薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

日本講演新聞より「空腹はあなたをステキにするお知らせ」の記事を紹介

2022年03月24日 | メタボ・糖尿病

 この日記でときおり紹介している「日本講演新聞」(旧名:みやざき中央新聞)。毎月4回発行され、定期購読しているのだが、読んだとき傑作な記事には黄色の蛍光ペンで丸印を付けておく。それを毎月20日頃にもう一度読み、その中から良いもの数記事をコピーし、うち4つをDMに使うことにしている。
 毎月けっこういい記事があってDMに使いきれず、ストックが数記事たまってきた。これらはたぶんお蔵入りになってしまうだろう。
 それではいかにももったいない。
 そこで、このブログで健康に関するものを昨日に引き続き、もう一つ紹介することにします。

 ガッテンするダイエット法 空腹はあなたをステキにするお知らせ

 (NHK「ためしてガッテン」担当 北折一 2011年Miyachuアーカイブ)

   

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週刊現代7月2日号<糖尿病の薬はもう飲まなくていい>の記事に物申す

2016年08月10日 | メタボ・糖尿病

週刊現代7月2日号<糖尿病の薬はもう飲まなくていい>の記事に物申す

 小生は週刊誌をわざわざ買って読むことはないのですが、当店のお客様で本好きな若い方が参考になればと何冊か貸してくださいました。お客様のお話では、今、何回かのシリーズで週刊現代が“医薬に関して医者にだまされるな”という内容の記事をバンバン書いており、それに対抗して週刊文春も書き始めたとのことです。
 まあ週刊誌であるがゆえに“おもしろおかしく”ハッタリをかませてオーバーな表現をして購読部数を稼ごうとしているだけであるからして、“こんなものは読んでられねえ”となるのですが、お客様がわざわざ持ってきてくださったものだから、むげにもできず、読ませてもらうことにした次第です。
 実は、週刊現代の発行元:講談社から2か月ほど前に電話取材がありました。このブログもお陰さまでだいぶ有名なようで、別の出版社から1年ほど前にも電話取材があり、そのときは記事作成に協力したのですが、今回は、ご希望に添えるような事例で詳細に状況把握しているものはないからとお断りをしたところです。
 そうしたことから、週刊現代がどのようなねらいで記事のシリーズ化を考えているのか分かっていました。そこで、雑誌にざっと目を通し、小生が求めていた統計データの箇所に蛍光ペンを塗り(これはお客様にちゃんと参考になったことを示すため)、その箇所はコピーをとって保存しました。
 ところが、記事の中で、あまりにも目に余る記述が集中して登場したところがあり、これは読者に大きな誤解を生みます。そこで、その部分もコピーし、講談社に“ここはかくかくしかじかで間違っている”と手紙を書こうかと思ったのですが、そんなことをしても無視されるだけだろうから、このブログで批判記事を書いたほうがよかろうと考え、キーボードを叩くことにしました。幾つかの資料の貼り付けがあったりして、かなりの長文となりますが、最後までご覧いただけると幸いです。

 週刊現代のその記事は次のとおりです。それをまず抜粋します。
 週刊現代7月2日号
<糖尿病の薬はもう飲まなくていい>
 新しい基準値の衝撃
…5月20日に出された「お達し」が、医学界を激震させている。日本糖尿病学会と日本老年医学会が共同で発表した「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標について」という文書である。糖尿病かどうかを判断する基準として、広く用いられているのが「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」という物質の血中濃度だ。これまでは、このHbA1cの値が6.5%を超えると「高血糖」とされ、薬を使って血糖値を下げなければならない、というのが常識だった。しかし今回の発表で、すでに糖尿病薬を使っている人については、その管理規準が大きく緩められることになった。…

…’01年からアメリカやカナダで「アコード試験」と呼ばれる大規模な実験が行われました。常にインスリンを投与して血糖値を厳しく管理し、正常の範囲に保っている糖尿病患者グループと、血糖値をあまり気にせず、主に食事療法を受けた患者グループの経過を、長年にわたり比較したのです。3年後、管理グループの死亡率は食事療法グループに比べて22%も高くなっていた。…

 まず前段についての批判をします。
 たしかに日本糖尿病学会は「
高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」を下表のとおり改訂しました。(糖尿病治療ガイド2016-2017)

 その前の規準はどうなっていたかというと、それは「熊本宣言2013」でして、下表のとおりです。

 もう一つ前の規準となると、2010年7月に現行のHbA1c(JDS値=日本式検査値)を国際標準値(NGSP値)に切り替えたときの下表のもののようです。

 このとき、JDS値でコントロールの「良」評価の値がHbA1c6.5%未満(これはNGSP値で6.9%未満に相当とします)となっていました。
 もう一つの規準が、糖尿病か否かの診断規準「糖尿病型」の判定の一つに用いられるHbA1c(NGSP値)6.5%以上(注:これ一つだけでは糖尿病とは診断されなない)です。この2つの数字が同じですから、小生も初めのうちは混乱しており、週刊現代と同様に“HbA1cの値が6.5%を超えると「高血糖」とされ、薬を使って血糖値を下げなければならない。”と捉えていました。しかし、これは今説明しましたように明らかな誤りです。
 なお、週刊現代にある「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という物質の血中濃度」は、正しくは「ヘモグロビンのうち、ヘモグロビンにブドウ糖が結びついた糖化ヘモグロビンの占める割合」です。

 上に掲げました表を注記を含めて正しく読み解こうと思っても極めて難解であるのですが、今回の発表は、高齢者にとって「強い薬は重症低血糖を起こしやすいから、それを防ぐために目標設定値に幅を持たせ、かつ、下限値を設けた」というものです。
 これによって、治療サイドでどんな変化が現れるでしょうか。
 これは小生の推測ですが、今日使われている大半の薬は「重症低血糖が危惧される薬剤」ですから、最初に掲げた表の最下段「あり」の欄に多くの人が該当し、従前(2つ目の表=熊本宣言2013)の「合併症予防のためのコントロール目標(年齢に関係なく):7.0未満」に対して、新基準値では、カテゴリーⅠの65歳以上75歳未満で認知症もなく自立生活している患者の「コントロール目標:7.5%未満(下限6.5%)」という幅を持った設定は、医師の判断でいかようにも薬を処方できることを意味し、たいていの医師は従前どおりの「7.0未満」を基準にしておいていいじゃないか、となってしまいそうです。
 まあ、せいぜい薬が効きすぎて重症低血糖がどれだけか心配されるから、患者にその点をよく言っておくか、で済んでしまうでしょう。
 また、従前の規準値「治療強化が困難な際の目標」は、新基準値のカテゴリーⅢ(認知症、自立生活低下、並存疾患・機能障害を有する患者)に相当し、ともに、今、説明しました値がそれぞれ1.0ポイント大きくなるだけのことで同じ対応となります。
 ただし、75歳以上のまともな患者(認知症の気もなく、自立生活ができる人)の場合は、0.5ポイントアップした値の設定になりましたから、「いままでの7.0未満は行き過ぎで、7.0%以上にしておく」となり、投薬にブレーキを掛けねばならないでしょうが、このカテゴリーに入る人はそれほど多くはないのではないでしょうか。これと同じ扱いとなる新たに設定されたカテゴリーⅡ(若干の認知、若干の自立性欠如)に区分される対象者もそれほど多くはないのではないでしょうか。
 なお、65歳未満の患者の基準値は従前どおりで、下限設定は設けられておりません。

 ということで、週刊現代が言うところの「糖尿病の薬はもう飲まなくていい」とか「新しい基準値の衝撃」とか「医学界を激震させている」というのは、何とも理解に苦しむところです。
 新基準は、表の下に書き添えてある「加齢に伴って重症低血糖の危険性が高くなることに十分注意する。」ことが唯一のブレーキになっているだけですし、高齢者にあっても「注2)」で「薬物療法の副作用なく達成可能な場合の目標を6.0%未満とすることも許容される」とし、新基準によらず従前の規準の「血糖正常化を目指す際の目標」をそのまま適用することも許されるのです。

 次に後段についての批判をします。
 アメリカとカナダで行われたアコード(ACCORD)試験で、どんな結果が出たかといいますと、「試験開始後3年半の時点の中間解析で、死亡数が強化治療群では257例、標準治療群で203例になり、強化治療群の死亡率は標準治療群に対して明らかに高くなってしまい、これは統計的に有意な値であったがために、試験は中途で終了」というのが事実のようです。
 このアコード試験をもう少し詳しく説明しましょう。
 対象者は2型糖尿病の患者10251人で、
条件は「概ね10年前後糖尿病を患っている、高血圧症・高脂血症・喫煙・肥満そして心臓病のいずれか2つ以上に該当する」というもので、ほぼ同数の2群に分け、年齢、既往歴、体重、BMIなどを極力平均的に配置し、強化治療群と標準治療群で治療効果にどの程度の差が出るか、そのデータを取る
 
強化治療群(5128人)はHbA1cを6.0%未満を目標にコントロール、標準治療群(5123人)はHbA1cを7.0%~7.9%を目標にコントロールしつつ、両群ともに治療を5年間行うことでスタート。平均年齢はともに62.2歳。
 当初の予測では、より強化した血糖コントロールを行なったほうが糖尿病の合併症としての心筋梗塞や脳卒中の発症は減り、死亡リスクも低下するであろうと考えられました。
 ところが、試験開始後3年半の時点の中間解析で、先の死亡率の有意な差でもって危険性が危惧され、試験を中止せざるを得なくなったというものです。
 なお、その時点での強化治療群のHbA1c平均値は8.3%から 6.4%に、標準治療群のHbA1c平均値は8.3%から 7.5%に変化し、概ねコントロール目標に近いものとなっていました。
 参考までに、その解析データの主だったものは次のとおりです。

                  強化治療群     標準治療群
 総死亡数・死亡率        257(5.0%) 203(4.0%)
  うち心血管死亡数・死亡率   135(2.6%)  94(1.8%)
 非致死的心筋梗塞発症数・発症率 186(3.6%) 236(4.6%)
 要治療低血糖発作発症数・発症率 538(10.5%)179(3.5%)

 これらの死亡率、発症率の差は、全て統計的に有意なもので、特に注目すべきは、要治療低血糖発作発症率が、標準治療群に対して強化治療群は3倍にもなっていることです。逆に、非致死的心筋梗塞発症率は強化治療群のほうが若干少なかったという点にも注目されます。
 ところで、週刊現代は「強化治療群には常にインスリンを投与」と言っていますが、実際には「インスリンを投与する場合もあるが、強い薬(SU剤)を主として使用した」ということですし、週刊現代は「標準治療群は主に食事療法」と言っていますが、実際には「何らかの薬を使用した」ということのようです。

 アコード試験と極めて類似した調査研究、それはアドバンス(ADVANCE)研究というものですが、同時並行的に同じ頃に行われました。
 アドバンス
研究は、グリクラジド(Gliclazide)というSU剤による強化治療の有効性を確認するために、ヨーロッパとアジアを中心に20か国で11140人の2型糖尿病者(平均年齢66歳)が参加して行われた、国際的大規模研究です。
 
強化治療群にはHbA1cを6.5%以下にするという目標が設定され、標準治療群には各地域のガイドラインに沿った治療が行われました。
 5年の観察終了時のHbA1cは、強化治療群6.5%、標準治療群7.3%でした。この数値はアコード試験の結果とほとんど類似しています。
 さて、この試験による
大血管障害と総死亡については、強化治療群と標準治療群の間で有意な差は認められませんでした。また、重症低血糖発作発症数については、アコード試験の半分にも至らなかったものの、強化治療群で2.7%、標準治療群で1.5%で、2倍弱の開きがありました。

 この2つの大規模な調査研究、ともに統計的に有意と言いながらも、死亡率や血管障害率については異なった結果が出ていますから、強化治療が良いか悪いかは何ともいえないでしょうね。ただし、低血糖発作発症率は両調査研究ともに強化治療と標準治療で明らかに差が生じており、むやみに血糖値を下げるのは危険だということははっきりしています。
 この種の調査研究は規模は小さいながら他にもあり、こうした調査研究を踏まえて、今回のガイドライン設定となったことでしょう。

 最後に、週刊現代も正しいことを多く言っていますから申し添えます。糖尿病に関する薬についての記述として次のものがありました。
 「SU
剤(スルホニル尿素剤)は、薬価が安く、最もポピュラーな糖尿病薬。弱っている膵臓に鞭打ってインスリンを無理やり分泌させる。」
 「DDP-4阻害薬は、最も売れている。特徴は、食後血糖値が上がったときだけインスリンを出させる。肥満型の人が飲むと、一気にインスリンが出てしまう。腎機能障害を起こす恐れもある。年間売上1500億円。なお、糖尿病薬は全部で4000億円。」

 近年、医師が処方するのは、こうした強い薬が多いようです。これらは皆、週刊現代の記述=「弱っている膵臓に鞭打ってインスリンを無理やり分泌させる」のですから、そもそも膵臓が弱っている糖尿病患者の膵臓がますます疲弊し、最後にはインスリンが出なくなり、インスリン注射するしかなくなる危険性があります。
 これに比べ、ブドウ糖吸収阻害薬(消化酵素の働きを止める)は、こうした危険性はないものの、多少とも薬の量が多いと消化不良を招き、腹部膨満感・不快感などの副作用がよく現れますし、薬剤の副作用による肝機能障害を起こすこともありますから、安心できるものではなく、むやみに使うものではありません。
 こうしたことから、糖尿病改善におすすめしたいのは、食後過血糖を解消する自然食品
です。血糖値を抑える力が弱くても、副作用がないものを愛飲したいです。
 その2つとは「ヤーコン葉エキス」と「桑葉エキス」です。消化されて出来たブドウ糖をゆっくりゆっくり吸収させる(ただし桑葉は消化酵素の働きを少々止める機能も持つ)だけですから、決して低血糖になることはなく、食後過血糖をほどよく抑えてくれます。なお、「ヤーコン葉エキス」はインスリン様作用があって、その分膵臓からのインスリン分泌が少なくて済み、疲弊した膵臓を休ませてくれる、すぐれものです。
 そして、食養生の仕方次第で糖尿病は薬なしでかなり改善するものです。これについては、過去記事「メタボ・糖尿病からサヨナラする最善の方法 」で詳しく紹介していますのでご覧ください。
 週刊現代が言うところの「糖尿病の薬はもう飲まなくていい」とは、こうした養生法をとることによって可能となるのです。やたらとあおるだけではなく、じゃあどうすりゃいいの?というアドバイスを週刊現代も同時に記事にしていただきたいものです。

 


 ACCORD試験など、参考にした文献や解説の一部を以下に貼り付けておきます。(引用元は省略)

<ACCORD試験について(1)>
 2型糖尿病における心血管合併症の抑制を目指した大規模介入試験である「ACCORD試験」が米国やカナダで行われた。標準治療群(HbA1c平均値 7.5%)に比べ、強化治療群(HbA1c平均値 6.4%)で総死亡が約22%増加するという結果が2008年に発表され、世界的に注目された。
 
それまで、血糖値を低くコントロールすれば糖尿病合併症を抑えられると考えられていたので、逆に死亡が増えてしまったのは想定外だった。
 
ACCORD試験の強化治療群に参加した糖尿病患者では、HbA1c目標値が6.0%未満と低く設定されており、その後の研究で、厳格な血糖管理により「重症低血糖」が高い頻度で起こっていたことが分かった。低血糖は糖尿病治療でしばしばみられる合併症であり、良好な血糖コントロールを実現する上で大きな障害になる。ACCORD試験では、重症低血糖が心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントを誘因したために総死亡が増加した可能性があった。

<ACCORD試験について(2)>
 アメリカとカナダの糖尿病の患者さん1万人ちょっとの人数で行われた研究です。
【1】HbA1c6.0%以下に厳格コントロール
【2】HbA1c7.0%~7.9%のゆるやかコントロール
の2群にわけて、死亡率を計測したのです。対象になった糖尿病患者さんたちは2型糖尿病で、
平均HbA1c8.2%、平均
年齢62歳、10年以上糖尿病を患っている、高血圧症・高脂血症・喫煙・肥満そして心臓病のいずれか2つ以上に該当する
という条件の皆さんを上記2群【1】【2】に分けて追跡調査したんですよ。
 結果から見てしまうと、【1】の方が死亡率が高かった。アメリカの研究者は愕然としたそうです。みんな、逆の結果を考えていたわけです。
 この試験は5年間追跡する計画でスタートしましたが、途中で、【1】の方が統計的に死亡率が高くなることが明らかとなったため、3年半(7か月)で中止になりました。(2008年6月に発表)
 この結果は世界に衝撃を与え、世界中でさまざまな追試がおこなわれました。それでも厳格な血糖コントロールは大幅に死亡率を高めるので、血糖値は高めが良いという結果になっています。

<ACCORD試験について(3)>
 トータルな対象患者数は10251例で、年齢は40から79歳の2型糖尿病の患者さんです。
 当初の予測としては、より強化した血糖コントロールを行なった方が、糖尿病の合併症としての心筋梗塞や脳卒中の発症は減り、死亡リスクも低下するであろう、と考えられました。
 ところが、試験開始後3.5年の時点の中間解析で、その間の両群の死亡数は、通常治療群で203例に対して、強化治療群では257例と、死亡は強化治療群でより多いという結果になったのです。
 この中間解析の結果を受けて、ACCORD試験は中途で終了となりました。
 何故血糖コントロールを強化した方が、総死亡が増加したのでしょうか?
 有力な考えの1つは、血糖コントールを強化することにより、低血糖が多く発症し、それが死亡リスクの増加に繋がったのではないか、というものです。
 この試験の意外な結果を大きなきっかけとして、厳密過ぎる血糖コントロールは、患者さんの予後を改善しないのではないか、という考え方が生まれました。
 しかし、その一方で総死亡の差から、即断して導いた結論が、やや軽率であったのではないか、という疑義もありました。
 心血管疾患による死亡と、心筋梗塞や脳卒中の発症自体は、強化治療群の方がより抑制されている傾向は見られたからです。
 今回のデータは平均で3.7年の試験としての観察期間と、その後の1.2年の観察期間において、両群の差を心筋梗塞などの予防効果の観点から、再検証したものです。
 その結果、心筋梗塞の発症リスクは、試験期間中で20%、その後の1.2年を含めた全観察期間でも16%、
強化コントロール群の方が、有意に抑制されていました。
 同様の傾向は不安定狭心症などにおいても、有意に認められました。
 一方で心筋梗塞による死亡のみを見ると、強化コントロール群で有意にリスクが増加している、という結果になっていました。
 要するに、より厳密な血糖コントロールを行なうことにより、心筋梗塞などの虚血性心疾患は明確に抑制されるのですが、その一方で事例としては少ないものの、死亡のリスクは増加しています。
 死亡の事例は病気を発症した人のうちの極少数ですから、無理なコントロールが元々悪い血糖値の患者さんに対して、強引に行なわれてような事例で、死亡が増加したのではないか、というような考え方も出来ます。
 上記文献の著者らは、基本的にはそうした見解を取っていて、厳格な血糖コントロールは、矢張り有用性があるのではないか、という立場です。
 しかし、この結果をもって、大多数の患者さんには厳密なコントロールにメリットがあるのだから、少数の例外はあっても、そうしたコントロールを目指すべきだ、とも言い切れないように思います。
 要はバランスの問題で、個別の事例に対して、慎重にその有用性とリスクとを天秤に掛けるべきなのだと思いますが、HbA1cが平均で6.5%を切るような血糖コントロールについては、現時点では患者さんの生命予後を、良くするとも悪くするとも断定は出来ないので、特に低血糖のリスクが高いようなケースでは、より慎重に施行することが望ましい、と考えるのが無理がないように、個人的には思います。

<ACCORD試験について(4)>
 血糖を厳しく管理するためにインスリンやSU剤が使われましたから、強化治療群では低血糖発作が頻繁に起こりました(標準治療群の3倍)。医療を要するほどの重症低血糖発作は、標準治療群では179人(3.5%)、強化治療群では538人(10.5%)に起こりました。アコード研究は、低血糖発作を引き起こすほどの厳格な血糖管理が2型糖尿病者の死亡リスクを高めることを示しています。サブ解析で、重症低血糖発作は直近のHbA1cが高かったものに多く発生していたことがわかりました。HbA1cを目標値に近づけるために薬の量を増やしたり追加薬を処方したりしたことが低血糖発作を誘発したのです。

アドバンス研究について>
 
アコード研究と同じころに行われた、強化治療と標準治療を比較するためのアドバンス(ADVANCE)とブイエイディーティー(VADT)というランダム化比較研究でも、5-6年にわたる厳格な血糖管理が死亡、心血管疾患、細小血管合併症を防ぐという結果は得られませんでした。これらの研究でも、強化治療が低血糖発作を招き、結果として心血管疾患を誘発している可能性が示されています。
 
アドバンス研究は、グリクラジド(Gliclazide)というSU剤による強化治療の有効性を確認するためにヨーロッパとアジアを中心に20カ国で11140人の2型糖尿病者(平均年齢 66歳)が参加して行われた、国際的大規模研究です。
 強化治療群にはHbA1cを6.5%以下にするという目標が設定され、標準治療群には各地域のガイドラインに沿った治療が行われました。
 5年の観察終了時のHbA1cは、強化治療群6.5%、標準治療群7.3%でした。
 グリクラジドによって強化治療群の血糖値は下がったものの、大血管障害と総死亡については強化治療と標準治療の間で有意の差は認められませんでした。
 最小血管障害に関しては、グリクラジドによる強化治療は網膜症の進展防止に効果はなかったが、腎症(尿アルブミン/クレアチニン比で判定)の発生・進展の防止効果があったと結論されています。
 アコードに比べると、アドバンスでは低血糖発作が少なく、他人の助けを必要とするほどの重症発作を起こした被験者の割合は強化治療群で2.7%、標準治療群で1.5%でした。

VADT研究について>
 
VADTは、病歴が長く心血管疾患のリスクを抱えている2型糖尿病患者に厳格な血糖管理を行ったら、はたして心血管疾患の発症が抑制されるかどうか追跡したランダム化比較研究です。
 2型糖尿病の退役軍人1791人(平均年齢 60.4歳)が研究に参加しました。強化治療群と標準治療群の間でHbA1cに1.5%の差がつくように血糖管理を行うことを目標としました。
 研究開始時のHbA1c値は9.4%でしたが、追跡終了時には強化治療群6.9%、標準治療群8.4%となり、HbA1cの群間差1.5%は達成されていました。
 しかし、心血管疾患の発生にも、全死因の死亡率にも群間で有意な差はありませんでした。
 さらに、網膜症、腎症などの細小血管合併症の発生率にも差は認められませんでした(ただし、アルブミン尿の発生は、標準治療群に比べて、強化治療群に少なかったということです)。
 低血糖発作は、標準治療群に比べて、強化治療群で3倍ほど多く発生しました。100人・年あたりの低血糖発作の発生は、意識障害を伴う発作が標準治療群の3に対して強化治療群では9、完全な意識喪失は1に対して3、夜間の発作は44に対して152でした。

<アメリカ糖尿病学会の意見表明>
 
ACCORD、ADVANCE、VADTの3研究に関して、アメリカ糖尿病学会(ADA)は「「病歴が短く、動脈硬化が進んでいない2型糖尿病者は強化治療によって心血管疾患に関して利益を受けるかもしれないが、病歴が長い・重症低血糖発作を起こしたことがある・動脈硬化が進行している・高齢者や虚弱な人たちでは強化治療によるリスクが利益を上回る可能性がある」という意見表明を行っています。

 

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メタボ・糖尿病からサヨナラする最善の方法

2015年10月26日 | メタボ・糖尿病

メタボ・糖尿病からサヨナラする最善の方法

 メタボ・糖尿病に関連する10本ほどのブログ記事を要約したものをホームページ「生涯現役をサポート:三宅薬品のHP」に掲げていますが、このブログで再掲することにします。

メタボ・糖尿病のコーナー
 はじめに
 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という言葉が一躍有名になったのが2006年。これは厚労省のキャンペーンによるもので、この年に流行語大賞ベストテンにもランクインしました。
 同じ年に国連総会で「世界糖尿病デー」が定められました。世界的に糖尿病が蔓延し、その予防を喚起しようというものです。定められた日にちは11月14日。この日はインスリンの発見者、バンディング博士の生誕日。日本にとっては食欲の秋真っ盛りでグッドな日にち設定です。
 メタボがなぜ良くないかというと、肥満、高血糖、高血圧、高脂血症(今は脂質異常症)の4つが重なりあうことが多くなり、成人病(今は生活習慣病)の危険が高くなるからです。これは、メタボという言葉が登場したときから更に遡ること20年、「死の四重奏」という言葉があり、かなり以前から言われていたことです。この言葉はメタボと同義語と考えてよいです。
 「死の四重奏」について、随分前に当店の啓蒙チラシで説明したものがありますので、それの要約を以下に示します。

  毎日、満腹するほどに食べれば、体にいいわけがありません。これは石炭ストーブに例えられます。石炭を少なめに入れると良く燃えますが、いっぱい詰め込むと燃えが悪いです。空気つまり酸素が入りにくくなってしまうからです。
 ヒトの体もこれと一緒で、満腹に食べると栄養がいっぱい入ってきて、燃やすのが大変です。当然ですよね。肺から取り入れられる酸素は栄養摂取の多少にかかわらず一定です。栄養を取り過ぎると、血液中に栄養がいっぱいになり、ドロドロになって血液の流れが悪くなり、全身の細胞への酸素の供給が滞りがちになります。
 すると、栄養を燃やすこと、つまり代謝が進みにくくなり、よけいに栄養がだぶつきます。ヒトの体は、余分な栄養が入ってきたら、これを飢餓に備えて限りなく備蓄しようとします。先ずは皮下脂肪にします。これは、たくさん付いても特に問題はありません。
 ある程度皮下脂肪が付くと、今度は内臓に脂肪を付けます。これが進むと、内臓の働きを悪くします。膵臓に付き過ぎるとインスリンの出が悪くなり、糖尿病になります。(注:ただし、多くは別の原因。後ほど説明。)
 皮下や内臓にある程度脂肪が付くと、栄養の受け取り手がなくなり、栄養が血液中を漂うようになります。これが高脂血症(脂質異常症)です。
 すると、過剰な栄養が血管壁に張り付くようになり、血液の通りが悪くなります。でも、心臓は、休みなく体中に酸素を送り続けねばなりません。よって、心臓は無理に力を入れて血液を流そうとします。これが高血圧です。
 こうして、肥満、高血糖、高脂血症(脂質異常症)、高血圧の4つが次々に連動して起こり、糖尿病、血管性疾患(脳梗塞など)はじめ、様々な生活習慣病を誘発することになってしまいます。(要約ここまで)

 これら生活習慣病の中で、飽食によって最も多く発症するのが糖尿病と言えましょう。食べる方は制限せずに体を動かすことを少なくすればするほど発症率が高まるのが糖尿病です。
 日本人の糖尿病(強く疑われる人を含む)者数は、推計で成人の12%ですが、全く働くことをしないナウル共和国(太平洋の小さな島国:リン鉱石産出で莫大な外貨収入(ただし今は資源枯渇で諸外国から援助))では糖尿病患者は31%、似たような生活のアラブ産油国は30~20%となっています。
 日本人はまだ大丈夫、と考えてはなりません。年々漸増しているからです。

 参考までに、厚労省の国民健康・栄養調査における成人の糖尿病(強く疑われる人を含む)者数の推計値は次のとおりです。
   1997年 690万人
   2002年 740万人
   2007年 890万人
   2012年 950万人
  
 (5年毎にこの調査が行われます。)

● 糖尿病の基準値、判定基準
 糖尿病の判定は、空腹時血糖値、負荷後2時間血糖値、HbA1cの3つの指標でもって細分化された判定基準チャートによってなされますから、あたかも正確な判定方法に思えてしまいますが、画一的すぎて問題がありそうです。
 3つの指標のうち最も基本的な判定基準は、空腹時血糖値であり、正常型(~109)[うち正常高値(100~109)]、境界型(110~125)、糖尿型(126~)と定められています。
 でも、血糖値には個人差があって、ずっと境界型に入っていても何ら問題がない方もあります。また、性差があって男のほうが数ポイント高めです。なお、年齢差も若干あり、4、50歳までは若干上がる(数ポイント)傾向にあるようですが、その後安定します。(参照:男女別、年齢階層別の本来の基準値
 こうしたことから、判定基準からして自分は大丈夫だ、と考えるのは危険です。個々人の判定基準は、「数値に変化がなければ問題なし」、「数値がだんだん上がってきたら要注意、いや、既に糖尿病になっている!」と考えねばならないでしょう。ただし、ストレスで血糖値は上昇しますから、定期検診のときに大きなストレスがかかっていたかどうか、その点に留意してご判断ください。

● 糖尿病の発症原因
 わざわざ説明するまでもないでしょうが、前項で「数値がだんだん上がってきたら要注意、いや既に糖尿病になっている!」と書きましたのは、少々古い話ですが、2001年の講演録(昭和薬科大学:田代眞一教授)が元です。
 それを概説することにします。これは今でも通用することです。

 食事をすると、消化された糖(ブドウ糖)が血液中に入ってきて、食後にどんどん血糖値が上がります。これを膵臓のランゲルハンス島がキャッチしてインスリンを大量に放出します。肝細胞や脂肪細胞に一定量のインスリンが届くと、血液中の糖を肝細胞にあってはグリコーゲンに、脂肪細胞にあっては脂肪に作り替えて蓄え、ほどなくして血糖値が下がります。
 無茶な過食を反復していても、とりあえずは膵臓が必死にインスリンを出してくれ、脂肪細胞で蓄えますから、血糖値は上がらずに済みます。
 ところが、インスリンは脂肪細胞の数を増やす働きを持っており、脂肪の倉庫をポンポンにしながら、倉庫の増設もどんどん行うのです。つまり、脂肪細胞の数がだんだん増えてきます。当然、体は肥満していきます。
 ここで困った問題が発生します。脂肪細胞が増えたら、増えた分だけインスリンの量が多く必要になり、以前と同じ量を食べてもインスリンの量は以前よりも多く放出せねばならなくなるのです。これを「インスリン抵抗性」と言います。
 この段階でも、膵臓は必死にインスリンを作り続けますから、まだ血糖値は上がりません。でも、膵臓は酷使され、やがて疲れきってきます。
 この状態を過ぎても過食が続くと、ついに膵臓は弱り果て、インスリンの分泌量が少しずつ落ちてきて、いよいよ血糖値が上がり始めます。
 「血糖値が上がり始めた。でも正常値の範囲内だから大丈夫だ。」という考え方を多くの方はなさるのですが、これは以上のことから間違っています。
 「膵臓は一生懸命働き続け、過酷な労働にずっと耐えてきた。でも、とうとう限界が来てガタガタになってしまった。事ここに至っては、元どおりの元気な膵臓に戻すのは至難の業だ。決して初期ではない。」ということを理解していただきたいのです。
 「今のうちなら、まだ直せるかもしれない。その努力を今すぐ始めよう。」という意味での警告と捉えれば初期と言えましょう。でも、本当は初期ではない。

 いかがでしょうか。定期検診の目的は、早期発見・早期治療などと言われますが、検査数値に頼って安心していては、“時すでに遅し”となってしまうのが糖尿病なのです。肥満体の方は、今すぐに飽食を戒め、少なくとも腹八分に落とさないことには、本質的な予防は難しいのです。

 なお、生まれてこの方、過食したことはなく、ずっとやせ型であっても糖尿病になる方がけっこういらっしゃいます。
 その原因の一つには、糖尿病になりやすい体質(膵臓のインスリン分泌量が加齢によって落ちてくる)であって、これは遺伝性のものが多いようです。
 他の原因として、注目していただきたいのは、続発性糖尿病(他の疾患によって引き起こされるもの)と類似しますが、「冷たい物中毒、口呼吸」によって発症することが往々にしてあると西原克成氏は強く訴えかけておられます。
 これは、冷たい物中毒にあっては腸粘膜からの腸内細菌の体内侵入、口呼吸にあっては口腔・鼻腔粘膜からの常在菌の侵入によって体内細胞が細菌感染し、その感染が膵臓に特化した場合に膵臓の働きが落ちて糖尿病になるというものです。このことについては、 アトピーのコーナー「アトピーの真の原因」で解説しましたが、原理は同じですから参考になさってださい。
(2016.9.9追記:2014年6月、順天堂大学の研究グループが、“腸内細菌が血液中に移行することを初めて発見した”と発表し、糖尿病との関わり
を論文にしています。)

● 高血糖が続くとなぜ悪いのか
 高血糖が続くと良くない理由として、“血液がベトベト”状態になり、赤血球がくっついて塊になって血液の流れを悪くする、そして糖が血管を変質させ、傷つけ、血管壁にコレステロールを沈着しやすくする、加えて膵臓のランゲルハンス島のβ細胞(インスリンを分泌)を破壊する、といったことが挙げられます。
 それはそれとして、ブドウ糖の害について、高血糖でない方にあっても、特に甘い物好きの方には、十分に理解していただきたいです。
 ブログ記事「古典的な砂糖の害は間違い。本当の害は“ブドウ糖の暴走”」から、その要旨を以下に記します。

 ブドウ糖は、様々な物質と化学的、物理的に結合するという特性を有しています。
 まず、良い点を挙げましょう。
 配糖体と呼ばれるものがそうで、ブドウ糖が他の物質と化学的に結合していて、有用な作用をするものが非常に多いです。
 例えば、抗酸化物質で有名なポリフェノールの代表的なものとしてフラボノイドがありますが、これは別名フラバン配糖体とも呼ばれます。
 次に、ブドウ糖が他の物質と化学的に結合することによって、困ったことが発生する例を紹介します。
 基本的に生体内における化学反応は酵素の働きで行われるのですが、ブドウ糖は酵素なしで勝手に他の物質と化学的に結合しやすい性質があります。
 その代表的なものがメイラード反応です。メイラード反応は、食品加工で良く知られた化学反応なのですが、加熱によってブドウ糖とアミノ酸(たんぱく質のアミノ基)が結合し、香気がある褐色物質を生み出します。
 このメイラード反応が生体内で起きる一例が、糖尿病の指標となる糖化ヘモグロビン(HbA1c)です。高血糖が続けば、ブドウ糖がヘモグロビンとメイラード反応を起こしやすくなり、糖化ヘモグロビンの量が増えて、ヘモグロビンの活性が失われ、酸素供給力が落ちることになります。
 これは、人体にさしたる悪影響を与えませんが、生体内で起きるメイラード反応で、健康に大きく悪影響するものがかなりありそうなのです。
 まず、体内で作られる代表的な抗酸化物質であるSODがメイラード反応を起こしてしまい、その機能が発揮できなくなります。
 次に、細胞外たんぱく質であるコラーゲンがメイラード反応を起こしてコラーゲン間に架橋ができ、例えば水晶体に濁り(白内障)が生じます。
 3つ目に、免疫グロブリン(血液中にある抗体)の活性が失われます。免疫グロブリンはそもそも配糖体なのですが、ブドウ糖が新たに違う箇所にも化合してしまうことによります。
 生体内におけるメイラード反応は、この他にもいろいろあります。その程度はまだ研究が始まって間がないようですから、情報が少なく、私の調査不足で十分に説明できませんが、何らかのメイラード反応を起こすことが分かっているものを以下に例示しておきます。
 酵素:カテプシンB、リゾチーム、膵リポアーゼ、炭酸デヒドラクターゼ
 血清:アルブミン、フィブリン、フィブリノーゲン
 ホルモン:甲状腺ホルモン、インスリン
 細胞:赤血球膜たんぱく質
 このように生体内におけるメイラード反応は多義に渡りますから、糖尿病の合併症には様々なものが出てくるのでしょう。

 ところで、メイラード反応は、何も糖尿病患者に限ったことではなく、健常者であっても砂糖を取りすぎると一時的に高血糖になり、そのときにメイラード反応が生じているのですから要注意です。
 現に、砂糖の取りすぎで免疫力低下をきたすと言われますが、これは、先に取り上げました抗酸化物質であるSODと免疫グロブリンのメイラード反応も一因となっていましょう。また、砂糖の取りすぎで、免疫細胞の1種であるマクロファージ(最前線で細菌やウイルスを飲み込んで消化する白血球)の活性が大きく落ちることが知られています。これは、メイラード反応かどうか不明ですが、いずれにしても高濃度のブドウ糖が原因していると考えるしかないでしょう。

● 糖尿病の改善方法
<何よりも少食に>
 これも、わざわざ説明するまでもないでしょうが、現在採られている糖尿病食は、はたしてこれで良いのか、疑問が多いです。
 最大の問題は「1日3食」としていることです。糖尿病食マニュアルの中には、『典型的な悪い食べ方として、「朝抜き、昼そば、夜大食い」があげられます。気をつけましょう。』とあり、皆さん、朝食をしっかり取っておられます。
 しかし、1日3食きちんと食べる民族は日本人ぐらいなものです。朝食が有害なことは西欧では分かり切ったことになっていて、ごく軽くしか食べません。
 欧米人に比べて日本人に糖尿病が多いのは、ここに起因しているものと私は捉えています。ここは“膵臓さん”の立場になって、よーく考えてください。
 疲労困憊している膵臓ですから、何よりも膵臓が欲しがっているのは「休み時間」です。1日に3度も食べればほとんど休んでいる暇がありません。
 そこで、思い切って「朝食を抜く」のです。そうすれば、膵臓は毎日連続12時間程度インスリンを出す必要はなくなり、ゆっくり休めるのです。
 なお、朝食を抜くことによって生ずる困った問題は、空腹感と食欲煩悩の高まりですが、慣れれば完全に解消します。もっとも、いきなり抜くのはきついですから、だんだん減らして体を慣らさせねばなりません。そうすれば、体内脂肪をエネルギー変換する回路が円滑に回るようになり、空腹感が消えます。
 参考記事:朝食抜き、1日2食で健康!
 そして、より膵臓を休ませるには、「昼食も抜いた1日1食」、「週1回の断食」へ持っていくことです。
 ここで、絶対にしてはならないのは食事を抜いたあとの「ドカ食い」です。
 人間、腹八分で健康といいますが、腹五分いやそれ以下であっても栄養失調になることは絶対にありません。糖尿病の方は、ここのところをしっかり頭に置いて食生活の改善をなさるべきです。
 参考記事:腹「X」分目健康法…腹五分そして腹二分まであります 

<食事の質が重要>
(詳細はブログ記事:糖尿病改善「食養」三則 をご覧になってください。ここではその要約を記すこととします。)

糖尿病改善「食養」三則

第1 腸内環境を良好に保つ
1 カロリーオーバーの解消
 大量のウンチが出れば、必然的にカロリー吸収量を少なくします。便秘すると、それだけ身に付くことになります。
2 免疫力アップと毒素吸収抑制
 便秘すると悪玉菌が毒素を作り、これが体中を駆け巡り、膵臓も弱ります。
(2016.9.9追記:腸内環境が悪いと、腸内細菌が血液中に移行し、糖尿病を発症する恐れがあることを、2014年6月、順天堂大学の研究グループが発表しています。)
3 ミネラル吸収アップ
 善玉菌が活発に働くと、大腸からのミネラル吸収を良くします。

そこで、腸内環境改善の心得「五箇条」
1 たんぱく質を控える
2 脂肪・油脂を控える
3 食物繊維・オリゴ糖を積極的に摂取
 腸内善玉菌の餌になるもので、特に「オリゴ糖」で善玉菌が活動的になります。中でも「オリゴ糖」がたっぷりの「ヤーコン芋」が最高に良いです。
4 消化促進
 良く噛んで食べるのが基本。消化薬を補助的に使うといいです。
5 整腸剤
 快適なお通じが得られないときは整腸剤の助けを求めましょう。

第2 食後過血糖を解消する食材
 血糖値を抑える薬は、強烈に効き、長期連用すると副作用を伴いがちです。
 血糖値を抑える力が弱くても、副作用がない自然食品を愛飲したいです。
 おすすめは「ヤーコン葉エキス」と「桑葉エキス」の併飲です。消化されて出来たブドウ糖をゆっくりゆっくり吸収させるだけですから、決して低血糖にはならず、食後過血糖を防いでくれます。なお、「ヤーコン葉エキス」はインスリン様作用があって、その分インスリン分泌が少なくて済み、膵臓を休ませてくれる、すぐれものです。
 ところで、炭水化物はブドウ糖に消化されるから、食後過血糖を防ぐために、たんぱく質を多く摂って、これをエネルギー源になさる方がおみえですが、これでは腸内環境を悪化させ、かえって良くないです。
 これと類似した方法として、たんぱく質に代えてオリゴ糖たっぷりのヤーコン芋を多食する方法があります。オリゴ糖は消化されず、善玉菌の餌になり、ブドウ糖が作られないからです。なお、この場合には、有機酸が多量に作られ、これがエネルギー源となります。また、オリゴ糖で善玉菌が増え、腸内環境が抜群に良くなり、最高におすすめの方法です。

 参考記事:「ヤーコン芋で糖尿病が奇跡的に完治

第3 不可欠なミネラルをしっかり補給
 生命活動は、酵素(多くはミネラルを中心に据えた有機物)が触媒となって、休むことなく細胞に必要なものを合成したり分解したりして営まれています。
 インスリンの生産をスムーズにするにも各種ミネラルは必須です。
 しかし、飽食時代にあっても、そのミネラルが不足しがちです。
 そこで、積極的に総合ミネラル剤を補給したいものです。
<糖尿病改善に不可欠なミネラル>
  亜  鉛    インスリンの合成とインスリンの活性化、糖の燃焼促進
  *マグネシウム インスリンの合成とインスリンの活性化、糖の燃焼促進
  *カルシウム  インスリンの合成に関与
  セ レ ン   
インスリン類似作用、糖の燃焼促進
  マンガン    インスリンの合成に関与、糖の燃焼促進
  ク ロ ム   インスリンの作用を良くする
  モリブデン 
 糖の燃焼を助ける
  
2016.9.30挿入)

 かなりの長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。これをお読みになった皆様がメタボ・糖尿病からサヨナラできるのを陰ながらお祈りいたしております。

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ダイエットに王道なしと申しますが、しかし王道あり。でも…

2015年05月06日 | メタボ・糖尿病

ダイエットに王道なしと申しますが、しかし王道あり。でも…

 この世に様々なダイエット法がありますが、生活習慣を変えることなく、何かの健康食品なり食材を摂ったり、健康器具を利用しても、万人がダイエットに成功したためしはないですから、「ダイエットに王道なし」と言われるのでしょうね。
 ダイエットを成功させるには、
無理して食事量を減らしたり、無理して運動したりしないことには、ままならないことでしょう。そして、こうした無理を続けて目標達成し、これでよしとばかりに以前の生活に戻れば、例外なく元の木阿弥となり、いや、それどころか、怖~いリバウンドがために、かえって体重が増えてしまい、散々の苦労も水泡に帰すことは必至です。

 このブログでも、無理して食事量を減らすダイエット法を紹介しました。
 それは「朝食抜きの1日2食」であり、それをもう一歩進めた「1日1食」です。
 これの利点は、初めは空腹感との戦いで大変ですが、こうした食生活を長く続けていると体が慣れてきて、朝食なり昼食なりの時間が来ても食べたいという気持ちが湧いてこないですから、無理なく続けられることです。
 ただし、1食なり2食抜くと、食べてよい食事タイムに満腹に食べてしまう傾向がどうしても出てきます。1日1食生活を10年来続けている
小生とて、その例外ではなく、食欲煩悩を放任(今、そうしています)すると、晩飯を苦しいほどに食べてしまいます。もっとも、野菜を多く食べますから、肥満体にはならず、1日3食時代の体重60kg超が今では50kgを超えることはありません。ちなみに年齢66歳、身長157cm、BMIが20未満で、ヤセに分類されます。
 でも、小生の場合は、たまたまうまくいったとも言えます。お相撲さんの場合は、完全な朝食抜きの生活ですが、皆があの超肥満になってしまうのですからね。
 ですから、「朝食抜き」なり「1日1食」とて「ダイエットの王道」には成り得ません。

 飽食時代の今日、『腹いっぱいになってもまだ食べたい。これは単に口が卑しいから。“うまいもの食いてぇー!”という食欲煩悩を抑えるのは至難の技である。』
 小生は今まで、そのように捉えていました。しかし、そうではなさそうです。
 体が求めている栄養素として、まずエネルギー源となる3大栄養素の炭水化物・脂肪・たんぱく質が挙げられます。その中で、脂肪は必須脂肪酸、たんぱく質は必須アミノ酸として生体維持に不可欠なものですが、それは思いのほか少量で済むようでして、摂取した大半はエネルギー源になると考えてよいようです。小生も、野菜中心とはいえ、3大栄養素を毎日過剰に摂っていることは間違いないでしょう。
 これら以外の必要な栄養素としては、ビタミン、ミネラルが挙げられます。もう一つ加えるならば食物繊維ですが、これはヒトという宿主には直接的には不要なもので、腸内細菌が欲しがるだけですから、本稿では食物繊維は栄養素から除外しておきます。
 さて、小生の女房は、基本的にうちの畑で有機栽培した露地物野菜しか使いません。そして、米、肉・魚、油、調味料(味噌、醤油を含む)をほどほどに買い、野菜中心に調理しています。こうであれば、ビタミン・ミネラルは充足していていいはずです。それでも、念のためにサプリメントとしてマルチビタミン・ミネラルを毎日飲んでいます。よって、小生の場合、5大栄養素は、まず間違いなく充足されていると考えられます。

 でもしかし、それにもかかわらず“もっと食いてぇー!”という飢餓感があるのは、“単に口が卑しいから”ではなく、小生の体はどうやら栄養失調の状態にあるようなのです。
 実は、5大栄養素以外にもヒトの体が求めている栄養素があって、それがかなり欠乏しているようなのです。それを小生の体が求めているから、“もっと食いてぇー!”となってしまうらしいのです。
 そのあたりの説明を、このブログで何度も引用させていただいている新谷弘実著「病気にならない生き方」から紹介することとしましょう。(以下、抜粋)

…余分な体重を落としたければ、まずエンザイム(酵素)の多く含まれている食物 [ 引用者の注:新鮮な生の食材 ] を食べることが大切…です。
 本当にエンザイムがたくさん含まれているものだけを食べていれば、体というのは自然に、その人にとってもっとも適した体重になってくるようにできています。酸化した食物 [ 引用者の注:新鮮でない食物と概ね同義 ] 、加工してエンザイムの失われた食物を食べているから太ってしまうのです。
 別の言い方をすれば、太っている人が感じている「飢餓感」は、体が本当に必要なビタミンやミネラルなどの栄養やエンザイムを含まない食物ばかりをとっていることからうまれているのです。太っている人はおなかがすいているから食べるのではなく、ビタミンやミネラルといった微量栄養素やエンザイムを求めるからだの飢餓感にせきたてられて食べているのです。この飢餓感は、よい食物をとることによってしか打ち消すことはできません。逆に、食事内容をエンザイムの豊富な食物に切り替えるだけで、この飢餓感はウソのように消えていきます。
 エンザイムが足りていても、微量栄養素が不足しているために飢餓感を感じている人もいます。微量栄養素というのはおもにビタミンやミネラルですが、これらは「コエンザイム(補酵素)」といって、エンザイムが体内で充分に働くために必要不可欠な物質なのです。…こうしたコエンザイムの必要量は、じつはそれほど多くはありません。昔なら、バランスのよい食事をしていれば、それだけで充分に摂取することができました。しかし最近は、野菜や果物に含まれる微量栄養素の量が減ってきています。もしバランスを考えた食事に切り替えても飢餓感がなくならないときは、サプリメントなどで微量栄養素を補ってみてください。(引用、ここまで)

 新谷氏によれば、ダイエットの王道は「ビタミンやミネラルといった微量栄養素やエンザイムを充足させる食生活」となります。
 小生の場合、ビタミンやミネラルといった微量栄養素が足りていても、どうやら肝腎のエンザイム(酵素)が不足しているようです。
 ところで、新谷氏もおっしゃっておられるのですが、エンザイムは生ものに含まれており、これは熱で破壊されやすいですから、煮たり蒸したりなど調理するときに熱をたっぷりかければ、エンザイムのない食べ物を摂っているのと同じことになってしまいます。
 うちでは、97歳になった歯が悪いおふくろが食べるおかずのことを意識して女房が料理しますし、また、女房はどちらかというと生野菜を嫌います。
 そうしたことから、小生、女房、おふくろともに、エンザイムの摂取不足に陥っているのは確実です。なお、女房の1日の食事スタイルは小生にかなり近く、朝食抜き、昼食はごく少々、夜にドカ食いの傾向にあり、標準体型です。そして、おふくろは朝昼兼用の1日2食で、歳の割には大食家ですが、標準体型です。

 さて、梅雨に入った頃から、うちの畑ではキュウリ、トマトが毎日のように採れだします。毎年、これはたいてい生でけっこうな量を食べ、他にナスの漬物もいただきます。また、食後の果物としてメロンなどは毎日食べます。ただし、これは、お盆頃までの約2か月間で、その後は少なくなります。
 生の夏野菜や果物をたくさん食べる夏季の2か月間はエンザイムがさほど不足していないと想像されますが、だがしかし、口の卑しさは一向に変わりません。もっとも、暑さで胃が弱っているせいか、梅雨前の時期のようには大食いはできませんが。
 この口の卑しさは、たったの2か月間のエンザイム充足では飢餓感が抜けないのか、それとも予想外にまだまだエンザイムが不足しているのか、何とも分かりかねます。
 はたまた、新谷氏のおっしゃることには、小生のような例外もあるのか? あるいは「飢餓感」と「口の卑しさ」とは別物なのか?

 巷では「ダイエットに王道なし」と申します。しかし、新谷氏は、新谷食事健康法(「健康には何よりも美肌の腸壁づくり」の記事の中で紹介)をとっていれば飢餓感が消えて、無理しなくても必ずダイエットでき、また、逆にヤセの人はその人にとっての標準体型になるまで太ることができるとおっしゃいます。
 ここに「ダイエットに王道あり」ということになりましょうか。
 
もっとも、例外のない原則はこの世にないのでありまして、小生のように食い意地が張った食欲煩悩の塊のような人間には、たぶん何をやってもダメでしょうけどね。
 ついでながら、これは女性に多いのですが、毎日何がしかのスイーツを口に入れないことには“餓死するー!”という別腹の持ち主の方がいらっしゃいますが、これも例外の部類に入ることでしょうね。
 と、小生の独断と偏見で勝手に結論付けてしまいましたが、究極の健康法「完全生菜食」、これは例外のないダイエット法と言えますが、これにどれだけか近い新谷食事健康法は、やはり「ダイエットの王道」と言えるのではないかと思うこの頃です。

 ダイエットを成功させたいと願っておられる方は、暑くなってくる立夏の頃から、夏野菜を中心に生野菜を食べる量を順次増やし、そのぶん肉や油を減らしていき、それを秋、冬になっても変わることなく続けられれば、きっと肥満を解消できることでしょう。
 なお、いきなり生野菜を多く摂取すると胃腸を壊すことが多いですから、少量から始めて十分によく噛み、くれぐれも慎重にお進めなさってください。

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糖尿病の発症は数値が上がり始めたときと心得るべし

2014年11月14日 | メタボ・糖尿病

糖尿病の発症は数値が上がり始めたときと心得るべし

 11月14日は世界糖尿病デー。インスリン発見者バンディング博士の生誕日をとって定められたのですが、五穀豊穣・食欲の秋真っ盛りですから、いい設定がされたものです。
 世界中に蔓延しだした糖尿病ですから、世界あげて糖尿病を減らそうとする啓蒙活動が期待されます。皆さん、これを機に、いかに飽食しているかを考えてみませんか。

 ところで、糖尿病の判定は、空腹時血糖値、負荷後2時間血糖値、HbA1cの3つの指標でもって、細分化された判定基準チャートによりなされるのですが、画一的すぎて問題がありそうです。
 最も基本的な判定基準は、空腹時血糖値が用いられ、正常型(~109)[うち正常高値(100~109)]、境界型(110~125)、糖尿型(126~)と定められています。
 でも、血糖値にも個人差があって、ずっと境界型に入っていても何ら問題がない方も多いです。また、性差があり、男の方が数ポイント高めです。なお、年差が若干あり、4、50歳までは若干上がる(数ポイント)傾向にあるようですが、その後は安定します。
 こうしたことから、判定基準からして自分は大丈夫だ、と考えるのは危険です。
 個々人の判定基準は、「数値に変化がなければ問題なし」、「数値がだんだん上がってきたら要注意、いや、既に糖尿病になっている!」と考えねばならないでしょう。
 なぜならば、数値がだんだん上がってくるということは、膵臓が必要とする量のインスリンを分泌できなくなっていることの現れですから、膵臓が疲弊しきっているのは間違いないことです。既に時遅し、と考えてもいいくらいです。(注:本稿文末参照)
 その辺りのことを(少々古い話[2000年9月]ですが今でも通用します)昭和薬科大学の田代眞一教授が講義しておられますので、その要旨を紹介することにします。

(当店でお客様向けに作ったものをスキャナーしましたので、少々読みにくいですがお許しください。) 

 

 いかがでしょうか。田代教授は、かなり控えめに発言しておられますが、「合併症が出てしまったら、いかんともしがたい。投薬すればするほど病状がひどくなる。治療不能。」というのが本音でしょう。これは今日時点でも変わりません。
 定期的に健康診断されておられる方は、決して基準値にとらわれることなく、くれぐれも数値上昇のチェックをしっかりなさってください。
 それよりも、五穀豊穣・食欲の秋真っ盛りの今、これを機に断食するくらいの心づもりでもって少食への取り組みをしていただきたいものです。

(注)血糖値の上昇はストレス負荷でも生じますので、その点を考慮なさってください。

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糖尿病は人類進化の兆候か?このまま行くと“イモムシ”に変化?!

2012年11月14日 | メタボ・糖尿病

糖尿病は人類進化の兆候か?このまま行くと“イモムシ”に変化?!

 今日11月14日は、世界糖尿病デーです。この日にちなみ、先日“糖尿病は人類進化の兆候であるらしい”ことを知りましたので、それを記すことにします。
 
“「空腹」が人を健康にする 「1日1食」で20歳若返る!南雲吉則著 サンマーク出版)
 この本を読んでいて、糖尿病について、アッと驚かされる記述(これを“逆転の発想”というのでしょうか)にぶつかりました。それを紹介しましょう。

(P179~180)…私たち人類の体は、つねに環境に最適化するように進化してきました。 しかし、そのためには何万年という歳月が必要で…急激な環境の変化に適応することができません。
 歴史上、一度もなかった「飽食」という時代に、人間の体はどう適応したらいいか、非常にとまどっている状態です。
 応急措置的にあらわれてきた適応のひとつが、糖尿病です。
…この先、「飽食」の時代が続けば、やがて人類は摂食に関するほとんどの感覚器と運動器官が退化してしまうでしょう。最後には、口とお尻の穴だけがある、頭でっかちな、イモムシのような動物に変化していくだろうと想像されます。
 そうした変化が起きるまでには、さらに数万年という時間が必要でしょうが、とうていそこまで地球はもたないでしょう。…

 なんで?と思われるでしょうが、それについては、糖尿病やその合併症は生体の防御反応であり、それが獲得されていくとして、P91~93に次のように書かれています。

 …スイーツを食べると、血糖値はだいたい140mg/dl以上に上昇します。それは…血管の内側の細胞を傷つけます。こうした糖のもつ毒性は「糖毒性」と呼ばれ、動脈硬化や脳卒中、心臓病などの原因となるだけでなく、内臓脂肪を増やすので、ダイエットの大敵にもなります。…
 それだけに、本当にスイーツには気をつけていただきたい。血糖値を急激に上昇させてしまう砂糖を摂取して体を傷つけるようなことは、いますぐやめていただきたいのです。
 それでもあなたが甘いものをやめなければ、体は高血糖の環境に何とか適応しようとします。すなわちいくら甘いものを食べても太らない体質を獲得しようとするのです。
 そのために高血糖はまず膵臓に対して強い攻撃を行います。膵臓のランゲルハンス島β細胞を破壊するのです。β細胞はブドウ糖をエネルギーとして細胞に吸収する働きのあるインスリンというホルモンを分泌するところです。インスリンがどんどん働くと血糖値が下がる代わりに内臓脂肪がどんどん蓄えられ太ってしまいます。それを防ぐためにβ細胞を破壊して太らない体を獲得するのです。それが糖尿病です。
 糖尿病になったら、次の標的は捕食器官です。食事を摂るための機能が優れていれば、どんどん食べて太ってしまうので、捕食器官を攻撃して太らないようにするのです。
 そのために、まずは目の網膜です。網膜を破壊して失明させればエサを見つけられなくなります。次は腎臓です。腎臓を破壊すれば糖が尿中にどんどん出ていってしまうので太れなくなります。そして足です。足の血管を破壊して足を腐らせてしまえば、もう獲物を追っかけることはできなくなってやせてしまいます。
 「糖毒性」は、甘いものをやめられないあなたをこれ以上太らせないための、生体の防御反応なのです。

 いかがでしょうか。糖尿病は、生活環境に適応するために、糖を吸収させず排泄させるだけでなく、エサを探し回るための目も足も不要としてしまうという形質を獲得させんとしているのですから、これはまさに進化の兆候と捉えることができようというものです。
 糖尿病末期の方は、失明し、足が壊疽(えそ)しても、それでも口から栄養が流し込まれて、しぶとく生きているのですから、その強い生命力が獲得されてしまうと、やっぱり人間は「頭でっかちなイモムシ」にいつぞや進化してしまうのではないでしょうか。
 必要のなくなった器官は、どんどん退化していくのが自然の摂理なのですからね。
 その時代の到来は、人類が地球を破壊しなければ、数万年後にやってこようというものです。
 食欲の秋、自分が人類進化の原動力になるべきか否かについて、十二分に思いを巡らしつつ、食事やおやつをお召し上がりください。
 いずれにしても、スイーツは、この先数万年間おあずけにしたほうが良さそうです。

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メタボリック・シンドローム&死の四重奏 

2012年01月09日 | メタボ・糖尿病

メタボリック・シンドローム&死の四重奏

 お正月に体重が1、2キロ増えた方が多いのではないでしょうか。早速元の体重に戻さなくてはいけませんね。体をよく動かして仕事に励み、食事は当分の間、腹八分。

 メタボリック・シンドロームという言葉が2006年の流行語大賞ベストテンに入りました。
 あれから早5年。当時は、メタボリック症候群とか内臓脂肪症候群など、様々な言い方がされていましたが、今では単に“メタボ”というのが一般化しました。
 さらに遡ること20年。「死の四重奏」という言葉がありました。
 肥満、高血糖、高血圧、高脂血症(今は脂質異常症)の4つが重なると、成人病(今は生活習慣病)の危険が高くなるというものです。メタボと全く同じものです。
 その「死の四重奏」が、名前を変えて再び2006年に脚光を浴びたのは、その年の6月に、厚生労働省が国民健康・栄養調査結果を発表し、この言葉を啓蒙したからです。

 「腹八分」健康法は、大昔から言われ続けてきました。
 毎日、満腹するほどに食べれば、体にいいわけがありません。
 これは、石炭ストーブに例えられます。石炭を少なめに入れると良く燃えますが、いっぱい詰め込むと燃えが悪いです。空気、つまり酸素が入りにくくなってしまうからです。
 ヒトの体もこれと一緒で、満腹に食べると、栄養がいっぱい入ってきて、燃やすのが大変です。当然ですよね。肺から取り入れられる酸素は、栄養摂取の多少にかかわらず、一定です。栄養を取り過ぎると、血液中に栄養がいっぱいになり、ドロドロになって血液の流れが悪くなり、全身の細胞への酸素の供給が滞りがちになります。
 すると、栄養を燃やすこと、つまり、代謝が進みにくくなり、余計に栄養がだぶつきます。ヒトの体は、余分な栄養が入ってきたら、これを飢餓に備えて、限りなく備蓄しようとします。先ずは、皮下脂肪にします。これは、たくさん付いても特に問題はありません。
 ある程度皮下脂肪が付くと、今度は内臓に脂肪を付けます。これが進むと、内臓の働きを悪くします。膵臓に付き過ぎるとインスリンの出が悪くなり、糖尿病になります。
 皮下や内臓にある程度脂肪が付くと、栄養の受け取り手がなくなり、栄養が血液中を漂うようになります。これが高脂血症(脂質異常症)です。
 すると、お勝手場の流しに油物を毎日のように流していると排水管が詰まってくるのと同様に、過剰な栄養が血管壁に張り付くようになり、血液の通りが悪くなります。
 でも、心臓は、休みなく体中に酸素を送り続けねばなりません。よって、心臓は、無理に力を入れて血液を流そうとします。これが高血圧です。

 こうして、肥満、高血糖、高脂血症(脂質異常症)、高血圧の4つが連動して起こります。体質により発症の順序が変わったり、一部は出なかったりしますが、たとえ異常なしと診断されても、臓器や器官が無理をしていることは確かなことです。つまり、臓器や器官は疲れています。よって、決して安心はできません。
 メタボリック・シンドロームは、男性に特有で女性は大丈夫などとは安易に考えないでください。確かに、女性は余分な栄養を皮下脂肪として蓄える能力が大きいから、内臓や血管壁に比較的脂肪が回らないと、一般論としては言えるでしょう。
 でも、日本の診断基準は、世界に比べて、男性に辛く、女性に甘く設定されているだけで、性別に関係なく気をつけねばならないものです。

 メタボリック・シンドロームは、運動不足と栄養の取り過ぎが原因であることははっきりしています。運動をするということは、石炭でいっぱいのストーブの通風口をウチワで扇ぐのと一緒です。荒い呼吸をして酸素の供給を多くしてやれば、うまく燃焼してくれるのですが、毎日腹一杯食べるようであれば、息が弾むような運動を毎日2時間はしないと追いつかないでしょう。これは、とても難しいことで、あきらめざるを得ませんが、何もしないよりは何か運動をした方が良いに決まっています。
 このブログでも、どこででも簡単にできる体操を紹介していますから、おやりになってください。(左サイドバーのカテゴリー「健康体操」をクリック)

(この記事は、当店「生涯現役新聞」2006年12月号外を一部改変して掲載したものです。)

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抵抗勢力で生涯現役の危機 “インスリン抵抗性”の解説です

2012年01月01日 | メタボ・糖尿病

抵抗勢力で生涯現役の危機 “インスリン抵抗性”の解説です

 おいっ、“インスリン抵抗性”って何だ?
 少々難しい説明になりますが、我慢して読んでください。
 インスリンは膵臓で作られるホルモンですよね。血液中の糖を細胞の中に取り込ませる働きがあります。この働きが悪くなることを“インスリン抵抗性”と言います。細胞が糖を受け入れるのに抵抗するから、“抵抗性”と言うと思っていただいてよいです。
 そうなる最大の原因は、細胞の肥満です。“細胞は糖が満タン。もうこれ以上入らん。”という状態になっているからです。
 太った体の人ばかりでなく、痩せていても細胞肥満の方は多いです。
 細胞肥満は高度文明社会が引き起こします。食べ過ぎと運動不足。これでは、エネルギーの出納バランスが整わず、“入り”過剰になってしまい、つじつまを合わせるために、毎日、膵臓がフルパワーでインスリンをたくさん分泌させられる羽目になります。そうなればどうなるか、決まりきったことです。

 いったん“インスリン抵抗性”が起きると、膵臓の機能までが落ち、インスリンの分泌が大きく低下します。悪循環の始まりです。
 そして、糖による”血液ベトベト”の
状態が長期間続けば、糖尿病になります。
 最近の研究では、脂質異常症、高血圧も“インスリン抵抗性”が起因していることが多いとのことです。糖が血管を変質させ、傷つけ、血管壁にコレステロールを沈着しやすくし、また、血液の流れを悪くするからです。
 糖尿病、脂質異常症、高血圧と肥満、この4つが重なることを“死の四重奏”と言います。動脈硬化をドンドン加速し、心筋梗塞、脳梗塞の危険性を格段に高めます。
(最近、これをメタボリック・シンドローム、略して“メタボ”と呼ぶようになりました。)  
 ところで、コレステロールや中性脂肪で“血液ドロドロ”、これが近年注目されていますが、これよりも、糖による“血液ベトベト”がより大問題です。なぜならば、過剰な糖がコレステロールや中性脂肪に変換されるからです。

 日本人は、哀れな存在です。西欧人に比べて炭水化物の消化能力が優れている反面、体内合成した脂肪の燃焼能力が弱いからです。
 “溜め込むばかりで使わない”日本人の経済活動とあまりにも似ています。儲けを貯蓄し過ぎて銭がだぶついてしまい、経済活動がスムーズに進みません。
 何とかしてエネルギーの出納バランスを整えねばなりません。そのために、日本人が西欧風の食生活にすることが考えられますが、油脂や動物性タンパク質の消化能力が弱い日本人ですから、未消化物で腸内環境を悪くし、別の大きな問題を抱え込むことになります。
 日本人も西欧人も祖先は同じですが、何万年か前からの食環境の違いにより、体質を変えてしまっていますから、日本人が西欧風の食生活でも健康を保てるようになるには、この先何万年かかかることでしょう。
 とても、それを待ってはいられません。となると、和食にして腹八分、適度な運動、この2つを基本にした生活習慣に戻すしかありません。
 元旦は、菜っ葉たっぷり、餅少しの雑煮で食養生し、初詣でたっぷり歩く。
 1年の計は元旦にありと申しますから、ぜひ実行したいものですね。

 とは言うものの、腹八分ほどキツイものはありません。
 
どうしても、満腹になるまで食べてしまいがちです。炭水化物の消化能力に長けた日本人ですから、“食後過血糖”の状態に陥りがちになります。
 この“食後過血糖”は直ちに糖尿病を招くものではないですが、過血糖状態の間は、膵臓がフルパワーでインスリンを生産していると考えてよく、これが毎日続くと、膵臓がやがて疲れてしまうことでしょう。
 極力“食後過血糖”を避けねばなりません。そのためには、炭水化物の消化をゆっくりゆっくり進めてもらうしかありません。
 つまり、消化の邪魔をする物を食事のときに一緒に摂りたいです。
 そのための健康食品が数多く出回っていますが、安全かつ効果的なものは、昔から食されているものです。その中で特にお勧めなのが、アンデス原産のヤーコンの葉と東洋原産の桑の葉です。両方一緒にすると、より効果が高まります。これは、お茶として市場に出回っていますので、おおいに活用していただきたいものです。
 そして、ヤーコンの芋もすぐれもの。ヒトが消化できない「オリゴ糖」の塊のような芋ですから、血糖値を上げませんし、腸内環境を大改善し、糖尿病も改善します。
 なお、「オリゴ糖」の詳細については、左サイドバーのカテゴリー「オリゴ糖」をクリックして、ご覧ください。
 また、ヤーコンの葉ヤーコン芋の効用は、当店のホームページで詳細に書いておりますので、ご覧になってください。

(この記事は、当店「生涯現役新聞」2003年1月号を一部改変したものです。)

(関連記事)2014.11.14 糖尿病の発症は数値が上がり始めたときと心得るべし

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糖尿病改善「食養」三則:①腸内環境を良好に②食後過血糖を解消③ミネラルをしっかり補給

2011年07月22日 | メタボ・糖尿病

糖尿病改善「食養」三則:
①腸内環境を良好に②食後過血糖を解消③ミネラルをしっかり補給

第1 腸内環境を良好に保つ
 糖尿病に限らず、健康を維持するためには、腸内環境を良好に保つ必要があります。
 善玉菌が様々な有用物を作ってくれますし、悪玉菌の増殖を抑えて毒素の生産をさせなくします。特に糖尿病の方には、次の点で、必須のものです。

お通じが良いと・・・
1 カロリーオーバー解消
 ウンチには、まだ、かなりのカロリーが残っています。大量のウンチが出れば、必然的にカロリー吸収量を少なくします。便秘すると、それだけ身に付くことになります。
 
ただし、下痢は逆効果。腸内善玉菌を数多く追い出してしまいます。

2 免疫力アップと毒素吸収抑制
 善玉菌が免疫物質を作ってくれ、合併症を防ぎます。また、膵臓を活性化します。
 便秘すると、悪玉菌が毒素を作り、これが体中を駆け巡り、膵臓も弱ります。

3 ミネラル吸収アップ
 吸収されにくいミネラルですが、善玉菌が活発に働くと、大腸を酸性にし、ミネラル吸収を良くします。酸っぱい臭いの便であれば、合格です。

 こうしたことから、腸内環境をより良い状態に維持したいです。そこで・・・

 腸内環境改善の心得「五箇条」
1 たんぱく質を控える
  腸内環境悪化の最大要因が、動物性たんぱく質の摂り過ぎです。
  
肉(魚を含む)は1日80グラム以下にし、魚介類中心に。

2 脂肪・油脂を控える
  今日、戦前の18倍も摂っています。脂肪は死亡につながります。
  過剰な脂肪・油脂は、必ず未消化になって、腸内環境を悪化させます。

3 食物繊維・オリゴ糖を積極的に摂取
  腸内善玉菌の餌になるもので、特に「オリゴ糖」で善玉菌が活動的になります。
  毎日、野菜、海藻、イモ類をしっかり食べましょう。
  中でも、「オリゴ糖」がたっぷりの「ヤーコン芋」が最高に良いです。
  なお、「オリゴ糖」の詳細については、左サイドバーのカテゴリー「オリゴ糖」をクリック
 して、ご覧ください。

4 消化促進
  良く噛んで、ゆっくり食べるのが基本です。
  胃腸が弱い方は、消化薬を補助的に使いましょう。

5 整腸剤
  上の四箇条でも快適なお通じが得られないときは、整腸剤の助けを求めましょう。

2 食後過血糖を解消する
 食後過血糖になるのは、インスリンの力量不足
 小腸で炭水化物がブドウ糖に消化され、血液に入ります。このブドウ糖を、インスリンが捕まえて、体中の細胞にしまい込みます。多過ぎるブドウ糖は、肝臓でグリコーゲンに姿を変え、一時的に蓄えられます。
 これでも余りが出るときは、脂肪細胞に皮下脂肪として蓄えられます。このときに、インスリンが大量に必要となります。なんせ、無理やり押し込むのですからね。
 したがって、インスリンを生産する「膵臓(すいぞう)」が酷使されていると、疲れ果てて、インスリンの出が悪くなり、また、活性の弱いインスリンにならざるを得ません。
 そうなると、血糖値が高い状態が続きます。

 高血糖が続くと恐いです
 赤血球が固まりやすくなり、血液がドロドロしてきます。
 また、活性酸素が発生して血管壁に傷ができやすくなり、血液の流れが悪くなります。
 こうして、全身の細胞が酸欠状態になります。
 そうなると、全身の細胞の働きが悪くなり、様々な臓器や器官の働きがにぶります。
 当然に、膵臓がますます働かなくなり、悪循環に陥ります。
 白血球(免疫細胞)の活力も低下し、様々な病気を拾いやすくなります。

 食後過血糖を防ぐ助っ人の力を借りましょう
 血糖値を抑える薬は、強烈に効き、長期連用すると副作用を伴いがちです。
 血糖値を抑える力が弱くても、副作用がない自然食品を愛飲したいです。
 お勧めは、「ヤーコン葉エキス」と「桑葉エキス」の併飲です。
 消化されて出来たブドウ糖をゆっくり吸収させるだけですから、決して低血糖にならず、食後過血糖になるのを防いでくれます。
 でも、これだけでは万全ではありません。高血糖ぎみの方は、どうしても活性酸素が発生しやすく、血液がドロドロ傾向にありますから、血流が悪いです。
 活性酸素を速やかに消し、血流を改善して、全身に酸素供給を十分にしてくれる「銀杏葉エキス」がお勧めです。糖尿病に対する「銀杏葉エキス」の効果については、小生の別立てブログで記事にしておりますので、覗いてみてください。(下記をクリック)
 http://kmiyake.blog.fc2.com/blog-entry-23.html

 ところで、炭水化物はブドウ糖に消化されるから、食後過血糖を防ぐため、これを食べず、たんぱく質を多く摂って、これをエネルギー源になさる方がおみえですが、これでは、腸内環境を悪化させ、かえって良くないです。
 これと類似した方法として、オリゴ糖たっぷりのヤーコン芋を多食する方法があります。
 オリゴ糖は消化されず、善玉菌の餌になり、ブドウ糖が作られないからです。
 なお、この場合には、有機酸が多量に作られ、これがエネルギー源となります。
 また、オリゴ糖で善玉菌が増え、腸内環境が抜群に良くなり、お勧めの方法です。
 参考までに、小生の別立てブログで「ヤーコン芋で糖尿病が奇跡的に完治」の記事を書いておりますので、参考になさってください。(下記をクリック)
 https://yahkon-oyaji.blog.so-net.ne.jp/2019-03-28-9

第3 ミネラルをしっかり補給
 生命活動は、酵素(多くはミネラルを中心に据えた有機物)が触媒となって、休むことなく、細胞に必要なものを合成したり分解したりして、営まれています。
 しかし、飽食時代にあっても、そのミネラルが不足しがちです。
 その原因は2つあります。
 
第1に、今日の野菜は、化学肥料を用いて連作し、促成栽培されますから、ミネラルの含有量が少ないことです。
 第2に、高たんぱく食により、これが最終的に燃やされて多量の尿素ができ、排尿時に尿素が各種ミネラルを排出させてしまうまうからです。
 加えて、糖尿病の方は、腎機能も弱っていますから、より流出されやすいです。
 従って、積極的にミネラル補給したいものです。
 そして、ミネラル補給すると、糖尿病が大きく改善されます。
 糖尿病に不可欠なミネラル
  亜 鉛     インスリンの合成とインスリンの活性化、糖の燃焼促進
  *マグネシウム   インスリンの合成とインスリンの活性化、糖の燃焼促進
  *カルシウム   インスリンの合成に関与
  セ レ ン   インスリン類似作用、糖の燃焼促進
  マンガン    インスリンの合成に関与、糖の燃焼促進
  ク ロ ム   インスリンの作用を良くする
  モリブデン   
の燃焼を助ける
  
2016.9.30挿入)  

 よって、糖尿病の方は、総合ミネラル剤を積極的にお飲みになると良いのです。 

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腹「X」分目健康法:腹八分、腹七分、腹六分、腹五分そして腹二分まであります

2011年01月18日 | メタボ・糖尿病

腹「X」分目健康法:腹八分、腹七分、腹六分、腹五分そして腹二分まであります

 食っちゃ寝、食っちゃ寝の正月。あなたのメタボ度はいかになりましたか。
 何にしても、食べ過ぎて体重が増えたことでしょう。そして、例年になく寒い冬ですから、体をあまり動かさない。よって、体重は右肩上がり!
 何もかも右肩下がりの中で体重だけが・・・

 ところで、日本人は1日にどれだけのカロリーを取っているのでしょうか。平成20年国民健康・栄養調査によれば、男が平均2100、女が平均1700キロカロリーです。
 これでは取りすぎだから、腹八分目にして、男は1600、女は1400キロカロリーにしなさいというのが、糖尿病食事療法の一つの目安になっています。これは、糖尿病でない人も守った方が良いと言われている、昔からある基本的な健康法です。
 この世に様々な健康法がある中で、どの健康法も、正しいと言われるものであっても間違っていたり、合わない方が多かったりするのですが、唯一、「腹八分」だけは、絶対に間違っていない健康法と言えます。

 ところが、糖尿病であるなしにかかわらず、もう一歩進めて腹七分目にすれば、もっと健康になれるという調査データが幾つもあります。
 例えば、小林博・元北海道大学医学部教授が、ガンの予防にも役立つと、「がんの予防・新版」(岩波新書)の中で述べておられます。

 じゃあ、人に最適な栄養摂取量はどれくらいでしょうか。
 生活習慣病予防医学の第一人者である小山内博先生は、更にもう一歩進めて、腹六分目あたりがちょうど良いと、著書「生活習慣病に克つ新常識」(新潮社)の中で、次のように言っておられます。
 「さて、適正な体重を維持するための摂取カロリーですが、私の考えでは成人1日1100キロカロリーあたりでしょうか。もちろん体の大きさや仕事の内容にもよりますが、その前後といったところでしょう。老人ホームのお年寄りなら1日700キロカロリーであれば、体重減少がないということです。」

 数段その上を行く、ビックリものもあります。少食健康法で難病を治療されておられる甲田光雄先生によると、少しずつ進めていって、何と腹二分目、1日400キロカロリーで通すようになっても一切問題なく、誰もが皆、より健康になれるとのこと。これは余りにも極端すぎて、とても付いていけませんが、いすれにしても、カロリー摂取量は、少なければ少ないほど健康に良いのは確かなようです。

 ただし、カロリーは、三大栄養素(炭水化物、脂肪、タンパク質)のことであって、ミネラルやビタミンはしっかり取らねばなりませんよね。
 つまり、毎日、野菜をパクパク食べねばいかんのです。
 お雑煮(地方によって様々ですが)を食べるに当たっては、小松菜(当地では、基本的にこれ以外は入れない)ばっかりにして、餅はカケラを1個入れるだけに。
 そうすれば、健康この上ない丈夫な体になりますし、ダイエットは必ず成功します。

 でも、10キログラムの減量をする必要がある方は、何と7万キロカロリー(約2か月分のエネルギー量)を皮下脂肪として備蓄している計算になるそうですから、おいそれとは痩せませんが。
 何にしても、正月に体重が増えた方は、腹の回りに付けている備蓄タンクを外す努力をせねばなりません。
 いくら先行き不透明な世の中と言えども、突如として飢餓が訪れて2か月も3か月も何も食えないという事態は決して来ることはなく、よって、10キロなり20キロもの備蓄タンクを肌身離さず持ち歩く必要はどこにもないのですからね。
 そういう小生も、餅の食い過ぎで2キロも体重増加。ギョッ!
 腹「X」分目にしなきゃ!

(関連記事)
 最適食事量は「腹5分」、よって「1日1食」にするしかない!
 “腹八分”どころか“腹4分の1”健康法というのがあります
 人はどれだけ食べれば生きていけるのか?毎日生野菜150g(60kcal)で十分!!

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ヤーコン芋で糖尿病が奇跡的に完治!オリゴ糖の力はスゴイものがあります。

2011年01月08日 | メタボ・糖尿病

ヤーコン芋で糖尿病が奇跡的に完治!オリゴ糖の力はスゴイものがあります。

 このブログで2011年1月1日に「お正月は高血糖にご注意」を記事にし、また、当店のお客様にもDMを差し上げました。そしたら、思いのほか多くのお客様に、食後過血糖を防いでくれる「ヤーコン葉・桑葉」のエキスをブレンドした養生食品をお買い求めいただき、ここに深く感謝申し上げます。
 この養生食品は、糖尿病の方にご愛飲いただいておりまして、血糖値を安定させる力が大きく、また、糖尿病の治療薬と併用しても問題のない、すぐれものです。(当然にダイエット効果も期待でき、2、3キロは直ぐに減量できます。もっとも、それ以上の減量となると、他の方法との組み合わせが必要になりますが。)

 さて、うちでも栽培し、お客様に差し上げているヤーコン芋ですが、これを常食すると、腸内環境が大改善され、間接的に糖尿病にも効いてくることは分かっていたのですが、重い糖尿病であっても完治する例があることにビックリしました。

 ヤーコン芋に関して私の師匠である渡辺最昭さん(三井ヘルプ株式会社社長)がブログ「ヤーコン社長の人生日記」Vol.224の中で、次のように述べておられます。
 …
新年早々、鹿児島の男性の方から、ヤーコンについての電話をもらいました。「ヤーコンをバリバリ食べたら奇跡が起こった。」と、喜びの長電話。「これまで、血糖値500、体重90キロで、失明していたが、ヤーコンを常食するようになったら、血糖値は正常になり、目も見えるようになり、医者も驚いている。ヤーコンの何が良かったのだろうか。」との問い合わせでした。…

 さて、このように糖尿病が奇跡的に完治したのは、1年365日酷使されていた膵臓に、たっぷりと骨休みさせてあげたことと、腸内環境の大改善により自然治癒力がアップした結果と考えられます。そのあたりの考察については、小生の別立てブログ「ヤーコンおやじのブログ」(左のブックマークにあります)の中の記事 「ヤーコン芋で糖尿病が完治」
クリック → https://yahkon-oyaji.blog.so-net.ne.jp/2019-03-28-9 
をご覧になってください。
 また、その中で取り上げた「オリゴ糖」の働きについては、このブログの左サイドバーのカテゴリー「オリゴ糖」の記事を参照してください。
 そして、糖尿病の方、糖尿病が心配な方は、少しでも畑があれば、ない方は家庭菜園を借りてでも、今年こそヤーコン栽培に取り組んでください。
 栽培法も、小生の「ヤーコンおやじのブログ」で紹介させていただきます。その手始めとして、「さあ皆さん、ヤーコンの栽培を始めましょう」をご覧になってください。
クリック → https://yahkon-oyaji.blog.so-net.ne.jp/2019-03-24-1

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お正月は高血糖にご注意

2011年01月01日 | メタボ・糖尿病

お正月は高血糖にご注意

 正月3が日は、誰しも、「食っちゃ寝、食っちゃ寝」の生活になります。
 おいしい物をたらふく食べて、体をちっとも動かさない。
 「年に一度ぐらい、骨休めして、極楽を味わうのは、いいじゃないか。」と油断していると、正月明けのお医者さんの検査で、「高血糖」の判定が下されます。
 つまり、「糖尿病」と診断されるのです。
 一時的に「高血糖」になっただけで、「糖尿病」ではない、と思われるかもしれませんが、
インスリンの出が、たいそう悪くなっていることは、間違いないです。
 毎日の飽食によって、膵臓(すいぞう)が酷使され、その働きが落ちて、容易には血液中の糖を細胞に仕舞い込めない状態になってしまっているのです。
 1日3食しっかり食べ、3時のおやつをつまむという生活では、どうしても過食になりがちです。加えて、重労働をしなくなった昨今ですから、入れ込んだ糖を、全部は消費することができず、血液中に糖があふれてしまうのです。
 一度、物言わぬ膵臓の立場になって考えてみませんか。

 毎日、何度も大量の糖が血液中に送られてくる。
 この糖を直ぐに細胞に受け取ってもらわねばならぬ。
 でも、細胞は糖が満タンだから、受け取ろうとはしない。
 無理やり受け取らせるには、大量のインスリンがいる。
 私(膵臓)の体に鞭を振って、インスリンを大量に生産せねば。
 こうして、私は365日、重労働を強いられる。
 特に、「食っちゃ寝」の正月3が日は、悲惨な目に遭うよ。

 膵臓が物を言うことができたら、
 
「私も、正月3が日は、休ませてほしい。あんた、3日間、何も食べないでくれ!」
と、言うでしょう。きっと。
 膵臓さんにも、骨休めさせてあげねば。
 でも、「それは絶対不可能だわ。」と、食欲煩悩が横着を決め込んでしまう、毎年のお正月です。

関連記事:2014.1.1 骨休めの正月3が日。内臓にも骨休めを!

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過食の真犯人は調味料。調味料の使いようで何でも美味しくしてしまいますから。

2010年12月01日 | メタボ・糖尿病

過食の真犯人は調味料。調味料の使いようで何でも美味しくしてしまいますから。
(最新更新 2013.7.15)

 ヒトは、腐った物の味や毒のある物の味を楽しんでいます。
 鍋料理がおいしい季節がやってきました。鍋でさっと湯がいた春菊を、ポン酢に付けていただくのが何と言っても最高です。
 苦味に酸味がからまって、この上なく美味!
 これは、若い方の好みに反しますが、中高年になると、酸味と苦味を求めるようになります。それは、消化器官が衰え始めると、酸味が肝臓を元気にし、苦味が健胃薬として働くからです。
 こうした嗜好が、ヒトの原始時代からあったかというと、そうではないです。
 文明から取り残された未開のニューギニアの原住民の中には、味に関する言葉を持たない部族もいて、彼らは、酸味と苦味を極端に嫌います。酸味を経験するのは、普段食べている物が腐敗したときであり、あわてて吐き出します。一方の苦味は、植物に特有の毒であることを知っていますから、苦い食べ物には決して手を付けません。
 ところが、人類は文明を発展させる中で発酵食品を発明し、酸味に親しむようになりました。また、生薬を開発し、苦味を健胃薬として利用するようになりました。
 このように、昔は食べなかった危険な物を、早い所でたったの数千年前に、知識によって食べるようになっただけです。
 これによって、栄養価が高く、滋養強壮になる食品が数多く得られるようになり、食の幅をグーンと広げて、今日に至っているのです。

 ところで、料理店で鍋物を注文すれば、必ずモミジおろしが付いてきます。唐辛子の辛味でもって食欲を高めさせ、大根おろしでもって消化を促進させてしまうのですから、これは、追加料理を注文させる罠(わな)以外の何物でもなく、くれぐれもご用心あれ!
 でも、モミジおろしが加われば、一段上をいく高級グルメとなり、飽食を満喫できますから、この魅惑には勝てません。この辛味もヒト本来の嗜好ではありません。

 じゃあ、ヒト本来の嗜好は何かというと、それは、子供と同様に甘味だけで、あとは、海岸縁に住む少数の人々が塩味を知っていただけです。先に述べましたニューギニアの原住民以外にも、何の味付けもせず、芋や豆をグツグツ煮るだけで食べる民族が多いのです。そうした彼らは、食事をうまいと思うことはないようで、何となく食べるだけで、グルメとは縁遠い世界に住んでいます。

 でも、高度文明社会に暮らす我々は、いくら景気が悪くてもグルメを満喫しています。
 どんなに安い食材でも砂糖と塩で味付けし、油をからめてやればマイルドになり、仕上げに味の素を振れば、実に美味なるものに変身させられるからです。
 これを冷静に考えると、食材は単なる「かさ増やし」に過ぎず、ブレンドされた調味料だけを味わっていることになります。
 そして、それがために飽食してしまい、今日の生活習慣病を蔓延させるという悲しい現実があります。
 いっそのこと、各種調味料を一切使わないで調理し、食材そのものの味を味わってはどうでしょうか。そうすれば、それぞれの食材が本来持っている言葉では言い表せない微妙な味が良く分かるようになり、これが本当のグルメになるのではないでしょうか。
 和食の原点がそこにあると思われます。高級料亭の和食職人の技が発揮されることになります。天ぷらも肉も出てこない、薄味仕上げ。絶妙な味。素晴らしい! 選りすぐりの食材を使った、そのような高級料亭には滅多に行けないのですが、その味が忘れられません。
 しかし、しかし、そんなことを女房に言おうものなら、生の芋と野菜を手渡され、「あんた、この鍋で煮て食べなさい。」と、大変な事態を招くことは必至です。だまっとこ。

関連記事:2013.7.15 食生活は“油断”が一番です

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マグロのトロ&霜降り牛肉、どちらも戦前はただ同然に安かったのに、なぜ高級食品に?

2010年11月30日 | メタボ・糖尿病

マグロのトロ&霜降り牛肉、どちらも戦前はただ同然に安かったのに、なぜ高級食品に?

 つい先日(と言っても何十年か前まで)、マグロのトロは「猫またぎ」と呼ばれていました。猫でも食べようとせず、またいで通ったから、そう命名されたのです。当然、人も食べませんでした。霜降り牛肉も同様で、そんな脂身の多い肉は、すき焼き用の鍋の脂引きに使われる程度のものでした。
 ところが、両者ともに手が届きそうにない高級な食品になってしまいました。こんなふうになってしまったのは、日本の高度成長後の出来事です。
 日本人の舌も、経済成長とともに高度成長した?!

 そもそも、日本食は基本的に油脂を使いません。夕食後に食器を「洗いまし」するのに、洗剤は不要でした。ところが、今日の油脂の消費量は戦前の18倍にもなり、「洗いまし」に洗剤が欠かせません。
 米国風食生活が導入された結果ですが、それにしても、マグロのトロと霜降り肉は、行きすぎています。米国人をも超えてしまったグルメ文化です。
 これは、日本人が油脂食で鍛えられて脂肪分解酵素が多く出るようになったことと、日本人は旨味(うまみ)の味覚感覚が発達しているがために生じた現象でしょう。

 でも、還暦を過ぎて、脂肪分解酵素があまり出なくなった小生には、マグロのトロも霜降り肉も、2、3切れで十分です。それ以上は、胃が受け付けません。
 (もっとも、小生は薬屋。この前、付き合いで「C級」の焼き肉屋・・当然に霜降り肉は置いていません・・へ行ったのですが、野菜をたっぷり食べながら、お客様に好評の消化薬をしっかり飲み、胃もたれを防ぐことができました。)
 そんなわけで、ここ2、3年、どちらともご無沙汰しています。

 しかし、マグロの大トロも飛騨牛の霜降りも、その旨味は舌がしっかりと記憶していますから厄介です。小生よりも脂肪分解酵素が出なくなっている女房殿は、これらに見向きもしなくなっていますから、だれぞ誘いに乗ってくれそうな輩を捜さねばならないのですが、この不景気で、誘いかけに躊躇せざるを得ず、残念ながら、当分の間、口にできそうにありません。
 しかし、食いてぇー!

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世界中に糖尿病が蔓延、アラブの産油国を反面教師に

2010年11月15日 | メタボ・糖尿病

世界中に糖尿病が蔓延、アラブの産油国を反面教師に

  経済的な豊かさと糖尿病は深い相関関係にあります。
 11月14日は「世界糖尿病デー」です。4年前に国連総会で決められました。
 病名が付いた記念日で国連が定めたのは、他にはエイズがあるだけです。世界的に糖尿病が問題になっているから、そうなったのです。
 なお、この日は、インスリンの発見者バンディング博士の誕生日。
 日本でも、糖尿病の患者数は、40年前は、たったの3万人でしたが、今や800万人を超え、予備軍を加えると2000万人に迫ります。

       

 世界中で糖尿病の患者数が一番多いのはインドで、次が中国。人口も多いですから、そのようになります。富裕層に患者が集中していることでしょう。ちなみに日本は6位。
 では、患者の割合が高い国はどこかと言うと、トップはナウル共和国で31%、2位から6位はアラブの産油国で20~30%です。
 ナウル共和国はミクロネシアの小国で、戦時中は日本軍が一時占領した珊瑚礁の島です。人口は約1万人。こんな小国が独立国になっているのは、良質のリン鉱石を産出するからで、20世紀を通して、国民所得が世界一でした。 
 オギャーと生まれてから棺桶に入るまで、暮らしに困らない高額な年金が支給されるという国ですから、働いているのは政府の官僚だけで、民間企業は全員が出稼ぎの外国人という状態。一般の人は働かなくて良いという時代がずっと続いていたのです。もっとも、21世紀になってから資源が枯渇して、今では中国、オーストラリア、日本などの援助によって食いつないでいます。
 今、小学校で「働き方」を教えているようですが、大人は「働き方」を学んでいませんから、遊び癖が付いてしまっていて何ともなりません。
 よって、大人は皆、飽食・運動不足になり、必然的に糖尿病が蔓延することになってしまったのです。
 アラブの産油国も事情は変わりません。公の機関は自国民が高給で少々の仕事をするだけで、民間企業はアジアの非産油国からの低賃金出稼ぎ労働者で成り立っています。

 今日の日本でも、3K職場を嫌い、楽な軽い労働しかしない風潮にありますから、これからも糖尿病が増え続けるのは必至でしょう。
 食欲の秋ですが、腹八分で済ませ、十分に体を動かすしか、残念ながら方法はなさそうです。
 何にしても食べ過ぎです。1日3食、きちんと食べる民族は日本人ぐらいなもの。朝食が有害なことは、西欧では分かり切ったことになっていて、ごく軽くしか食べません。
 「朝食をしっかり取りましょう」というスローガンは、食品の需要を上げて関連産業を成り立たせ、もって生活習慣病を生み出し、医療産業を儲けさせるだけのことです。
 いっそのこと、11月14日は、「世界断食デー」にしたらどう。
 断食に挑戦!
 そう言ってしまったからには、小生も断食しなきゃいかんですね。
 勇気がいるが、久しぶりにやってみるか。

(関連記事:4日後に投稿) こちらもご覧ください。→ 朝食抜き、1日2食で健康!!

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