薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

日本の抗がん剤、脂質降下剤、タミフルの投与量、みな世界シェア70%?!

2017年05月31日 | 医者と患者・医療制度の問題点

日本の抗がん剤、脂質降下剤、タミフルの投与量、みな世界シェア70%?!

 名前は伏せますが、ある医師の講演会で「日本の抗がん剤のシェアは世界一、製造量の70%が日本で投薬されている」とお話されたとのことです。又聞きですから正確性を欠きますし、この話を聞いてネット検索したのですが、ヒットしませんでした。
 70%というシェアは、他のもので聞いたことがあります。コレステロールを下げる薬が同じく70%。世界の製造量の70%が日本で投薬されているというものです。
 もう一つ、インフルエンザ治療薬のタミフルも、同じく70%という話です。
 数値が50%となりますが、これは血圧降下剤で、世界の製造量の50%を日本で投薬されているという話を聞いたことがあります。
 これらについて、以前に日本のシェアをネット検索するも分からず仕舞いでした。農産物、エネルギーなどなど多くのものが、生産量や消費量について世界のシェアが品目別に事細かに発表されているのを目にするのですが、医薬品のシェアとなると、幾ら探してもさっぱり出てこないのです。
 苦し紛れに、このブログでも「世界のコレステロール降下剤生産高の6、7割を日本人だけで、それも大半が更年期すぎの女性が消費しているとのことです」と書いたりしましたが、ちゃんとした裏づけなしで言っております。その点、お許しください。もし間違っていたら早速訂正しお詫びせねばならないと思っています。

 最近、「週間ポスト」に、薬の商品名別売上額が記事になっていました。医薬情報誌「Monthlyミクス」によると、2015(一部2014)年度の情報として、降圧剤の「ミカルディス」の世界での売上高約1280億円のうち日本での売上高は708億円で55%超、同じく降圧剤の「ブロプレス」は世界での売上高1257億円のうち日本での売上高は946億円で75%となっているとのことです。なお、その記事の解説として、米国では薬価が高いこれらの代わりに昔からある安い薬がもっぱら使われているとのことですから、降圧剤全体での日本のシェアとなると、金額面だけでは間違うことになり、量の比較をせねばならなくなりますが、こうなると何も分からなくなってしまいます。

 ところで、こうした医薬品の日本のシェアはどのくらいが妥当なところでしょうか。
 以前に計算してみたのですが、今一度計算してみました。
 通常OECD加盟国を先進国といいますが、その35か国の人口が1245百万人であり、日本の人口127百万人はほぼその10%です。ちなみに世界人口の推計値は70億人で、OECD加盟国の占める割合は約18%です。
 もう一つの指標はGDPです。日本のGDPは4.9兆USドルで世界の総GDPが75兆USドルですから、そのシェアは6.5%です。なお、OECDのシェアは63%ですから、日本のOECDに占めるそのシェアは約10%になります。
 
こうした数値からして、日本人が消費する医薬品の、あるべきシェアは高く見積もったとしても世界の10%程度が妥当といったところでしょう。

 70%という薬のシェアはどういうものになるか、もし、これを先進国しか使わないとすると、残り30%が他のOECD加盟国の消費量となり、人口1人当たりの消費量比較をすると、日本は他のOECD加盟国の約20倍となります。50%の場合は同様に設定すると約9倍となります。

 あまりにも恐ろしい薬漬け、ということになってしまいますが、あながちこれは間違っていないのではないでしょうか。
 例えばコレステロールの薬。女性は閉経後に数値がグンと上がるのが普通ですが、米国医師会は、閉経前であっても後であっても女性には脂質降下剤は不要かつ無効との見解を発表しています。これは、女性の場合、コレステロール値が上がっても心筋梗塞になる危険性が極めて低いとのデータが出ていることによるものです。よって、米国では中高年のメタボの男性にしか脂質降下剤が投与されていないことでしょう。でも、日本では閉経後の女性がコレステロール値が上がったからといって即刻投薬がすすめられ、多くは中高年の女性に投与されています。
 また、米国の健康保険は民間会社が運営しており、庶民が一般に加入しているエコノミークラスの健康保険においては、その投薬指針として“血圧が常時180を超える場合においてのみ、それも安価な降圧剤(保険適用薬の限定)を処方してよい”となっているところもあるようですから、この種のタイプの健康保険加入患者には医師は日本のようにやたらめったら降圧剤を出せないのです。そして、65歳以上の高齢者となると、政府が掛金の大半を負担する健康保険に加入できるのですが、この健康保険は恒常的に飲み続ける生活習慣病の薬は保険対象外となっていますから、そうした薬が欲しい場合には別の健康保険にも加入せねばならず、これは掛金が高額なものとなり、そうした健康保険にも加入している高齢者の割合は1割程度にすぎないようです。
 こうして、米国では、保険制度上で薬漬けが防がれています。

 ここで、ちょっと横道にそれますが、米国の医療事情について簡単に付記しておきます。米国では、自由主義の下、医者・製薬会社・保険会社、この3業界の力のバランスで治療・投薬方針が決まるようですし、また、米国政府は保険点数や薬価を定めて価格を抑え込むことは自由主義の下ではとうていできませんので、医療費は年々高騰傾向にあります。
 ただし、高齢者医療については、以前は出来高払い制でしたが、オバマケアにより包括払い制になり、少しはブレーキがかかったようです。もっともトランプ政権になって、こうした政府の抑制策は廃止されるかもしれません。
 米国の健康保険制度は詳しくは知りませんが、大ざっぱに言えば日本の自動車任意保険のようなもので、各自が保険会社を選んで補償内容を事細かに設定し、毎年1回定期的に見直すことになっているようです。
 そして、米国は高度な先進医療が進んでいますし、その治療費は医師が個々に決定しますから、これが原因して医療費が高騰し、それに比例して健康保険料も高額になっていくようです。もっともそうした健康保険に加入できるのは、所得が中の上以上の家族に限られるようです。なお、日本でも所得がある程度以上あれば、生命保険に付随した医療保険に加入し、先進医療が受けられる仕組みになっていますが、そうした医療は日本は遅れていますから、その保険料は安いものです。

 もう一つ包括的なデータがあります。各国の保健医療支出総額ですが、その対GDP比を見てみますと、米国16.6%、日本11.4%、OECD平均8.9%(足並みを揃えるため出産、介護などを含む)となっていますから、たしかに米国は群を抜いていますが、日本も他の先進国に比べればかなり高いと言えます。これは、日本に特有の寝たきり老人が多い(欧米にはほとんどない)こともありますが、薬漬けもけっこう原因しているのではなかと思われます。

 今回の記事は、主として日本における抗がん剤の多用を取り上げたかったのですが、何らデータが得られず、また、脂質降下剤や降圧剤についてもらしいデータがなく、何もかも根拠レスの記事となってしまいましたが、日本ほどの薬漬け社会は世界中を探しても他にないことは確かでして、それを何とかして皆さんにお伝えしたく、不完全なままで投稿することにした次第です。その点、ご容赦ください。
 なお、今後、よいデータを見つけましたら、追記したいと思っています。

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セロトニン分泌で心身ともにイキイキ元気生活(三宅薬品・生涯現役新聞N0.268)

2017年05月25日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞N0.268:2017年5月25日発行
表題:セロトニン分泌で心身ともにイキイキ元気生活

副題:朝日を浴びながら、リズミカルな運動をしましょう

この記事は、2016.6.28付け 「幸せホルモン」セロトニンと「睡眠ホルモン」メラトニンを十分に出す生活習慣を の一部を抜粋し要約したものです。

(表面)↓ 画面をクリック。読みにくければもう1回クリック。裏面も同様です。 

 

(裏面)瓦版のボヤキ
    上高地散策 暑くて歩き疲れました

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健康診断は毎朝の自己検診に勝るものなし

2017年05月09日 | 健康診断の罪悪

健康診断は毎朝の自己検診に勝るものなし

 毎年、新年度に入ると職場検診や住民検診の準備が進められ、いずれや検診の案内が来ます。そして、これを半強制的に受けさせられます。
 特に職場においては、メタボ検診制度ができてからは、健康保険組合は受診率が一定基準以下になったり、メタボ患者が増えたりしたら、補助金が削減されるといったぺナルティーが科せられますから、やれ受診しろとか、基準値をオーバーしたら医者でちゃんと措置してもらえとか、相当うるさくなってきているようでもあります。
 ひどいところでは、建設業界にあっては血圧が一定値以上だと作業現場に入らせてもらえないとか、スーパーマーケット業界にあって毎年雇用契約のパートの方は基準値オーバーだと再契約
に当たり医師の“労働に支障なし”の診断書を求められるといった、とんでもない仕打ちをされています。そして、こうした基準値をクリアするために、飲みたくもない薬を飲まざるを得ない方がけっこういらっしゃるようでして、そうした薬を飲むと副作用が出て恐くてしかたがない、どうしたらよいか、という相談も複数受けています。
 実に困った
メタボ検診制度です。政府は、これでもって“医療費が大幅に削減される”と言ってメタボ検診を始めたのですが、“多少の基準値オーバーなんて放っておけ”で済まされたものが、今や“薬を飲まねば仕事もさせてもらえない”ようになったのですから、かえって医療費が増えてしまう状態になっているのではないでしょうか。
 そもそも健康診断の基準値というものは意味のないものがほとんどですし、恣意的に改悪されてきた経緯があります。よって、健康診断は受けても無駄なのです。
 このことについては、過去記事で書きました。

 健康診断の“検査”で病気が発見できる? 無駄な上に害(放射線)になるだけです!

 健康診断をなぜやるかといえば、それは生活習慣病のチェックでしょう。
 世の中が豊かで便利になれば、皆、動かず歩かず、美食飽食するに決まっています。必然的にメタボになるのは誰しも分かりきっています。かと言って、何もかも人力で行い、遠い距離を歩いて通い、粗食少食で毎日我慢する、といった戦前の生活なり江戸時代の生活に戻すなんてことは絶対にできっこありませんし、また、せっかくの高度文明社会の恩恵を受けずして何が楽しい、ということになってしまいます。
 人生を楽しく愉快に過ごすのが何より大切なことですから、ここは開き直って、生活習慣病のどこが悪い、生活習慣病を甘んじて受け入れようじゃないか、基本はこれでいいのではないでしょうか。
 一切の生活習慣病を患うことなく人生を終えようと考えるなら、そして、そこに価値観を見出そうとするなら、世捨て人になってランプ生活でもするしかないでしょうね。

 豊かで便利なこの世の中にあっては、先ずは生活習慣病を素直に受け入れることです。ここからスタートしないことには対処法はありませんからね。
 軽度の生活習慣病は“高度文明病”であって問題なしとする、としましょうよ。これは青信号。中度の生活習慣病になって黄信号、重度で赤信号、と捉えていいのではないでしょうか。放置すれば順次信号の色が変わってきますが、それも加齢が最大要因ですから、そうジタバタすることもないでしょう。
 やがて人は例外なく死にます。死因は、がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患、老衰の順になっています。うち肺炎は大半が誤嚥性ですから、これは寝たきりが原因です。寝たきりになる原因は、脳卒中、認知症、高齢による衰弱、骨折・転倒、関節疾患の順です。以上に列記した疾患のうち肺炎と老衰を除く疾患が生活習慣病で、これだけを頭に置いておかれればいいのではないでしょうか。ただし、糖尿病は重度に悪化して合併症を引き起こし、その疾患名で統計に上がってくることが多いですから、糖尿病もお忘れなく。
 疾患名がゴチャゴチャしましたので、生活習慣病として留意せねばならないものを整理しますと、次のようになります。
  第1グループ[がん、血管性疾患(心疾患・脳卒中ほか脳血管疾患)、糖尿病]
  第2グループ[骨折、関節疾患]
  第3グループ[認知症]

 これらの疾患を頭に置いて、未病の予防ということを考えてみましょう。
 まず、第3グループ[認知症]ですが、これは“高度文明病”の最たるもので、豊かさ、平和さの象徴と言えるものです。何もしなくても食っていけるという日長ボンヤリ生活を繰り返していてはボケるのは当たり前です。
 でも、ボケは、何とかして防ぎたいものですね。
 対処法は1つしかありません。朝、目を覚ましたら、“あれもしなきゃ、これもしなきゃ、毎日そうしないことにはおまんまが食わせてもらえねえ”という適度にストレスのかかった生活をし続けることです。これで、ボケは逃げていきます。予防法は実に簡単なことですが、でも、老体に鞭打たねばなりませんから、相当な覚悟がいりますが。
 次に、第2グループ[骨折、関節疾患]ですが、昔は働きすぎて疲労骨折、関節の油切れということがあったでしょうが、現代は逆で、使わな過ぎて骨がもろくなって骨折し、関節が固まるのですから、これは、面倒がらずに小まめに体を動かせば済むことです。ボケ防止と兼ねた対処法で防げます。

 さて、問題になるのは、第1グループ[がん、血管性疾患、糖尿病]です。
 これは第2、第3グループと違って症状が表に現れにくく、自覚症状も感じにくいものです。そして、誰もが加齢とともに大なり小なり患うこととなる疾患ですし、やがて死ぬときは第1グループの疾患が死因となることが大半ですから、基本的には、これが原因して死ねれば本望と捉えたいものです。
 そこで、未病の予防について述べる前に、これによる死亡について考えて見ましょう。
 
まずは、がんですが、老衰死の場合、解剖すればその8割ほどに何らかのがんが見つかると言われており、こうしたことからも、がんは仲良く付き合っていけるものですし、また、がんは苦しまなくて死ねる代表的なものですから、恐れるに足らず、です。
 このことについては下記ブログで説明しましたので、ご覧になってください。
  楽に死ぬには、がんに限る。がんは放っておけばいい!
 次に、血管性疾患ですが、これでもって頓死(とんし)できれば本望ではないでしょうか。究極的には、長野県が進めているPPK(ピンピンコロリ)運動の中で、お年寄りたちの合言葉となっている「脳血管障害で95歳で死のう!」というものでしょうね。
 このことについては下記ブログで説明しましたので、ご覧になってください。
  TPPとPPK、無関係のようですが関連あり
 3つ目の糖尿病は少々困りますね。合併症を引き起こして死亡することになるのですが、早々に血管性疾患が訪れてくれればいいものの、失明・足の壊疽(えそ)・認知症併発といったものが先行すると何ともなりません。

 何ともならないものは他にもあります。先に言いました血管性疾患でピンピンコロリと逝けずに生き長らえた場合です。けっこうな頻度で脳障害なり半身不随などの運動障害といった重い後遺症で苦しめられます。
 これらを未然に防ぐ、つまり未病の予防ということになると、つい検査したくなりますが、糖尿病以外は冒頭で申しましたように検査で発見することは不可能に近いです。
 近代医学はめざましく発展し、検査機器でかなりのことが分かるようになったやに思われていますが、まだまだほんの一部でしかなく、今後いくら検査機器が発達したところで、どれだけのこともないのは確かなことです。
 逆に、放っておいてもいいものまで治療対象にされますから、かえって健康を害することにもなりかねません。現状はこちらの傾向が強いように感じられます。
 血管性疾患に関しては、誰もが加齢に伴い動脈硬化が進み、血栓ができやすくなります。血管壁にコレステロールや中性脂肪が沈着するのです。体細胞が栄養満タン状態になっていて、栄養を引き受けてくれないから栄養が血液中をさまよい、やむなく血管壁で貯蔵するしかないのです。その昔は、貧栄養により血管細胞の接着剤であるコレステロールや中性脂肪が不足し、血管が破裂することが多かったのですが、今は逆に詰まるのです。ですから、血管性疾患の危険性を大きく減ずるには、その中庸が望まれ、今と昔の中間の生活習慣にするということになりますが、言うや易く行い難しとなりましょう。

 じゃあ、どうすりゃいいの。特に、中高年の方で仕事とか家庭の都合で、まだまだこの先〇〇年は死んでも死ねない、バリバリ仕事をせねばならぬ、という状況下に置かれることが往々にしてあります。そういう方に知っておいていただきたい体調の急激な変化、これは何だ?という疾患について紹介しておきましょう。
 朱書きした箇所はしっかり頭に入れておいてください。

 まず「脳梗塞」ですが、突然次のような症状が一つでも感じられたら、脳のどこかの機能分野で血管の詰まりが生じた恐れが多分にあるというものです。
 ・なんでもないのに転倒したりふらつく
 ・片方の手足あるいは顔面片側の麻痺やしびれ、視野が半分欠ける
 ・ろれつが回らなかったり、言葉が理解できなかったり、物が言えない
(参考)脳出血となると、これらの他に、次の症状を伴うことが多いです。
 ・頭痛・吐き気 

 次に「心筋梗塞」ですが、突然次のような症状が感じられたら、心臓を取り巻く血管に詰まりが生じた恐れが多分にあるというものです。
 ・強い胸の痛み、
呼吸困難、吐き気、冷や汗
 なお、一時的な軽い心筋梗塞と言えるのが「狭心症」です。通常数分程度で回復するようですが、程度の大小により、次のような症状が一つ二つ三つと感じられます。
 ・のどをゼイゼイ鳴らす、胸がざわざわする
 ・左肩、背中の痛み、左手小指の痛み、奥歯や下あごが痛む
  (多くは、点ではなく、面で痛みを感じます。)

 3つ目が「糖尿病」ですが、だんだん次のような症状を感じるようになります。
 ・やたらと口が渇くようになる
 ・食後すぐではなく数時間後にだるさや眠気がくる
 ・尿が泡立つ
 ・多食すれど体重は減少していく

 体調の急激な変化に関しては、以上のことを知っておかれれば十分でしょう。これでもって主要な疾患に緊急的に対処することができます。
 でも、これだけでは不十分と思われる方も多いことでしょう。肝臓疾患も腎臓疾患も起きてはならぬ。あらゆる未病を予防し、元気いっぱい働きたい。そのために人間ドッグに入って健康診断を定期的に受診しよう、ということになってしまいますが、ちょっとお待ちください。こうした方に読んでいただきたいのは次の記事です。
 人間ドックは病人を仕立てるためのワナ。人間ドックという奇習があるのは日本だけ。

 じゃあ健康診断をどうやってやればいいの?ということになりますが、こうした検査機関の検査機器より数段上をいき、毎日簡単にチェックできる機能を持ち備えたものがあります。それは、自分自身の感覚です。ヒトの体には様々な幾つものセンサーが張り巡らされており、時々刻々、異常を感知したら知らせてくれるようになっています。
 これに勝る検査方法は他にありませんから、これを重視したいです。
 普段は感じない、とんでもない異常の感知は先に述べたとおりですが、何となくちっと変だ、という感覚は誰しも時々経験することであり、その原因も察しが付くことが多いですから、自分でけっこう対処できます。 

 随分と前置きが長くなりましたが、じわじわとやってきて、罹患したのかどうか、その恐れが高くなってきているのかどうか、なかなか気づかない未病というものも数多くあるのですが、それらを早期発見できる自己検診というものも、また、ちゃんとあるのです。
 それは、毎朝、目覚めてから身支度を整えるまでの間に行う自己検診です。
 <自分
の体のセンサー6項目チェック>
  目覚めたとき     →・すっきりした目覚め
  トイレまで歩くとき   →
節々・筋肉スムーズ
  小便をしたとき    →・排尿すっきり
  朝食を食べたとき  →・胃の不快感なし
  大便をしたとき    →・排便すっきり
  身支度をしたとき   →むくみ無し
 以上、時系列に沿って検診項目をあげましたが、覚えやすいのは排尿・排便を統合した次の5項目です。
  ・すっきりした目覚め
  ・排尿・排便すっきり
  ・節々・筋肉スムーズ
  ・胃の不快感なし
  ・むくみ無し
 さらに足腰に自信のある方は節々・筋肉をカットして、次の4項目となります。
  ・すっきりした目覚め
  ・排尿・排便すっきり
  ・胃の不快感なし
  ・むくみ無し

 ここで、上の4項目について少々解説します。
 まず「すっきりした目覚め」。
 これでもって、あらゆる臓器の健康度がいっぺんに全部推し量れるというものです。
 なかなか起き上がれない、体が重もだるい、頭がぼーっとする、などなど何らかの違和感があれば、どこかの臓器がお疲れさん状態にあるということになります。
 原因が睡眠不足や過労など思い当たる節があれば問題なしです。この場合は、どこかの時点で心身を休ませてあげることです。
 すこぶる健康体となると、例えば明治維新時代の西郷隆盛が有名ですが、目が覚めた途端に“蒲団を蹴り上げてガバと起き上がり、タタッと足が動く”ということになるのですが、現代人はなかなかこうはいきません。
 しばし蒲団の中でまどろみ、目を擦り、大きく伸びをして、やっと起き上がる。これでもって、“ああ、すっきりした目覚め”と判定してしまいます。
 恒常的な疲労は気にならなくなるもので、これでもって健康と錯覚してしまうのですが、こうした場合は、健康度は100点ではなく7、80点程度と考えたほうがいいでしょうね。
 現代人はたいていの方が飽食が元で肝臓が恒常的にお疲れさん状態になっていますが、これが普通だと思い込み、自己採点が甘くなりがちです。
 2つ目の「排尿・排便すっきり」は説明するまでもないでしょうが、色や臭いも観察対象です。そして、排便は毎日スムーズにすっきり、残便感なしであって当たり前ぐらいに捉えてください。腸内細菌の健全さがヒトの健康を支えてくれているのをお忘れなく。
 3つ目の「胃の不快感なし」も説明するまでないですが、どれだけかの異常があって、それに心当たりがないとすると、それは無意識下に存在する精神的ストレスの可能性が高いです。精神的ストレスも恒常化すると意識できなくなる性質のものですが、それを胃が教えてくれます。
 4つ目の「むくみ無し」は案外見過ごしがちです。女性の場合は、疲れなどで顔や足にむくみが出やすく、気にしておられる方が多いようですが、男性でむくみをチェックされる方はまずないでしょうね。よく知られたことですが、立ち仕事が多い方は夕方に足がむくんでくる傾向にありますが、朝、むくみがあるかどうかをチェックするのが肝腎です。
 手指のむくみ=曲げ伸ばしがスムーズにいくか
 心臓のむくみ=次の方法で静脈をチェックすることで、おおよそ分かります。
  1.左手の甲の静脈を見る(見えない人は手の甲を叩く、叩くと膨れてくる)
  2.左手を心臓より下に持っていく→しばらくすると静脈が拡張する
  3.左手を肩の高さまで上げる→静脈が消えていく
    これが、5秒以上消えない人は心臓が少し弱っている可能性があります。
 (心臓のむくみ:<出典>「世界一受けたい授業」:帝京大学医学部外科准教授 新見正則先生)
 (備考:手指は毎朝、心臓(静脈チェック)は疲れがあるときなどたまにでよい)
 むくみは、血液やリンパの流れが悪いことによる場合が大半で、少し運動したり、ストレッチをやれば解消することが多いのですが、健康体であれば朝のむくみは一切ないですから、むくみがあれば未病があると判定なさってください。なお、朝のむくみは血流が悪くなっている証拠でもありますから、血流改善に心がけたいものです。
 なお、異常なむくみが長く続くようなら、心不全、肝硬変、腎不全、甲状腺障害などなど重い疾患へ向かっている恐れが疑われますから、要注意です。
(参考)むくみについての参照サイトとして次のものがあります。
  Mukumii(くむみぃ)

 以上、毎朝の自己検診で「異常なし。今日も楽しく元気でいこう!」といきたいものです。

(補記)
 愛煙家の方は、朝の一服が自己検診の非常に有効な手段となります。
 その昔、専売公社がコマーシャルで「今日も元気だ、たばこが旨い」とか「たばこは健康のバロメーター」とやっていましたが、正にそのとおりです。
 たばこがまずくなったら、どこか体がおかしいということになります。

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