2023/05/30 (火曜日) 雨のち曇りのち晴れ
私にはもう50年以上もお付き合いしているO君という親友がいますが、このO君が、
大の録音マニアで、いろいろな録音機を所有していてカセットテレコの話なんかするともう
時間も忘れてしまうほどです。
そんな彼の影響を受けて、ベルトが伸び切って動かなくなったカセットテープレコーダを
修理しました。
ベルトだけではなく、モーターの回転速度を調整する半固定抵抗器も不良になっていたり
修理には手こずりましたが何とか音が出るようになりました。
私も音楽を聴くのは好きなので、FMラジオから流れる音楽を録音したりしたことはありま
すが、それが「良い音」だとか「悪い音」だとか聞き分ける耳を持っていないのでただ好きな
曲目を録音するだけで終わっていました。
ただ、半田ごてを握ってあれこれ回路を組み立てて実験(みたいなこと)をするのが好き
だったのでいろいろな工作をしてきました。
このカセットテレコ(ラジカセ)の修理もそんな工作好きのなせる業だったのかも・・・
カセットレコーダーが動くようになったので昔のカセットテープを取り出してみました。
その中にこんなテープがありました。
”美空ひばり” 値段は2,000円って書いてある。
こんなのいつ買ったんだろう??? 誰かに貰ったのかな???
ヘッドホン(これも年代物・・・でもまだ使える)で聴いてみた。
確かにステレオで聴こえた。(モノラルとの差は私にも分かった)
ラジカセの表示にも「STEREO RADIO CASSETT REC・・・」って
書いてあるんだから「STEREO」なんだろうと思うけど、 先日量販店の電気製品売り場
でみたカセットテープレコーダーには皆「モノラル」って表示されていたのでカセットテレコ
は「モノラルだと」ばかり思っていました。
そういえばこのラジカセを修理しているとき、「磁気ヘッド」への配線はシールド被覆の
中に「赤」「白」の線がありました。 私はただ単に+、ーの2本かと思っていましたが、
これは「右チャンネル」「左チャンネル」の2本だったんですね。
ふーん、確かにステレオで聴こえるけどこのカセットテレコで録音した場合は「ステレオ
録音」になるんだろうか? (案外疑り深いんだねぇ(笑い))
確認してみることにしました。
右チャンネル、左チャンネルに別々の音を録音して、それを再生して波形を観察すれば
確認できるはずです。
低周波発振器とパルスゼネレータがあるのでそれを使います。
パルスゼネレータは矩形波しか出力できませんが、波形さえ観察できれば
いいのでやってみます。
パルスゼネレータには出力レベルを調整する機能がないので外部に可変抵抗器を
取付けました。
Lチャンネル、Rチャンネルへの入力を「0」にするスイッチを付けました。
どっちの入力が「L」なのか「R」のか分からないので「?」を付けました。
まぁ、別々の波形が表示されればいいのでどっちでもいいのです。(いい加減です(笑い))
先ず、L、Rの両方に信号を入力しました。
録音レベルは相当低いのでノイズが目立ちます。
Rチャンネルの信号をアースに落としてLだけ録音してます。
Lチャンネル、Rチャンネル共に0レベルで録音。
これで各パターンの録音をしてみました。
次はいよいよ録音状況の確認です。
オシロスコープのプローブをカセットテレコのイヤホン・ジャックに接続します。
録音レベル0のときの波形です。
Lチャンネル、Rチャンネルに録音した信号の再生波形です。
??? これはちょっとおかしいです。
Lチャンネルには低周波発振器の出力(1000Hz)を録音したはずですが、
このLチャンネル出力(赤色ラスター)は400HZで、これはパルスゼネレータ―の信号です!
Rチャンネル出力(黄色ラスター)は1000Hzで低周波発振器の出力です!
録音時のチャンネルと出力時のチャンネルが入れ替わってるようです。
Lチャンネル波形(赤色ラスター)はパルスゼネレータの出力を録音したものだ。
Rチャンネル波形(黄色ラスター)は低周波発振器の出力を録音したものだ。
発振器出力とカセットテレコを接続するケーブル(両端がミニプラグになっている)の
極性が反転しているのかな?
でも、この場合は録音時にも反転して出力時も反転するからこのような状況にはならない
はずだ。
(テスターによる導通チェックでは異常はありませんでした。)
きっとマイク・ジャックの配線とイヤホン・ジャックの配線の極性が反転しているのだろう。
オーケストラ(に限らずどんな楽団でも)楽器の配置が左右反転したら演奏結果が変わるのかな?
まぁ、ヘッドホンの左右を逆にして頭に載せれば「正常」になるんだろうからいいか・・・
今更、カセットテープに録音することはないでしょうが、このラジカセはステレオ対応になって
いました。 めでたし、めでたし・・・・・・