右脳、左脳で右往左往? 右脳を働かせて面白い、楽しい人生を
“あなたは右脳派、左脳派、どちらですか?”こんな話題が最近注目を集めています。
右脳は、「創造的な発想や感性に関わり、直感的な思考をし、リラックスしたときに活性化する」という特徴があるのに対して、左脳は、「物事を筋道立てて考え、効率や規律に関わり、現実的な思考をし、ストレスを受けやすい」という特徴がある、と言われたりします。
でも、直感的にしろ、論理的にしろ、左右の脳のどちら側を主に使うのかは、どれだけか個人差があって、一概にそうだとは言えないようですし、また、両側を使いつつ片方が卓越することが多いようですが、その程度も個人差があるようです。
こうしたこともあって、科学的には何ら証明されていないようですが、“あなたは右脳派、左脳派、どちらですか?”という性格判断を幾つかの診断手法で試みてみると、けっこう当るのです。血液型の診断よりもずっと信頼性がありそうな気がします。
ものは試し。次の診断を受けてみてください。
<情報を理解する脳は右か左か>
A 手の指を組んでみてください。(指を交叉させ、キリスト教のお祈りスタイル)
1 右親指が上⇒情報の理解は左脳で行なっていることが多い。
2 左親指が上⇒情報の理解は右脳で行なっていることが多い。
<情報を表現する脳は右か左か>
B 腕を胸の前で組んでみてください。
1 右腕が上⇒情報の表現は左脳で行なっていることが多い。
2 左腕が上⇒情報の表現は右脳で行なっていることが多い。
あなたはどのタイプになったでしょうか。
☆A1・B1=左脳・左脳タイプ:論理性に優れ、賢そうで頼れるタイプ
論理的に捉え、論理的に伝えるので、本人も周りの人も、物事を的確に理解できます。ただし、お堅い感じがしないでもないですが。
☆A1・B2=左脳・右脳タイプ:論理的に捉え、感覚的に表現する、おちゃめタイプ
論理的に捉えて感覚で伝えるので、本人が物事を的確に理解できていても、周りの人には理解してもらいにくいです。
☆A2・B1=右脳・左脳タイプ:直感で捉えて論理的に表現でき、得する出世タイプ
パッと理解し、サッと伝えることができ、コミュニケーションが上手です。
☆A2・B2=右脳・右脳タイプ:感覚とイメージで突っ走る天才肌タイプ
感覚的に捉え、感覚的に伝えるので、なかなか周りに人に理解してもらえない。ただし、右脳に優れた能力が潜んでいて天才肌が多いとか。なお、こうした人に対しては、イメージや感情で訴えると、あなたの気持ちを理解してくれ、親身になってもらえそうです。
うれしいことに、小生は「A2・B1」(得する出世タイプ)に当てはまり、よって、うれしくなってしまい、こうして記事を書いているところです。ちなみに、女房はというと、真逆の「A1・B2」(おちゃめタイプ)に当てはまり、実にそのとおりの性格です。
冒頭で言いましたように、「左脳は、物事を筋道立てて考え、効率や規律に関わり、現実的な思考をし、ストレスを受けやすい特徴がある」のは、どれだけか本当のようです。
言葉や数字の認識は主として左脳で行なわれることが分かっていますから、そういうことになるのでしょうね。
そして、「聞いたことは忘れる」と言われているように、その記憶エリアは小さいようです。しっかり記憶できるのは、「なるほど、ガッテン!」と理屈が分かったときのようです。
次に、「右脳は、創造的な発想や感性に関わり、直感的な思考をし、リラックスしたときに活性化する特徴がある」のも、どれだけか当っているようです。
右脳は、五感を通じた感覚・感性を主として取り扱うようでして、その認識は瞬時に総合的に行なわれ、イメージ情報として処理されるようです。
よって、記憶容量も大きく、「見たことは覚える」と言われますし、瞬時に記憶がよみがえることにもなります。でも、全てが記憶できるわけではなく、しっかり記憶できるのは、「面白い、楽しい」と感じたときなど、感動を伴う出来事のようです。
さて、現代のストレス社会にあっては、左脳を酷使して、右脳をほとんど使わない傾向にあるようです。仕事をしたり、人間関係を保つためには、論理が優先されますから、そうなるのは必至でしょう。
左脳を丸一日働かせて論理回路を動かし続けた結果、“うまくいった、儲かった”といった良いことはどれだけも得られず、“苦しかった、嫌だった”といった悪いことが大半を占め、それらを振り返って反省し、これが「なるほど、ガッテン!」と記憶回路にしっかり仕舞い込まれるのですから、よりストレスが高まってしまうことになるのでしょうね。
逆に右脳の場合は、“頭を使う”ことなく、イメージで瞬時に情報処理してしまいますから、丸一日の生活の中で、ときには“悲しい、恐い”といった悪いことも感知しますが、“おもわず吹き出してしまった、この遊びをぜひやってみたい、いい匂いがするから直ぐ食べたい”といった「面白い、楽しい」情報が幾つも飛び込んできて、心を浮き浮きさせてくれることにもなりましょう。
この先は、二手に分かれます。
「面白い、楽しい」と感知したことを“やるか、やらないか”です。
左脳を働かせて、“忙しいし、金がかかるし、他人の目が気になるし…”と論理を優先させると、せっかくの「面白い、楽しい」出来事が、真逆の「面白くない、苦しい」出来事として記憶してしまうでしょうから、よりストレスを高めてしまいます。
ストレス過多の方は、こうした思考をしてしまうのでしょうね。
ここは、左脳の論理回路にしっかり蓋をして、右脳の直感的感性に素直に従って、“はっと気付いた「面白い、楽しい」ことを早速やってみよう”と、行動に移すべきでしょうね。
“そんなことをすると、仕事や家事に差し障りが出る”ということもあるでしょうが、そうした事態に対しては、後で左脳を働かせて“かくかくしかじかで、そうしてしまったの。”と言い訳し、同時に右脳を働かせて、にこにこっとし、“ごめんなさい、ちゃんと埋め合わせするから、許してね。”で済むことでしょう。
こうすれば、ストレスは決して溜まることはなく、吐き出しがスムーズに行きます。
加えて、「面白い、楽しい」ことをやっている間は、右脳が働きっぱなしですから、右脳がきっと活性化されることでしょう。
そうなってしまうと、直感的感性は研ぎ澄まされ、些細なことにも「面白い、楽しい」と感ずるようになり、一日の生活が「面白い、楽しい」ことだらけになってくることでしょう。
「面白い、楽しい」ことは、そうそうやっている暇はありませんが、「笑う」ことは仕事をしながらでもできます。「笑い」は正に直感によるものですから、右脳の活性化になるのは必然でしょう。そして、「笑い」が訪れる度に「ストレスが吐き出される」のも経験的事実ですから、「笑い」には二重の効果があると言えます。
右脳と左脳の働きの違いや連関は、これから科学的に解明されていくことでしょうが、ストレスを抱えている人は、せっかく右脳で「面白い、楽しい」ことを感知しても、素直さがないがために、思考回路が右脳と左脳を行ったり来たりして“右往左往”してしまい、これが“ストレス増幅器”になっているような気がしてなりません。
今の日本は、お先真っ暗で抜け道のない社会です。左脳を働かせて論理的に解決法を見い出そうとしても、それは無理でしょう。
ここは、右脳を働かせて「面白い、楽しい」ことを見い出し、各人それぞれが持ち備えている感性に従った素直な行動を取る中から、各人の個性が発揮され、それが周りの人に認知されて、知らない間に自ずと打開策が生まれ出てくるのではないでしょうか。
3月という年度末、そして4月の年度初めは、就職や人事異動があって、大きく人間関係が変わり、新たに様々なストレスが掛かることになりますから、それに耐え切れなくなって“五月病”を患うことが多くなります。
本稿がそれを緩和してくれる一助になれば幸いです。