音楽の喜び フルートとともに

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誕生日

2010-05-28 20:47:35 | 子ども

矢車菊って、なんだか不思議な形です。建築家なら、こんな家を作ってみたい。

「弟が帰ってこない。」3時半を過ぎた頃、4年生の兄が言い出しました。
「早く帰らないと。」3年の弟は、お残りで勉強をしていました。
帰ってきたら「早く帰らないと。」と兄が言うのに、弟は「そんなん、お母さん言ってない。」弟はそのまま、運動場に遊びにいってしまいました。1年生の妹は近づいても来ない。
「帰っておいでって言ってたのに。」
しばらくブツブツ口の中に言っていましたが、兄の勘違いかと、大人はほっとして、自分達の仕事をしていました。
しばらくすると、兄は急に机の上につっぷして泣き出しました。
「先生、泣いてるで。」
「どうしたの?何かあったの?先生に話してくれる?」
泣き続けていた兄は搾り出すように言いました。
「今日、誕生日やねん。」
「そうやったね。」
「3時半に、家でパーティーするって、お母さんが言ってたねん。」
と、泣くので、指導員の一人が家に電話してみましたが、誰もでません。
「おかあさんに、電話してもらうか、連絡帳に書いてもらわないと、帰すことはできないのよ。」その先生は言いましたが、泣きっぱなし。

ようやくなだめておやつを食べました。
あんまり納得しないので、何度も自宅に電話したら、5時前になって、やっと電話が繋がりました。「母親は誕生会などすると言っていない」と言ったそうです。
本人と話をしてもらいました。
電話が終わったら、兄は低い長机の下にもぐりこんで、丸くなっています。見に行ったらやっぱり泣いていて。
そのうち、帰宅時間の5時になりましたが、立とうとしません。弟と、1年の妹は待ちきれずに先に帰ってしまいました。

職員が入れ替わり立ち代り何度も促したり、なだめたり、励ましたり。
私が帰るときも、まだ丸くなっていました。

親子の間で何があったかはわかりませんが、開けなくなった誕生会を、子どもが知らないわけはないのです。それでも、開いてくれると思いたかった彼の気持ちを考えると、切なくなります。
親だって不完全だと思えるようになるには、まだ彼は幼い。家庭の厳しい状況を受け止めるには、児童会もまた不完全。
親を助けるシステムが、何かいると感じることは毎日です。