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ウクライナ情勢-夏季攻勢でハリコフ侵攻の懸念,チャシブヤールへの威力偵察を開始

2024-04-26 07:00:22 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 デンマークとアルゼンチンのF-16報道を見た際にはちょっと待ってくれウクライナいいじゃあないのかと訝ったものですが。

 デンマークの駐ウクライナ大使館オーレエグベリミケルセン大使はF-16戦闘機のウクライナ供与確約をウクライナテレビ局の番組において語りました。これによれば大使はデンマーク空軍が現在導入するF-35戦闘機の配備により退役するF-16戦闘機全てを約束通りウクライナに配備されるのでウクライナ国民は心配する事はないと発言しています。

 デンマークのF-16戦闘機については、一部報道でデンマーク空軍の中古F-16戦闘機24機がアルゼンチン空軍に売却されるというものがあり、アルゼンチン空軍もフォークランド戦争後のイギリス制裁措置により全く戦闘機を導入できない状況が続いておりF-16を必要としている事から、ウクライナ供与へのアルゼンチンへの売却影響が懸念されていました。
■ハリコフを狙う
 74式戦車やFH-70榴弾砲を日本は廃棄するくらいならばウクライナは無理にしてもウクライナへ武器供与を行い兵器不足に陥っている国へ供与してはと思うのですよね。

 ロシア軍は夏季攻勢においてウクライナ東部のハリコフを狙う可能性が高まってきました、これはISWアメリカ戦争研究所が4月19日に発表したもので、ロシアのラブロフ外相が19日にロシアのラジオインタビューに答えた際、プーチン大統領がハリコフを含む非武装地帯をロシアとウクライナの間に構築する構想を示したと発言したものです。

 ハリコフへのロシア軍侵攻の懸念はウクライナのゼレンスキー大統領も危惧しており、一方でハリコフはウクライナ第二の大都市であると共に高度に防衛されており、ロシア軍にとりその攻略は非常に困難である事も確かです。現在ロシア軍はチャシブヤールへの攻撃を強化していますが、これがかりに成功したとしてもハリコフは遠すぎるのが現実です。
■チャシブヤール威力偵察
 74式戦車の供与が必要だと考える一方でもう一つ付け加えますと74式戦車は完全退役しており仮に技術情報が漏えいしたとしても問題はないように思うのです。

 ロシア軍はチャシブヤールへの威力偵察を開始しました。ISWアメリカ戦争研究所4月22日付戦況報告によれば、ロシア軍はチャシブヤールの南東17km地域にあるオザリャニフカに進出しており、またアウディイフカ北西に進出した部隊は近郊のオチェレティネを占領中との事、これはチャシブヤール周辺での威力偵察が開始されたことをしめします。

 ウクライナ軍前線報道官ヴォロシン中佐の発言として、ロシア軍はチャシブヤール周辺へ20000名から25000名の部隊を集結しているとしています。チャシブヤール攻撃は、最終的にハリコフ攻撃へ戦果を拡大させたいものと思われ、ロシア政府はハリコフ市民へ退避勧告を出すと共にテレビ塔などの象徴的な建物へのミサイルと航空攻撃を強化しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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