも見ました。
日本では”たたみ織り”ともいわれています。
なぜかというと 1色を出すのに4段、もしくは5段織らないと出ない、という手間のかかる技法で、
そのため、裏を返すと、まるで”たたみ”のようになっているからだと思います。
今回は作品ではなく、サンプルとして様々な模様を織っていただくので 6枚に分けました。
一挙にどうぞ!
さまざまな模様ですが、
左上は 上から『サンタクロース』、『シンガー』、『女の子』
中は 上から『猫』、『犬』、『赤い花』、『ピンクの花』
下は多色使いの模様各種3点
右は単色の模様、上から2模様、中は4模様、下は5模様
当然のことですが単色の模様が一番簡単ですので、右列の下から始めていきます。
これは4枚綜絖で織ったものです。
3点終わってから 左列下の模様を多色で織って、多色織りを身につけます。
左列中で動物や花を表すわけですから、細やかに色を変えて織ることを身につけます。
左列上では女の子、シンガー、サンタクロースなどと人の形を織ります。
これができるようになると、応用もできるようになるはずです。
多色になので5枚綜絖で織りました。
※ 綜絖(そうこう)というのは、糸をかけるもので、単に平織にする場合は、2枚、
つまり 糸を〈手前〉と〈向こう側〉にできればよいのです。
これを2重杼(にちょうひ)と言います。
3枚綜絖、4枚綜絖、5枚綜絖というのは糸をかける装置が3枚、4枚、5枚使うのです。
解りずらいかもしれませんが、平坦な織りの平織は2枚で(実際には1枚でひっくり返すだけ)済み、
多綜絖は綾織など、さまざまな模様織りができます、いうことです。
さて、最初に書きましたが、”たたみ織り”と言われる所以をご紹介しましょう。
これは裏を返したものです。
どうですか?、まるで畳表のようにポコポコになっているでしょう?
4段、もしくは5段織らなければ1色出ない ということで、裏はこんなに分厚いのです。
この分厚さは袋物に装丁するときに芯地が要りません。
便利ですが、ミシンが使えなくて、手で針を使って作ります。そこが大変!
このサンプルを作るために、私は4枚綜絖と5枚綜絖で織りましたが、
教室では平織機を使っていますので、つまり二重杼(にちょうひ)になるので、
それ用に織り図を作成しなければなりません。
これまた 大変 手のかかる作業でございます。
ですが、しっかり、製図用紙に書き込みながら織ってきましたので、それを形にするまでです。
もっとも古手のベテランの生徒さんは、この教材で6月末に卒業となります。
あれもこれも、と欲張って教材を作ってきましたが、この『62』で私の教材は終了です。
ここまで織りを習い続けるのは、意欲と努力がどれだけ必要だったか、と感慨深いものがあります。
ついてきてくれたことに感謝です。
まだまだ織りはいっぱいあります。織りは深いのです。
でも、平織り機では限界があります。