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ウクライナ情勢-アメリカ議会上院超党派ウクライナ支援9兆円規模緊急補正予算審議,ウクライナ軍バフムトで反撃

2024-02-06 07:00:55 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ウクライナ支援へは欧州も次は欧州がロシアに侵攻されるという危機感から支援を強化していますが、やはり全体的な規模を見るとアメリカのポテンシャルは大きい。

 アメリカ連邦議会上院は4日、バイデン大統領による国境封鎖条項受入により民主共和両党超党派による緊急補正予算案の審議に入ります。これはウクライナ予算に反対する共和党に配慮し、共和党が求めるメキシコとの国境閉鎖などの条項についてバイデン政権が大幅に譲歩することでウクライナ支援費用を盛り込んだ予算へ共和党へ譲歩を迫るもの。

 アメリカのウクライナ支援予算は2023年内に枯渇しており、ウクライナの防衛へ大きな影響が及んでいます。これとは別に欧州連合やイギリス政府などが独自の支援を続けていますが、欧州域内には冷戦終結後に防衛力を大幅にコンパクト化した事で特に軍事援助についてはアメリカに依存する部分が大きく、現在ウクライナ軍は苦戦に繋がっている状況だ。

 緊急補正予算は1200億ドル、このなかでウクライナ支援予算は600億ドルであり邦貨換算9兆円規模となり、我が国防衛予算よりも規模が大きくなります。ただ、砲弾の枯渇によりロシア軍の三分の一まで火力が激減しているウクライナ軍には、将来の負担となるレンドリース法に頼らずアメリカの支援が再開される可能性は、今年最初の朗報といえましょう。
■バフムト南西地域
 バフムト周辺でウクライナ軍が押し返している模様です。そして両翼包囲されつつあるアウディイフカでは未確認情報でエイブラムスが進出しているといい有力な戦車はウクライナ軍の士気を支えている構図か。

 ウクライナ軍はバフムト南西地域で反撃に転じた、ISWアメリカ戦争研究所は2月3日に発表したところによれば、ウクライナ軍が行動している地域にクリシチフカ東方が含まれており、ここはバフムト南西地域であり、以前にロシア軍が行動している事が公開写真などの調査から判明していた場所で、今回ウクライナ軍が此処を奪還した事を示します。

 バフムトを含めたウクライナ東部について、ロシア軍は悪天候により砲撃の規模が半減していると、ウクライナ軍東部軍集団のイエヴラシュ報道官が発表しています。特にクピャンスクとライマン地区でのロシア軍砲撃が減少しているとのこと。ただ、ロシア軍は予備戦力の集中を進めており、次の攻勢の準備を進めている兆候もあるとの事でした。

 激戦地アウディイフカについて。ISWはウクライナジャーナリストのユーリイブトゥソフ氏の分析記事を紹介しており、この地域にロシア軍は6個旅団7個連隊と特殊部隊3個大隊が展開しているとのこと。一方で、ISW情報ではありませんが、アウディイフカへアメリカから供与されたM-1A2戦車をウクライナ軍が派遣しているという現地報告があります。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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