薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

魚を食べると心がおだやかに(三宅薬品・生涯現役新聞N0.296)

2019年09月25日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞N0.296:2019年9月25日発行

表題:魚を食べると心がおだやかに

副題:肉食は力と闘争の文明を、魚食は美と慈悲の文明をつくる

 今月の記事は、2019年09月05日「大陸=力と闘争の文明」VS「モンスーンアジア=美と慈悲の文明」の本質的な違いは食にあり を要約したものです。

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(裏面)瓦版のボヤキ

    目いっぱい働くと体が壊れる

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塩辛いもので胃癌になる?(三宅薬品・生涯現役新聞バックナンバーN0.211)

2019年09月10日 | 当店発刊の生涯現役新聞バックナンバー

 毎月25日に発刊しています当店の「生涯現役新聞」ですが、これをブログアップしたのは2014年陽春号からです。それ以前の新聞についても、このブログ読者の方々に少しでも参考になればと、バックナンバーを基本的に毎月10日頃に投稿することにした次第です。ご愛読いただければ幸いです。

当店(三宅薬品)生涯現役新聞バックナンバーN0.211:2013年8月25日発行
表題:塩辛いもので胃癌になる?
副題:9月はがん征圧月間。胃がんについて考えてみましょう。

この新聞は、2012年8月13日投稿の「塩を取りすぎると胃がんになる?そんなことは有り得ません。」を要約したものです。

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「大陸=力と闘争の文明」VS「モンスーンアジア=美と慈悲の文明」の本質的な違いは食にあり

2019年09月05日 | 食養

「大陸=力と闘争の文明」VS「モンスーンアジア=美と慈悲の文明」の本質的な違いは食にあり

 1946年生まれ、環境考古学の提唱者である安田喜憲氏は、その著「山は市場原理と闘っている」(2009年)のなかで、興味深い考察をしておられる。
 その安田氏の研究態度は、考古学から始まり、地理学、文明論、宗教論、なかんずく地球の気候変動が文明や歴史に与える影響を学問するなど、その守備範囲は広い。そうした学際的な研究の中から、独特の文明論を展開されている。
 安田氏の主張として、興味深いのは、世界の文明は大別して2つあって、一つは西欧をはじめ中国を含む大陸の「力と闘争の文明」であり、もう一つは日本を筆頭にモンスーンアジアの「美と慈悲の文明」であると。この違いは、山(=森)を征服するのか崇拝するのか、言い換えれば自然は敵か味方か、そして宗教が一神教に昇華するのか多神教のままでとどまるのか、ということとも密接な関係があるという。
 以下、上に紹介した本に一部同著「環境考古学のすすめ」を含めて、安田氏の文明論に関する要点を紹介しよう。

 1万5千年前、地球は氷河期を脱し、間氷期となり、温暖化し、降雨量も増えた。しかし、西アジアは降雨量は少なく、かろうじて森が育っていただけであった。そして、この地では1万年前にはヒツジ、ヤギの家畜化に成功し、人口も増え、森に入って樹木の伐採を始めた。伐採地には新たな樹木が芽吹き、通常なら森が再生されるのだが、その若芽は家畜に全部食われてしまい、樹木の種が尽きれば森は再生不能となる。(安田氏が)シリアで行った地層の花粉分析によると、1万年前にはナラの森が激しく破壊され、5千年前には森は消滅した。地層から樹木の花粉が出ないのである。現在のシリアはじめイスラエル辺りのハゲ山は多くがこの時期にそうなったと考えられよう。
 遅れてギリシャで文明が栄えだし、深い森はギリシャ文明が繁栄するなかで同様にして全部ハゲ山にされてしまった。あとに続くローマ文明も概ね同様である。森の破壊はその後の年代も続き、広くヨーロッパの森は大きく破壊されてしまった。
 こうして西アジアからヨーロッパにかけて順次森が破壊されていったのだが、これは西アジアに端を発する畑作牧畜文明(肉食文明)が勢力圏を広げ、深き森で狩猟採集していたヨーロッパのほぼ全土を畑作牧畜民に変えてしまったのである。ヨーロッパの彼らは順次家畜を導入し、森を切り開き、草木の若芽を放牧した家畜に食わせた。やがて山はハゲ山と化すが、一定量以上の降雨量があれば平坦地は牧草地となり、その一部を小麦畑にできる。その彼らの食性は、肉とミルクにどれだけかの小麦とわずかばかりの野菜に変化したのである。
 黄河文明に端を発する中国においても主体は畑作牧畜民であり、中国大陸を広く支配したのも彼らたちであった。よって、中国もハゲ山だらけとなってしまったのである。
 一方のモンスーンアジアは、多雨地帯であり、主食は芋(のちに米)と魚それに豊富な野菜であり、稲作漁撈民であって、牧畜を行なうことはしなかった。それによって、森は守られ、森のもたらす恵みを享受でき、森、そのシンボルである山を崇め続けたのである。よって、西アジアの畑作牧畜民(短期的・中期的気候変動による旱魃でもってひどい乾燥地獄を幾度も味合わされた)のように自然を敵とし、自然を征服するという考えに立った一神教の発生を見ず、山に川に海に、何もかもに神々が住んでいるという多神教の世界で長く暮らしてきた。
 こうして大陸の「力と闘争の文明」とモンスーンアジアの「美と慈悲の文明」が文明の両極として発展していった。この2つのどちらが勝つか、それははっきりしている。中国でもモンスーン多雨地帯にある長江文明が一時栄えたが、それは昔々のことであり、その後は畑作牧畜民に支配されてしまったように「力と闘争の文明」が勝つのであり、近代になって世界の大半は「力と闘争の文明」にある西欧列強の支配下に置かれてしまった。
 加えて、世界経済がグローバリゼーションのもと市場原理主義化するなかで、日本にも、この「力と闘争の文明」がじわじわと入り込んできている。

 本書著者の安田氏は、こうした現状分析をするとともに、この極悪の資本主義経済システムは行き詰まりを見せてきているからして、「平等と共存・共生、自然への畏敬念、他者への思いやり、慈悲の心と利他の心を内包する経済システムへと、一日も早く転換することがなりよりも必要なのである。」と訴えられ、そして、それを可能にするのは「人類が山に祈る心をとりもどすことにある。なぜなら山は市場原理主義と闘っているからだ。」と本書を締めくくっておられる。
 このあたりのことに関しては本書をお読みいただくとし、ここでは表題にした件に関して、本書に興味ある事項が書かれていたので、以下にそれを紹介することとしよう。

 魚を食べれば人の心はおだやかになる
 …パンを食べミルクを飲み、肉を食べる人々は、いつのまにか森里海の水の循環系を破壊し、戦闘的な「力と闘争の文明」を構築し、大地を不毛の砂漠に変えていた。これに対し、米を食べ味噌汁を飲み、魚を食べる人々は、森里海の水の循環系を守り、不毛の大地を豊かな大地に変えることに喜びを覚え、「美と慈悲の文明」を構築した。…
 近年の脳科学の発達…は、こうした食事と心と環境をつなぐメカニズムの一端を解明しつつある。…以下に、最近の中川八郎氏らの脳の栄養学の研究…を紹介しておきたい。
 …脳の神経細胞のネットワークに深くかかわっているのが神経伝達物質である。重要な神経伝達物質にドーパミン、βエンドルフィン、ノルアドレナリン、セロトニンがある。その神経伝達物質の素はアミノ酸である。…人間は生きるためにはタンパク質を摂取しなければならないというのは、脳…にタンパク質は必要不可欠であるからなのだ。
 しかし、過剰のタンパク質の摂取も脳機能に悪影響を及ぼす。あまりアミノ酸が多くなりすぎると、神経伝達物質の合成に必要なアミノ酸だけを取り入れるのがむずかしくなるのではないかと、中川氏らは指摘している。タンパク質を全カロリーの15パーセントほど摂取し、糖質を多く取ると、脳の識別能力や記憶力・判断力が向上する。
 では、いかなるタンパク質がもっとも優れているか。中川氏は鶏卵が脳の発達には、もっともすぐれたタンパク質であると指摘している。ほかに学習と記憶にきわめて関係の深い神経伝達物質であるアセチルコリンに深く関係しているホスファジルコリンを多く含む食物として、大豆やピーナツなどによる植物性タンパク質をあげている。
 最近の子供が残虐で攻撃的になり「キレる」現象には、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質の不足がかかわっているのではないかとも指摘されている。セロトニンは安らぎや弛緩と関係し、受動的で内向的な活動と深く関連しているとされる。その脳内のセロトニンが減少すると、攻撃的・狂暴になり、キレる。そのセロトニンの活動の低下の背景には、肉食が中心となり、魚や野菜を子供が食べなくなったことが深くかかわっているのではないかと、中川氏らは指摘する。
 セロトニンが脳内で活発に働くためには、そのセロトニンの情報を電気信号に変換して、神経細胞に刺激を与える受容体の働きが重要である。セロトニンの受容体の働きが低下すれば、いくら脳内にセロトニンがあっても、その情報は伝わらず、脳に異変が起こることになる。そのセロトニンが発信する情報を電気信号に変えるセロトニン受容体の活動に深くかかわっているのが、n-6系必須脂肪酸とn-3系必須脂肪酸である。n-6系必須脂肪酸はごま油などの植物油に、n-3系必須脂肪酸は魚油に多く含まれる。ところが肉には飽和脂肪酸が多く、この飽和脂肪酸はセロトニンの受容体の細胞膜を硬くし、セロトニンからくる情報を伝わりにくくしている。
 したがって魚や野菜を多く食べれば、n-3やn-6系必須脂肪酸によってセロトニン受容体の細胞膜が軟らかくなり、セロトニンからの情報が伝わりやすくなるのに対し、肉を食べすぎると、飽和脂肪酸が増え、セロトニンの受容体の細胞膜が硬くなり、セロトニンからの情報が伝わりにくくなり、結果的に「キレる」のではないかというのである。
 この中川氏の指摘は、肉を食べる人々が「力と闘争の文明」を構築し、魚をタンパク質として食べる人々が「美と慈悲の文明」をなぜ構築したのかを、脳と食物の関係から説明できる可能性を示唆している。
 脳内にある神経伝達物質セロトニンは、安らぎや弛緩、受動的な心、内向的な心、やさしさ、和らぎと深く関係していた。魚をタンパク質として食べ、野菜を食べる稲作漁撈民の食事は、まさにセロトニンを活発に働かせる必須脂肪酸を多く摂取することになり、セロトニンが活発に働いて、他者への思いやりの心や慈悲の心を生み出し、これが「美と慈悲の文明」を生み出す根本の一つを形成していたことになる。
 かつて、和辻哲郎氏がモンスーンアジアの人々は、受容的・忍従的であると言ったが、そのモンスーンアジアの人々の心のありかたを決定する一つの要因は、野菜と魚を食べることによって、脳内でセロトニンが活発に活動し、これが人々の心を受容的・忍従的にしていたことにある可能性がでてきた。
 これに対し、肉を食べる人々は、セロトニン受容体の細胞膜が飽和脂肪酸によって硬くなり、セロトニンが活発に働くことができずに、能動的、攻撃的になり、受容的・忍従的とは反対の「力と闘争の文明」を構築するもととなったのではないか。
 このように何を食べるか、とりわけタンパク質に何を摂取するかが、脳内の神経伝達物質に大きな影響を与え、これが、「美と慈悲の文明」と「力と闘争の文明」の相違を生み出した一つの要因である可能性が、近年の脳科学と栄養学の研究の進展の中で解明され始めてきたのである。稲作漁撈民が「美と慈悲の文明」を構築したのは、魚と野菜を食べてきたこととどこかで深くつながっている可能性が出てきたのである。
 …モンスーンアジアの稲作漁撈民が、人類文明史の中に、「美と慈悲の文明」を構築できたのは、1万5千年前の氷河時代から間氷期への移行期に、雨の多い森と水にめぐまれた風土が形成され、その森と水の風土の下に川や湖、さらには海には魚介類が大量に生育し、それをタンパク源としたという、地球からの贈りものにほかならないのである。
(引用ここまで)

 いかがでしょうか。小生、10年近く前に本書「山は市場原理と闘っている」の初版本を買ったたのですが、その当時、執筆していた拙論のダメ押しのため、地球の環境変化(温暖化・寒冷化)に係わる部分しか読んでおらず、引用した部分は飛ばし読みしてしまっていました。今回、蔵書が増えすぎて断捨離読書をしているなかで、これを初めて知り、遅ればせながらこのブログで紹介することとした次第です。

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