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ヘクソカズラも花盛り

2023-09-16 21:00:00 | バロック
母の病院の駐車場に咲いていた、もう一つの花。
可愛いけど、衝撃の名前。
ヘクソカズラ(屁屎葛)

万葉集にも出ている在来種です。
「そうきょうに 延はひおほとれる屎葛くそかずら 絶ゆることなく 宮仕えせむ」 高宮王『万葉集』(巻十六、3855)

名前の由来は葉を揉むと強烈な匂いがします。
英語でもスカンク ヴァイン(臭い蔓)という名前がついています。

1895年ジョセフ ヘリー メイデン
葉は腎臓病に効き、乾燥させると下痢黄疸に効き、果実は潰してエタノールにつけ置き、ろ過し、グリセリンを混ぜると美肌化粧水になるそうです。

臭いけどすぐれもの!

ヨハン ハインリヒ シュメルツァー(1623-1680年)神聖ローマ帝国オーストリア大公国生まれ、神聖ローマ帝国オーストリア大公国プラハ没

シュメルツァーはオーストリア人ですが、当時イタリア人に支配されていた分野、バイオリンの演奏と作曲で高い評判を得ました。
1660年「ヨーロッパで最も傑出したバイオリニスト」と言われました。

1664年の彼の作品はドイツ語圏の作曲家が初めて出版したバイオリンと通奏低音のためのソナタ集です。
ウィーンのハプスブルク宮殿では宮廷楽長はイタリア人になることが多く、1679年オーストリア人としては珍しく宮廷楽長に昇進しました。

しかし、それからわずか数ヶ月後ペストにより亡くなりました。
息子のアンドレアス アントン シュメルツァーも父の後を継いで作曲家バイオリニストになりました。

ファゴットという楽器が作られたのは、16世紀の半ばです。
それまではドゥルシアン


という金属製のクルック(ボーカル)に差し込まれたダブルリード、斜めに開けられた音孔、2重に折り曲げられた円錐形ボアを持つ楽器がファゴットの前身だと考えられています。
バロックファゴット
4つのキーのバロックファゴット
は大幅に改作され、新しい発明品として出てきました。
はっきりとはわかりませんが、ファゴットはマルタン オトテールが発明したのかもしれません。
フランスではヨハン クリストフ デンナー、リヒャルト・ハカ、1700年代には4つ目のキーが発案され、ヴィヴァルディ バッハ、テレマンが厳しい要求をその楽器にしました。
低い音E♭のための5つ目のキーは18世紀の後半に開発されました。

製作者はアイヒェントプフ(1678-1769年)、ベルシユマン(1680-1757年)トーマス
ステンズビーjr(1668-1734年)シェラー(1703-1778年)チェリオ(1732--1786年)などが輩出していてファゴットという楽器の製作の波が来ていました。

その頃1676年、作曲されたのがシュメルツァーの「おならが出る日のソナタ」です。
新しく作られた楽器ファゴットに注意を引き、紹介するためにこのような曲がつくられたのだと思われます。
案外上品な「おなら」です。

ヘクソカズラにも早乙女草と呼ぶ地域もあるそう。

「名をへくそ かづらとぞいふ 花盛り」 高浜虚子1940年作

いやなにおいがあって、あまり好かれない屁糞葛でも、愛らしい花をつける時期があるように、不器量な娘でも年頃になればそれなりに魅力があるという意味だそうです。