ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.7.19 駱駝雑感

2011-07-19 20:29:50 | 日記
 なんとなくテレビをつけていたら、駱駝が映っていた。
 そこで息子が一言「駱駝って日本人の顔じゃないよね~。」と。「はぁ?そ、そんな・・・、駱駝はそもそも人じゃないですから・・・」と言うと、「いや、ライオンとか普通にいる動物と比べて、目がぱっちりしていてまつ毛が長いもの、どうやったって外国の人の顔だよ。」と。

 確かにそうだ。ライオンはまつ毛がそれほど目立たないし、目は一重でいわゆる醤油顔。駱駝は砂漠の砂嵐にも負けないようにまつ毛が密集してふさふさと長い。目も息子が言うとおりなるほどクリクリのつぶらな瞳である。それにしても、日本人顔でない、という着眼点に思わず笑った。原産は一瘤駱駝が西アジア、二瘤駱駝が中央アジアというから、同じアジアの仲間で西欧系ではないのだけれど。

 さて、我が家であるが、夫は一重瞼の切れ長の目で日本人顔。息子と私は二重瞼で、どちらかというとどんぐり眼(私の両親はともに二重瞼だけれど、どんぐり眼ではない。)。夫は眼鏡をかけて保護(?)しているから、外出時、目にゴミが入ることもなさそうで羨ましい。
 私は昔からよく目にゴミが入る方だったが(ぼーっとしていて瞬きするのが間に合わないからか?)、先日、海辺にちょっといただけで、その後、目が痛くて痛くてまいった。なんといってもやっと生えてきたまつ毛がちょぼちょぼのスカスカなので、以前にも増してよく目にゴミが入る。まつ毛に代わって涙目で流しているはずなのだが、いつもゴロゴロしがちだ。今回は砂が入ったのだろうな・・・と思いつつ目をパチパチと洗ったが、なかなかすっきりしなかった。
 一方、息子は男子にしておくにはもったいないほどまつ毛が長くふさふさしているので、私ほど目にゴミが入ることもないようだ。いつだったか「自転車に乗っていて小さな虫がいきなり目に飛び込んでくると痛いよね~」という話を息子としていたら、夫に「そんなことはありえない!」と一刀両断された。
 虫だっていきなり飛び込んだのが思いもかけず人の目玉の中で、いきなりパチパチされたりこすられれば、一刻も早く脱出したくてパニックになり暴れるから、余計痛いのだろう。
 ちなみにまつ毛が長くふさふさしているのはキリンも同じ。キリンは草原で360度見渡せるために眼が飛び出しているが、強力な太陽光線や砂埃から眼を守るためにそうした豊かなまつ毛を傘のようにして保護しているという。なんとまつ毛美容液のネーミング(商品名:キリンのまつ毛)にまで使われているというのだから驚く。

 その後、「お母さんは物好きだから駱駝に乗ってみたいでしょう?」と息子。夫が「いや、お母さんは既に駱駝に乗ったことがあるんだよ。」という話題になった。確かにまだ息子が生まれていなかった頃、旅先のテーマパークでちょっとだけ駱駝に跨ったことがある。その時の得意そうな写真も残っている。
 跨がったはいいけれど、一体どこを掴んだらいいのかわからず、固い毛の生えた瘤は触ると痛そう、と手を触れず、バランスをとれずにもたもたしていたら、「大丈夫、大丈夫」と駱駝使いの伯父さんが瘤にガシッと触らせてくれた。その、駱駝の瘤の不思議な感触は、今も手が覚えている。何やら硬いのだけれど、やはり生き物の柔らかさもあって、なんともいえない感じ。
 ウイキペディアによれば、瘤の中には脂肪が入っており、エネルギーを蓄えるだけでなく、断熱材として働き、汗をほとんどかかない駱駝の体温が日射によって上昇しすぎるのを防ぐ役割もあるという。いわば、皮下脂肪がほとんど背中に集中したような構造(!)であり、日射による背中からの熱の流入を防ぎつつ、背中以外の体表からの放熱を促す。瘤の中に水が入っているというのは、長期間乾燥に耐えることから誤って伝えられた迷信に過ぎないらしい。ただし、水を一度に80ℓ程度摂取することが可能であるというのだから、凄い。出生時にこぶは無く、背中の将来瘤になる部分は皮膚がたるんでいる。つまり脂肪を蓄える袋だけがある状態で生まれてくるのだそうだ。
 そう、駱駝はシンボルともいえるこの瘤に栄養を蓄え、水を飲まずに数日間は耐える。砂塵を避けるため、鼻の穴を閉じることができる。先程書いたとおり、大きな目は長いまつ毛で保護されている。 そうして、遠い砂漠の地で、生まれつき備わった生存のための様々な器官を駆使しながら、物資を運び働くのだな、と何やら感慨深い気持ちになった。

 我が家のリビングには「月の砂漠」よろしく駱駝に乗ったアラブの王子と王女のリトグラフが飾ってある。題名は「ブライダルウオーク」という名前だった。今の家に越してくる前から、かれこれもう18年目になるが、夫も私も気に入っているのでどちらもかけ換えようか、と言わない。

 大きな台風が近づいている。いきなり強い雨が降ってくる。それでも昨日までの体の中から消耗するような高温多湿の蒸し暑さとは違って、湿度は高いものの涼しい。ようやく人心地着いた感じだ。昨日は旅先からただ電車を乗り継ぎ、途中、昼食を取って帰ってきただけだったが、日頃強い日差しを浴びることがないためか、帰宅後はとても疲れて胸の痛みも出てしまい、洗濯機を回した後は殆ど何も出来ず、夕飯もそこそこに寝てしまった。そうこうしている間に、あっという間に1週間が経って明日はまた治療日。
 一日中雨、という予報なのでちょっと憂鬱だが、頑張ってこなくては・・・。
コメント
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