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タイスの瞑想曲

2010-12-09 20:50:46 | 名曲
枚方市内の小学校には必ず菊の花があります。校区の小学校の菊です。これは菊花晴舞台と言う大輪の厚物というそうです。今年は枚パーで限定で菊人形が復活しましたが、数年前に菊人形は廃止されました。菊を作る菊士さんも、3人と聴きました。後継者もいず、技術は失われていくばかりだそうです。
市内の小学校には、ボランティアで菊の作り方を教えてくださる人がまわっているそうです。
この大輪をみると、菊を愛してきた日本の伝統を感じます。

ジュール・マスネ(1848~1912年)の「タイスの瞑想曲」(1894年)は、オペラ「タイス」の間奏曲です。

マスネは、「ウェルテル」「マノン」など「世界を席巻した人気のあるオペラをたくさん書いた人です。
オペラ「タイス」は、4世紀、エジプトのアレキサンドリアの舞姫(実は娼婦)タイスを、その地を訪れた修道士のアタナエルが、肉欲的な生活から改心させようとします。尼僧院に連れ出し、説いた後、「あなたが悔い改めるのを扉の外で待っています。」とタイスを部屋に残し、アタナエルは外にでます。

そこで、この曲「タイスの瞑想曲」が流れます。

この後、タイスは悔い改め、厳しい修行にも耐えます。ところが、アタナエルは、タイスに恋してしまい、タイスのもとに走ります。
しかし、尼僧院のタイスは、病に倒れて、アタナエルの告白を聞きながらも意味をなさず、「天使達が迎え入れてくれる。」とつぶやきながら死んでしまいます。
残されたアタナエルは、タイスへの恋慕を断てずに、嘆き悲しみます。

ロマンティックで、甘い曲調に、「秘められた宗教的なエロティシズム」とヴァンサン・ダンディは揶揄し、「コウノトリか、尾羽を広げた孔雀の燃え上がる好色さ」レオン・ドーデは嫌いましたが、現代の私達からすると、まだまだお上品。

同時代にフォーレ、14歳下にはドビュッシーが続き、新しい近代音楽の潮流の中で、ほとんど忘れ去られた作曲家になりました。