音楽の喜び フルートとともに

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円錐管ベーム式フルート四重奏

2021-06-27 18:45:56 | コンサート
今日は橋を渡って、


ポートライナーに乗って

海の上を行って

ポートアイランド

オルフェオで


1832年式円錐ベーム式フルートによる四重奏
The conical quartet
井上登紀 榎田雅祥 富久田治彦 満丸彬人

円錐フルートというのは、今の金属のベーム式が出てくる前、ルネッサンスのワン キーフルートの後のフルートのことで、指使いは今のフルートと同じですが、木製で、本体の筒が今のフルートのように真っ直ぐではなく、少し足部管に向かって細くなっています。
この向かって左の方がワンキーフルートでこれも細くなっていますが指使いが複雑で、音程も少し不安定な音があります。
先に金がついていて、杖の代わりに使って、散歩先で吹くのが流行っていたそうです。



今日の奏者の皆さんの円錐ベーム式フルート。

ドヴィエンヌはパリ音楽院、初代フルート課の教授でした。

スッスマンはフルートの教則本を残しました。
この四重奏は超絶にテクニカルで難しいです。

ライヒャはベートーベンと同じ年に生まれ、同じ楽団でフルートとヴィオラパートをそれぞれ受け持っていたそうです。
ところが、二人が24歳の頃、楽団は解散。
二人ともそれぞれに音楽で生きる道を探らなくてはなりませんでした。
そのせいか、この曲はテクニカルではなく、それでいて美しいメロディとそれぞれの見せ場がある合奏の楽しさに満ちています。
誰もが一度は吹いてみたい曲になっています。

フェルステノーは音楽の花束という有名な教則本を残しました。
この四重奏は最後の楽章がハイドンの作曲したオーストリア国歌のヴァリエーションになっています。
これが本当に美しい❗


これは富久田先生の円錐管。
足部管が小さいけれど、Bまで出るのでベートーベンまでなら十分吹けますと言っておられました。

円錐ベーム式フルートの時代は短かったけれど、金属のフルートでは出せない微妙なニュアンスが出せ、ルネッサンスフルートではできない音程の良さ、指回りの良さで。

なぜ、失くなったのかというとそういう柔らかく繊細な音が求められなくなってしまった。

しかしこういう時代だからこそ、生音で微妙で繊細な音に魅せられ癒される人も多いのでは?
と言う気がしました。