不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Una piccola tragedia

2005-01-13 04:44:35 | Billy,Layla e Ciccino
チッチーノが破壊王なのは
私も十分承知しているのだけれど
最近は何も壊していなかったら気が緩んだ。

真夜中。
ビリーはおとなしく眠りにつき
チッチーノも寝ていたのだけれど
のどが渇いたのか
はたまたお腹が空いたのか
キッチンへ移動していく白黒の物体を
コンピューターに向かう背後に感じ
視線の端で確認。

しばらくは何事もなく
そのうち私はすっかり
チッチーノがキッチンにいることを忘れてしまった。

と、瞬間。

ガシャーン!

何かの割れる、軽いけれど衝撃的な音。
頭の中を駆け巡る…。
何か割れるようなものをテーブルの上に置き忘れたか。
置き忘れたとしたらジノリのテーポットかカップか…。
はたまた買ったばかりのお香皿か…。

飛び上がってキッチンへ行く。
と、白黒のふっくりとした後姿と
ぴちゃぴちゃという不快な音。



なに舐めてるんですか?




チッチーノは必死の形相で
床にこぼれたものを舐め続けている。
ガラスの破片が混じっているので、
万が一、舌でも切ったら
大騒ぎだと思って抱き上げる。

恨めしそうな顔つきで
床のほうへ視線を投げるチッチーノ。

彼が執着しているのは
ガラスの調味料入れに入っていた「ほんだし」なのだ。

ガラスの調味料入れ自体はIKEAで買ったもので
いつでも買いに行けるし、
大した被害じゃないのだけど
問題は中身なのだよ、チッチーノ。
「ほんだし」なんてフィレンツェで買ったら結構高いのよ!

私がほうきを出して掃除をしている間中、
ほうきの横から必死でほんだしを舐め続ける姿を見て
「チッチーノは猫なのだ」と実感したのでした。

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