不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Dio c'e

2005-01-28 20:14:55 | 日記・エッセイ・コラム
神はいると信じなおした日。

お昼過ぎ、仕事と仕事の合間で時間ができて
ビリーとチッチーノの顔を見に自宅に戻ったとき。
家のドアを開けているときに
家の固定電話が鳴っているのが聞こえた。
急いだところで間に合わないし、
必要なら留守電にメッセージを残すだろうと思った。
留守電の私のメッセージが流れたけれど、
相手はメッセージを残さなかった。
まぁよくあること。

するとすぐに携帯電話が鳴り出した。
私の自宅と携帯電話の
両方の番号を知っている人がかけているに違いない。
いろいろ思い巡らすけれど、
着信に出ている表示の番号はローマから。

ローマに現時点では知り合いはいない。
でもこういう仕事をしていると
どこから依頼が入ってくるかわからないから、
とりあえず出てみる。

受話器の向こうは日本人の男性。
思い当たらない。

それもそのはず。
在イタリア日本大使館からの電話。
ちょっとどきどき。
ナイカワルイコトデモシタ、ワタシ?




「オマタさんですね、
あなたのお財布が大使館に届けられています」




しんじられない。

現金はもちろん抜き取られていたということだけれど
さまざまなメンバーズカードはそのままで、
なんとクレジットカードもそのままだったそうだ。
もちろん盗難が判った時点で
クレジットカードは止めてもらっているので
今見つかっても私だって使えないんだけど
なんだか嬉しい。
何より、お財布自体が戻ってくるなら
それはとても嬉しい。

ローマまで取りに来ますかといわれたけれど、
今の状況ではいつローマにいけるのか
ちょっと予定が立たないので、
送ってもらえるかどうか尋ねたら
送料を私負担で(当然だ)送ってくれるそう。
早速そういうことでお願いして電話を切った。


中身のカード類から私の名前だけは判明するけれど、
電話番号も住所もわからないはず。
しかし、大使館までたどり着けば、
そこにある私の「在留届」から居場所は突き止められる。
実は10年間暮らしていて、
在留届を出したのは昨年が初めて。
出しておいてよかったよぉ!!

海外生活で普段は用はないけれど、
やっぱり頼りになるのは大使館です。実感。
海外生活中の皆さんは在留届を出しましょう。

私はあの財布をなくしてから
ずっと寂しい気持ちになっていた。
口では
「居候からのプレゼントなんてたいしたもんじゃない」
なんていっていたので
きっと言霊パワーが作用して
私の元から離れていっちゃったのだろうなぁと後悔したのだ。
で、実際に無くしてから
本当はすごくそのお財布を大事にしていたことに
本人も気づいた。
それを神様もきっとわかってくれたから
再び巡り合わせてくれるつもりになったんだろうなぁって。

もちろん大使館の人が
それを私のお財布であると認識したのは
仲のものから私が突き止められたから。
でもお財布に名前が書いてあるわけではないのだ。
手元に届いたら別のお財布ってことも十分ありうるし、
ぼろぼろになっている可能性だってある。
でもそれでもいいよね。感謝しよう!
すべてのものに感謝しよう。


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