「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

自宅から徒歩圏内の秘境(?)、江の島を探検する

2009-01-10 13:55:55 | あちこち見て歩く
江の島は七里ガ浜に立てばよく見える。歩いても行ける。最初の画像は広重の有名な作品のひとつ、七里ガ浜から見た江の島の図で、ウチの台所に飾ってある。私が日本美術のコレクターとして名前が売れ始めた頃、クリスティーズでニューヨークの某巨大美術館の代理人と二人で争い私が競り落としたものである。以後、私のHiroshige/Hokusai蒐集家としての名声は高まった・・・なんてことは絶対ない。これは複製である。非常にお安いものだ。誰でも買える。



我が七里ガ浜から見た江の島の形は、基本的に今もあまり変わらない。変わったのは周囲に建物が増えたこと、緑が少なくなったことだろうか。自宅からは歩いても行ける。我が家から最寄の七里ヶ浜駅から江ノ電に乗ったら次の次の次の駅、江の島駅で下車だ。21世紀にして信じられないくらいスローで、バス停のように駅が並ぶ電車で3駅だから、距離的には十分歩けるのである。しかも江ノ電は運賃がでたらめに高い。この3駅で210円だ。出来ることなら歩こう。しかし今回はちょっと急いでいたので、我々夫婦は江ノ電に乗った。



江ノ電を江の島駅で降りる。江の島駅は江の島にない。矛盾だ。江の島駅は江の島そばの陸地にある。江の島駅から徒歩で江の島がすぐ近くなので、これでも許される。江の島駅前の商店街を抜けると江の島が画像(上)の如くすぐに見えて来る。

江の島に向かって橋を渡って行くと、江の島側の橋のたもとそばにこんな建物(下)が見えて来る。「江の島アイランドスパえのすぱ」と言う。なんとも俗っぽい建物である。広重、いや鎌倉時代には東西を行き来する旅人が立ち寄ることを楽しみにしたという由緒正しき江の島にしては、「洋風」とは言えるものの完全に様式無視、でたらめな建築である。「どうして日本の観光地って、皆こうなのだろう? やぁ~ねぇ~」などと夫婦で言い合いながら江の島入りした。これが初めてというわけではない。しかしスケジュールの関係で急ぎ足ながら、徒歩で全体を見て回るというのは、初めてのことなのだ。



島に脚を踏み入れてみてわかった。結論から言うと、入り口の温泉ビルだけでなく、島全体が非常に俗っぽいのである。昔から様々な観光客参拝客が訪れる俗っぽい場所だったのだろう。



これがすぐに見えて来る出来立てホヤホヤの弁財天様。新品の墓石みたいにピカピカツルツルなのだ。なんだか有り難味が少ない。



江の島は遠くから見ると小さな島だが、中に入り込むと立派なものだ。島内のアップ・ダウンはかなりのものである。上に登るのがキツイと思う人には「エスカー」なる乗り物がある。文句ばかりで恐縮だが、「エスカー」という言葉はちょっと変である。escalatorから切り取った言葉であることはわかるが、単語は切れるところと切れないところがある。まあ「テレビ」も同じようなものだが。



次は龍宮大神。ここではいちいち紹介できないが、江の島は入り口から奥までお宮さんや大師様だらけで、他にもたくさん見所があるのだ。この龍宮大神は、大きな岩を組み、その岩から龍を生やしたものだ。作られてからまだ何年も経ていないらしいものだ。



次が江の島大師様。紅白の幕がついて、新築マンションの販売現場のようだった。隣接して世界の貝博物館があり、貝を売っている。ここまで島を登って来ると、それなりの運動量も必要で参拝する人の数も減る。多くの人は島の入り口付近のみやげ物店まで来てそれで帰ってしまうようだ。



江の島大師様はほぼ島の最高地点にある。ここから島の周遊道をさらに進むと今度は道が急な下りになる。眼下には相模灘が拡がる。両側にはみやげ物店が並ぶ。多くは飲食店で、楽しい魚介類の料理を食べさせてくれる。



急坂を下りきったら、海抜ほぼ0m地帯である。釣りをする人もとても楽しそうだ。明るい平らな岩場で釣りやすそうだ。そんなに混んでもいないし、楽しい日を過ごせそうである。ここの近くに岩屋の洞窟もあり、中に入るのは有料だが楽しめる。島を登って降りて洞窟を訪れ、また登って降りて帰る手段もあるが、陸地から船で一気に岩屋の洞窟へ入るという手もあるらしい。ちょっとつまらない気もするが。



さて、またこの岩場から島をよじ登って下って陸地に帰らねばならない。島内散歩を急いでいたのは、その後にインド料理を食べる予定があったからだ。レストランは次回が3度目になるパラソル。七里ガ浜Nさんという人に紹介されて訪れ、我ら夫婦はすっかりここが気に入った。江の島から見るとすぐ対岸で、住所は片瀬海岸である。夫婦でおいしいインド料理を食べ、ビールを飲み、江ノ電に乗って帰った。下の画像はパラソルの会員券。100円で作れて、お店が存続している限り永遠に割引が効く。



パラソルについてはかつて紹介したのでここでは省略する。興味ある方はこちらをどうぞ: http://blog.goo.ne.jp/kama_8/e/923c66c3fe48f9607949dc7f10be7578
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この本を読んだがために私は借金をし八ヶ岳西麓に土地を買ってしまった

2009-01-09 22:49:45 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし
人生には何度も「もののはずみで」ということが起こる。ちょっとしたことがきっかけで、結婚したり、会社を辞めたり、クルマを買っちゃったり。中には、家を買い換えてみたり、さらには別荘を買い換えてみたりする人もいる。別荘をいくつも買い増しているツワモノもいる。自家用ジェットを持っているなんて人もいて、私はそういう人からジェット保有の効用について延々と話を聞かされる羽目に陥ったことがある。



画像は鳥取絹子著「ふらんす気分で山小屋暮らし」(リヨン社 / 1998年)。この本を読んだことがきっかけで、私は多額の借金をして別荘を買い換えることになってしまった。鳥取さんはフランス語の翻訳家で、いくつかフランスを紹介する本も書いている。鳥取さんは山梨県北巨摩郡武川村(現北杜市の一部)に山荘を持っていて、家族とともに通っている。バブル経済時代の80年代後半に通い始め、10年経ったところでそのことを本にしたのだ。

1998年6月のことだ。当時私は長野県東筑摩郡麻績村というところに小さな山荘を持ち、せっせと自宅から通っていた。休暇をとりその山荘にこもって、出版されて間もないこの本を読んでいた。「なかなか楽しそうで、シャレた週末田舎暮らしだなあ。麻績村より武川や白州がいいかなあ」などと思い、軽い気持ちで麻績村の山荘を出て、クルマで長野県を南下して武川と白州に赴き、別荘地を見て回った。残念ながら、紹介された土地は標高が低くて私個人の好みではなかった。麻績村の山荘が標高1050mのところにあり、もうちょっと高い所がいいと考え始めていたところだったのだ。加えて紹介された土地はどこも、形状、起伏、道路付きなど何かしら条件が悪かった。

そのまま麻績村に戻るのもつまらないので、帰り道に長野県諏訪郡原村に寄り道したら別荘地の看板が立っていて、それに吸い寄せられるように見に行って、結局買ってしまったのが今の山荘のある標高1600mの土地である。銀行と話をつけ借金をしてその土地を買う一方、麻績村の山荘を売り払いながら、新しい山荘を建ててもらった。ちょっとしたことがきっかけで、ずいぶん無茶をやることになったものだと思う。しかしながら、人生はこうした偶然の連続であると言える。そういうわけでこの本を見ると、私は「きっかけ」とか「ご縁」といった言葉を思い出すのである。
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七里ガ浜のお店は季刊誌「湘南スタイル」に掲載されがち / たまには西友七里ガ浜店も掲載してあげて

2009-01-06 22:24:24 | あちこち見て歩く


湘南スタイル最新号をご覧になっただろうか。ごく近隣のどこかで見た家、店あるいは犬ばかりが掲載されるので「くだらん」と思うのだが、なぜか私も創刊以来毎号買い続けてしまっている。創刊当時はこんなローカル・ネタの雑誌が続くわけないと思ったが、それは間違いだった。それ以来10年、この雑誌はいまだに元気いっぱいで、西日本の書店でも見かけることがあるから驚きである。

最新号は昨年暮れに出ている。葉山~大磯あたりのいわゆる「湘南」地域すべてが対象エリアであるが、記事になるのは鎌倉市内のモノである確率がやや高い。最新号もそうだ。



愛犬家ならこの雑誌のワンコ掲載ページをご存知であろう。湘南の有名なワンコのお散歩スポットはあちこちにあるのだが、そこを犬連れでお散歩していると、「ちょっといいですかぁ~」などと声をかけられる。本当はうれしいくせに、「えぇ~困るわぁ」などと会話しているうちに写真を撮影されこの雑誌に掲載されてしまうのだ。

最新号のワンコ掲載ページ、撮影地は葉山の南郷公園だ。我が家からはかなりの距離だが、昨年12月たまたま妻が犬を連れクルマで葉山に行った時に、撮影されてしまい、最新号に掲載されてしまった。本心を言えば、「ちょっと得意かもね・・」だ。これでウチの愛犬も地元のスターである。



どこもそうかもしれないが、我々が住む西武七里ガ浜住宅地にもかわいい子が多い。上の画像はスグの近所のお宅のかわいいシェルティーの女の子、七海(ななみ)ちゃんである。かなりの美人!画像は、お宅の門扉越しに撮影したものだ。女の子らしいとってもかわいい顔をしているでしょう?よく庭で遊んでいて、私が傍を通るとキョトンとした表情でこちらを見ている。「あら、おじさん、また通るのね」といったところか。最近弟分(大輔君)が出来た。二匹は仲良し。



季刊誌「湘南スタイル」の記事には近所の誰もが知る犬、知る家が現れる。今回もそうだった。上の画像は、最新号の特集記事だが、ここに登場するワンコの一匹はクロスちゃんと言う。私は何度も触れたことがあるが、人懐っこくかわいい女の子だ。



クロスちゃんが撮影されたのは、我が西武七里ガ浜住宅地の住人なら誰もが知るポイントである。そこからスグの所に売り場面積の小ささを誇る西友七里ガ浜店があるが、それが雑誌等で紹介されたことは未だかつてない。残念である。是非紹介してもらいたいものである。この住宅街に住む者にとっては、七里ガ浜にある著名カレー店や著名ホテルよりも大事な存在なのである。

このブログで私は何度も言うが、西友七里ガ浜店が無かりせば、徒歩圏内に他に総合食料品店のない当住宅街の住民は餓死するかもしれないのだ。もっと西友七里ガ浜店を応援しよう。今日も店長(名札からすると「まきの」さんとおっしゃるらしい)はがんばっておられた。レジも打てば、倉庫にも走る。あれだけの多品種を少量でそろえて、補充し、並べ替え、かなり個性的(? に見える)な従業員を管理するのは、コンビニ以上の高度な管理技術を必要としよう。



昨年暮れの夫婦中華対決が引き分けに終わり、当家は今年も平和である。お互いの健闘をほめあったのでお互い気が大きくなり、今日は私が汁ビーフンをつくり、明日は妻が焼きビーフンをつくることになった。私は西友七里ガ浜店で、またもやユウキ食品の新竹ビーフン2人2食分を買い求めた。



西友七里ガ浜店では年の初めから食品の揃えにぬかりはない。キャパシティの限界はあるが、その範囲内でベストを尽くしている。私はいつも感心するのである。いつも感謝しているのだ。我が住宅街の皆さん!もっと西友七里ガ浜店を利用しましょう!今なら七草粥セットも売っていますよ!



西友はすでに米国資本ウォルマートに買収されている。なかなかその影響は表面的に見えて来ないが、先日やっとそれを発見した。ピーナッツである。いかにも米国的と思われたローステッド・ピーナッツの容器の裏を見ると、Marketed by Wal-Mart...とあった(下の画像の中央あたりの赤地に白い英字の部分)。



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八ヶ岳西麓原村の山荘にこもる(5) 斧論( II ) 世の中の斧の多くは早く自壊する

2009-01-06 09:43:38 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし


斧論( I )のおさらいだ。人は薪割りをしたいから長い柄のついた大きな斧を買う。すでに十分割られたキレイな薪をさらに細かく割るだけなら、大きな斧は不要であり却って不便だ。一般に薪割りというのは、長さ約30~40cmに玉切りされた直径約20~30cmあるいはそれ以上の癖もある難物の丸太を、大きな斧でスパッと縦に割ることを指す。太い丸太を割ることを容易にするのは、斧の破壊力であり、それは刃の重さと厚みでほとんど決まる。前回紹介したスプリッティング・ハンマーを持ってしても、私は薪割りに苦労している。然るに世の中に普及する多くの斧の刃は、私のそれよりもはるかに軽く、薄っぺらく、ハンマーの代わりにもならない。そうであるとすれば、世の中に普及する多くの斧は、それだけをもって薪を割るには十分ではない。そのユーザー達は相当苦労するか、クサビやハンマーを別途用意してなんとか対応しているのではないか。そのように私は推論するのである。



薪割りに苦労するだけなら良いが、このような薄く軽い刃の斧を太い丸太を割るのに使用することは、斧自体の寿命を早めることになりかねないのだ。通常、斧は鋼鉄の刃と木の柄からなっていて、そのコントラストが古典的な実用的道具としての美しさでもある。刃の部分に寿命などほとんどない。問題は柄と刃の継ぎ目である。

薪を割るのに不適な斧で薪割りをすると、斧は丸太に当たって跳ね返されるか、丸太に突き刺さり抜け難くなる。抜け難くなった斧を前後に動かし無理やり抜くということを繰り返すと、それは柄と刃の継ぎ目にかなりの負担となるのである。やがてその斧の刃と柄の間がきしみ始める。しかも柄は木製であり、木は時間とともにわずかに痩せるのだ。そうした斧を使い続けることは非常に危険でもある。やがて使用中に刃だけがスポッと抜けるからだ(状況が悪ければ、その刃に当たった人は即死だろう。斧を使用する人は前後をよく確かめましょう)。実はこれもまたクサビを使って補修することが可能なのだが、ちょっとやっかいである。

というわけで、世の中の多くの斧はその刃が軽く薄い斧ゆえ、柄と刃の継ぎ目が早く緩んで自壊してしまうのでかなりやっかいなのではないか。それが、斧振り回し歴18年の私による推論その(2)である。



この問題を一挙に解決してくれる斧がある。マジック斧だ(上の画像)。前回最初の画像で私が紹介した私の手斧同様、柄から刃までが一体になった鉄製なので、柄と刃が分離することはない。加えて刃がでたらめに厚く重い。6kgはあろうという巨大な鉄の塊である。刃をただ振り下ろすだけで太い薪がパッコンと割れるらしい。「らしい」と言うのは、私は使ったことがないからだ。近隣の別荘地でも、このマジック斧を使っている人を私は見たことがない。しかしなぜかかなり有名で、斧を売る店ならたいてい取り扱っている。

これもまた私の勝手な推論だが、このマジック斧を実際に使っている人を見かけない理由は以下の3つである:

①斧があまりに工業製品的で芸術性がなさ過ぎる。
②刃があまりに分厚く重過ぎて、振り回すには相当な体力が必要である。
③八ヶ岳山麓の別荘オーナーは趣味性をやたらと重んじカッコつけたがる鼻持ちならない人種が多く、かつ残念ながら平均年齢もやや高めであるので、彼らにとっては①も②も受け入れ難いのであろう。

こうやって分析してその長所に気づきながらマジック斧を使わない私も、ひょっとして③に属する人種の1人なのか?・・・きっとそうなのだろう。

以上私の勝手な斧論( I )( II )であった。
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八ヶ岳西麓原村の山荘にこもる(4) 斧論( I ) 世の中の斧の多くは十分に役立たない

2009-01-05 23:03:06 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし


丸々3日間厳寒の山荘にこもるには暖房が必要で、主たる暖房が薪ストーブである我が山荘では、大量の薪が必要になる。丸太から薪を作るには、まず丸太を玉切りせねばならない。玉切りするにはチェーンソーが必要である。私もチェーンソーを持ってはいるが、ジェイソン氏とは異なりあの音と振動は私には不快で、出来れば使いたくないと思う。一方斧を振り回しての薪割りはスポーツ的であり、ストイックな山荘オーナー的趣味でもあるので、この私に最適だ(?)。したがって私は絵に描いたような薪の束も買わず、丸太そのものを安価に仕入れるということもせず、40cm程度に玉切りをした段階の丸太を購入し、それを自分で斧で割るというややこしいことを実践している。

この方法をとるメリットは2つあり、それは以下のとおり:
①絵に描いたような薪の束を購入することと比較すると、業者さんの薪割りの手間とそれを束ねる作業が無い分、調達コストが下がる・・・はずだ。
②一般に売られる薪はかなり細く割られている。燃やすには便利だが、早く燃え尽きてしまう。焚きつけ用の薪は別にして、私はほとんどの薪をかなり太めに割る。こうすることで、同じ薪の量ならより長時間の燃焼が可能になる・・・はずだ。

つまり単なるケチケチ作戦なのである。上の画像の2種類の斧を使っている。ドイツ製のスプリッティング・ハンマー(刃の部分が3kg)と米国製のハンド・アックス(手斧)だ。手斧はすでに細く割れた薪を、焚きつけ用にさらに細く割る時のモノで、まあなんでも良い。問題はデカイ方の斧である。



いきなりだが私の持論は「世の中の多くの斧は普通の薪割りに十分とは言えない」である。すでに割れた薪を購入するなら、大きな斧など必要はない。大きな斧で薪割りをしようという人は、私と同様に、30~40cm程度の長さに玉切りされた丸太を、縦に斧で割るという仕事をすることになる。さて、多くの斧はその作業を十分にこなせるだろうか。こなせることもある。しかし相当苦労することもあるはずだ。

斧の破壊力はほとんど刃の重さと厚みで決まる。刃の鋭さなど無関係だ。斧で薪を「切る」のではなく、重い刃を木にぶつけて厚い刃で「無理やり木を押し広げ割る」のである。上の画像の左手が私のスプリッティング・ハンマーの刃である。右が私が以前使っていた斧の刃で、極めて一般的な厚さの刃であると思う。差は一目瞭然であろう。



理解いただくために、薪材と斧を一緒に掲載する。業者さんが運んで来てくれる薪材の中には、画像に映る薪材よりも太いモノがしばしば混じる。しかも幹が真ん中で2つに枝分かれした部分とか、太い枝が生えていて大きな節が残る等の事情で、木の筋目が歪み癖を持っていたり、30cm以上の太い直径を誇示するが如き難物がしばしば登場し、私を悩ませている。

それら難物を薄っぺらく軽い刃の斧で割ることがどれだけ難しいか。一つの対処法は、真正面から斧で勝負することを避け、クサビを打ち込んで割ることだ。もう一度2番目の画像を見て欲しい。スプリッティング・ハンマーの名の後半部「ハンマー」の由来は、この刃の背中部分がハンマーになることである。

薪を割るには重くて分厚い刃の斧が必要で、万が一の場合は斧をハンマーとしても使いたい。私はこのスプリッティング・ハンマーをもってしても、いつも薪割りに苦労している。ところが世の中の多くの斧の刃は、私のそれよりもはるかに軽く薄い。しかもハンマーにもならない。そこで私は「世の中の多くの斧は普通の薪割りにあまり役には立たない」と結論づけたのである。この仮説が誤りだとすれば、それは私が相当な不器用か非力だということであるが、実はその可能性も高いと考えている。
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八ヶ岳西麓原村の山荘にこもる(3) 厳寒地にはそれなりの暖房とファッションが必要だ

2009-01-05 07:56:17 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし
クリスマス・シーズンはクリスマス・ソングを聴き、暮れには第九を聴くとすれば・・・別に聴かなくてもまったく悪影響はないが・・・正月聴くのは名曲「春の海」か?素晴らしい曲だとは思うが、春の海のCDを厳寒の地に建つ山荘内でずっと流しているのも違和感がある。それをするのは街中のショッピング・センターあるいは飲食店くらいか。



CDラックの中を探して正真正銘「正月用」音楽として見つけたのがこれだ。ウィーン・フィルの2002年新年コンサート。小沢征爾指揮で大成功だったと言われている。私にはウィーン・フィルによる生演奏も、その新年コンサートも実体験がないので、比較する術が無いが。シュトラウス族(そんな言い方はしない?)の楽曲のとにかく華やかで気楽な演奏である。成熟した文化を持つ国の大人の娯楽。オーストリアというのは一度しか行ったことがないけれど、良い国だなぁ。



正月だから寒さも序の口だが外気温はマイナス10度まで下がったので、薪ストーブは日中ずっと焚き続けであった。ストーブ歴18年の私にとって3台目、昨年手に入れたVermont Castings社のEncore Everburnはかなり使い勝手が良い。良いと思われる点は以下のとおり:

①火の調整が容易
ダンパーと空気の取り入れ口をあれこれ操れば、点火から火力の維持、調整まで自由自在である。昔からこうした有能な薪ストーブを入手されていた方々も多いのだろうが、私が以前所有していた薪ストーブはここまでお利口ではなかったのである。

②デザインが私好み
コテコテのクラシカルなデザインでも、あまりにシンプルでスッキリしたデザインでもなく、極めて中庸。非常に端正で、正統派の米国スタイルを感じさせるデザインである。ラルフ・ローレンないしはブルックス・ブラザーズ路線とも言えよう(?)。

③適度なサイズ
私の山荘は非常に小さい。1階床が長方形をした建物で縦横が6.0m×8.2mという狭さである。とは言え標高1600mの厳寒の土地では、ある程度出力のある薪ストーブが必要となる。これは小型の薪ストーブでは無理で、10,000kcal程度以上の中・大型モデルから選ばねばならなくなる。また料理を楽しむ場合、柄の付いたスキレットを中に入れたりするので、小さなモデルではストーブ内が狭くて無理である。そうしたことを考慮に入れれば、この薪ストーブは我が小屋にマッチしたサイズであると言える。

④オプションが多い
Vermont Castings社は営業熱心な米国のメーカーである。日本の輸入総代理店も非常にマーケティングに熱心で、日本でも様々なオプション・パーツが容易に手に入る。これもまた料理をする場合有難い。故障時やメンテナンスに必要なパーツの調達も時間がかからない。

⑤触媒がないクリーン・バーン方式
触媒があるストーブの方が、外に吐き出される煙がよりキレイである。ニオイも少ない。周囲へのインパクトが少ないという点が優れている。ただし触媒は消耗品であり、何年かすると交換が必要となり面倒である。このモデルはそもそも触媒がないためその交換が不要である。さらに触媒が無くても無いなりに、二次燃焼させて煙をクリーンに保つ機能をしっかりと持っている。



欠点はないのか?と言われそうだ。無くは無い。しかし最初から覚悟の上での購入だ。上記長所のひとつ⑤NC(触媒なし)のモデルであるという点が、逆に欠点でもある。煙に若干問題があるのだ。特に着火した後、薪ストーブ内の温度が250度前後まで上がって行く前に出る煙である。今回着火方法をいろいろ試してみた。着火剤のあるなし。着火時新聞紙やダンボールを利用する、あるいはしない。いずれもわずかではあるが、ニオイは避けられなかった。しかし八ヶ岳山麓の森の中のこと、一戸一戸の山荘も離れて建っていて、別荘地内をどこからともなく薪の燃える香りが漂って来るのも、雰囲気の味付けである。

自宅のある七里ガ浜の住宅地でも最近薪ストーブを設置しているお宅が多い。こちらは密集地ゆえ、隣家との間でいろいろ問題も生じるだろう。設置しないにこしたことはないが、敢えて設置する場合は触媒つきの薪ストーブにするのが望ましいだろう。それでも苦情が出る可能性はある。



今回新たに買ったのが、この灰受けバケツ。これまでは薪ストーブ底部の灰受け皿にたまった灰を、それがたまる度に敷地の隅に捨てに行っていた。このバケツがあればその手間も省ける。家の中で灰をこのバケツに捨てれば済む。何回分かまとめてたまに外に捨てに行けば良いのである。



厳寒の地でも家の中は薪を燃やしてポカポカだが、一歩外へ出るとかなりの寒さである。雪に触れた手の上で、体温により雪が溶け、その手でドアノブを握ると指がノブにくっつく。ご覧のジャケットは日本が誇るアウトドア用品メーカーとなったモンベル社製パウダー・ホップ・ジャケットだ。表地はゴアテックスで、ジャケット・シェルの中はエクセロフトという軽い化学繊維の綿が詰めてある。ダウン・ウェアみたいに大きく膨れ上がらず、ダウン同様軽くて、防寒性能はダウン並みに良好である。今から6年前、モンベル直営店の店員が「私の友人もこれを着て北極圏にオーロラを見に行った。八ヶ岳山麓ならこれで絶対大丈夫」と薦めてくれたので買った。非常に優れているので、今も愛用している。山荘に置きっぱなしで、冬の間はずっとこれだ。



これもモンベル社の製品で、フリースのキャップである。これらに加えて以前紹介した、ふくらはぎ全部を高く包むHunter社のウェリーズがあれば、八ヶ岳西麓標高1600mの冬の外出も問題なしである。山荘から歩いて農場(原村の八ヶ岳中央農業実践大学校)まで、かなりの距離と標高差があるが、難なくたどり着けることだろう。
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八ヶ岳西麓原村の山荘にこもる(2) とにかく食べる

2009-01-04 13:33:34 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし


お正月はよく食べた。冬になって山荘にこもった場合、犬の散歩と薪割りを除くと、アウトドアでの活動が少なくなる。そこで中にこもったままそのエネルギー発散するべく食べて飲むのである。おせち「的」料理も食べた。お酒は左上に見える七笑(紅梅)である。木曽福島のお酒だが、蔵元の販売力もあり東京でも手に入りやすい。これを飲みながら練り物、豆、叉焼などを食べる。餅も食べた。ちょっとお正月っぽい雰囲気である。



すき焼きも食べた。我が家ですき焼きは珍しいが、なんだかパワーのつきそうなものを食べたくなり、すき焼きにしたのである。見たところ普通のすき焼きだ。



ちょっと信州っぽいのは馬肉を用いていることだ。馬肩ロース薄切りである。値段も露骨に大公開だ。安いのである。100gあたり248円。味は普通に買う牛肉と比較すると「動物的に美味」である。獣肉の旨みが濃い。馬肉は信州や熊本で昔からよく食べられて来た。山荘に来ると、原村やその周辺で馬肉をよく買う。ところが馬刺しもこうした加熱調理用馬肉もスーパーやA-Coopで買った場合、生産国を見るとたいていはカナダなのである。カナダでは馬肉を食べる習慣は一般的でないだろうから、カナダにとって日本は良い輸出先になっていることだろう。



すき焼きに必要なのは新鮮なタマゴである。これは原村の農場(八ヶ岳中央農業実践大学校)で採れたタマゴで、農場でも近隣の一部のスーパーでも売られている。パックの中のタマゴの殻は皆赤いが、色調や大きさがかなり不ぞろいである。なおかつお値段はかなり高めの設定だ。しかしどうです?このプリプリな感じは。あの農場で生産されるモノは皆かなりレベルが高い。



気圧の関係か、山荘ではご飯がどうもうまく炊けないため、今回ヤマダ電機茅野店で電気釜を買った。「圧力IH1.4」とあるとおり、圧力釜である。これなら標高の高い我が山荘でも美味しいお米が楽しめそうだ。今後に期待する。
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八ヶ岳西麓原村の山荘にこもる(1) 2008/12/31~2009/01/02の標高1600m

2009-01-03 15:21:58 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし
2008年暮れはギリギリまで働いていたが、大晦日そして年が明けて元日と2日の合計3日間を山荘でゆっくりとくつろぐことが出来た。



最初の画像は私の高度計で、ドイツの光学系メーカーのEschenbach社のものだ。画像では、この高度計は山荘がある場所の標高である1600mを指している(そのように私が事前にセットしたのだ)。本来は登山をするためのものだが、私は登山はしない。でもこれを持って八ヶ岳山麓界隈のアップダウンを高速でドライブすると、標高の変化が手のとるようにわかってとても楽しい・・・実を言うとそんなこともしない。この高度計は2003年に買ったモノだが、インテリア用品のごとく山荘の壁にかけてあるだけだ。



次の画像は山荘の内壁である。まもなく竣工から10年になる。山荘と同様、それだけ私も歳をとったということか。柱も壁面も年月とともに貫禄がついて来た。柱が幅18cm、その上に載せられた梁が幅30cmで、壁面は3色を微妙に混ぜあわせた珪藻土をザザザッと塗ってある。画像ではよくわからないかもしれないが、新築当時と比べれば、これら部材の表情になんとなく丸みが感じられるようになって来た。



まだでたらめに寒いというような季節ではない。滞在中の3日間、外気温は明け方最低で零下10度くらいだった。日中の最高気温でも零下3度くらいで、雪が溶けることもなかった。そしてずっと晴れ続きだった。曇天にも雪にもならず、空は抜けるような青空で、乾き切ったシラカバやカラマツがよく映えた。空気はカキィ~ンと澄み、夜になるとものすごい数の星が見えた。



我が山荘前の道路はご覧のとおりである。明け方のまだ暗い時間帯に撮った画像である。「八ヶ岳西麓」というくらいだから、東西を向いたこの道路は手前側の東から、向こう側の西に向けて下がっていく。南に向かって下がる道路はほとんど雪がなかったが、それ以外の方向に下がる道路は皆、表面に雪を残していた。ただし道路上の雪の深さは深いところでもほんの数cmである。別荘地下の鉢巻道路あたりまで降りると雪はまったくなかった。



わずかな雪ではあってもスタッドレス・タイヤは必要だ。2シーズン目に入ったこのタイヤ(205-16-55)は、おそらく同サイズでは最も低い価格帯に属するモノだろう。鎌倉から山荘への距離は183kmなのだが、このスタッドレス・タイヤが必要となるのは、山荘そばのわずかな距離であるため、あまり真剣にあれこれ性能の違いで選ぶ気が起こらない。とにかく安いモノで済まそうと思ってしまうのだ。これまでいろいろなメーカーのスタッドレスを使ったが、わずかな距離でそれほど雪上走行の違いを感じていないし、廉価なスタッドレスを使っていて特に困った問題も発生していない。



ずっと山荘にこもりっぱなしだったわけではない。食料品の買い出しと、犬の運動のために原村の農場にも出かけた。そしてもうひとつ。諏訪大社上社本宮にお参りに行き、新しい交通安全のお守りをもらい、前のをお返しして来た。画像は愛車にとりつけられた新しいお守りである。諏訪大社のお守りというだけで、効き目がありそうな気がするのである。事実、諏訪大社のお守りをつけるようになってからというもの、無事故である。まあ、そうそう事故があっては困るが。
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