薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

今月の笑い話ベスト5<チャイナ版>(9月)

2011年09月30日 | 笑い話&回文物語

<笑話:655>保護動物

虎が日本鹿を捕まえて食べようとしました!

日本鹿が言いました:「私を食べてはいけません!」

虎はポカンとして聞きました:「なぜだ?」

日本鹿:「私は国家二級保護動物だからです!」

虎は笑って言いました:「二級保護動物を保護するために、一級保護動物が餓死するわけにはいかないでしょう!」

(日本は弱々しく、韓国・朝鮮の方が強いとでも言うのでしょうかね…)

 

 <笑話:658>会社の名前

友達が資本を出し合って会社を作りました。

この会社は凄く優秀な会社だと示すために、“能力”の文字を組み込むことにしました。

それで、“能力会社”という名前にしました。なんと覇気のある会社名でしょうか!

友達は喜び勇んで工商局に行って登録し、証明書をもらいました。

友達はそれを見てビックリ仰天しました。

なんと、会社名が“能力有限会社”となっていたじゃないですか!

(日本語も中国語も、意味は同じなんですね。)

 

 <笑話:663>長寿の秘訣

百歳の老人を記者が取材しました。

「長寿の秘訣は何ですか?」と記者が聞きました。

すると、老人は溜め息まじりに、こう言いました。

「秘訣なんて何にもないね。死ねないだけよ。
死んだ後、息子や娘に負担を掛けると思うと……」

 

<笑話:645>韓国で整形手術

嫁さんは、お金をたくさん使って韓国に行き、整形手術を受けました。

2週間後、美人になって帰ってきました。

夫が門を開けて迎え入れましたが、戸惑いの表情です。

嫁さんが言います:

「どうしたの?私が誰か分からないの?」

夫はポカンとしていましたが、次に、喜んで言いました:

「ささ、早く入って。ちょうど嫁さんがいないから。」

 

<笑話:647>真面目なソフトウエア技術者

ある日、技術者が仕事を終えて帰ろうとしたら、妻から電話がかかってきました:

妻:「仕事帰りに、中華まんを10個買ってきてね。
もし、スイカを売っているのを見たら、1個買ってきてね。」

結果:

技術者が家に帰ったのを見て、妻が言いました:

妻:「どうして中華まん1個しか買ってこなかったのよ!」

技術者:「もともと10個買うつもりだったんだけど、スイカを売っているのを見たから、
君の言い付けどおり、1個買うしかなかったんだよ!」

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カルシウム不足の米国人、充足の日本人(Ca:No.1)

2011年09月30日 | ミネラルが最重要

カルシウム不足の米国人、充足の日本人(Ca:No.1)

 米国人のカルシウム摂取量は1日1000mg超であるのに対し、日本人のそれは500mg程度と、約半分しかなく、少なくとも600mgを摂りなさいと、厚生労働省も医学者も栄養学者も皆、口やかましいです。
 このブログでも、カルシウムの重要性に触れ、積極的な摂取をお勧めしています。
 特に精神疾患の方には“天然の精神安定剤”として効果が高いから、ぜひサプリメントでの補給を、とも言いました。
 ところが、たいていの日本人は、1日500mg程度の摂取であっても、カルシウムが充足していると思われてならないのです。もっとも、これは、精神疾患もなく、糖尿病でもない健常な方に限られましょうが。

 なぜに日本人はカルシウムが充足していると思われるかという最大の根拠は、尿中の排出量にあります。
 少々古いデータですが、1988年に行われた国際協力による調査研究の中に、非常に興味ある報告が存在します。その目的とするところは高血圧ですが、「24時間尿中電解質排泄量」が調べられ、ナトリウム、カリウムなどとともにカルシウムの排泄量も測定されたのです。そのサンプル数は、日本の3地区の男女各100名、米国の4地区の男女各100名となっており、統計調査として概ね有意な規模であり、条件設定の歩調を合わせていますから、比較することに意味があります。
 さて、そのデータはといいますと、日本人の尿へのカルシウム排泄量(平均値)は、1日当たり男200mg強、女約160mg、米国人のそれは男140mg弱、女100mg強です。男女ともに日本人の方が約50%多いのです。
 これをどう評価するかですが、「細胞外液中カルシウムイオンの恒常性維持機能から考えると、正味に体内に吸収された量は、日本人の方が米国人よりは、より多いと見ても誤りではない。」CLINICAL CALCIUM Vol.2,No.12,1992
  星猛、林久由、井熊睦博 カルシウム栄養の問題点)となります。
 何と、カルシウムは、日本人の方が米国人より約50mg多く吸収されていると言うのです。2つの大学の学者3名の共著で書かれた論文ですし、この評価は正しいでしょう。

 ここで、「細胞外液中カルシウムイオンの恒常性維持機能」について、触れておきましょう。動物皆そうですが、細胞内カルシウムイオン(水に溶け、2+の電荷を持った状態)の濃度は非常に薄いです。それに対して、細胞外は、その約1万倍と極端な違いがあります。そして、細胞外液中のカルシウムイオン濃度は非常に狭い範囲で一定に保たれています。これでもって、生命活動が正常に働くのです。
 よって、カルシウムを多く摂取して、それが吸収され、高濃度のカルシウムが血液中に入って、それの全部がカルシウムイオンになってしまうと、血漿は、毛細血管から染み出しますので、細胞外液中のカルシウムイオンが高くなりすぎてしまって、恒常性が維持できません。
 そこで、血液中のカルシウムイオン濃度を細胞外液中のそれと同じにするために、過剰なカルシウムイオンは特定のタンパク質と結合し、毛細血管から漏れ出さないようになっています。そして、細胞外液中カルシウムイオン濃度が低下したら、血液中の特定のタンパク質と結合したカルシウムは切り離されてイオン化し、恒常性が維持されます。
 よって、毎日の食事にカルシウム摂取量のバラツキがあっても、問題ないのです。
 また、カルシウムイオンの出所は、食事よりも骨の作り替え(新陳代謝)に伴う骨からのカルシウム溶出の方がずっと大きく、これも細胞外液中のカルシウムイオン濃度の影響を受けるでしょうから、恒常性の維持は、さほど心配ないです。
 もっとも、骨からの溶出が盛んになると、骨粗鬆症という別の問題が生じますが、これについては、後日、別途記事にする予定です。

 次に、大人1日当たりのカルシウムの出入りについて、標準化されたものを紹介しましょう。なお、これの出所は、カルシウム摂取量が1000mgとなっていますから、欧米の学者だと思われます。まれに、これが600mgと書き換えられているものがありますが、それは、日本人の学者によるものでしょう。
 <入りの部>
  カルシウム摂取量    1000mg
  十二指腸での吸収量  300mg(うち200mgは胆汁とともに小腸へ排出)
  小腸下部での再吸収    50mg
  差し引き体内吸収量  150mg
  骨吸収(骨からの溶出)
500mg
  供給量合計      650mg
 <出の部>
  
骨形成(新陳代謝で骨に戻る) 500mg
  尿中への排泄         150mg

  消費量合計          650mg
 <差し引き出納>         0mg 

 さて、カルシウムの摂取量が落ち込んだときには、どうなるでしょうか。
 一説には、尿中への排泄を抑え、約半分の70mgにすることができるとあります。
 また、小腸下部での再吸収は、腸壁の内外のカルシウムイオンの濃度差で、受動的に(自然に)行われますから、これがどれだけかは増えることでしょう。
 そして、何よりも大きいのが、生体が反応するカルシウム吸収促進です。
 細胞外液中カルシウムイオン濃度が落ちると、副甲状腺ホルモン(PTH)と活性型ビタミンDの分泌が促進され、十二指腸での吸収率をアップさせます。
(2018.4.7挿入追記:ビタミンDの経口摂取あるいは日光による皮膚でのビタミンD生成が十分であるとの前提で本稿を書いていますが、部屋に閉じこもりがちな冬季はビタミンDが不足気味となる恐れがあることが判明しました。→冬はお日様に当たって健康づくり これを加味すると複雑になってきますので、本稿ではビタミンDが充足しているとして、引き続き論じています。)
 これによって、カルシウムの摂取量が少なくても、カルシウムイオンの出納バランスを取っているのです。
 なお、尿中へのカルシウムの排泄は、100~150mgとも言われており、先に紹介した
国際協力による調査研究の「24時間尿中電解質排泄量」で、尿中のカルシウムが、米国人の男140mg弱、女100mg強となっていることと整合します。

 次に、カルシウムの吸収量が多過ぎるときには、どうなるでしょうか。
 細胞外液中カルシウムイオン濃度が上限に近付くでしょうから、副甲状腺ホルモン(PTH)と活性型ビタミンDの分泌が落ち、十二指腸での吸収率を低下させます。
 さらに、甲状腺ホルモン(カルシトニン)を分泌し、十二指腸でのカルシウム吸収を抑制します。
 そして、手っ取り早い方法として、尿中への排泄です。

 こうしたことから考えてみるに、先の調査で日本人の尿へのカルシウム排泄量は、1日当たり男200mg強、女約160mgと、標準的な排出量(150mg)よりも多くなっているのは、カルシウムの吸収量が多過ぎ、十二指腸での吸収率を低下させても、まだ多過ぎて、過剰なカルシウムを尿中へ放出せざるを得ない状態にあるとなってしまいます。
 はたして、こんなことが有り得るのでしょうか。大いなる疑問です。
 でも、日本人が米国人よりずっと多くカルシウムを尿中へ排泄している事実は確かなことですから、ここまで説明してきましたカルシウム吸収や出納についての知見のどこかに誤りがあると考えるしかありません。

 まず、カルシウムの出納で最大なものは、骨吸収(骨からの溶出)と骨形成(新陳代謝で骨に戻る)の500mgですが、人の骨にカルシウムは約1Kgあり、5年で入れ替わると考えられていますから、1日当たり約500mgとなり、基本的にはプラスマイナスがゼロにならねばならず、これはこれで良いでしょう。
 また、尿中への排泄量は、米国人であれば、150mgなり100~150mgで間違いなしとしてよいでしょう。簡単に測れますから、追試験は何度も行われているでしょうからね。でも、そうでもないかもしれません。直ぐ後で述べますカルシウム吸収率のように、権威ある数値として固定されてしまうこともありますから、一抹の不安はありますが、それではことが先に進みませんので、これは正しいものとしておきましょう。
 ところで、カルシウムの排泄は、尿だけではありません。汗と皮膚(垢)と毛からの損失があります。これは、尿の6分の1程度とも言われており、約20mgということになりますが、これは誤差範囲として無視することにしましょう。
 よって、カルシウムの出納表は、一応正しいものとしておきます。

 次に、カルシウム吸収の実態です。
 カルシウムの吸収率は、牛乳53%、小魚38
%、野菜18%(約60年前の兼松氏の研究報告データで、最も権威あるもの)とされているのですが、その後の追試験での数値は研究者によって様々でして、中には大差ないとも言われており、これは目安にもならない数値と言えます。
 また、牛乳が一番吸収率が良いことになっていますが、乳児を除いて乳糖を分解できない大半の日本人は、乳糖がためにカルシウム吸収が著しく阻害されるとの報告もあり、牛乳が賛美されることは、“牛乳神話”であると断言できます。
 基本的には、カルシウム摂取量が多ければ少なく吸収され、摂取量が少なければ多く吸収されるのです。
 1例を挙げれば、牛乳以外のカルシウムを800mg摂取した場合と200mgを摂取した場合に、牛乳のカルシウムがどれだけ吸収されるかというと、前者は37%、後者は71%というデータがあります。 
 次に、カルシウム吸収を抑制する物質が幾つも知られています。
 その最たるものは脂肪で、パンにバターを塗ってカルシウム(最も吸収されやすい解離型Ca)を摂ると14%しか吸収されず、デンプン食の場合は38%の吸収率になるというデータがあります。これは、脂肪が消化されてできる脂肪酸がカルシウムイオンと結合し、吸収されにくくなるからと言われています。
 逆に、カルシウム吸収を促進する物質も幾つか知られています。
 その一つはクエン酸です。カルシウムが吸収される十二指腸内は中性環境にありますから、カルシウムはイオンの状態を保てません。よって、一部のカルシウムは、クエン酸などの有機化合物が配位子となって両側からカルシウムイオンを挟み込んでキレート(錯体)を作り、これでもって腸壁でカルシウムイオンを放ち、吸収させるのです。
 なお、腸壁は薄い酸性の層があり、キレートは、ここでカルシウムイオンを遊離させます。また、骨(ハイドロキシアパタイト=リン酸カルシウムに水酸基がくっ付いたもの)や牛乳(主にリン酸水素カルシウム)はこの層で解離し、カルシウムイオンが生じて吸収されるのです。
 このとき、肉食をして多量のアミノ酸が出来るとアルカリ性に傾き、糖は酸性に傾きますから、腸壁の酸性層に影響を与え、カルシウムイオンの吸収率に影響します。
 加えて肉にはリンが多く含まれ、不溶性のリン酸カルシウムが出来やすく、カルシウムイオンを消してしまいます。
 ですから、パンにバターを塗って、ハムエッグを食べ、牛乳を飲むという洋食よりも、ご飯に小魚のふりかけと梅干を乗せて食べるという和食の方が、カルシウムの吸収効率が格段に良くなると言えるのです。
 なお、ここまで、カルシウム吸収率について、幾つかのデータを紹介しましたが、測定手法の違いや条件設定に差異がありますので、牛乳が71%と異常に高い値になったり、
解離型Caが高々38%にしかならなかったりし、相互比較には意味がないです。

 ここまでの説明は、いわば古典的なカルシウム吸収理論に基づくものでして、近年、別の吸収形態があることが分かってきました。これは、日本人の発見です。
 約20年前のことですが、明治製菓(主力は製薬部門)が「フラクトオリゴ糖」の薬理作用の研究を行い、その中の一つに「大腸が有機酸によって酸性環境になり、ミネラルの吸収が高まる」というものがあります。
 「フラクトオリゴ糖」に関するこのことについては、過去記事<栄養素「オリゴ糖」の不思議(その3)>の中で紹介しましたが、「フラクトオリゴ糖」は、数個から10個程度のブドウ糖が鎖状につながったもので、ヒトの消化酵素によって消化することはできず、腸内細菌の働きにより、酪酸、乳酸、酢酸などの有機酸に作り変えられます。
 そして、最近、「フラクトオリゴ糖」は、「ミネラルの吸収を助ける食品」として、「特定保健用食品」にも認定されています。
 こうして、大腸では吸収されないとされていたカルシウムは、大腸でも吸収されていることが分かり、厚生労働省のお墨付きも得たのです。
 これは、何も「フラクトオリゴ糖」だけではなく、一般の食物繊維でも同様で、違いはと言えば、有機酸の出来るスピードが「フラクトオリゴ糖」が一番速いだけのことです。
 なお、食物繊維は、カルシウムを吸着し、吸収されにくくするという研究報告もありますが、食物繊維が腸内細菌によって全く分解されない場合は、そう言えますが、現実には、腸内細菌は食物繊維を食べて生きているのですから、どれだけかは分解されるのであり、そのときに、カルシウムは必然的にイオンとなって解き放たれますから、こうした研究報告は無視してよいでしょう。
 参考までに、大腸で有機酸を作ることを「後腸発酵」といい、ウマが代表的な動物です。そして、ゴリラも草をたくさん食べ、かなり「後腸発酵」させており、腸内細菌が作った有機酸をエネルギー源として利用しています。ヒトも野菜を十分食べれば、ゴリラに近い種ですし、大腸も随分と大きいですから、どれだけかは「後腸発酵」が可能なのです。
 現に、野菜をたくさん食べて、腸内環境がうんと改善されれば、ウンチは酸っぱい臭いがし、「後腸発酵」させていることが簡単に確認できます。

 ここで、大腸でのカルシウム吸収の仕組みを簡単に説明しておきましょう。
 摂取した食品の中のカルシウムは様々な化合物として存在します。その中のどれだけかは、強酸性の胃酸によって溶かされ、これはけっこうな量になると思われるのですが、カルシウムイオンができます。しかし、十二指腸に入るとアルカリ性の膵液が出て中性環境となり、カルシウムイオンは不溶性の塩となり、コロイド状態になってしまいます。
 そのカルシウム塩の一部は、先ほど述べましたような仕組みで十二指腸内で吸収されます。吸収されなかったカルシウム塩は、大腸に入り、そこが酸性環境であれば、大腸内に存在する水に容易に溶けてカルシウムイオンが遊離します。
 そして、「水」しか吸収しないとされる大腸が、酸性状態になっている「水」を吸収するとき、イオン化されているカルシウムも、ナトリウムイオンや塩素イオン(つまり食塩)と同様に、ごく自然に「水」として吸収されてしまうのは、必然のことになるのです。

 よって、近年の知見から、カルシウムの出納表を書き直すと、日本人の場合、次のようになります。(下線部は、書き直した箇所)
 <入りの部>
  カルシウム摂取量   500mg
  十二指腸での吸収量  300mg(うち200mgは胆汁とともに小腸内へ排出)
  小腸下部での再吸収  50mg
  大腸での吸収     50mg(新たに書き足した項目)
  差し引き体内吸収量  200mg
  骨吸収(骨からの溶出)
500mg
  供給量合計      700mg
 <出の部>
  
骨形成(新陳代謝で骨に戻る)
500mg
  尿中への排泄        
 200mg
  消費量合計          700mg
 <差し引き出納>        0mg

 こうして、平均的日本人は、過剰なカルシウムを尿中に排出するほどに、カルシウム摂取量は足りていると言えることになります。
 なお、十二指腸での吸収率が67%
と大きなものになってしまいますから、十二指腸での吸収量は200mgとした方が良いかもしれません。その場合、胆汁とともに小腸内へ排出される量は100mgとなることでしょう。
 一方、平均的米国人の場合は、最初の出納表のとおりであって、乳製品で大量にカルシウムを摂取するものの、油脂と肉の多食によりカルシウムの吸収率が低いこと、そして、同じ原因で腸内環境が悪くて有機酸がどれだけも生産されず、よって大腸を酸性環境に保つことが不可能で、大腸でのカルシウム吸収はゼロと考えて良いでしょう。

 この日米比較からしても、腸内環境を改善することが、いかに大切であるかがお分かりでしょう。1週間前に、ビタミンを腸内細菌が作ったくれるという記事「 ビタミンは腸で作られる!」を書きましたが、腸内環境を改善してあげれば、これ以外にも、凄いことを腸内細菌がやってくれるのです。この方面の研究は、腸内環境が悪化している欧米人には無理な話で、優れた腸内環境を持つ日本人研究者の活躍が期待されます。でも、その進み具合は歯がゆいばかりです。学問の世界には欧米崇拝が未だに根強く残っているようで、栄養学者の多くは欧米の栄養学が正しいと信じて、腸内環境が悪くなっても、それに勝る優位性があるとし、腸内細菌を馬鹿にしているとしか思われません。
 ついでに申し上げるならば、栄養学者は、ヒトの腸ばかり覗いていないで、ヒトよりうんと腸内環境が優れている、ヒトと親戚関係にあるゴリラの腸をじっくり覗いていただき、その比較から得られた知見でもって、ヒトのあるべき姿を啓蒙され、現代人の健康づくりに大いに役立ててほしいものです。

 たいへんな長文となってしまい、また、少々難解な部分が多く、加えて小生のボヤキまで入ってしまって、たいそう分かりにくかったかと思いますが、「米国人と日本人の尿へのカルシウムの排泄量の違い」から、以上のような見解に基づき、表題のとおり、「カルシウム不足の米国人、充足の日本人」と結論付けることができると、小生は考えるのですが、いかがなものでしょうか。
 ただし、日本人の食生活が、特に若い人にあっては、米国人に近付いている昨今ですから、カルシウム不足の日本人も少なからず登場して来ているのも確かでしょうね。

 ところで、「カルシウムが充足している日本人」と言えども、「カルシウム不足」となることが往々にしてありますし、骨粗鬆症も増えてきています。これらについては、近日、別途記事にすることにします。

 続報 → カルシウム不足はなぜ起きるのか(Ca:No.2)

(カルシウム関連記事一覧)
 カルシウムは、やっかいもの?!(その1)
 カルシウムは、やっかいもの?!(その2)
 カルシウム不足の米国人、充足の日本人(Ca:No.1) (このページ)
 カルシウム不足はなぜ起きるのか(Ca:N0.2)
 カルシウム(+マグネシウム)は天然の精神安定剤(Ca:No.3)
 こうすれば骨粗鬆症は防げる(Ca:No.4)

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カルシウム不足はなぜ起きるのか(Ca:N0.2)

2011年09月29日 | ミネラルが最重要

カルシウム不足はなぜ起きるのか(Ca:N0.2)

 前回の記事「カルシウム不足の米国人、充足の日本人(Ca:No1)」で、カルシウムが充足している日本人でもカルシウム不足になることがあると書きました。
 今回は、それを説明することにしましょう。
 まず、カルシウムの出納において、「入り」が不足する、つまり吸収がうまくいかない場合があります。これの主な原因は、2つあります。
 一つは、小腸でのカルシウム吸収を促進する、副甲状腺ホルモンの分泌低下です。
 副甲状腺が、何らかの形で機能低下したときにそうなりますが、これはまれでしょう。
 他の原因としては、マグネシウムが不足したときに、副甲状腺ホルモンの分泌が低下します。マグネシウムの摂取量は日本人の場合、不足気味ですので、要注意です。
 もう一つの原因は、活性型ビタミンDの不足です。
 ビタミンDは、まず足りていますし、直射日光に少しでも当たれば皮膚で合成されます(これは正しくありません。訂正し、お詫びします。下記挿入追記参照)から、心配ないのですが、これを活性化させるのは、肝臓と腎臓です。
(2018.4.7挿入追記:ビタミンDの経口摂取あるいは日光による皮膚でのビタミンD生成が十分であるとの前提で本稿を書いていますが、部屋に閉じこもりがちな冬季はビタミンDが不足気味となる恐れがあることが判明しました。→冬はお日様に当たって健康づくり これを加味すると複雑になってきますので、本稿ではビタミンDが充足しているとして、引き続き論じています。)
 まず、肝臓で1箇所が水酸化され、それが腎臓に運ばれて、もう1箇所が水酸化されて、はじめて活性型ビタミンDというホルモンになり、これでもって小腸でのカルシウム吸収が促進されるのです。よって、肝臓か腎臓が機能低下していると、問題が起きることがあります。でも、これもさほど多くないことでしょう。ただし、糖尿病の場合は腎機能の低下が懸念されますので、要注意です。
 小腸での吸収がうまくいかない場合の主な原因は、以上のとおりで、通常は、せいぜいマグネシウム不足に注意すれば済むことです。
 なお、当然のことながら、前回の記事に書きましたように、脂やタンパク質の摂り過ぎに注意し、梅干を食べてクエン酸を補給したり、何よりも腸内環境を改善することが、カルシウムの出納における「入り」を充足させる最大の方法です。

 心配しなければならないのは、「出」の方です。
 「出」は、尿、汗、皮膚(垢)、毛です。その中で、皮膚(垢)、毛は変動がほとんどないですから無視できます。次に、汗ですが、一説には1日に30mgとありますが、毎日汗をかく人は、汗のかき方が上手になっていますから、損失は少ないでしょうし、たまに大汗をかく人は、一時的に損失するだけですから、夏場に気を付ければ済むことでしょう。
 問題になるのは、尿中への排泄です。
 ここで、腎臓の濾過機能について、おさらいしておきましょう。
 腎臓で濾し出されて出来る原尿は、1日累算150リットルにもなります。この原尿の中には、電解質(ナトリウムイオンや塩素イオンなどとともにカルシウムイオンも)とともに糖やアミノ酸など、有用物がいっぱい含まれています。原尿に入って来ないのは、血球や分子量の大きな有機物だけです。
 この原尿の中から、主として尿細管で有用物を再吸収します。再吸収の仕組みは、受動的なものと能動的なものの両方があります。ナトリウムイオンや塩素イオンは、尿細管の内外の濃度差で受動的に(自然に)再吸収されることが多いのですが、糖やアミノ酸などは能動的に(エネルギーを使って何らかの仕組みで)吸収されます。
 そして、原尿は100倍に濃縮され、1日1.5リットル程度の尿として排泄されます。
 ですから、通常、腎臓で老廃物が濾過されるといいますが、実際は、腎臓で有用物だけが選択的に再吸収されているのです。この再吸収がうまくいかないと、尿から糖が出たりするのです。

 さて、カルシウムイオンの場合、腎臓で原尿へ放出される量は1日に累算5000mgにもなります。一部は受動的に再吸収されますが、能動的な再吸収が不可欠なものとなっています。ここでも、活性型ビタミンDが活躍します。
 よって、肝臓か腎臓が機能低下していると、問題が起きることがあります。でも、これは、カルシウム吸収のときと同様に、さほど多くないことでしょう。
 また、副甲状腺ホルモンの分泌低下によっても、腎臓での再吸収が落ちるとのことですから、腸での吸収の場合と同様に、マグネシウム不足は要注意となります。

 大きな問題が生ずるのは、カルシウムイオンの能動的な再吸収を妨げる“生活習慣”です。食習慣では、ナトリウム過剰(食塩の摂り過ぎ)、リン過剰(肉、インスタント食品の摂り過ぎ)、アルコールが代表的なものとなっています。どれか1つであれば、さほど心配ないでしょうが、2つ、3つ重なると、要注意となりましょう。
 そして、なによりも恐ろしいのは、過剰なストレスです。ストレスがかかると、どのような仕組みでカルシウムイオンの能動的な再吸収が妨げられるのかは、よく分かっていないようですが、確かなことのようです。(小生の不勉強で知らないだけかもしれませんが)

 あるいは、ストレスがかかると、複雑なカルシウムの出納にバランスの崩れが生じて、細胞外カルシウムイオン濃度の低下を引き起こすのかもしれません。少なくとも腸内環境が悪化して、大腸でのカルシウム吸収が落ちるのが一般的ですからね。
 また、ストレスがかかると、腎臓でのマグネシウムイオンの能動的な再吸収が大きく妨げられますから、マグネシウム不足に陥り、カルシウム吸収を落とすことにもなります。
 加えて、カルシウムとマグネシウムは同族(第2族)の元素で、対になって働きますから、事情が複雑化してきます。
 いずれにしても、ストレスによって、イライラしたり、気分が落ち込んだりした場合に、カルシウムを補給するとストレスが軽減される傾向にあるのは事実で、これは臨床試験でも確かめられていますから、ストレスがかかると何らかの形でカルシウム不足をきたすのは確かなことです。
 現代は、まさにストレス社会。これによって、カルシウム不足をきたすのです。
 ストレスは、自覚できなくても、大きくのしかかっていることがありますから、積極的にカルシウムを補給したいですし、何よりもカルシウムが吸収されやすい食生活を心がけたいものです

 ここまで、カルシウムを主体に述べてまいりましたが、今日においては、脇役となってしまっているマグネシウムの方がより重要なものになってきたと考えられます。
 先に述べましたように、マグネシウムが欠乏していると、カルシウムを補給しても思ったように吸収されませんから、カルシウム不足が懸念される場合は、必ずマグネシウムも一緒に摂るべきです。
 また、カルシウムとマグネシウムはバランスが重要ですから、このことからもカルシウムだけの補給は問題があります。
 そして、現代の食生活からすると、マグネシウム不足の方が深刻ですから、カルシウムを補給したいのであれば、マグネシウムがそれ以上に不足していると考えて、マグネシウムも一緒に摂るのが肝要となります。

 続報 → カルシウム(+マグネシウム)は天然の精神安定剤(Ca:N0.3) 

(カルシウム関連記事一覧)
 カルシウムは、やっかいもの?!(その1)
 カルシウムは、やっかいもの?!(その2) (このページ)
 カルシウム不足の米国人、充足の日本人(Ca:No.1) 
 カルシウム不足はなぜ起きるのか(Ca:N0.2)
 カルシウム(+マグネシウム)は天然の精神安定剤(Ca:No.3)
 こうすれば骨粗鬆症は防げる(Ca:No.4)

 

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カルシウム(+マグネシウム)は天然の精神安定剤(Ca:No.3)

2011年09月29日 | ミネラルが最重要

カルシウム(+マグネシウム)は天然の精神安定剤(Ca:No.3)

 カルシウムとマグネシウムは同属の元素で、共役関係にあって、そのバランスで生命活動がなされていますから、摂取するには3:1(学者によっては2.5:1)の比率が望ましいとされています。そして、カルシウム(適正比率でマグネシウムも)を摂取すると、イライラ感を鎮める効果があることは、過去記事の「 大きな心の財産、それは“許す心” 」の中で、人体実験からも明らかであることを説明しました。
 さて、昨日、とある製薬メーカーのセミナーに出席し、精神科医(滋賀県立精神医療センター病院長)の辻元宏先生の講演を聞いてきました。その中に、精神疾患にカルシウムが大きく関わっており、カルシウムは「天然の精神安定」であるとのお話がありましたので、それをここで紹介しましょう。
 
 ヒトは海から生まれた生物の子孫で、赤ちゃんが育つ子宮の中の羊水は海水の成分と酷似しています。そして、受精後1~2か月はエラ呼吸をし、10か月間を太古の海での生活をしているのです。誕生後も、血液・体液という海の中に細胞は浮かんでいるのであり、細胞は海水の成分なくしては生きていけません。

 その中で、摂取不足となるのがカルシウムで、恒常的な不足は、様々な障害を引き起こします。特に問題となるのは、血液中のカルシウムが大幅に減ったときです。
 そうなったときには、カルシウムの貯金箱の骨を溶かし、大量にカルシウムが血液中に放出され、生命活動が維持されます。しかし、このとき、あまりにも多くカルシウムが溶かし出されますので、これが繰り返されますと、余ったカルシウムは、体内のどこかに沈着するしかなくなります。血管壁、尿路、胆管に沈着すれば、動脈硬化、尿路結石、胆石ですし、内臓の細胞に沈着すれば、内臓の働きを少しずつ悪くしていきます。そして、骨はだんだんスカスカになり、骨粗鬆症になります。

 このように、カルシウム不足がカルシウム過剰を生み出してしまうという現象、これを、カルシウム・パラドックスといいます。
 血液中の濃過ぎるカルシウムが余計者扱いされるのには訳があります。カルシウム濃度は、細胞外1万個に対して細胞内1個の割合でバランスを取っているからです。このように細胞内はカルシウムが極めて低濃度ですから、細胞外のカルシウム濃度が高くなり過ぎると、細胞内に余分なカルシウムが入り込む恐れがでてきます。そうなっては大変なことになりますから、早急に細胞外カルシウム濃度を正常化させねばならないのです。
 摂取した余分なカルシウム(ほんの少し血液を濃くするだけで過剰には吸収されない)であれば、ほんの少しずつ骨に沈着させることができるのですが、骨から溶け出したあまりにも過剰なカルシウムは、残念ながら骨に戻す時間的余裕はなく、早速どこかに沈着させるしかないのです。
 そして、骨以外に一旦沈着したカルシウムは、生涯溶かし取ることは不可能です。

 さて、カルシウム・パラドックスは、脳内でも起きます。血液中のカルシウム濃度が濃過ぎれば、神経細胞に沈着し、神経細胞が死んでしまいますし、また、神経細胞内に入り込むことがあり、神経細胞を狂わせます。認知症は、こうようにして起きることが多いです。
 また、統合失調症や鬱(うつ)の場合は、ストレスが原因して、神経細胞内に入り込んだカルシウムを放出する機能に障害を起こしていることが多く、神経細胞が狂ったままの状態に置かれて、不安感、焦燥感を極度に高めさせてしまい、それが延々と続きます。

 こうしたことから、生活習慣病にしろ精神疾患にしろ、カルシウム・パラドックスを絶対に起こさせてはならないのです。特に、精神疾患においては、神経細胞を狂わせますから、手の施しようがなくなります。

 カルシウム・パラドックスに至らなくても、恒常的にカルシウムが不足していると、ストレスに対する反応が過敏となり、また、その回避能力が低下し、よって、絶えずストレスの影響を強く受けるようになります。これは、動物実験から明らかなことです。
 
ですから、統合失調症や鬱(うつ)のみならず自閉症、神経症などあらゆる精神疾患に対してカルシウムの補給は、精神安定剤として、極めて有効に働くのです。

 なお、カルシウムとマグネシウムは、そのバランスで生命活動がなされますから、カルシウム単剤ではなく、2.5:1の比率のものが望ましいです。そして、カルシウムは吸収効率が悪いですから、カルシウムの吸収を妨げるリン化合物、例えばリン酸、リン酸塩の摂取(食品添加物やインスタント食品に多い)を控えたいものです。
 日本の国土は、火山灰、火成岩で覆われた土壌ですから、水道水や野菜に含まれるカルシウム濃度は低く、食品からだけでは、どうしても摂取不足になります。
 また、牛乳は、カルシウムが多いですが、ミネラルバランスが悪く、かつリン(これも骨の原料)が多いですから、成人には不向きなカルシウム食品です。

 以上、ベテランの精神科医である辻元宏先生の豊富な臨床経験に基づくお話ですから、信用がおけるものです。
 ただし、小生は、日本人がカルシウム摂取不足になることは滅多にないと考えるのですが、何らかの形で体内のカルシウムが不足する場合が往々にしてあると捉えています。
 い
ずれにしても、カルシウムとマグネシウムを一緒に補給することは、生活習慣病や精神疾患の治療の大きな手助けになり、また、その予防になると言えましょう。
 ぜひ皆さんもサプリメントとして毎日摂っていただきたいものです。
 なお、当店では、これ以外にも摂取不足が心配されている、亜鉛やセレンなど各種ミネラルが配合された総合ミネラル剤をお勧めしています。亜鉛やセレンその他のミネラルについては、別の機会に紹介しましょう。

(2018.4.7追記)
 摂取したカルシウムの吸収にあたってはビタミンDの存在が不可欠なのですが、ビタミンDの経口摂取あるいは日光による皮膚でのビタミンD生成が十分であるとの前提で本稿を書いていますが、部屋に閉じこもりがちな冬季はビタミンDが不足気味となる恐れがあることが判明しました。→冬はお日様に当たって健康づくり これを加味すると、精神疾患を抱える方は一般的に部屋に閉じこもりがちですから、ビタミンDが不足し、それによって、よりカルシウム不足となりそうです。

 続報 → こうすれば骨粗鬆症は防げる(Ca:No.4) 

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 こうすれば骨粗鬆症は防げる(Ca:No.4)

 

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こうすれば骨粗鬆症は防げる(Ca:No.4)

2011年09月29日 | ミネラルが最重要

こうすれば骨粗鬆症は防げる(Ca:No.4)

 骨からカルシウムが溶け出して、骨がスカスカになり、骨折しやすくなる骨粗鬆症は、圧倒的に女性が多いです。これは、閉経に伴って女性ホルモンが出なくなり、骨吸収(骨からのカルシウムの溶け出し)が多くなるからです。
 つまり、骨の新陳代謝のバランスが崩れるのです。
 先日の記事(Ca:No.1)で書きましたように、骨は5年で入れ替わります。
 1日にカルシウム量で500mgの骨が壊されて溶け出し、同量が集められて造骨細胞によって新しい骨を造り、カルシウム出納をプラスマイナスゼロにして、健常な骨を維持しているのです。
 しかし、女性の場合
、思春期以降、そのバランスに女性ホルモンが関与していたのが、閉経に伴って女性ホルモンが出なくなれば、バランスが崩れるのは必然で、骨のカルシウム出納は、当然にマイナスになってしまいます。
 そこで、骨粗鬆症の恐れがある人には、骨吸収を抑制する薬や骨形成を促進する薬が処方されます。その代表的なものは、次のとおりです。 
 
<骨吸収を抑制する薬>
 ビスフォスフォネート、女性ホルモン(エストロゲン)、ラロキシフェン(女性ホルモン類似作用)、カルシトニン(注射液)
<骨形成を促進する薬>
 ビタミンD3、ビタミンK2(ともに栄養剤)
 理論的には、これで効くはずなのですが、たいした効果がないのが実態です。
 どうしてでしょうか。
 極論すれば、骨粗鬆症は老化現象であって、若返りの秘薬はないから、となります。
 年を取れば皮膚が縮んでしわくちゃになり、化粧品を塗りたくってもどれほどの効果もないのと同様に、骨がスカスカになるのは防ぎようがない、ということです。
 じゃあ、あきらめるしかないか、となりますが、そうでもありません。

 骨粗鬆症が非常に少ない地域があります。そこの生活習慣を見習えば良いのです。
 その地域とは、小さな漁師町です。そこの女性は、まず骨粗鬆症にかかりません。
 皆さん骨太でがっしりした体格をしておられます。
 これは、若い頃から小魚を丸ごと食べ、カルシウム補給が十分になされているからとも説明されますが、原因は別のところにあります。
 男どもは漁に出かけますから、男手なしで畑仕事など力仕事をせねばなりません。加えて、畑は家並みを登った山の斜面で、坂の上り下りが日課となります。
 つまり、毎日、骨に負荷をかけ、骨を鍛えているのです。
 ですから、骨太になるのです。加えて、閉経後も同様の生活を続けますから、それ以降は骨吸収が進むものの、毎日骨に大きな負荷をかけ続けることによって骨形成が落ちることはないでしょうから、カルシウム出納は、どれだけもマイナスにならないのです。
 こうして、小さな漁師町
の女性は骨粗鬆症にかからないのです。

 使わないものは退化するしかないですが、使うものはちゃんと維持されるのです。
 骨に負荷がかかれば、造骨細胞が刺激されて、新たな骨を再生する速度が増すのです。逆に、骨に負荷がかからない生活、宇宙飛行士や寝たきりの病人の場合は、見る見る骨が痩せてきます。よって、長期滞在の宇宙飛行士は、毎日、骨に負荷をかける運動が必須となっているのです。
 なお、造骨に必須のビタミンD3は、直射日光に当たれば簡単にできます(2018.4.7挿入追記:ビタミンDは直射日光で、そう易々と生成されるものではないことが判明。冬季は欠乏の恐れがあります。→冬はお日様に当たって健康づくり その点を訂正し、お詫びします。)し、ビタミンKは腸内環境が正常なら腸内細菌が作ってくれますので、欠乏することはありません。
 家の中に閉じこもりっ放しの生活ですと、骨に負荷もかからず、骨形成に必要なビタミンDも欠乏しますから、やがて骨粗鬆症になってしまうのは必然のことなのです。

 小さな漁師町の女性が骨粗鬆症にならない理由のもう一つがコラーゲンの補給です。
 骨は、鉄筋コンクリートと構造が良く似ていて、鉄筋に相当するのがコラーゲンで、コンクリートに相当するのがカルシウムです。
 鉄筋コンクリートを造ろうとするとき、コンクリートを流し込むだけでは無理で、鉄筋が必須です。骨も、カルシウムを補給したり、ビタミンDやKを補給しても、これはコンクリート造りのためのもので、鉄筋に相当するコラーゲンを補給しないことには、新たな骨は造りようがありません。
 コラーゲンはタンパク質で、各種アミノ酸を化合させて作るのですが、加齢とともに体内生産力が落ちてきます。このコラーゲンは魚の皮(皮下を含む)に多く、“煮こごり”はコラーゲンそのもので、これを毎日食べれば、コラーゲンは十分に補給され、骨造
りに大いに役立つのです。もっとも、コラーゲンは高分子のタンパク質ですから、胃と小腸内で消化され、ペプチド(アミノ酸が数個程度つながったもの)やアミノ酸の状態で吸収されますが、コラーゲンの原料が揃っているのですから、容易に体内再合成されるのです。
 なお、コラーゲンを補給することによって
骨量が増大することは、臨床的に証明されていますので、良質のコラーゲンを補給することが、骨粗鬆症の改善、予防に必須のものとなります。

 以上、まとめますと、小さな漁師町の女性を見習って、屋外で骨に負荷をかける運動を毎日行い、コラーゲンを補給すれば、骨粗鬆症にはならない、ということになります。
 なお、骨のコンクリートに相当する部分は、カルシウムだけではなく、リンとマグネシウムも多く含まれています。リンは過剰摂取ですが、マグネシウムは不足気味です。
 そのマグネシウムは、腸内環境が良好であれば、大腸でかなり吸収されますから、努めて野菜食を心がけたいものです。
 肉食すると、肉にリンが異常に多いですし、また、腸内環境を悪くしますから、カルシウムもマグネシウムも吸収効率が落ちてしまいます。くれぐれも、ご注意ください。

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各種ミネラルの吸収はどこで? そもそもミネラルってなあに?

2011年09月29日 | ミネラルが最重要

各種ミネラルの吸収はどこで? そもそもミネラルってなあに?

 まず、ミネラルとは何でしょう。
 生命活動を行う上で、必要となる元素のうち、
有機物[炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)と水素(H)の化合物]を構成する元素以外の元素を言います。
 働きが分かっているミネラルは、概ね
次の20種類で、全部で103種類ある元素のうち、数十種類が何らかの形で生命活動に関わっていると考えられています。
  第1族 ナトリウム(Na)、カリウム(K)
  第2族 マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)
  第5族 バナジウム(V)

  第6族 クロム(Cr)、モリブデン(Mo)
  第7族 マンガン(Mn)
  第8族 鉄(Fe)
  第9族 コバルト(Co)
  第10族 ニッケル(Ni)
  第11族 銅(Cu)
  第12族 亜鉛(Zn)
  第14族 珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)

  第15族 リン(P)、砒素(As)
  第16族 イオウ(S)、セレン(Se)
  第17族 塩素(Cl)、ヨウ素(I)
  (第〇族とは、元素の周期表の縦列の順番で、同じ族の元素は性質が似ています。
   特に、第1族と第2族のそれぞれの2元素は、ペアになって働きます。

 なお、猛毒といわれる砒素ですが、生命活動には、ごく微量ですが、必要なものです。
 そして、どれも皆、過剰に摂取すると、生命活動に支障をきたし、毒となります。 

 これらのミネラルは、通常、イオン(プラスの電荷を持つ第1~12族、マイナスの電荷を持つ第17族)の形で吸収されたり、酸化物の形でイオン化(第14~16族:マイナスの電荷)されて吸収されます。
 イオンは酸性環境で水に溶けやすく、有機物としっかり化合しているもの以外は、胃酸によって、その多くが溶け出しますが、胃液が大量に分泌されますので、その流れに逆らって胃で吸収されることは基本的にありません。例外的に、銅の一部が吸収されるだけのようです。
 胃でイオン化されたミネラルは、十二指腸に入って、中性環境に置かれます。
 すると、第1族と第17族、そして第15~16族の酸化物の形でイオン化したものの一部は、イオン状態を保持できるのですが、他のミネラルは電荷を失い、互いにくっ付き合うか、酸化物の形でイオン化したものと化合して、小さな塊(コロイド)になってしまいます。
 そうなると、そのままでは吸収されず、十二指腸や小腸内で、様々な仕組みでイオン化されて吸収されます。カルシウムについては、(Ca:No.1)と(Ca:No.2)の記事の中で詳細に説明したとおりです。
 カルシウム以外のミネラルは、カルシウムとは違った仕組みで吸収されるようで、小生は詳細を知りませんが、例えば、マンガンは十二指腸と空腸で、鉄は小腸上部で、銅は先ほど言いました胃と腸で、マグネシウムは小腸と大腸で、といった具合です。
 そして、ほとんどのミネラルは十二指腸や小腸で吸収されると言われており、例外は、銅の胃とマグネシウムの大腸だけのようです。
 なお、第1族と第17族は、基本的に水と一緒に受動的に吸収されます。
 これが、古典的なミネラル吸収の理論です。

 しかし、カルシウムの吸収で説明しましたように、腸内環境が良くなると、腸内細菌の活発な働きによって各種有機酸が生成され、大腸は酸性環境に変わり、十二指腸や小腸で吸収されなかった、コロイド状態にあるミネラルが水に溶け出します。
 その溶け出し方は、ミネラルによって異なり、また、酸度に大きく影響を受け、マグネシウムが大腸で吸収されるのは、弱い酸度であっても水に溶けやすいからです。
 マグネシウムとカルシウムは第2族に属し、マグネシウムの方が原子量が小さいですから、イオン化傾向が高く、それだけ水に溶けやすいのは確かですからね。
 そして、大腸の酸性度が高まれば、カルシウムも水に溶け、大腸で吸収されることになるのは、雨(二酸化炭素が水に溶けて弱酸性)で石灰岩(炭酸カルシウム)が侵食されることからも明らかなことです。

 こうして、腸内環境が酸性に保たれれば、様々なミネラルがイオン化し、大腸における水分吸収のときに、受動的にミネラルが吸収され、血液に入り込むことになります。
 小腸における吸収効率が悪いと言われるカルシウムや鉄であっても、ちゃんと大腸でかなり吸収されるのです。
 これが、新しく追加されたミネラル吸収の理論です。
 ただし、各種ミネラルが、どの程度の酸度でどの程度吸収されるのかは、まだ明らかになっていないようで、この方面での研究が期待されます。

 さて、ミネラルってなんでしょうか。このことについては、別立てブログで説明していますので、下記をクリックして、ご覧になってください。
 ⇒ 各種ミネラルについて:各種ミネラルの働きを知って生活習慣病予防

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ビタミンは腸で作られる!それは腸内細菌の働きによるものです。腸内環境を良くしましょう。

2011年09月18日 | 正しい栄養学

ビタミンは腸で作られる!それは腸内細菌の働きによるものです。腸内環境を良くしましょう。

 神経のビタミンと言われるビタミンB12。不足すると、末梢神経障害を起こし、鬱(うつ)、物忘れという脳の障害まで引き起こすことが分かっています。
 さて、このビタミンB12について、
一流製薬メーカーのT社の薬局・薬店向け情報誌の中で、「ビタミン大百科」と題する記事に、次のように書かれていました。

 “ビタミンB12は植物には存在せず、動物性の食材からしか摂取できない唯一のビタミン。魚や肉が苦手な人は、薬やサプリメントなどで補給するのが望ましいでしょう。”

 はたして、これは本当でしょうか。たしかに、野菜の中には全く含まれていません。
 ただし、品種改良された「マルチビタミンB12かいわれ」(かいわれ=大根の幼芽)には含まれていますし、そして、海苔(のり)にはビタミンB12がちゃんと含まれています。 
 ビタミンB12は、1日にマイクログラム単位で必要とするだけで、体内には3桁上のミリグラム単位で備蓄されていますから、完全な植食性、ベジタリアンで通しても、B12かいわれや海苔を時々食べれば、ビタミンB12欠乏にはならないのでしょうね。
 ところが、欧米においては、ベジタリアンにビタミンB12欠乏が時々見られるようです。
 日本のようなB12かいわれや海苔がない食生活ですから、有り得ることですが、でも、全員が全員そうはならないから、これまた不思議なことです。
 一方、肉や魚を食べる人でも、胃がない方にビタミンB12欠乏が現れることがあります。

 ここで、ビタミンB12の一般的な吸収のされ方を説明しましょう。
 ビタミンB12は、胃液中のペプシン(タンパク質分解酵素)で分解されやすいです。
 よく噛んで唾液が十分に出ると、唾液中のハプトコリンがビタミンB12とくっ付いて、胃で分解されず、無事に十二指腸へと運んでくれます。ここで、運び屋のハプトコリンが膵液によって分解され、代わりに胃で分泌された内因子というものと結合し、回腸(小腸の末端で大腸に近い所)に入ったところで吸収されます。少々複雑ですが、唾液と胃の分泌物が出ないと、ビタミンB12は吸収されないのです。
 ですから、胃がない人は、内因子が分泌されませんから、ビタミンB12欠乏が心配されます。でも、そうならない方が多いですから、これまた不思議なことです。
 もう一つ言えるのは、よく噛まずに丸飲みする人は、唾液不足で、ビタミンB12が胃で分解されてしまい、ビタミンB12欠乏が心配されます。そして、ビタミンB12製剤を飲んでも、唾液と絡まないから、大半が胃で分解されてしまうのではないか、となります。(ビタミンB12の1日所要量は2.4μgに対し、製剤投与量は通常1500μgと多いのは、そのためと考えられます。)

 こうしたことから、ビタミンB12は、一般的な吸収のされ方以外の、何か特別な方法でも吸収されているのではないか、と考えないと腑に落ちません。
 一つは、ビタミンB12製剤の飲み方にあるのですが、一部の製剤は、舌下に挟んで溶かすことによって、舌の粘膜から直接吸収されます。となると、食品中のビタミンB12も、一部は舌の粘膜から直接吸収されていると考えてもいいのではないでしょうか。

 さて、B12かいわれも海苔も食べないベジタリアンであっても、ビタミン12欠乏にならない人が大多数です。これはどうしたことでしょう。全く摂取しなくても、ビタミン12欠乏にならないということは、体内で合成されねばなりません。
 
しかし、ヒトにはビタミンB12合成酵素はないです。じゃあ、どうやって合成するのか。
 これをやってくれるのは、プロピオン酸生産菌という腸内細菌です。腸内環境が良好であれば、プロピオン酸生産菌の働きも活発になり、ビタミンB12をドンドン作ってくれるのです。ビタミンB12の摂取がゼロでも、腸内細菌がちゃんと吸収しやすい形のビタミンB12を作ってくれるのです。ベジタリアンでビタミンB12欠乏となる方は、穀物に偏って野菜不足で腸内環境が悪化しているか、たまたまプロピオン酸生産菌が少ないからでしょう。

 こうしてみると、腸内環境を良好に保つことが非常に重要であることが分かります。
 このことは、単にビタミンB12だけではありません。腸内細菌は、何と、
ビタミンB1、2、6、そして、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ナイアシンというビタミンB群、さらにビタミンKを合成する能力を持っており、頼もしい限りです。
 腸内細菌で合成できないビタミンは、抗酸化ビタミンのA、C、Eといったところで、数少ないです。蛇足になりますが、腸内細菌が抗酸化ビタミンを作らないのは、彼らは酸素がない環境で生きているから、これらを必要としないからでしょう。

 参考までに、ヒトが体内で作れるビタミンは、紫外線が皮膚に当たったときにできるビタミンDだけです。これは実に簡単に必要量が出来てしまいます。夏であれば、1日1回、指1本を5分間直射日光にさらすだけで良いようです。家の中に閉じこもりっ放しでなければ、不足することは絶対にないです。

 最後に栄養学について、一言申しておきましょう。
 ビタミンB12たっぷりの焼肉をもりもり食べても、よく噛まなければ、胃で分解されてしまい、そして、腸内環境も悪化して、プロピオン酸生産菌が働かず、ビタミンB12欠乏になり、また、腸内細菌は、その他のビタミンも作ってくれません。また、ミネラルの吸収率も悪くなりますから、必要な栄養素の摂取量だけを考える栄養学に従っていると、大変な目に遭うことになりますよ。
 何よりも、肉の多食は悪玉菌が大発生して各種生活習慣病の元になるのですから、極論すれば、腸内環境の改善だけに専念していれば、栄養学を考える必要は一切ないことになるのです。

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これが現代医療の実態: “対症的小細工” “検査漬け” “治せる錯覚を売り込む”

2011年09月15日 | 医者と患者・医療制度の問題点

これが現代医療の実態: “対症的小細工” “検査漬け” “治せる錯覚を売り込む”

医者の治療の多くは “対症的小細工”
…医者の治療は、体に感じる症状を抑える薬を処方したり、体に起きた変化に手術などで対応するといったものです。これは、病気を外側から治療しているということです。
…なぜ、その症状が出てきたのかを追求して、その原因を解消するような治療ではありません。…私はこうした治療を“対症的小細工”と呼んでいます。…しばらくすれば、また同じ病気になってしまいます。病状が改善して病変もなくなり、治療が終わると、医者は、よく「また
元の生活に戻っていいですよ」などと言います。これは、考えようによると、「悪くなったら、またリピーターとして来てください」と、言っているようなものです。…

 このようにおっしゃっておられるのは、長年、癌患者の手術をしてこられ、今は第一線から退かれ、癌の相談室を開設されている医師、土橋重隆先生(その著書「ガンをつくる心治す心」主婦と生活社からの抜粋)です。
 また、土橋先生は、西洋医学は急性疾患は得意とするが、慢性疾患には実力不足として、次のようにおっしゃっておられます。(以下、最後まで、著書の抜粋です。)

…糖尿病、高血圧、高脂血症、胃炎、肝炎、腎炎など…私たち医者は、慢性疾患には「慢性疾患管理」という言葉を使います。慢性疾患は、西洋医学では「治らない」「治せない」と考えているからです。事実、医者が保険で請求する項目には、「慢性疾患管理料」という名で報酬が定められています。
…私が医者になって思ったことの一つに、医者という職業は、ある意味ではめずらしい職業ではないか、ということです。というのも、患者さんの病気が治っても治らなくても、医者は治療した対価が得られるのです。…患者さんも人がいいというか、医者でも治せなかったのだから仕方がないと思っているのでしょうか。いずれにしても、常識的に考えれば、おかしなことです。

医者の仕事は診断は8割、治療が2割
…西洋医学が最も得意とするのは、目に見える現象、すなわち体に発生した変化を科学的に分析することです。これを診断といいます。…この診断力こそが医者の優劣を決める大きな要素となるのです。
…ところが、病院に来る人は、病気だったら治してもらおうと思っています。…人によっては、むしろ医者を診断する者としてよりも、治療する者として見ています。
…しかし、医者からすれば、診断と治療は実はまったく別のことなのです。西洋医学の大半は診断学であって、医者の主眼は診断することです。

患者を検査漬けにする医者の事情
…診断するためには、その前に患者さんの体の状態を調べる検査が必要です。
…患者さんにしてみれば、たいした病気でもないのに、なぜこんなに多くの検査をするのか、高価な機器の費用を回収するためではないか、という疑念をもつのは当然です。機器の費用を回収するために、必要以上の検査をする病院が一部にあることは否定しませんが、…過剰と思われる検査は、…西洋医学が科学そのものであることから必然的に生じるのです。
…病気を外側から見て診断する立場にいる医者は、検査に頼るしかないのです。

治療を医者に“丸投げ”する患者、“治せる錯覚”を売り込む医者
…患者さんには、現在の医療に過剰な期待や過度の依存心を抱いているところがあるのです。この原因は、まず治せない病気があるのに治そうとする、あるいは治せるふりをする医者の側にあります。
…また一方で、これは、患者さん自らがつくっている面もあると思います。患者さんが病気の治療を安易に医者に“丸投げ”しているという現実です。
…ガンの他にも生活習慣病など…医学がどんなに進歩したといっても、依然として治せない病気が多いという現実があるのですから、医者をあまりあてにしてはいけません。
…病気を治すには、まず患者さん自身が主役になって取り組まなければならないのです。医者の仕事は患者さんを診断すること、患者さんが行う治療がより効果を上げるようサポートすることなのです。
…この意識をもって治療に取り組めば、いままで医者にかかってた病気でもかなりのものが治ると思います。(以上、抜粋)

 さて、皆さん、どう感じられましたか。病気を治すのはあなた自身なのです。
 生活習慣病がまさにそうで、がんさえも生活習慣によるところが大で、生活習慣を変えなければ再発も防げないと、土橋重隆先生はおっしゃっておられます。
 そのがんについては、別途、このブログのカテゴリー「癌(がん、ガン)」の中で、土橋先生のご指導の内容を紹介していますので、参考になさってください。
 なお、土橋重隆先生のがんに関する記事の一つが次のものです。
  → これが実態、がん治療の現状と限界

(2015.5.6追記)
 「治療を医者に“丸投げ”する患者」
 この傾向は日本特有なようです。日本とアメリカ両国の掛け持ちで内視鏡外科医を長く勤めておられる新谷弘実氏が、その著「病気にならない生き方」のなかで次のようにおっしゃっておられます。
 アメリカでは1977年の「マクガバン・レポート」を機に政府が掲げた「食生活のガイドライン」がアメリカ社会に少しずつ定着してきました。しかし、アメリカ人のすべてが「良い食事」を心がけているわけではありません。はっきりいって現在のアメリカでは、社会的なレベルが上の人ほど真剣に食生活の改善に取り組んでいます。そのため、経済力のあるいわゆる「上流」のアメリカ人の食生活は、いまはとてもヘルシーなものです。
 アメリカでは太っている人は社長になれないといわれていますが、これは、自分の健康管理すらできない人に会社の経営管理はできないということが、社会での常識になっているからです。
 アメリカの場合は、知識力と経済力が正比例しています。食事が病気の原因になっているという情報を得たとしても、その意味の深刻さをきちんと受け取って、実際の自分の生活に反映させるにはそれなりの知識力が必要です。その結果、いまアメリカでは健康な富裕層と不健康な庶民層に分かれつつあります。そして、この傾向はこれからますます強くなっていくのではないかと思っています。
 日本はアメリカと違い、健康意識の強さと社会的地位が比例していません。たとえ大学教授であっても企業の社長であっても、食事は妻まかせ、健康は医者まかせ、自分が飲んでいる薬の名前さえ知らないという人がとてもたくさんいます。医者の立場からいわせていただくと、医学に関する知識レベル、健康に関する勉強の程度が社会的地位に比べて低い人が多いといわざるをえません。         (以上、抜粋・要約)

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これが実態、がん治療の現状と限界。原因不明のままで治療しようとするから、どうしようもない。

2011年09月14日 | 癌(がん・ガン)

これが実態、がん治療の現状と限界。原因不明のままで治療しようとするから、どうしようもない。

 「これが現代医療の実態」に引き続き、土橋重隆先生の著書「ガンをつくる心 治す心」(主婦と生活社)から、「癌治療の現状と限界」について紹介しましょう。

早期発見・早期治療が広まっても、がん患者は増える
…ガンになる人がますます増えています。…社会の厳しい変化を反映するように、近年、著しく増えているのが、肺ガン、大腸ガン、乳ガンです。
…国立がんセンターでは、…2005年に32万人だったガンによる死亡者数は、2015年には43万人に達すると予想しています。
…ガン治療に携わってきた医者として、その見通しを率直に言えば、残念ながら、ガンが治癒できる病気になる可能性はほとんでない、これからもますますガン患者さんは増え続けていくと断言せざるを得ません。
…いかに早期発見・早期治療が広く行き渡っても、それによってガンになる人が減るということにはなりません。現状ではガンは防げない、たしかな予防法がない…のです。

医者がこだわる5年生存率と治癒の可能性
…患者さんが治療を受けた後、5年以上の期間生存している人の割合を5年生存率といいますが、…この生存率が上昇しているといわれますが、…今は早期治療されていますので生存率が上昇したように見えるにすぎないと思う…。

がん治療に限界があるのは、原因不明のままで行うから
…私が「病気になるのは、必ず原因がある。その原因を除去しなければ、その治療は治療とはいえない」と考えるようになったのは、…患者さんの心という個人的な要素が治療法の適否よりも治療の効果に大きな影響を与えている、という現実からでした。
…西洋医学は患者さんの心という個人的な要素を扱う医学ではありませんし、医者がそこまで立ち入っていたら、1日数十人をこなしていた治療が数人しかできなくなって…しまうからです。もう一つの大きな理由は、患者さんの心まで踏み込んで非科学的なことを話すよりも、科学的な話をする方が患者さんにウケがいいことです。
…私は、ガンには遺伝子を含めた個人的な要素が大きく関係しているのではないかと考えています…。もともと医者はガンを完全に治せるなどとは思っていません。逆に、ガンが治るかどうかは治療に託すよりも、患者さん自身の力に頼っている場合が多いのです。

がんになるのは運が悪いのか
…多くの進行ガンではガンと診断されるまでに、それぞれのガンには明らかに特徴的な肉体的ストレスや心理的ストレスがあったのです。そのストレスは毎日の生活と密接に関係しており、生活習慣病としてのガンの原因になったと考えられます。
…一般的には、早期ガンが進行して進行ガンになっていくのですが、早期ガンとして発見される場合はストレスがあまり目立たないか、すでにストレスが解消されていることが多いことから、早期の状態で長く経過しているときに、たまたま発見されたのではないかとも思われます。
…進行ガンの場合はストレスが強烈なので、早期の状態でとどまっている期間が短く、早く進行してしまうのかもしれません。
…これはあくまでも私の印象で、科学的観察ではありません。
…ガンであることが明らかになったとき、…医者はガンということだけを患者さんに告げます。なぜ、ガンになったのか、原因らしいことなど何も言いません。
…患者さんも、ガンの告知にショックを受け、今後どのように対処すればいいかということに考えが向いてしまいがちです。ですから、ガンになった原因については深く考えることもなく、「運が悪い」とか「ガンになる運命だった」などと思い込んでしまいます。
…しかし、若年者に発症する特殊なものは別として、ガンはたまたま運悪く発生したわけではないのです。ガンになったのは、それなりの原因があったからだと思います。
…このように考えれば、本当の意味でガンにどう対処すればいいのかが分かってくるはずです。毎日のストレスがガンの原因になっていたとすれば、ガンの治し方の基本もはっきり見えてくるのではないでしょうか。

個人差を映したがんに、横並びの手法は効かない
…ガンの原因にストレスがあることが科学的に証明されなくても、ガンとストレスの間に密接な関係があるという事実があれば、…ガンの予防や再発防止のために基本的な生活様式を変更する必要性が明確になり、さらには治療効果の向上にもつながっていくのではないかと私は思っています。 
…ガンを物質と見なすのが西洋医学です。医学のデータは個人の意識や感情といったものを一切排除した、すべての人に共通する横並びのものでなければならないのです。
…いまの医療の世界では、私たち人間は理性も感情も関係ない共通した物質として扱われているのです…。

がんは何かのメッセージを人間に伝えている
…ガンにも発生する原因が必ずあるはずで、たとえその原因が科学的に証明されなくても、ガンにかかった人の心理的ストレス、肉体的ストレスを分析して、ガンとの関係の有無を考えてみることはきわめて重要なことだと思います。
…私は、ストレス、特に心理的ストレスが消失するかどうかということが、治療効果に大きく影響するのではないかと考えました。
…だから、患者さんがガンと診断される前にどんな心理的ストレスがあったのかを知りたくていろいろと質問してきたのですが、その結果、「同じような心理的ストレスをもっていた人には、同じガンが、しかも同じ部位に発生する」という傾向があることが分かりました。とりわけ右乳ガンでは、その傾向が顕著でした。
…この事実一つを取ってみても、心理的ストレスをなくすことがガンの予防や治療後の再発防止に相当な意味をもつことが容易に想像されます。
…しかしながら、一般的には、医者はガンの予防にはほとんど関心がなく、もっぱら早期診断、早期治療をすすめることに熱心です。さらには、再発防止には抗ガン剤投与という化学療法を行うのみで、ガンの原因などまったく考えずに小細工しているのです。
…ガンは、それまでの自分の生活や人生を見つめ直すことを促している病気だと思います。見つめ直すことをしないで、ガンだけを西洋医学的治療で治すことができるのであれば、ガンという病気の存在意義などありません。それでは苦しい思いをするだけです。
…「なんで私が、こんな病気にならなければいけないの」と不条理を訴える患者さん、「どんな治療でも受けますから、直してください」と哀願する患者さん…など、死を目前にした多くのガン患者さんと私は話をしてきました。
…癌だけをなんとか治したいと思い続けていた患者さんは、苦しい思いをしつつの最期であったように記憶しています。また、死を受け入れた患者さんは静かに息を引き取っていきました。とても暗示的なものを感じさせるガン患者さんたちの最期でした。
…私はやはり、「ガンにも存在意義がある。ガンは何かのメッセージを伝えている」と思いました。

 以上、土橋重隆先生の著書「ガンをつくる心 治す心」(主婦と生活社)から、「癌治療の現状と限界」について、飛び飛びに抜粋して紹介させていただきました。
 その中で「右乳ガンは、同じような心理的ストレスをもっていた人に発生する傾向が顕著」とありますが、おしなべて「理性的な頭脳の持ち主で、夫との結婚生活がうまく行っていない人」であるとのことです。左乳がん、肺ガン、胃ガン、大腸ガン(部位別)、膵頭部ガン、胆管ガンについても、同じような心理的ストレスをもっていた人と言えそうとのことです。それぞれについて、著書の中で詳細に述べられています。なお、心理的ストレスは、患者本人は気が付いていないことも多いようで、それぞれのガンにかかりやすい職業や立場から、自分もその恐れありと、考えた方が良いようです。一度著書をお買い求めの上、調べられると良いでしょう。
 さて、次号では、著書の本題となっている『治癒した人から分かった「ガンを治す心」』について紹介することにしましょう。
→ 「 治癒した人から分かった「ガンを治す心」

(2014.11.4追記)
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治癒した人から分かった「ガンを治す心」(ガンも心身症の一つ:無理をしない自然な生き方を)

2011年09月13日 | 癌(がん・ガン)

治癒した人から分かった「ガンを治す心」(ガンも心身症の一つ:無理をしない自然な生き方を)
(最新更新 2018.7.7)

 土橋重隆先生の「ガンをつくる心 治す心」(主婦と生活社 刊)からの3回シリーズ最終回です。土橋先生の豊富な臨床例、そして、なぜガンに罹ったのかの原因追求の中から得られた「ガンを治す」方法の紹介です。今回も、著書の抜粋を中心に紹介します。

ガンが治った人には「奇跡」が起きたのか
…進行ガンの患者さんの中には、医者からは「もう治らない」「余命〇か月」と言われたのに、ガンが治ったという人はたくさんいます。…病院では、医者に「もうだめだ」と思われた患者さんは必ず亡くなります。ガンが治ったという不思議な経過は、病院では皆無といっていいほど起きません。
…だから、医者は進行ガンが治った現場を見たこともありませんし、西洋医学的治療で進行ガンは治せない、治らないと信じているのです。
…もし、医学的に見て、「治らない」と判断した症例が自分の見立てに反して治ってしまったら、医者はその説明に困ります。医学的には「治らない」と判断したのに、「治ってしまった」という症例は学会にも報告されません。それは、科学的ではない出来事だからです。
…しかし、現実には、医者の目に触れないところで、進行ガンが治ったという不思議な現象は起きています。もっとも、ガンが治るまでの経過を知れば、これは不思議なことではありません。私には当然のことのように思えます。
…ガンが治癒したケースは、患者さんに治療以外の何かがプラスされたのではないかと私は推測しています。
…もっとも、「治るような何か」とは、あるものを食べたとか、あるものを飲んだとかいう、他力本願的に外部から体に取り入れたものでないことはいうまでもありません。

心と体には想像以上に密接なつながりがある
…「治るような何か」とは、私は「心」ではないかと思っています。
…ガンを発症させる原因がストレスという心理的要因であれば、ガンを治せるのも心理的要因である、と考えるのが自然です。
…人間は肉体だけでできているなどとは、だれも思っていないのに、病気になると、医者は肉体(病気)だけを治そうとしますし、患者さんのほうも肉体(病気)だけを治したい、治して欲しいと思います。…この考え方、治療の仕方は大いに疑問です。
…たしかに、肉体だけの問題として対応すれば治癒する病気もありますが、肉体だけでなく精神的もしくは心理的な面を含めた人間全体の問題として対応しないと、絶対に治癒させることができない病気もあると私は考えています。その代表的な病気がガンです。
…人間は、肉体と意識(心)と無意識という、少なくとも3つの要素で構成されていて、この3つの要素が、互いに密接に関係していると考えるほうが自然だと思います。健康とは、3つの要素のバランスがうまく取れている状態といえるでしょう。

ガンも心が影響している心身症の一つ
…現代社会はストレス社会といわれるように、多かれ少なかれ、だれでもストレスを抱えて生活
しています。…心の状態を反映している病気を「心身症」といいます。…神経症や精神病と誤解されている面がありますが、これらの病気とは異なります。
…心身症は、体に生じた変化の原因の一つとして心理的要因が考えられるものであり、内科的な病名が付けられています。病態としては、身体的因子が心理的因子より比重が大きく、症状が一定の器官に固定する傾向が強く、器質的変化にまで発展するなどの条件を備えています。つまり、心身症は、ある一定の体(器官)の変化からくる症状があり、心理的な色彩の濃い疾患ということです。
…心身症に含まれる病気を具体的に挙げると、狭心症、不整脈、消化性潰瘍、過敏性胃腸症候群、偏頭痛など…があります。いま、問題視されている生活習慣病といわれる病気も、その根本原因にまで遡ると、ほとんどが心身症の要素をもっているといえます。
…ガンは、いまはまだ心身症として扱われていませんが、…ガンも立派な心身症の一つということができると私は思います。

心身症的要素が多いガンが増えている
…本能的に感じる心(=大脳辺縁系)と知的に考える心(=大脳新皮質)で一つの心をつくるのですが…この二つの心が相反する状態…になると、心にストレスが生じて、その刺激が視床下部(心と体をつなぐ間脳の一部)に伝わります。
…視床下部は…自律神経の中枢であり、またストレスホルモンを分泌する…中枢の一部にもなっていますから、視床下部に伝わってきた刺激によって中枢機能が乱れて、体にさまざまな症状や臓器の異常(病気)が発生することになります。
…これが心と体がつながっているという、大脳生理学的な大まかな図式です。…心と病気の関係を知るうえで重要なことです。…このような考え方は、心身症を扱う心療内科では基本となっています。
…私が経験したガンの症例の多くは、発症に心理的要因が強く関わっていたことからも、ガンの中には心身症といえるガンもあると思います。…とりわけ、右乳ガン、肺ガン、胃ガン、S状結腸の下半分より下部に発生する大腸癌などの発症には、特定の心理的ストレスが関与しているという見方に、私は強い確信をもっています。
…心身症は、通常の医学的治療をしながら、原因となっている心理的ストレスを除去する治療を行います。
…心身症的要素を多く有している右乳ガンについていえば、心理的ストレスは家庭内の人間関係に原因がある場合が多く、…治療にはその問題の解消が欠かせませんが、現状では、医者はガンに対して私が述べているような認識がありませんから、心理的ストレスの解消を医者に頼る余地はありません。ガンになった当人がその問題の解消に積極的に取り組むしかないのです。
…大脳生理学の観点から、ガンも心身症の一つととらえれば、「ガンは原因治療をすれば治る病気、治しやすい病気である」と言えます。

《治癒した人がしたこと》
(1)
ガンの原因をつくった現実から離れる
…進行ガンが治癒する…その一つに…ガンの原因となる“現実から離れる”というパターンがあります。ガンになったのにはそれなりの原因があるはずですから、その原因をつくった現実から離れれば、ガンは治療の方向に向かうということです。
…周囲の人には奇異な行動、無茶な考えに映るかもしれませんし、本人にとっても現実的ではないと思うかもしれませんが、私の知っているかぎり治癒した例は例外なく、常識外れとか、理解不可能と思われる行動をした人に多いのです。
…現実から離れたことで、「本能的に感じる心」と「知的に考える心」の葛藤が解消されたという状況があったのだと私は思っています。
…ガンになった人は総じて、自分の歩んできた道を振り返って考えたことがない傾向があるのです。当たらずとも遠からず、とにもかくにもガン発症の原因を考えてみることで、これから先の人生に向けての貴重なヒントに気がつく可能性があるのです。このことは、再発防止のためにもとても重要なことです。

(2)ガンになった現実を忘れる
(その1 要約) 進行ガンで余命3か月と告知された42歳の女性(夫と死別、娘1人)
 どうせ助からないなら、せめて残された1日1日を楽しく生きようと考え、まずは、遺される娘のことを思って、散らかっていた家の中の生理整頓からはじめ、掃除は隅々まで毎日毎日徹底的に行ったそうです。これ以外には特別なことは何もせず、ガンの治療も全く受けなかったのですが、病状が改善し、8年経った後も何の異常も認められません。
(その2 要約) 骨転移し、下肢の痛みで歩行困難な70歳の女性
 入院した初期は、何とかして歩けるようになりたいと思うも、焦れば焦るほど痛みを感じていたのですが、そのうち、同部屋の5人とも乳ガンの若い方で、かわいそうに思って早く良くなってほしいと、自分のことは二の次にしていろいろ世話をしていたら、気が付いたときには足の痛みが消失していたというものです。この部屋では笑い声がよく聞かれるようになり、3か月後には、急に下肢の痛みが消え、歩いて退院されました。なお、この患者さんには、特別な治療は施されませんでした。でも、改善したのです。
…ここで、参考にすべきは、何かのきっかけで、自分がガンであるという意識が頭から抜けている状態になったり、ガンに対する恐怖心や不安が自然に消えることがあれば、治癒につながるということです。

(3)自分流の行き方ルールで生きる
…ガンの治癒を図る上で、しっかりした人生観をもっていることは最も大切なことの一つです。ガン患者さんを診ている中で、私はそのことをずいぶん教えられました。
…この患者さん(大腸ガンの進行ガン)
は、職場のだれもが認めるほどに猛烈に働いたそうです。そして、ガンと診断されてからというもの…「これからの人生をどのように生きていったらいいのか、自分で考えた」と言います。(手術・抗癌剤投与)退院後、彼はそれまでの仕事量を極端に減らし、仕事の内容も大幅に変えてしまい、決して無理をしなくなりました。…自らの考えで、ガンの原因となっていた肉体的ストレスや心理的ストレスを見事に除去したのです。
…8年経った現在、再発の可能性はまったくありません。
…周囲に何と言われようと、自分の人生なのです。
…必要以上に常識にとらわれることなく、主体性を大事にして生きることが、ガンの予防にも治癒にも大切なことではないでしょうか。

治癒の妨げとなる、ガンに対する恐怖心をなくすには
…不思議としかいいようがない経過で治癒した進行ガンの症例を検討すると、そこには一つの前提条件が見えてきます。いずれの症例でも患者さんは、ガンに対する恐怖心をもっていなかったということです。そして、治癒した経過は、すべて自然な成り行きの中で起こったことでした。決して治そうと意図してそうなったのではありませんでした。
…もし、ガンになったら、どうしたらよいでしょう。
…誤解を恐れずに言えば、「まずはあきらめよう」、「治そう、助かろうと考え、もがくのはやめよう」ということです。…とにかく一度心の中を無にしてみる、オールクリアすることがとても大切だと思うからです。
…ガンに負けない、頑張ろうと思う気持ちも裏を返せば、ガンに対する恐怖心なのです。
…治癒の第一歩は、まずはあきらめて恐怖心を取り去ることによって踏み出すことができると私は思っています。

ガンの予防・治癒に大切なことは“非”常識に生きること
…私が診てきたガン患者さんの多くは、とても常識的に生きてきた方でした。常識的に生きるとは、社会の決まりに従って生きることです。それは、無意識のうちにも自分という主体性を押さえつけて、常識という枠に閉じ込めるという不自然さを身につけた生き方でもあります。この不自然な生き方こそ、心理的ストレスを生じさせ、ガンが芽生える心をつくるのです。
…せっかく生き方の変更の大切さに気づいたのに、そこで思考停止に陥って、よそから安易にノウハウを取り入れたのでは、主体性を欠いた生き方になってしまいます。どうすればいいのか、具体的なことは自分自身の頭で考えることです。
…まずは自分が本当は何を願っているのか、深い心に問いかけてみることでしょう。そして、その深い心に照らし、無理をしない自然な生き方をすることです。
…ガンと言う病気は、この当たり前のことを忘れている私たち現代人に、そのことの大切さを伝えているのではないでしょうか。

 以上で、土橋重隆先生の「ガンをつくる心 治す心」(主婦と生活社 刊)の紹介を終わりますが、いかがでしたでしょうか。具体例やどう生きるかのヒントが盛りだくさん掲載されています。是非ご一読なさってください。
 関連記事:「 これが実態、がん治療の現状と限界

 最後に、小生の親父の進行ガンが治った経緯を紹介して本稿を閉じることとします。3回シリーズに最後までお付き合いいただきまして深く感謝申し上げます。
奇跡が起こって治った親父のガン
 
小生が44歳、親父が69歳のとき、親父は肺が弱かったにもかかわらず仕事の頑張りすぎで毎日がアップアップの状態でした。小生は、これを見かねて、1年後、45歳でサラリーマンを辞め、「親父、楽にしろ」と言い、親父の跡を継ぎました。そして、半年後、親父は薬で誤魔化していた胃の痛みが酷くなり、医者に見てもらったら胃ガンでした。早速手術。
 術後に外科医の先生から、リンパも突破している進行ガンで余命半年との宣告。
 その場で、先生と対応策を相談し、「手術は成功。手術が2時間も余計にかかったのは、念には念を入れて、飛び散っているかもしれないガンを綺麗に拭き取ったから。これで、再発の危険はない。」と申し合わせ、目が覚めた親父に喜びの報告をしました。
 先生は、あまりにもガンが大きいので胃を全部摘出することも考えられたのですが、助かりそうにないから、通常食が食べられるようにと、胃を4分の1残してくださいました。
 これが幸いしました。親父はガンのことを忘れて、いかにして小さな胃で通常食を食べるかに専念できたのです。歯が丈夫だったことも幸運でした。少しずつ通常食に近づけながら、「味噌汁も噛んで飲まなあかんぞ」と、ニッコリしながら言います。
 なお、術後しばらくして抗癌剤投与が始まりましたが、気持ち悪いなど少々副作用が出たものですから、親父は担当医師に、その薬の投与中止を訴え、抗癌剤なしで自宅療養に専念しました。

 そして、小生も半年もすれば仕事に慣れてきていて、親父の助けも不用となり、親父は好きな盆栽作りをマイペースで楽しむ毎日です。
 半年経ち、1年経っても、病状が悪化するどころか、体重も増え、ドンドン元気になっていきます。たしか、1年半ほど経ったときだったと思いますが、主治医が
「奇跡だ。ガンがどこにも起きん。」と親父に言い、小生に「何のこっちゃ」と報告。家族で、ずっと黙っておこうと申し合わせていたのですが、おふくろが口を滑らし、実は余命半年の宣告であったと親父に告げちゃいました。親父がけげんな顔をしましたが、あれこれと、でまかせで説明し、完全に治癒したことを納得させることが出来ました。
 《治癒した人がしたこと》の(1)と(2)によって、親父に奇跡が起きたのだと、この書を読んで、つくづく思わせられたところです。
 その後も、ガンは再発することはなかったのですが、親父は肺が弱かったですから、小生が跡を取った6年後に肺気腫が悪化し、検査入院中に痰が喉につまって、ピンピンコロリと他界してしまいましたが、小生思うに、親父は悔いがない人生であったことでしょう。

(2014.11.4追記)
 別立てでホームページを開設しました。がん対策についてまとめたページは次のとおりです。あわせてお読みになってください。
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2013.05.12 がん患者の相互扶助でがんを自然治癒させてしまうNPO法人「いずみの会」「いのちの田圃の会」に驚愕!

2013.01.26 がんは、日本文化「今を感謝して受け入れ、今に集中する」を素直に受け入れれば治るんです。
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鬱(うつ)のご相談者へのご返事:鬱病からの脱却のためのカウンセリングの例

2011年09月09日 | 心の病から脱却

鬱(うつ)のご相談者へのご返事:鬱病からの脱却のためのカウンセリングの例

 このブログの過去記事(2010.10.27)「 かわいそうな日本のお医者さん 」に、宮城県在住の方からコメントが寄せられました。その要旨は次のとおりです。

 昨年の離婚から就職難と地震。鬱(うつ)の薬を飲み続け、悲しみとストレスをごまかしていたような気がします。ここ4か月間に、ふっと倒れることが多くなり、いろいろな病院に行き、精神的にも疲れ果ててしまいました。
 今までお世話になった先生を変えるのは裏切りになるのではないかと神経を使ったり、(でも)正直、今の私には病院は美容院と一緒のような気がします。
 どうしたら、お医者さんと信頼関係を結べるのでしょうか。
 現在、病院全体を疑っている私には、かなり困難で、どのように考えたら良いものか、そっちの方で精神的にまいっています。

 なお、冒頭の過去記事には、以前に、医療訴訟になりかけた方から、ご自身の教訓をもとに、医者との関わり方については、「医師を上手に操作すること、下手に苦情をぶつけては逆効果です。」というアドバイスをいただいています。
 小生が思うに、お医者様との付き合い方は、そりが合わない隣近所や知人との付き合い方と同じでして、それを上手にやれば、一定の信頼関係が出来上がるといったところでしょう。悲しいかな、日本のお医者様は、たいていがそうした方です。
 これは、お医者様個人に責任があるのではなく、現在の日本の医療制度が最悪の状態にあるからでして、欧米並みにならないことには、お医者様がお医者様として力を発揮できないからです。少なくとも生活習慣病と精神疾患については、そう言えます。

 鬱(うつ)について、説明しましょう。
 お医者様は、初診の鬱病患者に対して、まずカウンセリングを行い、原因を探し出し、その対処法をアドバイスします。そして、必要に応じて投薬します。これには最低1時間は要しましょう。何人も経験がないですが、当店薬屋ではそうなります。
 最初に渡した薬に副作用がないかを確認するために、3日後には再来診が必要でしょう。そこで、また、カウンセリングし、アドバイスした対処法が実行できているかどうかを、まず確認し、そして投薬を中止するか、薬を変えるか、お医者様が判断します。
 その後は、1週間に一度程度、カウンセリングをメインに通院していただく。
 なお、当店の場合は、全く副作用のない健康食品や漢方薬をお買い上げいただきますから、再来店は2週間後か1か月後としています。その間に、お手紙でアドバイスの確認や追加をさせていただいています。
 鬱病はこのようにして治療されるべきものでしょう。

 さて、医者も薬屋も商売です。
 先に、当店薬屋。鬱のお客様には、大変神経を使います。些細なことを深刻に受け止められたりしますからね。1時間の応対でグッタリしますが、これは、カウンセリングの終わりがけに、高額の漢方薬をどうやってお勧めしたら良いかを思い巡らせながら応対しなければならないからです。少なくとも1か月分で2、3万円にはなりますからね。1か月分1万円以下では、とても欝は治せません。“そんな高いものはいらないわ”と言われてしまえば、“誠に申し訳ありません。お役に立てなくて。”と返答するしかなく、悲しいかな、一銭にもなりません。そうしたことから、鬱のお客様は、あまり嬉しくないお客様で、同業者の中には初めから相手にしない方も多いです。
 次に、お医者様。神経を使うのは当店と一緒でしょうが、慣れておられるでしょうから、小生のように1時間でグッタリとはならないでしょう。また、豊富な経験から的確なアドバイスも出来ましょう。定期的なカウンセリングで、「気の持ちよう」が良くなり、投薬は初期に止め、続けるにしても、副作用のない弱い薬を気が落ち込んだときに飲むだけ、といった処方となりましょう。テレビでお馴染みの「探偵モンク」さんが、精神科医のカウンセリングを受けている場面のようなことになります。
 でも、日本の医療では、カウンセリングの保険点数は低く抑えられていますから、薬の処方で保険点数を稼がねば、精神科医もやっていけません。
 ですから、カウンセリングはそこそこにして、やたらと何種類もの薬を処方せざるを得なくなりますから、どうしても副作用が心配になってきます。加えて、鬱に良い生薬、例えば麝香(ジャコウ)や刺五加(シゴカ)は保険適用外ですから、漢方に詳しい精神科医であっても、悔しいかな、これは処方できないです。
 そこで、良心的なお医者様は、もう少し懇切丁寧にカウンセリングをしなきゃと思いつつ、苦汁を舐め舐め、薬の処方箋を書いておられることでしょう。
 名医となると、こうした良心的なお医者様の上を行き、カウンセリングだけで投薬なしとなりましょう。以前、うちの近くに内科の名医がいらっしゃいました。たいていは初診料(カウンセリング)だけで薬の処方なし。これでは看護婦を雇う銭もないですから、ボランティアの看護婦さんが無給で応対してみえました。
 こうした名医が食っていけるような医療制度、欧米では、モンクさんの精神科医のように、そうなっていますが、こうした医療制度にならないと、お医者さんとの真の信頼関係は出来ないです。残念ながら日本に住んでいる限り、これはあきらめるしかないでしょうね。

 八方ふさがりかというと、そうでもないです。
 最近は、年の功で、凄い老人が大勢いらっしゃいます。
 “今回処方された薬を飲むと気持ち悪くなる、これは
副作用だ。あんたも飲んでるだろ。あんたと同じ症状だから。あれは飲んじゃいかん。お医者様には「ちゃんと飲んでます。お陰様で健康で。」と言っておきゃええ。薬をもらったら捨てなされ。”
 こんな会話が病院の待合室でなされています。
 さらには、あまり種類が多いと、1日3回を1回にして3分の2を捨てるとか、どれかを1か月飲むのを止めて様子見したりとか、いろいろ知恵を働かせてみえます。
 お医者様に頼りっきりになって、正直にきちんと処方どおりに薬を飲んでおられる方は、どんどん体調を崩されるのを見て知っているからです。
 こうした長老の知恵を見習うしかないでしょうね。
 もっとも、これでは、医師に副作用情報が伝わらなくなり、後から処方される方に迷惑になりますから、副作用は医師に伝えたいですけどね。
 ネットに親しんでいる方であれば、調剤薬局からいただいた説明書き以上に詳しい効能や効く仕組み、そして副作用が調べられます。当店は薬局ではないですから処方箋は取り扱っていないですが、たまに、お客様から相談を受け、そんなときは、ネットで「おくすり110番」を開いて、「病気別の薬ホルダー」か「ハイパー薬事典」で調べ、“これは毎日飲むのではなく症状が出たときだけ、これは私だったら飲むのは止めるけどねえ”、などと、お話しさせていただいています。これが当店の強みでもあります。処方箋を扱っていて、この薬は駄目だなどと患者に言おうものなら、大変なことになりますからね。医薬分業は名ばかりで、薬剤師は医師に従うしかないのですから。
 
 さて、鬱病の薬は、残念ながら副作用が多いです。はっきり言えば、薬の副作用を利用して、精神の高ぶりを抑えたり、逆に高揚させたりして、治療をしているのです。
 「ここ4か月間に、ふっと倒れることが多くなり」と、ありますが、これも薬の副作用の可能性があります。(そうでないとしても、鬱症状が長く続いたことが原因であって、鬱が治らなければ何とも治療法がないでしょう。)
 ですから、治療薬は短期の一時的な利用にとどめ、だらだらと飲み続けるものではないです。大きな不安に襲われたときはこれ、気力が喪失してどうしようもないときはあれ、という飲み方をしたいものです。ただし、勝手に飲むのを中断すると大変なことになる薬もありますから、ネットで調べてみてください。
 そして、「薬なしで鬱病から脱却してみたいから」と、医師に相談を持ちかけてみてください。この場合、お医者様に嫌われることになりますが、“先生だけが頼りですから”と持ち上げたり、栄養剤だけはくださいとか、睡眠導入剤もください(でも、大半は捨てる)とかで、保険点数を稼がせてやって、ニコニコしながらご機嫌を伺ってみることです。そうです、ずる賢く、嘘をついてニコニコするのです。これで、欝は半分治ります。
 また、このヤブ医者にかかったのも何かの縁。腐れ縁かもしれないが、一生付き合ってやるしかないか。少しはいい所があるかもしれないし、気分転換に旅行に行った帰りには土産でも買って持っていってやるか。そりが合わない隣近所との付き合い方の1例です。これで、欝は8割方治ります。
 
 いずれにしても、鬱病の治療は、当店の漢方薬でもそうですが、薬が2分、「気の持ちよう」が8分でして、「気の持ちよう」に全てがかかってきます。
 別の過去記事(「 鬱病は現代経済病… 」)
に書きましたが、鬱病は、真面目で立派な正義感が強い方がかかるのであって、不真面目で横着なずる賢い方はかかりません。善人がかかって悪人がかからないという、神に見放された存在。世の中の不条理さを味わされます。
 よって、多少は不真面目に、どれだけかは横着に、そしてずる賢しさは先に紹介しました長老の知恵を借りるとか、精神科医への対応法の例とか、こうしたことがまず必要になります。
 これを出発点にして、後は「心に安らぎを」ということになりますが、このブログのサイドバーのカテゴリー「心に安らぎを」(後日追記:このカテゴリーを2分割し、「心にやすらぎ・トイレ掃除」を立てました。トイレ掃除が鬱病に効果大です。)をご覧になってみてください。また、同じく「笑い学実践講座」もご覧ください。「笑い」が最良の薬になりますからね。
 当店の鬱病のお客様にも、こうしたことをお話させていただいています。
 また、本を読みつけている方には、次の本を実費で購入していただいています。これは喜ばれます。“肩の力が抜けた、楽しくなった”と。
 小林正観著 「ただしい人からたのしい人へ」そして 「宇宙が味方の見方道」

 これはアマゾン.comでは扱っていません。弘園社(ネット検索で直ぐ出ます)へ直接注文なさってください。なお、小林正観さんの本は何十冊も出版されていますので、本屋さんで立ち読みして気に入ったものをお買い求めになってもよいです。
 また、小林正観さんは、精力的に講演活動も行って見えます。これについては、冒頭の記事のコメントへの再返信で、講演日程をご連絡させていただきました。小生も機会があれば一度お話を聞いてみたいと思っています。昨年、当地岐阜でありましたが、残念ながら、都合が付かず、参加できませんでした。
 なお、このブログの「心に安らぎを」の記事も、小林正観さんの著を元にしたものが多いです。さらに裏話をご披露すれば、「心に安らぎを」と「笑い」の記事を昨年12月に集中して書いたのですが、その頃に、小生は大きな悩み事を抱え込み、下手をすると鬱になるかもと心配になったがために、「心の安らぎと笑い」を求めたくて、そうしたのです。これで、気分が落ち込むことはなく、随分と楽になりました。
 ここで、やたらと小林正観さんを持ち上げましたが、氏は、ご自身が鬱にかかり、薬に頼ることなく「気の持ちよう」で見事に立ち直られ、その経験を基にして鬱や心の悩みからの脱却法をアドバイスなさっておられますので、信用がおけるからです。
(後日追記:残念ながら小林正観さんは他界されました。)

 長々と駄文を綴って参りましたが、ガメラ様そして欝でお悩みの方に、この記事がどれだけかでもお力になれたとすれば、この上ない幸いです。    

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肉は薬であり、麻薬なのです。ヒト本来の食性から大きくかけ離れたもので、これを承知の上で食べましょう。

2011年09月08日 | 食養

肉は薬であり、麻薬なのです。ヒト本来の食性から大きくかけ離れたもので、これを承知の上で食べましょう。

 前回の記事「 ヒトの本来の食性は、主食が芋、副食が野草、果物、豆類なのです 」で、動物食をしてはイカンゾウと申しましたら、友人からメールで「お前だって、霜降り牛肉を喜んで食べてるじゃないか、去年のブログに載ってるよ。」と、お叱りを受けました。
 “他人に食うなと言っておきながら、自分だけ楽しんで食うとは何事ぞ!”というものですが、このブログで、“屁理屈”でもって反論させていただきます。
 なぜならば、肉は“食べ物”ではなくて、先ずは”薬”だからです。
 中医学(漢方)で、そのようになっています。犬肉は肝(肝臓)、羊肉は心(心臓)、牛肉は脾(胃)、鶏肉は肺、猪肉は腎(腎臓)を養う滋養強壮薬なのです。
 江戸時代においては、“犬を殺して食う”などということは、仏教の精神からして、また、綱吉公の御触れからしても、ご法度になっていたのですが、“犬肉は肝臓の薬だから、犬の命をいただいて薬として口に入れるだけ”と、“食い物”ではなく“薬”として、かなり食べられていたようです。
 “薬”であれば、お触れに抵触しないという、実に見事な“屁理屈”です。
 
 ところで、肉が
滋養強壮薬になるなんて、初耳という方が多いことでしょうから、それを説明しましょう。まず、時代背景ですが、中医学(漢方)が完成した頃の古代中国では、あまり動物食はしていなかったようです。これを前提にして考えましょう。
 肉が消化吸収されますと、全部の必須アミノ酸を含めて各種のアミノ酸が大量にでき、血液に入って全身に行き渡ります。
 アミノ酸は、新陳代謝(老化した古い細胞を壊して若々しい新しい細胞に作り直す)に不可欠ですし、ホルモンの原料になるなど、体の若返りに大きく働きます。
 
病気の人や病弱の人は、アミノ酸のリサイクル回路が正常に働いていない恐れがあり、一部のアミノ酸が不足し、新陳代謝などが滞っている可能性があります。よって、各種のアミノ酸がたっぷり補給されると大いに助かり、少しずつ若返ってくるでしょう。
 次に、タンパク質がアミノ酸に分解されたり、アミノ酸の作り替えが行われたりするときに、かなりの熱が発生します。
 病気の人や病弱の人は、たいてい低体温になっていますから、肉を食べれば体温が上がります。体温が上がれば、代謝(様々な物質を化学反応させ生命を維持する)のスピードがアップします。即効的にイキイキ元気感が味わえるのです。
 なお、中医学では、大半の肉が体を温める食品とされています。
 こうして、肉は、遅効性、即効性の両面から効いてきますから、高い滋養強壮効果を発揮するのです。現にアミノ酸製剤は滋養強壮の医薬品として市販されています。
 なお、動物の種によって、効く臓器が違ってくるのですが、なぜにそうなっているのかは小生の不勉強でよく分かりません。ただ言えることは、中医学では、春=肝=犬、夏=心=羊、土用=脾=牛、秋=肺=鶏、冬=腎=猪と、それぞれの季節と密接な関係があるとされていますから、
その季節季節に一番“美味しくなる”、いや薬効が高くなる肉を当てはめたのではなかろうかと推察されます。例えば、冬は当然にして猪ですからね。“猪なべ”が美味い、いや薬になるのです。

 次に、“肉は麻薬である”について説明しましょう。
 これは、どなたも初耳でしょう。これを言うのは、小生をおいて他には誰もいないでしょうから、そうなります。
 麻薬はアヘンからはじまり、コカイン、大麻など法律で禁じられたものから、酒、タバコといった年齢制限のあるものまで、様々です。
 なお、アルコールやニコチンは麻薬ではないとおっしゃるかもしれませんが、それは法律において、そう言っているだけで、医学的にはれっきとした麻薬です。
 定義の仕方にもよりますが、「習慣性があって、正常な精神を狂わせるもの」とすれば、これらは全て麻薬に該当します。
 この定義に乗っかれば、実は、肉も麻薬に当てはまるのです。
 先ずは習慣性です。肉を食べ付ければ、はまります。やみつきになるのです。
 もっとも、嗜好品は人によって好みが違うように、酒やタバコも種類が多くって、好みに合わなければ習慣化しませんが、美味いと感ずれば、やがて習慣化するように、幾種類もある肉の中で、これは美味いと感ずるものであれば、また食べたくなります。
 毎日のように美味いと感じていた肉を、ある日突然取り上げられると、禁断症状が出てきます。前回の記事の中で取り上げましたタンパク質欠乏症がそうさせます。
 加えて、毎日のように多食すると、必ず体を壊します。各種生活習慣病のもとになりますからね。ヒトの健康面から考えるに、アルコール中毒や麻薬中毒と何ら変わりません。
 次に、精神を狂わせます。
 肉食すると戦闘的になります。これは何人かの学者が指摘しておられるのですが、その原因は、肉は体をグーンと温め、生成物のアミノ酸は血となり肉となりますから、気分を高揚させ、イキイキとさせ、気力を湧き出させるからです。
 この効果は、間接的とは言え、精神を高揚させる強壮剤と何ら変わりません。
 参考までに、直接的に精神を高揚させる強壮剤で、有名なのは「ヒロポン」です。太平洋戦争前後の時期に薬として市販されていたもので、“疲労がポンと取れる、突撃錠”として有名でしたが、習慣性があることが分かり、覚醒剤つまり麻薬として規制されました。

 このように考えていくと、やはり“肉は麻薬である”と言わざるを得ないのです。
 小生は、もう一つの“麻薬”、ニコンチン中毒者です。1日にタバコを40本は吸うでしょうか。それも、ニコチンがけっこう濃いものを。
 そして、ここで取り上げました“麻薬”である肉、それも四足の肉の中毒者でもあります。還暦を過ぎ、タンパク質と脂肪の分解酵素の出が悪くなったため、多量には受け付けませんが、毎日欲しがっています。
 これに、毎日、晩酌という“麻薬”を求めます。元々アルコール分解酵素の出が悪いですから、少量に止めますが、1日たりとも欠かせません。

 さて、小生の食養生はと言いますと、女房があれこれ気を使ってくれ、うちの畑で採れた野菜中心の食事で白米食は避けていますし、油脂は控え目です。食後の果物も毎日必ず準備されています。そして、秋から春には「ヤーコン芋」が毎日食卓に上ります。
 概ね理想形に近い食生活です。
 これらに、小生が要求する“麻薬”である四足の肉と晩酌が加わるのですが、これは“食にあらず。薬であり、麻薬である。”として、“食べ物”とは切り離して考える“屁理屈”でもって、“小生は、正しい食生活をしている!”と、つい主張したくなるのです。
 このような主張は“屁理屈”にもならんと自分でも思うのですが、“肉は麻薬であり、毒である”と知って食べるのと、それを知らずに食べるのとは、大違いですから、それでよしとしよう、と思っているところです。
 このストレス社会にあって、何らかの形で毎日ストレスを抜かなければ、押し潰されてしまいますから、小生は、その対処法として、“酒、タバコ、肉”という”三種の神器”ならぬ“三種の麻薬”でもって、その麻薬の怖さを重々承知しながら、その助けを借りて、何事にも前向きに取り組んでいこうと考えているところです。
 かような考え方があっても良いと思うのですが、いかがなものでしょうか。
 

(関連記事) “行く人を 皿でまねくや 薬食い”(小林一茶)… 

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ヒトの本来の食性は、主食が芋、副食に野草・果物・豆類なのです。肉を全然受け付けない体質なのです。

2011年09月07日 | 食養

ヒトの本来の食性は、主食が芋、副食に野草・果物・豆類なのです。肉を全然受け付けない体質なのです。

 現代のヒトは、エスキモーのように完全な動物食の民族から、ベジタリアンのように完全な植物食で通す人々まで、様々です。
 
動物食も、単に肉だけではなく、血、内臓さらには一部の骨が加わりますし、エスキモーともなると、腸管内の半消化の海藻も食べますから、そう単純ではありません。加えて、動物食には、乳、卵がその範疇に入りますし、さらには、魚介類、昆虫など幅広いです。
 植物食も、野菜の葉っぱ、茎、根、実という食物繊維中心のものから、デンプン質中心の芋類、そして脂肪やタンパク質をけっこう多く含む穀類や豆類まであります。それ以外にも、海藻、木の若葉や芽、シダ類の若芽、ときには花も加わります。そして果物です。
 こうしたことから、ヒトは雑食動物とされているのですが、本当にそうでしょうか。
 消化器官、消化酵素が、それにうまく対応しているでしょうか。甚だ疑問です。

 これは、民族によって違いがあるとも言われます。たしかに、ドイツ人の胃袋の厚さは日本人の3倍の厚みがあると言われ、肉を消化する力が強いですし、逆に腸の長さは日本人の方が2メートルほど長く、デンプンの消化と食物繊維の処理に都合が良いです。
 こうした民族による食性の違いが生じ始めたのは、高々数万年前と思われ、はっきりとした違いは約2万年前からと思われます。この程度の年数の経過では、新たに身に付けた食に対する消化機能が十分に適応するのには無理がありましょうし、エネルギー変換された後に生ずる老廃物の処理ともなると、これは容易なことではありません。

 先に老廃物の処理を考えて見ましょう。炭水化物や脂肪は、エネルギー変換(酸化)されれば、水と二酸化炭素というクリーンなものになり、人体にとって無害です。
 ところが、タンパク質はアミノ酸(窒素化合物)で構成されていますから、これがエネルギー変換されると、窒素の遊離体が発生し、これは猛毒です。これは直ちにアンモニアに姿を変えますが、これも毒性が強いですから、大半は尿素に変換され、無毒化されるのですが、一部尿酸が出来てしまいます。水にあまり溶けない尿酸が血液中に増えてくると、結晶化して痛風を発症するなど厄介なことになるのは、直ぐ前に記事にしました。
 やはり尿酸は毒なのです。肉食動物は、そのために尿酸酸化酵素を持っているのですが、ヒトも類人猿も長らく完全な植食性を通したがために、その酵素を失っており、それを復活させることは永久に不可能ですし、代替酵素を獲得するには100万年でも無理で、通常1000万年かかることでしょう。
 そのとき、ヒトはヒトでおられるか?と考えると、やはりヒトには永久にタンパク質は毒だから、一切の動物食をしてはならぬ、そればかりかタンパク質の多い豆類や穀類もほどほどにしなければ駄目だ、ということになってしまいます。これは極論ですが、ヒトの理想的な食は何かを考えると、そう言わざるを得ないのです。

 ここで、人類進化の歴史を振り返ってみましょう。1000万年前は、ゴリラもチンパンジーもヒトも誕生しておらず、その共通の祖先がいただけです。その時の食性は、果物を主食とし、足らず前は柔らかい木の葉っぱで補い、花も時折食べていたことでしょう。東南アジアに現生するテナガザルのような食性であったと考えられています。
 500万年前になると少し変化したと思われます。ここからは人類水生進化説(小生の別立てブログ:永築當果のブログ)
によりますが、ヒトの祖先は水辺での生活が中心となり、現生ゴリラが好む水生植物を主食としたことでしょう。なお、果物が手に入れば果物を食べたでしょうが、果物はどれだけも手に入らない状態に置かれたものと思われます。
 この時代の食性は、野草が主食で、果物が副食です。
 これが200~300万年間続いた後、ヒトの祖先の生活域で乾燥化が始まり、順次、陸での生活もせざるを得なくなります。そこで、先ずは、サバンナで暮らす現生チンパンジーは豆を食べますので、彼らと同様に豆類を食べ始めたでしょうが、ついに、地中にある芋を発見し、これを主食にするようになります。
 これは、チンパンジーやゴリラにない食性です。当時は、まだ火の使用を習得していませんでしたから、生食で、イノシシと同じです。この食性を覚えた初期は、デンプン消化酵素があまり出ず、少しでも食べ過ぎると腹を壊したでしょうが、元々持っている酵素ですから、100万年もすると、現在と同程度に、イノシシ並みのデンプン消化酵素が小腸内にたっぷり出るようになったことでしょう。加えて、ヒトは、唾液からもデンプン消化酵素が出せるようになりました。この能力を手に入れるのにも100万年程度はかかったことでしょう。
 200万年前には、ヒトの第1弾が“出アフリカ”します。芋を探しての旅立ちです。
 この当時の食性は、芋が主食で、副食に野草と果物そして豆類です。
 通説では、この時代に既に狩猟採集生活に入っていたことになっていますが、200万年前の東部アフリカには草食動物がウジャウジャいましたから、なぜに“出アフリカ”して、草食動物が疎らにしかいない森林地帯に入り込んでいったのか説明が付きません。
 また、魚介類を主食にしていたという説もありますが、そうであれば、“出アフリカ”したら海縁に踏みとどまるはずです。なお、魚の骨や貝殻がまとまって出土しだしたのは、十数万年前からで、魚介類は比較的新しい食文化と考えられます。
 こうしたことから、当時は、芋を探し回っていたと考えるしかないのです。現在の狩猟採集民も、芋が自生していれば、先ず芋を採集し、それを主食としていますからね。
 その後、100万年前、数十万年前にも、第2弾、第3弾の“出アフリカ”がありましたが、これも第1弾と同様と考えて良いです。
 最後の“出アフリカ”そしてアフリカ全域への散開が、十数万年前から、現生人類(ホモサピエンス)に、五月雨的に起きました。これも同様でしょうが、違うのは、このときには既に火の利用を習得していて、動物狩りを覚え、どれだけか動物食を始めていたことです。
 でも、主食は芋であったことは疑いようがないです。まだまだ東部アフリカには草食動物がウジャウジャいましたから、動物食中心に移行していたら、“出アフリカ”する必要はどこにもないですからね。
 よって、この当時の食性は、芋が主食で、副食に野草と果物と豆類、そして月に1回程度は満月の晩にでも祭事にかこつけて動物食をしていたものと、小生には思われます。
 これは、現在のアフリカの狩猟採集民に近い食性です。もっとも、彼らは毎日のように動物食をしますが、そのウエイトは思ったほど高くなく、3割程度のものです。
 現在のヒトの主食になっている穀類を食べるようになった歴史は浅く、高々1万数千年前からです。これは人口が段々と増加してきて、食糧採集に時間がかかるようになり、面倒な調理をしてでも穀類を食べざるを得なくなったからです。
 そして、1万年近く前から、効率よく穀類を収穫するために、穀物栽培を始めます。ここに、主食が穀類となったのです。麦の栽培は中東から始まり、米の栽培は中国の長江下流域から始まりました。
 
穀類に頼らなくても、まだまだ芋が十分手に入る東南アジアやインドは米の栽培が遅れましたし、芋も穀類も栽培が適さない地域では、中東で麦の栽培とほぼ同じ頃に始まった牧畜が主体となり、動物食のウエイトを高めていきます。
 なお、日本列島では、縄文人の食文化に見られるように、代替食は木の実です。
 ここから先は、地域地域の環境の違いによって食性が多様化していき、そして文明の発生とともに食文化の融合が始まり、どんどん幅広い食性へと移っていきます。

 繰り返しますが、ヒトの本来の食性は、芋が主食で、副食に野菜と果物と豆類です。
 消化器官も、それに適応するように出来ていますし、消化酵素も、それに合ったものとなっているのです。芋という炭水化物をエネルギー源とし、必須脂肪酸(脂肪)と必須アミノ酸(タンパク質)は、少々の豆類から十分過ぎるほど得られ、ビタミン、ミネラルは野菜と果物そして豆類で充足されるというものです。
 忘れてならないのが多量に摂取する食物繊維です。これによって、腸内環境が改善され、便通が良くなるだけでなく、免疫力を高めてくれますし、腸内善玉菌の働きによって、食物繊維が有機酸やビタミンに変換され、これがヒトの栄養にもなるのです。

 現代人は、この食性から大きく外れています。何といっても、肉の多食と脂肪の摂り過ぎです。そして、あえて申しますが、穀類も摂り過ぎです。
 胃にとっては、多量のタンパク質と脂肪は、想定外のことですから、胃は疲れ果て病むのは当然です。肝臓や膵臓そして小腸は、タンパク質と脂肪の消化酵素を必死になって出すものの、未消化のタンパク質と脂肪がどうしても大腸に入り込み、腸内環境を随分と悪くしています。腸が荒れ、ポリープが出来るのは当然のことになります。
 肝臓は、別のことで、また疲れます。解毒作用の主体は肝臓が担っていますから、タンパク質の代謝産物を大量に処理せねばならないからです。
 腹八分で止まっていれば、何とか持ちこたえてくれるでしょうが、飽食すれば、内臓諸器官がギブアップするのは当然でしょう。ヒトの膵臓はデンプン消化酵素を出す力が抜群と言えども、膵臓は脂肪やタンパク質の分解酵素も必死になって出し続けているのですから、疲れ果て
てしまうのは必然的で、インスリンをたっぷり出すことまでは手が回らず、高血糖になってしまうのも、うなずけますよね。

 さて、ヒトが健康を維持するためには、ヒト本来の食性に戻さねばならないのですが、いきなりそうすると、必ず健康を害します。一番の問題はタンパク質欠乏に陥ることです。
 ヒトの体はタンパク質で出来ていると言っても過言ではありません。
 新陳代謝して新たな細胞を作るとき、多量のアミノ酸が必要になります。各種アミノ酸を繋ぎ合わせて必要なタンパク質を作るのですからね。
 このアミノ酸は、本来はリサイクルされて使われるべきものですが、恒常的にタンパク質を多量に採っていると、摂取するタンパク質から多量にアミノ酸が作られますから、それを使うのが手っ取り早くなり、アミノ酸のリサイクル機能が錆び付いて働きが悪くなっていると考えられます。
 加えて、アミノ酸は、毎日のように動物食をすることによって、本来の利用目的から離れてエネルギー源となってしまいましたから、エネルギー回路に回して早々に消費するものとして、全身の細胞が機能してしまっていることでしょう。
 よって、ある日突然、タンパク質の摂取量がガクンと落ちると、新陳代謝に使うアミノ酸が決定的に不足してしまいます。また、ホルモンの多くもアミノ酸が必要ですから、これも出来なくなります。こうして、タンパク質欠乏症に陥り、大変なことになるのです。
 
アミノ酸のリサイクル機能が正常化するまでに、どれだけの日数が必要なのかは分かりませんが、順次減らして様子を見ながら進めるしかないでしょうね。

 なお、タンパク質の毎日の摂取必要量は、日本では、体重1kg当たり0.8~1gが基準とされ、厚生省の2010年版「日本人の食事摂取基準」では、推奨量として、成人男子60g、女子50gとされています。でも、WHO(世界保健機関)では、体重1kg当たり0.6gで足りるとしています。
 ちなみに日本人が1日当たりどれだけのタンパク質を摂っているかと言いますと、2010年国民健康・栄養調査では、成人男子76g、女子63gとなっています。
 これでは、あまりにも摂り過ぎです。私が思うには、低タンパク食に慣れてくれば、意識して摂る必要は全くないのが、タンパク質です。
 こうしたこともあって、米国では、肉食を大幅に減らすことによって、生活習慣病を改善し、また、予防できるからと、政府がPRに躍起です。ところが、日本国政府は、畜産振興がために、こんなことは絶対に言いません。農林水産省の力が強く、厚生労働省を黙らせているといったところでしょうか。
 何度も申しますが、
ヒトの本来の食性は、約100万年前には完成したと思われる、芋が主食で、副食に野菜と果物と豆類なのですからね。これを守らねば健康を害するのです。
 動物食をしてはイカンゾウです。胃・肝臓(いかんぞう)が、そのうちに反乱を起こして、命に関わる事態が発生するかも。生活習慣病が、その前兆ですよね。

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高尿酸血症、痛風は野菜食を。美食(高たんぱく質)のたたりですから。

2011年09月05日 | 生活習慣病一般

高尿酸血症、痛風は野菜食を。美食(高たんぱく質)のたたりですから。

 高尿酸血症、これが高ずれば「痛風」を発症します。
 圧倒的に男性に多く、30代、40代の男性の3割、成人男子の25%が、高尿酸血症と
言われています。
 この状態が恒常化すると、腎臓病に罹りやすくなります。
 
尿酸にナトリウムイオンがくっ付いて尿酸ナトリウムの結晶ができ、これが腎臓内に沈着し、間質性腎炎になり、ろ過機能が低下し、腎不全へと進む恐れがあります。
 また、尿酸ナトリウムの結晶が腎臓から尿路に落ち込んで成長し、尿路結石を起こしやすくなります。尿路が詰まれば、激痛が起きます。
 そして、皆さんご存知のとおり、痛風の発症です。
 指先は、一般に低温になっていますから、血液中の尿酸ナトリウムが結晶化しやすく、関節内にたまりやすいからです。これは、個人差があって、「無症候性高尿酸血症」の場合は、尿酸値が非常に高くても、痛風を発症しません。これは、血液が酸性に傾き、尿酸ナトリウムの結晶ができにくいからですが、酸性の血液は、痛風にならなくても、あらゆる臓器を痛めつけますから、かえって健康を害します。
 なお、痛風は、足の親指の関節に起きやすいのですが、これは、大きな力が加わることが多く、炎症を起こしやすいからです。

 ところで、高尿酸血症や痛風を起こす動物は、まずヒト以外には見当たりません。
 肉食動物や雑食動物は、動物性食品(たんぱく質)を大量に摂ることによって、体内で大量にできる尿酸をアラントインという有用物質に変換する「尿酸酸化酵素」を働かせ、尿酸値を低く抑えています。
 なお、アラントインは、皮膚や粘膜の傷を速やかに修復する薬になるもので、ヒトが髭剃り後に使う男性化粧品や痔の薬に配合されることが多いです。
 これは、獲物を捕まえたり、昆虫を食べるときに、皮膚や粘膜に傷ができやすいですから、まことに好都合です。
 ところが、
サルの仲間の霊長類で、専ら植食性となった者達は、動物性食品を摂ることをしなくなったがために、この「尿酸酸化酵素」を必要としなくなりました。よって、その遺伝子に少しずつ傷が付いてきて、今では使い物にならない状態になっています。
 チンパンジーもそうなっています。そのチンパンジーは、今はときどき動物狩りを行っていますから、血液中の尿酸値が上がってきています。そうなると、痛風を発症する危険性があります。樹上を渡り歩く彼らにとっては、これは致命傷になります。
 どうすれば良いでしょうか。チンパンジーは賢い動物ですから、腹痛に効く薬草などを何種類か知っていますから、痛風に効く薬も発見したのです。
 それは、蟻(アリ)です。
 ですから、ヒトもチンパンジーと極めて近い種ですから、痛風となったら、蟻を食べれば良いのです。蟻の体液に薬効があり、現に、中医学(漢方)で使われています。
(追記:日本では、蟻の漢方薬は生産されておらず、中国からの輸入となりますが、中小製薬会社しか取り扱いがないようで、今では入手が困難なようです。)

 ところが、近代医学では、この生物学的知見(これを知っている医学者は少ないですが)を無視して、尿酸には「抗酸化力」があり、体内で有効に働いているなどと言います。
 たしかに、尿酸を化学実験すれば、そうした効果が出るに決まっています。しかし、体内で作られる抗酸化物質は、尿酸より桁違いに優れたSODなどが働いており、尿酸の効果は誤差範囲のものとなります。
 また、高尿酸血症の原因物質は「プリン体」であるから、これを多く含む食べ物は控えなさいと言われます。もっとも、最近では、体内で作られるプリン体は、その4倍にもなるから、
さほど気にしなくて良いなどど言われ出しましたが。

 こうした、間違った医学に従っていると、治るものも治りません。
 高尿酸血症を防ぐには、我々ヒトも、専ら植食性となった霊長類の子孫ですから、極力動物性食品を控えることです。そして、過食しないことです。
 これは、高尿酸血症が、特に、30代、40代の男性に多いことを裏付けています。脂っこいものを酒の肴にして腹いっぱい美食するという「ごっつぉう病」が、そうさせるのですからね。
 「精進料理」にして、腹八分が基本となります。
 これは、あらゆる生活習慣病に共通の食事基準です。

 さて、痛風の発作に悩まされておられる方となると、これだけでは、なかなか対処できません。お医者さんから生活指導されていますように、果糖の摂り過ぎに注意したり、水分の十分な補給が必要です。
 そして、痛風はアレルギーの1種ですから、アレルギー改善が根本的な治療法となります。なぜ、アレルギーかと言いますと、どってことない尿酸ナトリウムという単なる異物を、白血球がこれを病原菌と勘違いして総攻撃を加え、それがために炎症が生じるのが痛風だからです。
 一旦アレルギー症状を起こすと、それは花粉症と同様に、改善するのはなかなか難しいです。第1に必要となるのは、低体温症からの脱却です。体の芯が温まれば、免疫系統が正常化し、白血球は単なる異物には攻撃しなくなるからです。
 詳細は、左サイドバーの「冷え、アレルギー」の記事をご覧ください。

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