薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

今月の笑話ベスト5<チャイナ版>(7月)

2013年07月31日 | 笑い話&回文物語

<笑話:98>初夜

息子がもうすぐ結婚することになりました。
でも「周公之礼」を知りませんでした。
それで、どうしたらよいのか父親に聞きました。
父親は曖昧に言いました。
「そのときはお前が上で彼女が下になるようにすればよいのだよ」
新婚初夜、寝室のベッドが2段ベッドになっているのを見た新婦は、怒って部屋のドアに鍵をかけ、新郎を中に入れませんでした。
息子はドアの外から大声で叫びました。
「パパ! 中に入れない!」
父親が答えました。
「力を入れろ!」 
息子が思い切り力を入れてドアを押すと膝頭の皮膚が裂けて血が流れました。
そこで思わず叫びました。
「あっ! 血が出たっ!」
それを部屋の中で聞いていた父親は安心して言いました。
「それでいいのだ!」

 

<笑話:99>不衛生なことを言ってはいけない

ハエの母子が食事をしていました。

子供ハエが眉間にシワを寄せて母ハエの聞きました。

「お母さん、どうして僕たちは毎日ウンコの上で立ったまま食べるの?ウンコは汚いんだよ!」

母ハエが言いました。

「ご飯を食べている時にそんな不衛生なことを言ってはいけません!」

 

<笑話:104>結婚の前と後

結婚前、一対の恋人が次のような会話をしました。
男:やった!待っていた日がついにやってきた。待ちきれなかったよ!
女:後悔しないかしら?
男:絶対!そんなこと考えるなよ。
女:私を愛してる?
男:もちろんさ!
女:私を裏切るようなことはない?
男:できるわけがない!どうしてそんなことを考えるんだい?
女:すぐに口づけしてくれる?
男:もちろんさ!
女:私を殴ることがある?
男:永遠にできっこないよ!
女:あなたを信じられるの?
そして、結婚。1年後の両人の会話は上の行を下から上に読んでください。
結婚の前と後とで相反する結論、悲哀に満ちた現実があります!

 

<笑話:115>蚊に刺された

ある日、ひとりの位の高い婦人がゴルフをしました。

そしてそこで蚊に刺されてしまいました。

痒くてたまらなかったので医者に見てもらおうと走って行きました。

医者が婦人に聞きました。

「蚊に刺されたのはどこですか?」

婦人が答えて言いました。

「第1ホールと第2ホールの間です」

医者はなにか考えるところがある風で言いました。

「えっ、両足を相当広げて立ってたんですね!」

※舜子曰く:「こちらはとんでもない勘違い」

 

<笑話:110>ワニはいない

フロリダ海岸の砂浜と青空は素晴らしい。とくに北方から来た旅行客は魅了されます。

ひとりの観光客が水泳をしたくなって、ガイドに尋ねました。

「ここにはワニはいませんか?」

「はい、いません」ガイドは微笑んで答えました。「ここにワニはいません」

旅行者は安心して海に入り水泳を楽しみます。そこでもう一度ガイドに尋ねました。

「あなたはなぜワニがいないと言い切れるのですか?」

ガイドのお姉さんは答えて言いました。「ワニはとってもサメを恐れるからです」

 

 今回も、「一日一笑:おもしろ情報館」(左サイドバーのブックマークに載せてある友人のブログ)のバックナンバーから5点を選び、紹介しました。

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健康診断の“検査”で病気が発見できる? 無駄な上に害(放射線)になるだけです!

2013年07月30日 | 健康診断の罪悪

健康診断の“検査”で病気が発見できる? 無駄な上に害(放射線)になるだけです!

 前号「 健康診断の“検査”は病人を作り出すだけのもの 」で、基準値の設定の仕方で健康な人まで“病人”にされてしまうことを述べました。
 そして、本来の基準値とは、健康な人の検査値の両極端それぞれ2.5%をカッとした95%のデータの上限値と下限値を示したものであることを強調しました。
 ところで、本来の基準値からはみ出しているとなると、本当に何か病気が潜んでいると言えるかどうか。これが大きな疑問でもあります。

 つまり、それぞれの検査項目は、病気の発見につながる確かな指標と言えるかどうかです。検査をやる意味があるかどうかという根本的な問題です。
 これについては、過去から医療業界でも多くを疑問視する声が上がっていました。
 10年ほど前に、この疑問が医療業界で高まったのですが、現在では、完全無視の状態になってしまって、無駄な検査が大手を振って続けられている状況にあります。
 10年ほど前のこのことを本稿で紹介することにします。

 1990年代に欧米で健康診断の有効性について多くの研究がなされ、そのなかで最も高い評価がなされているのが次の報告です。
 米国保健省の独立機関である「米国予防医療研究班」が1990年代後半(正確な年は不詳)に行った健康診断に対する5段階の勧告ランク。
 これを元にして行われたと思われます日本における次の調査報告。
 1998年公益財団法人労働問題リサーチセンターの「Evidence Based Medicine(科学的根拠に基づく医療)による産業保健活動」(研究メンバー代表:村田勝敬帝京大学医学部助教授)
 2005年度厚生労働省科学研究費補助金による特別研究事業「最近の科学的知見に基づいた保健事業に係る研究」(班長:福井次矢聖路加国際病院長)

 以上の3つの報告の中で最も新しいもの「2005年:福井班長報告」の結論を下表に示します。

 いかがでしょうか。早期発見・早期治療につながるものは何かあるでしょうか。
 有効とされたもののうち、「血圧・体重・身長」は自宅で測定できますし、「飲酒喫煙」と「うつ病」に関する問診はチェック表が手に入れば自分で判定できます。
 「血液検査、尿検査、心電図検査」などは、病気発見に「根拠なし」の判定ばかりです。
 これらは、やっても無駄、ということを報告書は言っています。
 しかし、それでも市区町村は住民集団検診を熱心にやり、企業には企業検診を義務付け、政府は悪乗りしてメタボ検診までやらせるようにしているのです。
 何の根拠もなしにです。

 ところで、条件付きで有効とされた「糖尿病検査糖負荷試験」ですが、これにはわけがありそうです。
 若い女性はスイーツを食べる機会が多く、空腹時の血糖値が正常であっても、ブドウ糖の負荷試験をすると、20代から30代の女性の6割程度に異常が見つかったという報告があり、これは正に隠れ糖尿病の状態にあると言えるからです。単なる空腹時血糖の検査では見逃されてしまうというものです。
 なお、C型・B型肝炎検診が「判定保留」とされた理由は、報告書の本文が入手できていませんので分かりませんが、その昔のノーチェックの輸血や注射針の使い回しがなくなって新たな患者はまれであることも一因しているかと思われます。

 ここで、念を押しておきますが、血圧とて高くっても問題ないことは前号で述べました。問題になるのは、数値が急激に経時変化してきたといった大きな変動の場合だけです。
 そして、飲酒が健康に悪いのは肝臓病を引き起こすからと言われていますが、アル中になるほど飲めば体を害するものの、豪傑と言われる人が毎日酒を浴びるほどに飲んでも肝臓病になるものではありません。と言いますのは、アルコール性肝炎なるものは本質的に存在せず、B型かC型あるいはそれ以外の型が違うウイルスによる発症に過ぎないからです。
(アルコール性肝炎に関係する記事は、次のとおりです。興味がある方はご覧ください。)
  肝臓病の元凶は飽食暖衣 
 なお、その記事の中でも申しましたが、肝機能検査の数値は肝臓の細胞の破壊程度を示すもので、この数値が大きければやがて肝炎、肝硬変、肝がんへと進む恐れがあるのですが、発症しない人も多くみえますし、また、進行するにしたがって数値が正常に戻ることがありますから、「2005年:福井班長報告」でも「実施の意義を再検討すべき」とされているのでしょう。 
 ついでに、喫煙は百害あって一利なしと一般に言われますが、喫煙、副流煙による肺がんの発生は科学的根拠が一切なく、単に周りの非喫煙者の迷惑になるだけのことでして、健康問題とは別物です。
(喫煙に関しては、このブログのカテゴリー「たばこと健康」の欄に数本の記事を入れておりますので興味がある方はご覧ください。1本目はベータ・カロチンについて、2本目から肺がんとの関係について書いています。)

 こうしたことから、「2005年:福井班長報告」の結論から検査項目をチェックすると、体重は体重計に乗らなくても増減が自覚できますし、うつ病は本人が自覚できなくても周りの者が知ることができ、また、糖負荷試験の異常は砂糖摂取過剰が原因ですからスイーツなどを常日頃控えていれば問題は生じません。
 つまり、健康診断の“検査”は何もする必要がないということになってしまうのです。
 よって、小生は、もう15年以上、住民集団検診を受けたことがありません。つい最近、役場からワンコイン(500円)検診の案内が今年も来ていましたが、中も見ず、資源回収ボックスに納めたところです。
 ちなみに、反骨の医師、近藤誠慶応大学医学部講師は、もう30年以上健康診断を受けておられません。無駄な上に害(放射線)になるだけであることをよく知っておられるからです。

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健康診断の“検査”は“病人”を作り出すだけのもの、特に「血圧」と「コレステロール」が悪質

2013年07月25日 | 健康診断の罪悪

健康診断の“検査”は“病人”を作り出すだけのもの、特に「血圧」と「コレステロール」が悪質

 元気で長生きしたいから、“早期発見・早期治療”につながる健康診断の“検査”を定期的に受けている、という方が圧倒的に多いのが、日本人に特徴的な健康管理法です。
 こんな国は世界中探してもありません。
 特に、米国やフィンランドでは、健康診断の“検査”は、やる意味がないし、寿命が延びることもないという、明確なデータがちゃんと公表されていますから、健康な人は
“検査”を受けるのはまれですし、ましてや“検査”結果を重視するというような考え方は持っていません。
 また、欧米諸国では、日本のような住民集団検診や企業検診制度はないです。これは、個人の健康は個人で管理するのが当たり前という、個人個人のしっかりした考え方が強いお国柄からとも言えますが、各国政府は、そんなことを行っても“早期発見・早期治療”につながらず、決して生活習慣病が減らないことを知っていますから、多額の税金を投入してまで制度化するなんて全く考えもしないのです。

 その健康診断“検査”の基準値というものが、万人に当てはまる正しい指標であれば、まだ許されるのですが、日本では、時代の経過とともにころころ変わりますし、たいていは男女差が無視され、年齢差も無視されたり、あったとしても実に大ざっぱな設定しかなされていません。
 日本とは違って基準値を重視することがない欧米の方が、男女差や年齢差を踏まえて、かえって基準値がしっかりしたものになっています。
 そして、日本では、その基準値も統一されたものではないです。各学会のガイドラインはあるものの病院・クリニックによって若干の違いがあります。
 日本における基準値がこのような形になっている原因は、実は健康な人の数値が幾つなのか、これがどんな調査方法を取ったとしても算出不可能だからです。
 でも、日本の政府も医師会も、基準値はさも正しいような言い方をしています。

 そして、日本では、国をあげて、“早期発見・早期治療”そのために健康診断を定期的に受けましょう”の大合唱で、人間ドッグが大流行りとなり、まずは“検査”をすることが健康確保の第一にされてしまっています。酷い企業は強制的に社員全員に人間ドッグを受けさせて、その“検査”結果を勤務評定に加えることまでしています。
 あきれて物が言えない日本の健康診断“検査”の扱い方です。
 この日本独特の健康診断制度は、個人主義が未発達という土壌にあることと、戦前の学童体力向上対策や疫病・感染症対策のやり方が尾を引いているのでしょう。
 皆が同じ検査をし、皆が同じことをやり、皆が揃って病気を防ごう、というものです。
 現代社会になって、日本人もかなり個人主義的になってきていると思われるのですが、どっこい健康診断“検査”だけは時代に大きく逆行し、メタボ検診がいい例ですが、どんどん強化されてきています。
 そして、“検査”はいいことだ、“検査”は補助によってタダか少しの負担で済むからと、皆が“検査”を進んで受け、それでもって“検査”結果に一喜一憂させられているのです。

 こうした“検査漬け”によって、あるとき、たまたま“検査”の数値が基準値から上にはみ出しでもすれば、医者は、高血圧“症”、糖尿“病”、脂質“異常症”といった診断結果を被検者に告げ、病人を意のままに作り出し、薬を死ぬまで飲ませ続けるのですから、これはもう「医は医術にあらず算術である」としか申しようがありません。
 日本では、医師により差はあるものの、基準値をオーバーすると“とりあえずお薬を出しておきましょう。”となってしまうのが通例ですが、欧米では“まずは生活習慣の改善をしましょう”という指導がなされるだけで、即投薬ということはないです。
 ちなみに、コレステロールを下げる薬は日本人が何と世界の生産量の6、7割を消費しています。それも、大半が更年期過ぎの女性をターゲットとしたものです。これは、のちほど説明しますが、日本の基準値が際立って厳しすぎる上に即投薬傾向にあるからです。
(2014.1.18追記)
 米国の基準値は日本とあまり大きな差はないようですが、単なる指標としてしか捉えられていないようでして、即投薬には決してなりません。コレステロールについては更年期過ぎの女性はだれでも数値がグーンと上がりますから、米国では基本的に投薬しないことになっているようです。また、高血圧は州や保険会社によって違いがあるようですが、180を超えた場合に初めて投薬対象になるようで、それがカリフォルニア州では最近10アップされたとのことです。なお、このように投薬に慎重になるのは、投薬による副作用が大きいと医療訴訟で敗訴することが多いことも背景にあるようです。
(追記ここまで:高血圧についてはLA在住の日本人の方からいただいた情報です。)

 “検査”の結果が基準値からはみ出したからといって、それは“症”でも“病”でもないです。単に、高血圧状態、高血糖状態、高コレステロール状態といった単なる状態にあるというだけのことであり、加えて、そういう状態であっても健康体の方の数値には個人差がかなりありますから、それはそれで正常だ、という場合の方が圧倒的に多いのです。
 逆に、基準値の範囲に納まっていても、発症する場合が往々にしてあります。痛風がいい例で、尿酸値が基準値をオーバーすると痛風予備軍の扱いを受けますが、痛風の発症は体質が大きく影響し、基準値の範囲内であっても発症しますから、“検査”の数値は無意味なものになっています。
 なお、基準値の上限値と下限値の算出方法については、のちほど説明します。

 さて、「医は算術」と申しましたが、医師になることを志し、大病院で体を酷使して患者の命を救うために日夜働くものの、ある程度の年齢になると体力の限界を知り、マイペースで仕事ができる開業医となるのが一般的で、開業医が年々増えてきています。
 開業には初期投資として多額の資金が要りますから、それを回収し、加えて子息を医者にしようとなると、これまた教育費が高額なものとなりますので、開業医が食っていくためには多くの患者を抱え込み、“検査”と薬の処方箋で保険点数を上げねばなりません。
 ここに、日本の医療制度の大きな病根があるのです。
 ますます増える開業医の生活保障をするために、開業医の既得権益を守ることに重点を置いている日本医師会が、政府を抱き込み“検査漬け”と“薬漬け”を正当化していると言えます。こうして、健康な人があたかも病人であるかのように扱われているのが日本の医療の現状なのです。

 「医は算術」であることの例を幾つか紹介しましょう。
 先ずは、高血圧“症”。その昔は最高血圧の標準値(平均値)は「年齢+90」でした。その後、基準値の上限設定が定められ、上限値160が長く続き、2000年に140にされ、2004年には老人を除き130にされてしまいました。
 2000年の改定で、それまでの高血圧“症”の患者数は1500万人が、3700万人に。
 次に、糖尿“病”。血糖値の上限は、その昔は140だったものが、1999年に126に、その後110に引き下げられています。新潟大学名誉教授の岡田正彦氏によれば、基準値の上限を10下げると、はみ出しが2.5倍増えるとのことです。
 また、血糖値の過去1、2か月の指標となるヘモグロビンA1cの基準値上限は以前は5.8であったものがメタボ検診の始まりとともに5.2に。これだけで、何百万人もが糖尿“病”にされてしまいました。
 3つ目が、脂質“異常症”。1987年までは総コレステロール値の上限は250でした。それが意図的に220に改定されたのです。これによって、50歳以上の女性の55%が当時の呼び名である高脂血“症”という患者にされてしまったのです。それが今や“異常症”と改悪改名されました。加えて、総コレステロール値の基準値設定に多くの批判がでてきたことから、総コレステロール値は診断基準から除去してしまい、悪玉と善玉に分けて基準値を新たに設定し直すという、煙に巻く方法に切り替えています。この新しい基準値になって、患者数がどうなったかというと、決して減ることはないようです。

 ここまで質が悪い基準値設定ですから、「病院で殺されないために」とか「病人はこうして作られる」といった本が書店の棚に幾冊も並び、雑誌でも頻繁に記事にされています。
 医師は、このことを知っていても、黙して語りません。なぜならば、自分で自分の首を絞めることになりますからね。生活習慣病“治療薬”は安定した最大の収入源なのです。
 実は、お医者さんもかわいそうです。日本特有の薄利多売方式の保険点数では、開業医は生活習慣病患者を数多く呼び込まないことには食っていけないからです。
 また、多くの患者は、基準値は正しいものと思い込まされていて、素直に医師の指導に従ってしまいますし、加えて、患者の中には基準値はおかしいという情報を得て基準値に疑問を持ちながらも、医師を前にすると、疑問の思考回路をバッサリと切断し、医師に頼りきっていまうという愚かな行動に出てしまう人がけっこう多いです。これも、欧米人とは違った、日本人に特有の特徴です。一言で言えば、ひ弱な精神ということになりましょうし、最近話題になっている言葉を持ち出せば「空気に従う」ということになりましょう。

 健康診断の一番正しいやり方は、自分で自分をチェックする以外になく、毎朝、起きたときの体調がどう感じられるとか、便の状態は良いか悪いか、といったチェックをしてみたり、日中にちょっと動いただけで動悸がしてきたとか、疲れを感じるといった体調の変化に注意して、それを自分自身で感じ取ることです。中高年であれば、これは可能でしょう。
 これらの体調変化は、たいてい原因に心当たりがあるものであり、それを是正すれば良いのですし、また、明らかに加齢が原因していると判断されるものも多いです。
 とんと原因が分からないとなったら、そのときには医師の診察を受ければ良いでしょう。まれにとんでもない病気が発症しており、即治療が必要となる場合がありますからね。
 ちなみに、小生(間もなく65歳)はもう15年以上住民検診を受けたことがなく、検査値がどういう値なのか全く知りません。
 なお、日本に唯一住民集団検診を行っていない自治体があります。それは長野県の泰阜(やすおか)村です。やらない理由は、冒頭で述べた欧米諸国と同じ考え方に基づいています。もう20年以上前からのことですが、歴代の村長に引き継がれており、最近の泰阜村長の考え方を紹介しておきましょう。
 泰阜村長のBLOG 私はこう考えます。
 http://blog.st203.net/soncho/
 「2012.10.30 日本脳炎の予防接種での死亡」の記事の中段辺りにあります。

 ここまで、“検査”は無意味で、基準値は間違っていると述べてきましたが、強制的に“検査”を受けさせられて、検査データをまざまざと見せ付けられ、それでもって指導を受けると、多くの方は不安になるのが正直なところでしょう。
 そこで、下記に、多少はましな、客観的な計算方法で算出された基準値を紹介しておきます。男女差、年齢差をしっかり加味したものですから、現在の基準値とは随分異なっています。
 ただし、この基準値も、この範囲内に収まっておれば「正常」というものではないです。
 基準値とは何かというと、大ざっぱに言えば、健康でどこも悪くないという人の膨大な検査データを全部並べ、両極端の数値それぞれ2.5%をカットした、残り95%の人の上限値と下限値を示したものです。
 これが、通常、基準値と呼ばれるもので、たいていの検査値はそうなっていて、検査機関ごとに独自で調査することがありますから、検査機関ごとに基準値にバラツキが生じます。また、検査機関によっては検査法が異なることがあり、数値の出方に差が生じます。
 基準値というものは、ただそれだけのものであって、両端からはみ出したそれぞれ2.5%の人が不健康というものでは決してないです。
(注:下表の基準値は、東海大学名誉教授大櫛陽一氏が2004年に発表されたもので、算出方法は、ある特定の検査法で行われた検査データの全体を非線形最適化法を応用した新手法で解析するというもので、基本的には、平均値と標準偏差から95%信頼範囲を計算するというものですが、大雑把に申せば、両極端2.5%カットと思っていただいてよいです。)
 よって、基準値というものは、それを外れていても、今現在健康であって、どってことないが、ひょっとして何か病気が潜んでいるかもしれないから、精密検査をした方がいいかもしれない、といった程度のことです。
 下記の基準値も、そうしたものであることを頭においてご覧になってください。
 そして、あなたの過去の検査データと見比べてください。なお、下限値は記載を省略しましたのであしからずご容赦ください。


 詳細は、下記サイトをご覧ください。検査項目20程度載っています。
 東海大学医学部医用工学情報のホームページ
 http://mi.med.u-tokai.ac.jp
 開いたら、10行目ほどの所に「男女別・5才ごと基準範囲数値」があり、それをクリック。
(注:2014.1.8 残念ながら、このホームページは開けなくなっていました。東海大学HPから検索をいろいろかけてみたのですがダメでした。非公開資料に?)

 なお、たいていの方は、定期的に“検査”をなさっておられ、ここに示した本来の基準値から毎回はみ出しになる方が5%おみえです。それでも健康と感じられるのであれば、それは、あなたの体質が基準値はみ出しであってはじめて「正常」なのです。
 そうした人は、20人に1人はいると考えて良いでしょうね。無理して検査値を落とし、残りの19人の仲間入りする必要はどこにもありません。
 そして、そうした方が高血圧”症”だからといって降圧剤を飲み続ければ、必要な血流が生み出されなくなり、全身の酸素欠乏が生じますし、脂質“異常症”だからといって血中コレステロールを下げる薬を飲み続ければ、エネルギー代謝が阻害されて老け込んでしまいます。どちらも、老化を促進させ、余計な病気を呼び込む元になるのです。
 いい例が老人医療専門病院ですが、こうした薬をほとんど出さない病院があり、その病院では、元気なお年寄りの患者が大変多いそうです。

 ところで、ただ一つ、定期“検査”のメリットがあります。
 例えば、今まではいつも数値が低かったのに段々と上がってきた、
あるいは、今までずっと数値が高かったのに段々と下がってきた、といった数値の大きな経時変化が見られたときは、単なる加齢で片付けるのは危険で、何か大きな別の原因があることを検査データが物語っているのです。
 最近、毎日運動をするようになったからという場合などは別ですが、何か思い当たる節があれば、その対応をせねばならないことになりますし、そうでなければ医師の診察を受け、潜んでいる病気の発見をせねばなりません。
 いい例が、基準値内であっても血糖値が段々上がってきたという場合は、明らかに膵臓が疲労困ぱいしていると考えられます。その場合は、既に糖尿病の初期は過ぎていると考えた方がいいと思われますからね。でも、糖尿病の改善は、少食と断食で膵臓を休ませ、自然治癒力を発揮させるしか方法はないですから、薬では何ともしがたいですが。

 ここまで「健康診断の“検査”は“病人”を作り出すだけのもの」と題し、生活習慣病に関して長々と“検査”やその基準値の無意味さを述べつつ、かつ、基準値内であっても既に病気であると脅したりして、読者の皆様方にはたいそう気分を悪くされた方がきっと多いことでしょう。
 その点、あしからずお許しください。
 でも、現在の基準値というものは、どういうものであるのかを、この際、しっかりと理解していただきたいです。また、健康になるための健康管理は、毎日自分で自分の体をチェックする以外に方法はないことも理解していただきたいです。
 そうしたチェックを欠かさなければ、あなたはいつまでも健康でいられることでしょう。
 そして、それが健康寿命をうーんと延ばし、ピンピンコロリと天寿を全うするための近道となりましょう。

(2014.5.6追記)
 日本人間ドック学会が、ドック受診者150万人のデータから、“新基準値”の元になるものを4月4日に発表しました。コレステロール値は素直に算出されているようで、上に掲げた東海大学のものと酷似していますが、血圧は大きな違い(学会の数値はかなり低い)があり、これは標本抽出が操作され、捏造されたものと言わざるを得ません。
 詳細は、「 人間ドック学会の“新基準値”の評価 」をご覧ください。

<関連記事:こちらもご覧ください。>
 高血圧は健康で長生きできます。血圧の薬は飲んじゃだめ。
 コレステロール降下剤は毒薬
 高くても安心。コレステロール値(その1)(その2)
 
 人間ドックは病人を仕立てるためのワナ
 健康診断の“検査”で病気が発見できる?

 

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足指発、全身行き脱線列車、「新・五本指靴下(サポーター)」でリニアモーターカーに大改善!

2013年07月16日 | 血流改善が最重要

足指発、全身行き脱線列車、「新・五本指靴下(サポーター)」でリニアモーターカーに大改善!

 先々月に“足首発、全身行きトラブル電車”と題して、足首の自覚しない炎症であっても、全身のトラブルを発生させる元になり、足首が大事なものであることを述べました。
 また、そのとき、出発点は足首ではなく、足指にあることが多いことを述べ、そして、健康な足指については、次のようであると述べました。

 やはり、ここでも狩猟採集民(それ以外の素足で生活する民族)から学ぶことになります。彼らの足先は指がパッと開いていて踏ん張る能力が高いですし、また、足指で地面をつかむような歩き方をします。よって、足指や足の裏の筋肉が大変発達しています。

 これに少しでも近づけるためには、堀泰典氏がその著で「5本指靴下を履くと良い」とおっしゃっておられるということも紹介しました。
 とあれば、もうこれ以上説明の用がなく、わざわざ見出しに“足指発、全身行き脱線列車”と、少々言い回しを変えてまで、改めて記事にする必要がどこにあるのか、ということになってしまいそうですが、ひょんなことから、『体の不調がみるみる消える!「足の指」まっすぐ健康法』という本に巡り合い、“たかが足指、されど足指”ということに気付かされ、いかに足指が大切なものかをしみじみと感じさせられたものですから、改めて取り上げた次第です。

 この本の著者は、松藤文男氏(フットケア・アドバイザー)と今井一彰氏(みらいクリニック院長)の2人となっていますが、実質上は松藤氏の執筆です。
 
今井医師のクリニックは、いちおう「内科」ではありますが、ほかに例のない「靴下外来」を設置し、「新・五本指靴下(サポーター)」を用いた足指の矯正などを行い、併設されているリウマチ&フットケアセンターでもその靴下を活用してリハビリなどが行われています。
 その「新・五本指靴下(サポーター)」を開発されたのが、松藤氏です。氏は靴製造メーカーに長年勤務され、1万人以上の足を見てこられた「足博士」でして、選び抜いたシューズに、各々の履く人の足元を正すインソールと「新・五本指靴下(サポーター)」でもって、脚の歪みの矯正のみならず、重い物を支える力を出させ、体の柔軟性を回復させ、それに止まらず、関節疾患や内臓疾患をも改善してしまうという、驚くべき結果を生み出されているのです。
 その治療の数々は、松藤氏と今井医師とのタッグで行われています。

 それらの全体は、本書をお読みになって知っていただくとして、本稿では、「新・五本指靴下(サポーター)」の特徴と、他書から「足指のつぼ」に関して紹介することにします。

 先ずは「新・五本指靴下(サポーター)」。小生も、先に紹介した本とのセットを入手しました。
 本に書いてあるとおり、足指サポーターですから最初はなかなか履きにくかったですが、直ぐに馴れて簡単に着装できるようになりました。夏の靴下としては、けっこう厚手ですが、履き心地も良く、真夏でも蒸れません。水虫も治るとかで、それも期待。
 この「新・五本指靴下(サポーター)」を毎日履くと良いのですが、洗濯の都合上、小生は、並みの五本指靴下と隔日で交互に着装しています。(追記:2か月後にもう1足購入)
 直ぐに効果が現れたのが、“チンパンジーの足”です。
 
チンパンジーは手の指と同様に足指を1本ずつ自在に動かすことができます。
 ヒトには、なかなかそれができないのですが、少なくとも大抵の人は5本の足指をパッと開くことができるようです。女房も娘もそれができます。でも、小生にはそれができない。
 よって、小生は“俺の足はヒトの足だから決して自在には開かない。お前たちはチンパンジーの血が混ざっているから開くのだ。”などと言って自己正当化を図っていました。
 しかし、「新・五本指靴下(サポーター)」を着装したその夜、不完全ながらも足指が開くようになったのです。少々厚手の布で足指を分割し、わずかに広げているのが助けになって、足指が広がるようになったのでしょう。
 「足指を広げて地面をつかむ」ことで、体の重心を安定させ、ふらつかないようにするのですから、意識的にしろ無意識的にしろ、足指が開くことはとても重要なことなのです。

 「新・五本指靴下(サポーター)」の特徴は、ここにあります。解説では、「足の指の付け根付近(中足骨)の締め付けを強化しているので自然に足の指が伸び、足裏で地面をつかむような感覚が得られる。」と書かれています。

 そして、驚いたのは、「新・五本指靴下(サポーター)」を履いただけで、体の柔軟性が一気に得られるということ。解説では、「まず、普通の靴下を履いて立ち、前屈を行う。床に対して手がどこまで届いているか確認しておこう。次に、新・五本指靴下を履いて前屈する。すると、普通の靴下の場合よりずっと深く、下まで手が届いているはずだ。つまり、足の指を伸ばすと、足元が安定するだけでなく、全身の柔軟性が増すということがわかる。」とあります。
 小生もやってみました。普通の靴下では、手の指先が床に届きません。「新・五本指靴下(サポーター)」を履くと、簡単に手の指先が床に届きます。ビックリ!
 小生の目標は、若かりし頃のように前屈で掌が床に付くこと。
 実は、昨年の晩秋に
、前屈やアキレス腱伸ばしのストレッチを毎日のように続けていたら、何日かして、まず人差し指の指先が床に届き、1か月もすると手の指5本とも届くようになったのですが、とても掌までは無理で、新年早々にあきらめてしまいました。
 それから半年以上経って、「新・五本指靴下(サポーター)」を隔日で履くようになった1週間後に、前にやったストレッチを行った後で挑戦したら、1回目はダメでしたが、再度ストレッチを行い、再挑戦したところ、何と、掌が床にピタッと着いたのです。
 こうして、小生は、本の解説に書いてあるとおり、“「新・五本指靴下」を履くだけで、全身の柔軟性が増す!”ということを身を持って実感したところです。

 こんなことが起きてしまうのは摩訶不思議なことですが、本の解説では、骨・筋肉は足の指先から頭までつながっており、「新・五本指靴下(サポーター)」を履くことによって、足指が伸びて開き、全身の骨・筋肉のバランスが整い、重心が安定することによるとのこと。
 なるほど、です。これによって、関連する幾つもの
関節がスムーズに動き、それを取り巻く幾つもの筋肉がスムーズに伸び縮みするようになって、小生の掌が床に着いたのです。

 そうとあれば、本に紹介されているように、O脚やX脚が矯正されるし、(小生はゴルフをやらないが)ドライバーの飛距離がグンと伸びるのもうなずけます。
 お年寄りが杖なしでさっさと歩けるようになるのも、「新・五本指靴下(サポーター)」様々です。

 凄いでしょう、「新・五本指靴下(サポーター)」。まだまだ効能効果がたくさんありますが、それは本書を読んでいただくこととし、これより「足指のつぼ」に関して紹介することにします。
 本書においても、足の甲や足裏にある5つのつぼについて解説があり、また、足指の爪の生え際の両側につぼ(井穴)があって、ここを強くつまむと良いと説明されています。
 その詳細は、つぼに関するサイトで詳細が分かりますから、そちらを見ていただくとして、ここで取り上げたいのは、足指の根元をつまむ「足指ストレッチ」とつぼの関係です。

 本書で、足指のストレッチの一方法として、「足握手」のやり方とその効能効果が詳細に紹介されています。
 それを簡単に説明すれは、
右手の掌と左足の裏を向き合わせて、足指の間に手指を無理やり入れ込み、互いにギュッと握り合うというものです。さらには、そのままの状態で、左手で左足首をつかみ、グルグル回すというものです。
 小生も挑戦してみました。
 最初は痛くて、冷や汗が出るほどでしたが、馴れてくると段々気持ち良くなりました。
 これは、「足指をすっきり伸ばし、同時に足指の血流を改善してくれ、ひいては全身の血流促進にもなり、非常に効果的なストレッチ体操で、入浴時に毎日行うとよい。」と、本の解説にあり、なるほど、と感じたところです。
 そして、この「足握手」ストレッチは、これを行ったときに、足指のつぼ刺激もしてしまうのです。

 浅くしか指が入り込まないときは、足指の爪の生え際の近くを押すことになって、井穴(各種内臓に関係)というつぼ刺激になりますから、これはこれで効果があります。
 深く指が入れば、足指の付け根をギュッと握ることになるのですが、これは足裏のつぼ刺激になります。一度に全部の手指を足指の付け根に入れ込むのは困難でしょうから、2本ずつ順々にやってもいいでしょう。小生は、そうしています。
 足指の裏側には、頭から首・肩に関係する幾つものつぼが並んでいますし、見落としがちなリンパ腺に関するつぼが指の付け根にあります。
 その部分を図解すると、次のとおりです。

 飽食し、運動不足、かつ、過剰なストレスがかかる現代社会にあっては、全身の血流が滞り、特に頭から首・肩への血流が悪くなっていますから、足指の裏側のつぼ刺激は大変に効果的です。また、全身の体液は、順次リンパ腺に送り込まれ、それが静脈に流れ込んで腎臓で老廃物が濾過され、再び全身を巡るのですから、現代人には、血流の正常化に増して、リンパの円滑な流れが求められます。そのリンパの流れを良くしてくれるのが足指の付け根にあるのですから、そこを刺激する必要性はとても高いと言えましょう。

 足指をいたわらず、足指を使わない、足指を無視する、という日常生活をしている日本人です。よって、足指が悪いために、全身の骨格や筋肉に歪みが生じ、ひいては内臓疾患まで誘発するというトラブルを抱え込んでいるのですから、たいていの人は、見出しにしたとおり、“足指発、全身行き脱線列車”ということになりましょう。
 ですから、足指をまっすぐ伸ばし、足指を動かし、足指のストレッチやつぼ刺激を毎日行う生活を行うようにすれば、体のふらつきは消え、体がよく動くようになり、内臓も頭も首・肩も快調になるのです。そうすれば、あなたの体は、“足指発、全身行きリニアモーターカー”となって、イキイキ元気、元気はつらつな生活を取り戻すことができましょう。

 これは、決してオーバーな話ではありません。
 先に小生の体が柔軟性を取り戻したことを述べましたが、それだけではありませんでした。「新・五本指靴下(サポーター)」を履くようになったことと「足握手」ストレッチをやるようになって、血流までがグーンと良くなったと考えられるのです。
 今までは、当店の血流計で血流を測定すると、小生(実年齢64歳)は、たいてい「Cパターン(血流年齢45歳)」にしかならなかったものが、今では「Bパターン(血流年齢30歳)」へと、3ランクアップ(C+、BXを飛び越す)した若々しい血流へと変化したのです。もっとも、最近は、毎日、早朝の畑仕事などで体をよく動かしていますから、それが原因していることもありましょうが、昨年の今頃の測定で「Bパターン」を記録するのは極めてまれでしたから、やはり「新・五本指靴下(サポーター)」と「足握手」による血流改善効果が出ているのは間違いないと思っています。

 久方ぶりに、これは凄い!という健康法に出くわしました。
 「新・五本指靴下(サポーター)」と「足握手」ストレッチは、皆さん、どなたにもお勧めできる素晴らしい健康法でしょうね。

<追記 2013.10.2>
 この記事が発売元の目にとまり、発売元からのお誘いで、当店がその代理店になりました。思いのほか好評を博しています。
 発売元は次のとおり。詳しい情報が得られますし、ネット購入もできます。
  サンワヘルスデザイン
<追記 2016.4.21>
 サンワヘルスデザインが廃業され、購入は製造元からとなります。
  ファイブコンフォート http://www.5comfort.com/

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食生活は“油断”が一番です。食事から油を断ち、米国式食文化からの決別を!

2013年07月05日 | 食養

食生活は“油断”が一番です。食事から油を断ち、米国式食文化からの決別を!

 消化力が落ちる梅雨時が”油断”(食事から油を断つ)を始める好機です

 下手な料理人がお客の味覚をごまかす簡単な方法があります。油と塩と砂糖の3種類を濃い目に使うのです。最近、飲食業界の安値競争が進んだこともあって、こうした飲食店が多くなった感がします。
 実は、これ、世界一貧相な米国食文化の特徴です。つい最近まで、西部開拓に明け暮れていたお国ですから致し方ありませんが。
 彼の国では、重労働の毎日でしたから、高カロリー食品が求められ、料理に油は欠かせませんし、汗をかくから塩分の補給も必要です。そして、食べたら直ぐにエネルギー源になる砂糖が求められます。
 加えて、皆、忙しく一日中働きますから、手っ取り早く料理ができて、かつ、立ち食いが可能なファスト・フード(ファースト・フード)が主流にならざるを得ないのです。

 戦後、この米国式食文化が洪水のごとく日本に流入してきました。
 日本が戦争に負けたのは、体が小さかったからだ。米国人のように背が高く、筋肉マンにならなくちゃいかん。米国の食文化を見習おう、というわけです。
 終戦後、緊急に必要とされたことは、カロリー不足の解消です。
 脂肪は炭水化物と同じ重量であっても何倍ものカロリーがあり、脂肪を積極的に取るべしと、「油炒め運動」なる栄養改善が婦人会を通して急速に普及しました。
 今日では、油炒めや揚げ物、そしてドレッシングがかけられた物が毎日の食卓にのぼるようになり、油の消費量は戦前の19倍にもなっています。
 その昔、マグロのトロは「猫またぎ」と言われ、人はもとより猫も食べないほどに油が多く、貧乏学生が食べる以外は捨てられていたようですが、今日に至るや、トロは貧乏学生には高嶺の花と化し、庶民の口にも滅多に入らない高級食品に!

 こうして、現代の日本人は油に馴れてしまい、油まみれの食生活に急変しました。若者は何とか脂肪消化酵素が出て対応可能ですが、中高年ともなると無理です。消化不良と便秘が急増し、腸内環境を悪化させます。

 戦後しばらくして、カロリー不足の緊急課題を乗り切ったら、本題の体づくりのための肉食がすすめられました。
 先ずは、牛肉のすき焼きで始まり、そして、高度成長によってステーキなるものが普及し、今日では焼肉が全盛の時代となりました。
 肉食にも馴らされた日本人は、今日では戦前の16倍の肉(魚も2倍)を取っています。

 こうして、油まみれの上に肉食中心の食生活になってしまったのですが、冒頭で述べましたとおり、味にごまかしが利きますから、美味しい、美味しい、と満腹に食べて、米国式食文化に大満足しています。

 こうなれば、自ずと生活習慣病が蔓延します。既に、20数年前には肥満、高血糖、高脂血症(脂質異常症)、高血圧が重なれば「死の四重奏」と恐れられ、近年ではメタボリックシンドローム(通称:メタボ)と名前を変えて騒がれています。

 最大の原因は、何と言っても油(脂肪)の取りすぎです。これが直接的に脂質異常症を引き起こし、過剰な脂肪が血管壁に沈着し動脈硬化を引き起こして高血圧にしてしまいます。また、油でカロリー過剰となり、摂取した炭水化物から作られるブドウ糖は引き取り手がなくなり、血液中を漂って高血糖にします。

 日本人が米国人並みの食生活になれば、日本も米国と対等になれると皆が思い、ここに大いなる油断(本来の意味の油断)があったから、そうなったのでしょう。
 米国人は米国式食生活でもまだ良いでしょうが、しかし、日本人がそうでは体を壊します。日本人が健康を取り戻すには、食生活において、先ずは“油断”しなければならないのです。「油を断つ」しか方法はないのです。

 戦前の食生活に戻せば、日本人が米国人と対等になれるのです。
 何とも皮肉な話ですね。
 
そうそう、“皮肉”と言えば、獣や鶏の「皮や肉」も断たねばいかんですね。魚を戦前の2倍も取っているのですから、それで十分です。
 しかし、しかし、
            

(本稿は、当店「生涯現役新聞」2008年7月号外をほぼそのまま掲載したものです。)

追記:
 先日の製薬会社セミナーの帰りには参りました。セミナーの後で懇親会があったのですが、簡単な食事しか出ませんでしたので、解散後に、とあるラーメン店に入り、ラーメンを注文したのですが、油ギラギラのうえに塩っ辛いといったらこの上なし!
 半分も口にできず、退散。よくも皆さん、こんなごまかし料理が食べられるものだと感心させられました。きっと、ごまかしに馴らされてしまっているのでしょうね。
 よって、バックナバーを引っ張り出して記事にした次第です。
 なお、家に帰ってから、早速に油の消化薬をしっかり飲みました。梅雨時ということもあり、油の消化力がガクンと落ちてしまった還暦過ぎの薬屋のおやじのボヤキ。おそまつ。

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